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企業概要

 当社の経営方針、経営環境および対処すべき課題などは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

(1)経営方針

 「道を表し示す灯になりたい」

 当社の歴史は、地図・案内サインにその源流があります。

 当社は広告を、ひと・地域・社会をつなぐコミュニケーション媒体ととらえ、地域社会に役立つ、生活を豊かに彩るための情報やメッセージを発信しております。ビジネスパートナーとしてはもちろん、駅や交通機関利用者、まちを訪れる人や生活者、あるいは世界各国から観光で訪れた人々に利便性をもたらす快適さや豊かさのご提供を追求しながら、半世紀以上に亘ってステークホルダーの皆様とともに歩んできました。今後も、色覚多様性に対応したバリアフリーマップや災害時の避難誘導マップなどの制作実績やデジタルサイネージ、Webサービスといったデジタル技術のノウハウを活かして、新たな価値の創造に取り組むとともにさらなるインフラ整備のお役に立ちたいと考えております。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では売上収益、営業利益を重要な指標と考え、目標管理しております。当社の主力事業であるナビタ事業とアド・プロモーション事業は、契約期間が複数月に亘ることから、社内での目標管理の徹底を図るため、財務会計ベースの月次計画と併せて管理会計ベースの目標設定も行い、全社、全部門への周知を行っています。毎月開催する基幹会議においても財務会計ベースの月次利益計画と併せて管理会計ベースの目標の単月、累計の利益計画の進捗度合いの報告、分析を行います。管理会計ベースの利益計画においては、売上内容をナビタの種類別、事業所別に分析することにより実態の把握をし易くしており、各事業所への指導にも使用しております。また、資本コストや株価を意識した経営のために、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置付けており、収益力の改善を通じ早期に8%を超える水準に回復させたいと考えています。

(3)経営環境及び対処すべき課題

 当社は、今後持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しており、株主やその他ステークホルダーに信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性および財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底しております。

 今後の経営環境は人流回復も顕著になり、国際情勢不安や物価高に起因した個人消費が弱含む懸念はあるものの、国内景気は緩やかな回復基調が継続すると予想しています。このような環境下で、当社が当面対処すべき課題は、収益力の回復と考えております。そのために、下記の具体的な事項に取り組んでまいります。

①ナビタ事業における収益の向上

 収益性の低い既存媒体を刷新する取り組みを進めます。筐体のリニューアルや移設により広告媒体価値を高めると共に、ロケーションオーナーへ媒体料の再交渉をするなどコスト削減も進めていきます。デジタルサイネージ導入による多言語化、動画による伝達情報量の拡大などサービスの高機能化と競争力の強化を図ります。新規媒体は市場調査のうえ優良媒体を獲得し、規模に見合った仕様とすることで高い収益性を確保します。

②Web商材やサービスの開発

 当社ではナビタと連動した「e-ナビタ」から、免税店検索サイト「TAXFREESHOPS.JP」、Web診療予約サイト「e-メディケア」、目的地までの道案内機能を持つ「ここからGO!」などのサービスを提供していますが、Web商材の開発を引き続き推進するとともに、他社とも連携し新たなサービスの創出や充実を目指してまいります。

③ナビタ事業におけるスポンサーへのアド・プロモーション商材の提案営業

 アド・プロモーション事業は、鉄道広告を中心に当社独自のネットワークや強みを生かして事業を進めています。今後は、ナビタ事業におけるスポンサーヘのアド・プロモーション商材の提案営業に注力していきます。ナショナルクライアント(全国的な知名度、ブランドを持つ企業)については複数のナビタ媒体へ一括して広告掲出を行うニーズなども想定されるため、従来の店舗単位の営業にとどまらず、本社向けの営業を強化します。

④デジタルサイネージや付帯サービス導入の提案

 ナビタ事業におけるロケーションオーナーである鉄道会社に対して、ナビタ事業で培ったデジタルサイネージによる広告媒体や情報案内システムの企画、設置、動画広告やコンテンツの制作や配信、機器の保守といったノウハウを活かしてデジタルサイネージや付帯するサービスの導入を提案していきます。同様にアド・プロモーション事業がもつブランディングやプロモーションのノウハウを融合し、ショッピングモールや広告クライアントに対して新しいツールやサービスとしての提案も行います。サイン事業のもつ大掛かりな案内サインの設計・施工のノウハウと融合し、交通案内システムや窓口番号案内システムなどの導入の提案も行ってまいります。

⑤避難・防災関連などのサイン商材の拡販

 昨今、地震や水害などの自然災害が頻発していることを踏まえ、地域の安心安全に資する避難・防災関連などのサイン商材の提案営業にも注力していきます。緊急時に音と光で注意を喚起する避難誘導サイン「NAVIアラート」を開発し、昨年より全国の自治体向けに営業活動を開始しております。

⑥人材の育成と活用

 今後、業績を維持・成長させていくためには人材の採用・育成は不可欠です。OJTによる教育のみならず、各自の業務処理能力に応じたスキルアップ研修やモバイル端末を利用したツールの共有なども行います。さらに、多様な人材を適材適所に配置し、各自が最大限に能力を発揮することができるように人事制度見直しなどの制度改革の取り組みも行います。

⑦業務の効率化とコストコントロール

 売上規模拡大や提供サービス増加に伴い管理部門の強化が必要となります。そのため、基幹システムの改修を進めています。システム強化による業務効率化を進めることで人員の適正化も図ります。コロナ禍の中、テレワークに対応できる管理体制の構築も進めました。テレワークについては適宜継続し、業務の効率化を高めます。また、外注費用や仕入費用、業務委託費用などについてはその調達先・委託先の多様化を図り、より有利なコスト構造を構築したいと考えています。

⑧プラットフォームを活かした新規ビジネス

 ナビタ事業におけるスポンサーや自治体・病院・鉄道会社などのロケーションオーナーとのネットワークを活かした新しいサービスの提供を行ってまいります。今般、ナビタの設置病院を中心に、医療材料の購入価格を引き下げることができる共同購買サービスの提供を開始します。2023年4月には西菱電機株式会社より番号案内表示システム販売事業を譲受しましたが、引き続きプラットフォーム内に蓄積された情報やノウハウをもとに他社との業務提携やM&Aを検討し、新規ビジネスの創出を図ります。

⑨サステナビリティへの取り組み

 当社の持続的な成長には、サステナビリティの観点から事業に取り組む事が非常に重要と考えております。地域貢献はもとより、省エネルギー・再生素材を活用した案内図の制作や、外国人にもわかりやすく色覚バリアフリーにも意識した地図作りを行うなどモビリティ社会へ貢献します。子育て支援や女性活躍推進、スポーツ支援を通じた健康促進、残業時間削減などの働き方改革に注力し人的資本の一層の活用が可能な環境作りも進めてまいります。

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