要興業 【東証スタンダード:6566】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しております。2023年3月の取締役会において、取締役会直轄のサステナビリティ委員会を設置することを決議し、メンバーを指名しました。同委員会での3回の集中審議を経て上程された、サステナビリティ基本方針、マテリアリティ(重要課題)の選定及び取り組み方針等について、取締役会にて承認されました。
当社グループの基本方針は、次の通りです。
「『環境保全と循環型社会に貢献する企業であること』を経営理念とし、適正な廃棄物処理と資源リサイクルを 業とする当社グループでは、本業の健全なる発展こそが持続可能な社会の実現と持続的な企業価値の向上に繋がるものと考えています。
また、現在の社会・環境の下で求められるマテリアリティを適切に選定し、サステナビリティ委員会を中心と して全社的に積極的に取り組むとともに、全てのステークホルダー(従業員、お客さま、取引先、地域社会、株主、投資家他)との対話を通して、相互の信頼構築、共存共栄を図って参ります。」
サステナビリティ委員会では、基本方針に則り、4つのマテリアリティを選定いたしました。選定に当たって使用したフレームワーク・基準は、SASBスタンダードです。同基準の「インフラストラクチャー・廃棄物管理」で示された項目を、社会・ステークホルダーにとっての重要度と当社としての重要度で検討し、「リサイクルと資源回収」と「労働者の安全管理」を選定しました。さらに、現在の社会環境等を勘案し、独自に「廃棄物の適正処理」と「BCP」を選定しました。なお、「フリート燃料」に関しては重要な課題と認識しておりますが、現時点で当社グループが取り組むことができる内容に乏しいため、近い将来に重要課題とする目線で情報収集を継続していくこととしております。
(2)重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
①廃棄物の適正処理
②リサイクルと資源回収
③労働者の安全管理
④BCP
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
①廃棄物の適正処理
適正処理の確認
イ.ガバナンス
サステナビリティ委員会にて対策の実施状況の監視とリスク管理
取締役会にて監督
ロ.戦略
〔リスク〕
産業廃棄物の処理には排出事業者責任の原則があり、排出事業者は自社が排出した産業廃棄物が処理を委託した事業者により適正処理されているかを確認する法的義務を負っております。当社の顧客由来の産業廃棄物が最終処分に至るまでに不適正処理された場合、顧客が廃棄物処理法違反で罰せられるリスク、措置命令履行による経済的損失リスクがあります。当社においても処理取引先により、当社が扱う産業廃棄物が不適正処理された場合、当社が、廃棄物処理法の許可停止等になるリスク、措置命令履行による経済的損失リスク、信用低下に伴う顧客流出リスクがあります。
〔機会〕
当社は「環境保全と循環型社会に貢献する企業であること」という経営方針を掲げ、従前より以下のような取組を推進してまいりました。
・東京都で初の廃棄物再生利用者登録
・国及び東京都の優良産廃処理業者の認定取得
・小冊子の作成配布、セミナー開催等による顧客への廃棄物処理法の啓発
・家庭由来の不燃ごみの資源化事業
・マニフェスト(産業廃棄物管理票)管理の徹底、電子マニフェストの推進
・ISO14001の維持継続
それらの取組により顧客からの信頼を獲得し、顧客を増加させてきたため、今後も引き続きこの取組を強化、推進することが顧客を維持し、新規顧客を獲得する機会となります。
〔対策〕
当社が扱う全ての産業廃棄物処理フローの徹底した管理
・ 安全安心な廃棄物処理を顧客に提供するための処理フロー図の最新版管理
・ 当社が扱う全ての産業廃棄物の処理取引先の定期的な確認の実施
・ 産業廃棄物の新規処理先選定プロセスの確立
・ 取引先と協力しての廃プラスチック類の処理方法の改善
ハ.リスク管理
定期的なサステナビリティ委員会において四半期毎のPDCAを継続。
取締役会及び総合経営幹部会あて報告。
ニ.指標及び目標
指標:当社が扱う全ての産業廃棄物の処理取引先の定期的な確認の実施
目標:100%
②リサイクルと資源回収
イ.ガバナンス
行政管理部において管轄
取締役会にて監督
ロ.戦略
a 自治体向けのリサイクルサービス
〔リスク〕
不燃ごみの再資源化事業を停止した場合の埋立地の残余容量不足による東京23区全体の廃棄物処理の停滞リスク
〔機会〕
23区最後の埋立地である中央防波堤埋立処分場の延命策であるため、ビジネスチャンスの拡大
〔対策〕
施設の新設、作業工程の改善等による処理能力の拡大
b 事業者向けのリサイクルサービス
〔リスク〕
売却先が求める品質を満たせない場合の売却不可、廃棄物処理コストの増加、顧客流出等のリスク
〔機会〕
リサイクル技術の進展に伴うビジネスチャンス拡大
〔対策〕
施設の新設、作業工程の改善等による処理能力の拡大
c 電子機器廃棄物から取り出したマテリアルの量
〔リスク〕
電子機器廃棄物に残存していたリチウム電池が原因による火災等により、貴重な金属類がリサイクル先に搬出されないリスク
〔機会〕
安定した処理フローの維持に伴い信頼性向上によるビジネスチャンス拡大
〔対策〕
施設の新設、作業工程の改善等による処理能力の拡大
ハ.リスク管理
行政管理部管轄項目として、毎月の総合経営幹部会にて状況報告
ニ.指標及び目標
a 自治体向けのリサイクルサービス
指標:不燃ごみの再資源化率
目標:90%
※プラ新法の推進を含め、プラリサイクルのマテリアル・ケミカルに取り組む。
b 事業者向けのリサイクルサービス
指標:飲料容器類の再資源化率
目標:60%
※廃プラスチック類の混入比率減少に取り組む。
c 電子機器廃棄物から取り出したマテリアルの量
指標:電子機器廃棄物から取り出したのマテリアルの量
目標:昨年度の年間取扱量を上回る
③労働者の安全管理
イ.ガバナンス
主にリスクマネジメント委員会においてリスク管理
取締役会にて監督
ロ.戦略
a 労災
〔リスク〕
業務中の事故・ミスによる従業員の労災発生によるリスク
〔機会〕
リスクコントロールからの信頼性向上によるビジネスチャンス拡大
〔対策〕
乗務職・工場作業職他、職種毎のきめ細かな対策を実施
b 運転管理交通事故
〔リスク〕
交通事故、違反等による従業員の損傷及び損害賠償発生リスク並びに企業イメージダウンリスク
〔機会〕
リスクコントロールからの信頼性向上によるビジネスチャンス拡大
〔対策〕
「無事故日本一」を目指し、乗務職の管理・指導を継続
c 労働時間
〔リスク〕
時間外労働、休日勤務その他の労務問題等をコントロールできず労働問題、訴訟等が発生するリスク及び ブラック企業と見做されるレピュテーショナルリスク
〔機会〕
リスクコントロールからの信頼性向上によるビジネスチャンス拡大
〔対策〕
労働時間の日次管理徹底及び総務部による異常監視継続
d 健康管理
〔リスク〕
従業員が健康を害することでの事業継続・縮小に繋がるリスク
〔機会〕
リスクコントロールからの信頼性向上によるビジネスチャンス拡大
〔対策〕
各部署と総務部との連携によるきめ細かなフォロー実施
ハ.リスク管理
主にリスクマネジメント委員会においてリスク管理を行い、各主管部署にて四半期毎のPDCAを継続。
取締役会および総合経営幹部会あてに報告。
ニ.指標及び目標
a 労災
指標:労災発生件数
目標:職種毎に発生0件
b 運転管理交通事故
指標:交通事故発生件数
目標:発生0件
c 労働時間
指標:法定外労働時間
目標:36協定遵守
KPI:法定外労働時間
乗務職月間60時間
その他月間45時間
d 健康管理
指標:法定健康診断
2次診断受診率
目標:100%
指標:インフルエンザ予防接種接種率
目標:100%
④BCP
イ.ガバナンス
リスクマネジメント委員会にてリスク管理
取締役会にて監督
ロ.戦略
〔リスク〕
震災やパンデミック発生による緊急事態に遭遇した際に事業が継続不能となるリスク、もしくは被害が甚大となるリスク
〔機会〕
緊急時のリーディングカンパニー化や他社に先駆けた復旧によるビジネスチャンス獲得
〔対策〕
BCPの周知と緊急時の柔軟な対応
パンデミック(コロナ禍)に際しては、代表取締役会長をヘッドとするPTによる各種対策を実施
ハ.リスク管理
「事業継続リスク」としてリスクマネジメント委員会にてリスク管理。主管部署にて四半期毎のPDCA継続。
取締役会および総合経営幹部会あて報告。
ニ.指標及び目標
a パンデミック
指標:事業休止期間
目標:発生なし
b 地震
指標:目標復旧時間
目標:被災状況を勘案して決定(仮:交通網の復旧初期となる7日間で被災ごみ収集開始)
c 水害
指標:目標復旧時間
目標:3日間
(3)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
①人材育成の方針
イ.戦略
社員を大切にすることを経営方針の1つとして掲げ、また、典型的な労働集約型ビジネスモデルである当社グループにおいて、人的資本への投資・人材育成については、重要な経営課題として位置付けております。
a 人材代替性
各部署において主要なポストの代替人員を育成し、事業の安定的な成長に資する組織を構築することを狙いとして、リスクマネジメント委員会にてPDCAを実践しております。
b 乗務職の継続育成
当社グループの事業の根幹を支える乗務職は、高いパフォーマンスを発揮することで他社との差別化を図り、競争力の源泉となっております。入社後のOJTにおいて、「要ルール」の遵守を徹底し、安全運転やコンプライアンスに適う収集業務を習得しております。定期的なミーティングと日々の業務の監督(車載カメラや計測機器による)を通して、高い水準を維持しております。
c 多様性の確保
当社グループでは、中核人材の登用について、能力や適性を総合的に判断して実施しております。中核人材の登用等における多様性確保は、企業価値向上につながる経営課題と認識しており、女性が管理職として活躍できる雇用環境の整備を行うための「行動計画」を策定し、公表しております。
ロ.指標及び目標
a 人材代替性
代替人員100%確保
b 乗務職の継続育成
「要ルール」違反0
c 多様性の確保
2024年6月末までに
・係長級の役職者に占める女性を倍増
(10名以上)
・管理職に占める女性を倍増(4名以上)
②社内環境整備
「(2)重要なサステナビリティ項目③労働者の安全管理」に記載のとおりであります。
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