企業兼大株主西部ガスホールディングス東証プライム:9536】「電気・ガス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 当社グループは、2021年11月に策定した「西部ガスグループビジョン2030」において、“2030年のありたい姿”として、「つながりをチカラに未来を変える価値の創造に挑み、持続可能で豊かな社会の実現をリードする」を掲げた。また、当社グループは、「西部ガスグループビジョン2030」で掲げた「サステナビリティ経営の推進」に際して、社会の持続可能性の実現と企業の長期にわたる価値創造に向けて企業が最優先で取り組む課題を以下の通り、 マテリアリティとして特定した。

 マテリアリティ(重要課題)

戦略1:地域のカーボンニュートラルの実現

気候変動への対応

エネルギーへのアクセス

品質・安全性の向上と防災

戦略2:サステナブルな暮らしや地域社会を支える価値の共創

サステナブルなくらしの推進

地域のビジネスと経済の発展

資源循環の推進

持続可能な調達の推進

地域コミュニティへの参画

戦略3:未来志向で価値創造の基盤を強化

従業員エンゲージメントと能力開発

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

グループガバナンスとコンプライアンスの強化

リスクマネジメントの強化

 当社グループは、特定したマテリアリティへの取り組みにあたって以下のサステナビリティ基本方針を策定している。

<サステナビリティに関する基本方針>

 当社グループは、サステナビリティを巡る課題が、事業リスク減少のみならず機会にもつながる経営上の重要課題であるとの認識のもと、「地域貢献」・「責任」・「和」という経営理念及び「西部ガスグループ企業行動指針」に基づき、これらの課題に真摯に取り組む。

・あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションを大切に、真に価値ある企業市民として地域社会との共生を実現する。

・企業価値の向上を目指すとともに、社会的責任と使命を果たし、持続可能な社会の発展に率先して取り組む。

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティの取り組みを強化すべく、社長執行役員を委員長とし、当社及びグループ会社の関連部門長をメンバーとする「サステナビリティ委員会」を設置し、課題解決に向けた取り組みの協議、推進を行っている。

 ここで協議した内容は、定期的(原則年2回)に経営会議へ報告を行い、経営会議においては、自社のサステナビリティの機会に関連する戦略・事業計画やサステナビリティのリスクに関するリスクマネジメント方針等の見直し・指示等を行っている。

 取締役会は経営会議から当該内容の報告を受け、社外取締役による独立的・客観的立場からの意見も踏まえつつ、サステナビリティを巡る重要事項等について適宜・適切に検討し、監督を行える体制を整えている。

(2)リスク管理

①サステナビリティを巡るリスク及び機会の識別・評価・管理に係る過程

 ■リスク及び機会を識別・評価する過程

 社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会では、「環境・社会(人々)へのインパクト」と「当社グループの長期にわたる価値創造へのインパクト」の視点に基づき、サステナビリティを巡る関連部門及びグループ会社に係るリスクと機会を識別し、当社グループのリスク管理規程及び時間軸(短期・中期・長期)を考慮し、重要度の優先順位付け及び評価を行っている。

 ■リスク及び機会を管理する過程

 関連部門及びグループ会社は、識別・評価されたサステナビリティを巡るリスクと機会に関して指標及び目標を設定し、それらを行動計画に反映している。この行動計画の進捗状況を設定した指標に基づきモニタリングし、適宜目標を見直すこと等を通して、当該リスク及び機会を管理している。

 サステナビリティ委員会は、識別・評価されたサステナビリティを巡るリスクと機会について関連部門及びグループ会社からの取り組み状況や設定した目標に関する定期的(原則年2回)な進捗報告を基に審議し、その結果を経営会議へ報告する。

 経営会議の議長である社長執行役員は、サステナビリティ委員会からの報告を基に経営戦略及び財務計画等への反映を審議し決定する。その後決定された内容を取締役会に報告することで、取締役会による監督を受けている。

②西部ガスグループのリスクマネジメントへの統合

 サステナビリティを巡るリスク及び機会は、上記の通りサステナビリティ委員会において識別・評価される。その後、識別・評価されたリスクは、サステナビリティ委員会からグループガバナンス委員会へ報告され、他のリスクと同様に当社グループのリスク管理規程に基づきグループガバナンス委員会で審議(評価)され、重要なリスクと特定された場合は、当社グループのリスクマネジメントへ統合される。

※全社リスクマネジメントの詳細は、「内部統制に係る体制整備の基本方針」を参照。

 参照URL:https://hd.saibugas.co.jp/group/governance/

③サステナビリティを巡る課題に関するガバナンス・リスク管理体制図

(3)重要なサステナビリティ項目

 上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目については、(ⅰ)気候変動、(ⅱ)人的資本/多様性である。

 それぞれの項目に係る当社グループの戦略並びに指標及び目標については以下のとおりである。

(ⅰ)気候変動

《気候変動に関する戦略》

 当社グループでは、気候変動が当社にとってリスクであると同時に新たな機会につながる重要な経営課題であるという認識の下、以下の方針を策定し、気候変動への取り組みを実施している。

 気候変動への取り組みを積極的にまた能動的に行うことは、中長期的な当社の企業価値向上に繋がるものであると考え、ステークホルダーと適切に協働し、自社のみならず社会全体に利益をもたらすことを目指している。また、こうした取り組みを通して、SDGsやパリ協定で掲げられた目標達成への貢献を目指している。

 当社グループは、TCFDの枠組みに沿って、移行リスク・物理的リスク及び機会という観点から検討し、下記の通りそれぞれ特定した。リスクと機会を特定した後に、政府の脱炭素政策の進展という軸とエネルギー業界の産業構造の変化という軸の2つの軸から複数のシナリオを適用し、当社グループのレジリエンスを検証した上で、対応策を策定した。

 選択したシナリオに応じた対応策は次のとおりである。

《気候変動に関する指標及び目標》

 当社グループは、気候関連のリスクを軽減・適応するため、また気候関連の機会を最大化するため以下の目標を設定した。

「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」 移行期である2030年までの数値目標及び指標

 目標1:CO排出削減貢献量 150万トン

 指標:当社グループ及びお客さま先GHG排出量

 目標2:再エネ電源取扱量 20万kW

 指標:再エネ電源取扱量

 目標3:ガスのカーボンニュートラル化率 5%以上

 指標:供給するガス全体に占めるカーボンニュートラル化したガスの割合

 当社グループのTCFD提言に則した取り組み(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標)の詳細は、下記URLを参照。

 https://hd.saibugas.co.jp/sustainability/environment/tcfd/

 当社グループは、TCFD提言が気候変動問題に関する情報開示や、リスクへの適切な対応を行う重要な枠組みであると考え、2021年10月26日にTCFD提言に賛同した。TCFD提言に沿った気候変動対応に関する情報開示に努めている。

(ⅱ)人的資本/多様性

《人的資本/多様性に関する方針、戦略》

 当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりである。

1.人財の育成に関する方針(人財の多様性の確保を含む)

 ①人財育成方針

 当社グループは、すべての従業員が学びたいときに学び、挑戦し、活躍できる環境をつくり出すことで、一人ひとりの能力と可能性を最大限引き出し、未来を変える価値の創造に挑む「人財」を育成する。

 この方針に基づき、資格・役割に応じて「階層別」「役割別」「キャリア」「ダイバーシティ推進」等の研修を行い、役割意識の高い人財育成に努めている。

 ②ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針

■西部ガスグループダイバーシティ宣言

 当社グループは、従業員一人ひとりが属性だけでなく異なる価値観・経験・想いなどをもった価値ある存在として、自分の考えを自由に発し、互いに認め合い、切磋琢磨しながら未来を切り拓く挑戦を積み重ね、新たな価値を生み出すことを可能とする社内環境を整備する。また、その環境のもと自らの力を最大限発揮できる活気あふれる組織の実現を目指す。

■グループDE&I行動指針

○個の尊重

 一人ひとりを個人として尊重し、あらゆる差別を排除し、グループ全体の共通認識とするよう努める。

○差別排除

 国籍、人種、民族、年齢、性別、性的指向・性自認、障がい、学歴、宗教、個人的価値観などに基づくいかなる差別も行わない。

○理解と支援

 多様な従業員それぞれが抱えている問題への理解を深め、無意識な認識の偏りや無知を克服しつつ、必要な支援を行う。

○多様性確保

 グループのダイバーシティを高めるとともに、意思決定において多様な意見が反映されるように努める。

○共創共栄

 共に暮らす地域コミュニティの一員であるとの意識を持ち、すべての方々と尊重し合える関係づくりに努める。

2.社内環境整備に関する方針

 ①労働慣行方針

 当社グループは、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進し、その責務を果たすため、すべての人々の基本的人権を規定した国連の「国際人権章典」及び「多国籍企業行動指針(OECD)」、「多国籍企業及び社会政策に関する指導原則」「子どもの権利とビジネス原則」を支持し、それらを踏まえて実践に努める。

 また、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」で定められた以下の基本的権利に関する原則を支持する。

(a)結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認

(b)あらゆる形態の強制労働の禁止

(c)児童労働の実効的な廃止

(d)雇用及び職業における差別の排除

○人権の尊重

 人権を尊重し、児童労働・強制労働を禁止するほか、人種、民族、宗教、性別、年齢、出身、国籍、障がい、学歴、社会的地位、性的指向、性的自認による差別や嫌がらせを行わない。

○労働者の権利の尊重

 結社の自由と団体交渉に関する当社グループ従業員の基本的権利を尊重する。

○低賃金労働・長時間労働の防止

 当社グループ従業員の生活や健康を増進させるため、最低賃金を上回る適切な賃金を支払うとともに、過重労働を防止する。

○公正で公平な報酬

 同一労働・同一賃金を遵守した報酬体系を適用する。

 ②健康経営方針

 当社グループ従業員の心身の健康は、企業価値の向上・業績向上を実現するための基礎(土台)と捉え、「健康経営」を積極的に推進し、従業員の一層の健康増進を図る。

 ③労働安全衛生方針

 当社グループは、西部ガスグループ企業行動指針に基づき当社グループの従業員及び当社グループの事業に関わる全ての関係者の労働安全衛生を最優先し、安全かつ健康で働きやすい環境を確保する。

・労働安全衛生に関する諸法令を遵守することはもちろんのこと、「安全衛生規定」を制定し、安全・安心な労働環境を確立する。

・安全を最優先に考え、労働災害ゼロを目指し行動する。

《人的資本/多様性に関する指標及び目標)

 当社グループでは、上記「戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標及び目標を策定した。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりである。

1.人財の育成(人財の多様性の確保を含む)

 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)

指標

内容

実績

(2022年度)

目標

(2030年度)

女性管理職率

管理職に占める女性の割合

4.5%

15%

男性育休取得率

男性育休取得率/配偶者出産率

45.8%

100%

※対象会社:西部瓦斯㈱、西部ガスエネルギー㈱、西部ガス都市開発㈱、西部ガスリビング㈱、西部ガス情報システム㈱、西部ガス・カスタマーサービス㈱、西部ガステクノソリューション㈱、ひびきエル・エヌ・ジー㈱

※出向者は出向元の従業員として集計

2.社内環境整備

①労働慣行

指標

目標(毎年)

従業員意識調査

従業員エンゲージメントの維持・向上

②健康経営

指標

目標(2025年度)

適切な運動習慣を有する者の割合

30.0%

適切な食事習慣を有する者の割合

55.0%

適切な飲酒習慣を有する者の割合

88.0%

たばこを習慣的に吸っている者の割合

20.0%

適切な睡眠習慣を有する者の割合

70.0%

高ストレス者の割合

10.0%

定期健康診断受診率・ストレスチェック受験率

100%

※対象会社:西部ガスホールディングス㈱、西部瓦斯㈱、西部ガス熊本㈱、西部ガス長崎㈱、西部ガス佐世保㈱

③労働安全衛生

指標

目標(毎年)

災害度数率

ゼロ

※対象会社:西部ガスホールディングス㈱、西部瓦斯㈱、西部ガス熊本㈱、西部ガス長崎㈱、西部ガス佐世保㈱

 サステナビリティに関する詳細は、当社ウェブサイトを参照。

 URL:https://hd.saibugas.co.jp/sustainability/

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