企業兼大株主酉島製作所東証プライム:6363】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは1919年の創業以来、「金銭の赤字は出しても信用の赤字は出すな」の社是のもと、人の暮らしと産業の発展に欠かせないポンプの提供を通して、広く社会に貢献しながら成長を遂げてきました。

 2021年5月には、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社グループがめざす「社会に欠かせない企業」になるための「2050長期ビジョンと2024中期経営計画-Beyond 110-」を発表。HOP、STEP、JUMPと3期間に分けて様々な取組を実践し、社会貢献と事業の成長の両立を追求していきます。

(2)トリシマの存在意義(パーパス)

 世界は現在、コロナ禍がもたらしたパラダイムシフトを経て、これまでにないスピードでの変革が求められています。コロナ禍以前から課題となっていたCO2の増加による地球温暖化や異常気象の頻発、水・食料不足、エネルギーの転換などをはじめ、コロナ禍で加速したデジタル化やサステナビリティの推進など、企業を取り巻く環境は刻々と変わっています。

 これらの課題に対して当社グループは何ができるのか、何のために存在しているのかを改めて「トリシマのパーパス」として再定義しました。

    「ポンプの力で、暮らしと命と未来をつなぎ、サステナブルな社会を実現する」

(3)トリシマのマテリアリティ(重要課題)

 上記に掲げたパーパスを実現するために、当社グループは、重点的に取組む課題として以下6つのマテリアリティを定めております。それは、昨今、グローバルレベルで深刻化する喫緊の諸問題に対し、トリシマの製品とサービスで最善の解決策を提供していくための3つの「価値創造の重要課題」と、これらを遂行していくために必要不可欠である3つの「基盤となる重要課題」であります。当社グループは、この両輪を回しながら社会に高い付加価値を提供し、トリシマの企業価値を高めていきます。

 価値創造の重要課題の内容は、以下のとおりです。

1.脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組

 ポンプは社会に欠かせない機器であるだけに、稼働台数が多く稼働時間も長く、莫大なエネルギーを消費するのも事実です。当社グループはこれを機会と捉え、ポンプの高効率化を徹底的に追求することで、消費電力及びCO2排出量を削減していきます。

 また、従来の化石燃料からクリーンエネルギーへの転換が叫ばれていますが、新しい燃料となり得るアンモニアや水素などを大量に運搬するためには、大型の遠心ポンプが欠かせません。当社グループは長年の経験で培った技術を活かし、液化アンモニアや液化水素を扱うポンプの開発にも積極的に取り組んでおり、2024年3月に超電導モータを搭載した大流量液化水素ポンプの運転試験に世界で初めて成功するなど、商用化に向けて順調に進んでおります。

2.安全・安心な社会の構築

 大型・高圧ポンプの提供を通して、人の暮らしに欠かせない「水と電気」のインフラを安定的に支えています。また、慢性的な水不足や食糧危機に苦しむ国や地域へは、海水淡水化プラント向けポンプやかんがい向けポンプを提供することで、水と食料の安定供給に貢献しています。

 加えて、近年頻発するゲリラ豪雨に対しては、独自技術を施した気候変動対策向けポンプで減災、防災に貢献し、人々の安全・安心を守ります。

3.データ・AIの活用による新しいモノづくりとサービスの構築

 日本をはじめとする先進国は少子高齢化に突入し、人手不足や技術継承などの問題が深刻になっています。当社グループはこの課題を解決すべく、小型センサ一つで機械の状態を遠隔監視できる回転機械モニタリングシステム「TR-COM」を開発。データに基づいたスマートメンテナンスを実現することで、作業現場の保守管理を大幅に効率化します。

 これらの取組を確実に進めていくための「基盤となる重要課題」は、「4.社員活力の最大化」、「5.ガバナンスの向上」及び「6.トリシマの品質の継続的向上」です。

 当社グループでは、「人財が一番の財産」という認識のもと、多様な人財一人ひとりが最大限の力を発揮できる環境づくりを進めると同時に、コーポレート・ガバナンスの強化、改善を徹底し、継続的に企業価値を高めていきます。詳細については、第2「事業の状況」の2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(2)重要なサステナビリティ項目において記載しておりますので、ご参照ください。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益としております。

 現時点での2025年3月期の業績見通しは、以下のとおりであります。

  〔連結業績〕(為替レートは1ドル=150円、1ユーロ=165円を前提としております)

 売上高             86,000百万円

 営業利益             7,300百万円

 経常利益             6,300百万円

 親会社株主に帰属する当期純利益  5,300百万円

※業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社グループは、全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計額に占めるポンプ事業の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略しております。

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