西松建設 【東証プライム:1820】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する課題を検討・審議することを目的として、サステナビリティ委員会(取締役会の諮問機関として社内取締役、社外取締役及び外部有識者で構成)を設置しております。サステナビリティ委員会は、取締役会からの諮問に基づき、長期視点やマルチステークホルダーの視点に立ったマテリアリティや、マテリアリティに紐づく環境変化(リスク・機会)への対応方針等に関する事項を検討・審議し、取締役会に答申します。
取締役会は、サステナビリティ委員会の答申を踏まえ、サステナビリティ課題に関する対応方針等を決定します。また、「リスク管理責任部署-リスク・機会マネジメント委員会-社長・本部長会議-取締役会」というサステナビリティに関するリスク・機会の報告体制及び監督・指示体制を構築するとともに、サステナビリティに関するリスク・機会への取組みに係る報告を受けて、その具体的対応策、目標、進捗状況について監督します。
社長・本部長会議は、取締役会による監督のもと、最高執行レベルの意思決定機関として、サステナビリティに関するリスク・機会への取組みに関する具体的対応策及び目標を決定し、進捗状況を管理します。
リスク・機会マネジメント委員会は、「長期視点に立ったリスク・機会のマネジメント」及び「現事業活動におけるリスク・機会のマネジメント」を実施します。同委員会は、サステナビリティに関するリスク・機会の情報を集約し、組織横断的にリスク等を監視し、当社グループのリスク等を全社的リスク管理プロセス(ERM)に統合し、総合的に管理します。
以上のガバナンス体制により、当社グループのサステナビリティ課題に関する取り組みを推進しております。
②リスク管理
当社グループのサステナビリティに関するリスク・機会の管理を適正に行うため、社内規程を定め、損失の最小化と持続的成長を図ります。
リスク・機会マネジメント委員会は、リスク等情報の集約を行い、組織横断的にリスクを監視し、当社グループのリスクを総合的に管理します。同委員会は、個別リスクごとに責任部署を定め、当該リスクに関する「予防的リスク管理体制」と「発見的リスク管理体制」を構築します。
リスク管理の整備・運用上の有効性評価は同委員会が行い、問題がある場合には、各々の責任部署に対し是正勧告を行います。同委員会は、自ら定めた個別リスクの責任部署及び予防的リスク管理体制・発見的リスク管理体制並びに当該リスクの管理状況を社長・本部長会議及び取締役会に報告します。
社長・本部長会議はリスク・機会マネジメント委員会からの報告内容(重要リスク、具体的対応策及び目標)を審議・承認し、必要に応じリスク・機会マネジメント委員会に指示します。社長・本部長会議は承認した内容を取締役会に報告します。
取締役会は、「リスク管理責任部署-リスク・機会マネジメント委員会-社長・本部長会議-取締役会」というリスクに関する報告体制及び監督・指示体制を構築し、監査室はその運用状況を監視します。取締役会は社長・本部長会議からの報告内容を審議し、会社としての最終的な承認を行います。また必要に応じて社長・本部長会議に指示し、監督します。
(注)サステナビリティに関する考え方及び取組の詳細な情報については、2023年10月頃に当社ウェブサイト(https://www.nishimatsu.co.jp/esg/report/)において公表予定の「統合報告書2023」をご参照ください。
(2) 気候変動への対応
当社グループの気候変動への対応に係る考え方及び取組は、以下のとおりであります。
①ガバナンス
(気候関連課題に関する取締役会の監督)
当社は、気候関連リスクを回避・低減・移転し、また気候関連機会を実現するための戦略を重要な経営課題と位置づけ、企業として適切に対応することで持続的な成長につながると考えています。そのため取締役会は、気候関連課題に関する社長・本部長会議からの報告内容を審議し、気候関連リスク及び機会に係る具体的対応策、目標管理について監督します。
(気候関連課題に関する社長・本部長会議による意思決定)
社長・本部長会議は、気候関連課題に関しリスク・機会マネジメント委員会からの報告を受け、気候関連リスク及び機会に係る具体的対応策、目標管理について最高執行レベルの責任として意思決定(確認、承認)を行い、年2回の頻度で取締役会に報告します。
(気候関連リスク及び機会の特定、評価、管理プロセス)
本社各部門は、各部門における気候関連リスク及び機会を特定し“発生可能性”、“量的影響度”、“質的影響度”の3つの尺度で評価するとともに、“リスク対応策”及び“機会実現策”の策定、実施を行い、環境委員会に報告します。環境委員会は本社各部門における気候関連課題を再評価、対応策の確認を行いリスク・機会マネジメント委員会に報告します。全社リスク管理(ERM)を行うリスク・機会マネジメント委員会において気候関連リスクと機会はERMに統合され、社長・本部長会議に報告されます。
②リスク管理
気候変動への対応に係るリスク管理については、上記「①ガバナンス」に記載のとおりです。
③戦略
(戦略/シナリオ分析の前提条件)
(採用シナリオ及び分析対象、時間軸)
当社は、脱炭素社会への移行に伴い不確実性の高い将来を見据え、どのようなビジネス上の課題が顕在し得るかについて、産業革命以前と比較した気温上昇1.5℃と4℃のそれぞれの世界観においてTCFDが提言するシナリオ分析を行いました。シナリオ分析は、当社の主軸の事業である建設事業のほか、アセットバリューアッド事業、地域環境ソリューション事業を対象としており、これには協力会社や材料調達を含めたサプライチェーン全体を考慮しています。
また、気候関連リスクは長期間にわたり影響を与える可能性があるため、中期経営計画の年限にあたる2025年度までを「短期」、2026年度~2030年度までの期間を「中期」、2031年度以降を「長期」と設定しました。
(戦略/気候関連リスク及び機会)
(戦略/1.5℃シナリオに基づく事業インパクト評価)
<ウォーターフォールグラフを用いたインパクト評価>
2021年度の営業利益をインパクト評価の基点とし、2030年度及び2050年度時点における気候関連リスク及び機会の要素による影響額の増減を表しています。
(戦略/4℃シナリオに基づく事業インパクト評価)
<ウォーターフォールグラフを用いたインパクト評価>
2021年度の営業利益をインパクト評価の基点とし、2030年度及び2050年度時点における気候関連リスク及び機会の要素による影響額の増減を表しています
(戦略/事業インパクトへの対応)
当社は、気候関連の事業インパクトへの対応策を定め、西松-Vision2030、中期経営計画2025にも掲げています。(https://ssl4.eir-parts.net/doc/1820/ir_material_for_fiscal_ym3/131751/00.pdf)
(戦略/シナリオ分析結果)
④指標及び目標
(指標と目標/ZERO30ロードマップ2023)
当社は、2019年6月に「エコ・ファーストの約束」を更新した際にも、「脱炭素」を重要な経営課題として捉えており、これまで2030年を年限としたCO2排出量削減の具体的な活動の道筋であるロードマップを定め、2021年より活動を推進してきましたが、この度これを刷新し『ZERO30ロードマップ2023』を策定しました。このロードマップは、当社のあらゆる事業活動から排出されるCO2を対象とし、スコープ3の目標を新たに加えたものです。CO2排出量削減のレベルについては、スコープ1+2、及びスコープ3も、実質的な国際基準であるSBT1.5℃認定を視野に入れたより野心的なものとしています。
また当社はCO2排出量削減に加え、脱炭素社会の形成に貢献すべく再生可能エネルギー事業による発電(創エネ)を順次行っております。当社のスコープ1+2の残余排出量を上回るグリーンエネルギーを社会に提供する計画となっており、2030年までの早い時期に『残余排出量―創エネによる削減効果』がZEROになることを目指しています。
(指標と目標/ZERO30 CO2削減計画)
(指標と目標/ZERO30(スコープ1+2、スコープ3)とSBTの比較)
(指標と目標/施策と実績)
(指標と目標/CO2排出量の推移)
(2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素移行計画)
当社は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素移行計画を策定しております。同計画ではシナリオ分析結果に加え、TCFD、CDPなど国際イニシアティブが企業に求める移行計画の要素も取り入れており、今後はロードマップの達成を見据え、移行計画の精緻化と実行に全社で取り組んでまいります。
(注)気候変動への対応に関する詳細な情報については、当社ウェブサイトの気候関連情報をご参照ください。
(https://www.nishimatsu.co.jp/esg/environment/climate.html)
(3) 人的資本
人的資本に係る考え方及び取組は、以下のとおりであります。なお、以下に記載する事項は当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
①ガバナンス
人的資本に係るガバナンスについては、「(1)サステナビリティ全般に関する開示 ①ガバナンス」に記載のとおりです。
②リスク管理
人的資本に係るリスク管理については、「(1)サステナビリティ全般に関する開示 ②リスク管理」に記載のとおりです。
③戦略
当社はこれまで、事業活動を支える人的資本に関しては、中長期的なガバナンス確保の観点から、長期ビジョン(西松-Vision2027)及び中期経営計画(中期経営計画2023)に則り、人財戦略を進めてまいりました。機会創出の面では、新しい価値を創出するための「人財の質と量の確保」、「個々の能力に合わせた人財の最適配置」、「有機的連携実現のための意識と仕組みづくり」、「ダイバーシティ&インクルージョン」に注力してきました。また、リスク管理面では、社員の満足度向上と健康で安心して働ける環境づくりの観点から、「社員の健康維持増進」、「長時間労働の削減」、「社員の離職防止」を重点項目として取り組んできました。
今後は、新たな機会創出のために、「社会基盤整備」から「社会機能の再構築」へと価値共創活動を拡大させるべく、西松-Vision2030、中期経営計画2025における変革プログラムである、「人財の意識行動変革」、「組織能力強化」、「新しいことに挑戦できる成長資源創出」の3つの枠組みに基づき、人財育成の方向性を定め、具体的な取り組みを進めていきます。また、リスク管理のための環境整備として、「社員の健康維持増進」、「長時間労働の削減」、「社員の離職防止」に継続的に取り組むとともに、フレックスタイム制などの柔軟な働き方を可能にする制度の利用促進を図ります。
人的資本の戦略に関する詳細な情報については、当社ウェブサイトの「西松-Vision2030・中期経営計画2025」26ページをご参照ください。(https://www.nishimatsu.co.jp/ir/library/plan.html)
<人財育成方針>
(人財の意識行動変革)
当社は、高い技術力の養成に加え、広い視野をもって社会の変化に的確に対応できる人財を育成することを目指して、2019年度に「西松社会人大学」を開校しました。今後は、変革志向、成長志向のマインドを養成すべく、西松社会人大学を中核的な教育基盤として位置づけ、社員の新分野への挑戦心や成長意識を養うための研修を開講してまいります。また、「カリキュラム選択制」といった、成長意欲のある社員が自律的に、より高みを目指し学べる仕組みを整備していきます。
(組織能力強化)
価値共創活動の拡大のためには、社内外において幅広い価値観や知識、経験をもつ人財が集まり、全ての人財が同じ目的に向かって協働する力を発揮することが必要です。そのために、必要な人財のポートフォリオの作成、「タレントマネジメントシステム」の導入による社員の能力やスキルの可視化をすることで、人財ギャップを明確にします。そして人財ギャップを解消していくために、多様性を重視した人財の採用、専門力、一般教養を含めた多様な能力獲得の機会整備や、マネジメント能力、リーダーシップ能力開発を目的とした研修カリキュラムの充実を図ります。さらに価値観や視点の違いを認め合い、活かしていく「好ましい組織風土の醸成」に取り組み、組織に対するエンゲージメント状態を見える化し定期的にモニタリングを行っていきます。
(新しいことに挑戦できる成長資源創出)
新しいことに挑戦していくためには、「意識行動変革」、「組織能力強化」だけではなく、「成長資源(人財と時間、心の余裕)」を作っていくことが必要です。そのため、技術変革による「スマート現場」や「DXによる業務効率化」といったハード面の取り組みによる従来業務に要する労働時間の削減、対話を通じた、心理的安全性の確保や日常的なチャレンジ精神の醸成、仕事に対するエンゲージメント向上等のソフト面への取り組みに注力していきます。
<社内環境整備方針>
当社は、多様な人財が能力を最大限発揮できるように、「フレックスタイム制の導入」や「仕事と育児を両立するための両立支援制度の拡充」、「総労働時間の削減」など、柔軟な働き方ができる環境づくりと、社員の健康管理や増進を図る取り組みを進めてきました。今後は、導入された各種制度の利用促進を図っていくとともに、デジタル活用による柔軟な働き方支援策の導入、社員の健康維持増進の取り組みを引き続き実施します。取り組みの成果については定期的にモニタリングを行い、それをフィードバックする形での社員一人ひとりが組織貢献意欲をもって働ける環境づくりを行っていきます。
④指標及び目標
(機会の創出)
指標 | 2022年度 目標 | 2022年度 実績 | 2023年度 目標 | 2024年度 目標 | 2025年度 目標 | |
<人財育成 意識行動変革> | ||||||
自律的に学ぶ仕組みの整備 | カリキュラム選択制の 整備、運用進捗率 | ― | ― | 50% 構想・設計 | 100% 運用開始 | 100% |
社員の挑戦心、成長意識醸成の仕組みづくり | 社員の挑戦心や成長意識醸成のための研修整備進捗率 | ― | ― | 50% 構想・設計 | 100% 運用開始 | 100% |
<人財育成 組織能力強化> | ||||||
多様性を重視した 人財の採用 | 女性採用率(総合職のみ) | 20%以上 | 18.5% | 20%以上 | 20%以上 | 20%以上 |
キャリア採用者数 | 20人以上 | 20人 | 20人以上 | 20人以上 | 20人以上 | |
マネジメント能力・ リーダーシップ能力の開発 | 次々世代経営層育成研修 | ― | ― | 50% 構想・設計 | 100% 運用開始 | 100% |
経営戦略実現に必要な人財の定義 | 人財ポートフォリオの 作成進捗率 | ― | ― | 100% | 100% | 100% |
社員能力の可視化 | タレントマネジメント システムの導入・運用進捗率 | ― | 30% システム 構築完了 | 100% 運用開始 | 100% | 100% |
<人財育成 成長資源創出> | ||||||
対話能力の向上 | 対話スキル研修実施率 (実施回数/計画回数) | ― | ― | 100% | 100% | 100% |
対話の実施 | 対話実施率 (実施回数/計画回数) | ― | ― | 100% | 100% | 100% |
(リスクの低減)
指標 | 2022年度 目標 | 2022年度 実績 | 2023年度 目標 | 2024年度 目標 | 2025年度 目標 | |
<社内環境整備> | ||||||
多様な人財が長く能力を 発揮できる環境づくり | 自己都合離職率 | 1.5% 未満 | 2.7% | 2.0% 未満 | 1.7% 未満 | 1.5% 未満 |
社員の健康維持増進 | 定期健康診断後の 精密検査受診率 | 60%以上 | 73.1% | 80%以上 | 80%以上 | 80%以上 |
柔軟な働き方ができる環境づくり | リモートワーク実施率 (実施者数/従業員数) | ― | 45.6% | 50% | 75% | 100% |
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