荒川化学工業 【東証プライム:4968】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、グローバルに事業展開を推進する荒川化学グループ全体で、共有すべきグループ経営理念である「個性を伸ばし 技術とサービスで みんなの夢を実現する」のもと、「つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNER」をビジョンとして掲げております。「つなぐを化学する」とは、当社の事業領域を表しており、当社の製品は材料の表面や隙間に存在し、機能を付与しています。私たちは、このような製品を通して、取引先はもとより、グループ社員、社会とのつながりを大切にする「SPECIALITY CHEMICAL PARTNER」を目指すことを基本方針としております。
この基本方針を具体的に実現するため、安全を最優先に、国内外の生産・販売拠点および関係会社の整備と拡充を図り、全社をあげて経営基盤の充実と企業体質の強化に取り組み、同時に法令遵守、環境保護、社会貢献などの社会的責任を果たし、グループの発展に努めてまいります。
なお、当社は、グループ経営理念とビジョンの実現に向け、当社が大切にしている価値観・行動指針を明確化した「ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA」を荒川化学グループ全社員で共有することで、根幹の部分は変わることのない経営を貫き、適切な判断と迅速な行動を積み重ねてまいります。
(2) 目標とする経営指標ならびに中長期的な会社の経営戦略
当社は、2021年4月より第5次中期5ヵ年経営実行計画「V-ACTION for sustainability」(2021~2025年度)を推進してまいりましたが、進捗状況および当社グループを取り巻く事業環境などを踏まえ、見直しをおこないました。第5次中計の基本方針「KIZUNA経営の推進とKIZUNA指標(※1)の達成」に変更はなく、当社が掲げた「ありたい姿」の実現に向け、グループの価値観・行動指針(ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA)に基づいた経営(=KIZUNA経営)のもと、2030年のビジョン(※2)と目指す未来像(※3)を設定し、既存事業の収益力の回復、事業ポートフォリオ改革の加速による収益性の向上など、SHIFTの継続による人と事業の新陳代謝を深化させ、事業基盤の持続性を確保いたします。また、持続可能な地球環境と社会を実現するための課題に取り組み、付加価値・新規事業の創出に挑戦いたします。そして、2年後に迎える創業150周年、さらにその先を見据え、歴史と伝統をしっかりと受け継ぎながらも、安全文化の醸成、および働きがいと生産性の向上により成長し続け、KIZUNA指標の達成を通じて「ありたい姿」を目指します。
このような状況下、最終年度にあたる2025年度の計数目標については、売上高は900億円に据え置きましたが、営業利益35億円、経常利益30億円、親会社株主に帰属する当期純利益21億円、営業利益率3.9%以上、EBITDA 87億円以上、ROE3.6%以上に下方修正し、施策の見直しを実施しました。
見直しのポイント ・基本方針は変更せず、最終2025年度の計数目標と施策の見直し ・拠点やプラントの統廃合を含む既存事業の新陳代謝の加速と収益力の回復 ・新規事業のステージアップ推進(みつける⇒そだてる⇒のばす) ・経営資源投入の機動性向上(安全文化の醸成、働きがいと生産性向上、人的資本投資等) ・資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応 |
詳細については、2024年5月14日発表の「第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021~2025年度)の見直しについて」をご参照ください。
・第5次中計の見直しについて https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/20240514midterm5.pdf
(※1) 5つのKIZUNAとリンクした優先的な重要課題から設定した指標
(※2) ロジンをはじめとする環境に配慮した素材を活かし、「つなぐ」技術の深化と新たな付加価値の創造に挑戦し続けることで、地球環境と社会の持続可能な未来に貢献する
(※3) 地球環境と社会の持続的な未来に貢献するエコシステムにしっかり入り込み、ライフサイエンス関連などの素材をも手掛け、REALとDIGITALを下支えするケミカル・パートナーへの変革を目指す
(3) 会社の経営環境と優先的に対処すべき課題
当社は、2021年4月より持続可能な成長の実現に向け、コーポレートガバナンス機能を強化するため、サスティナビリティ委員会を設置し、事業ポートフォリオ改革とTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などサスティナビリティ関連の情報開示に取り組んでおります。
第5次中期5ヵ年経営実行計画では、コア技術・素材の強化に努めるとともに、環境に配慮した持続可能な開発にも注力しております。さらに、経営環境の急速な変化に対応するため、事業評価機能を強化することによる事業ポートフォリオ改革を推し進めております。事業戦略部主導のもと、各ビジネスユニットの事業評価を実施し、事業ミッションのSHIFTによる選択と集中を迅速に決定することで経営資源の効率的な活用を図り、収益性の向上と新規事業の創出につなげてまいります。
また、2021年度には、日本の化学業界では初となるサステナビリティ・リンク・ボンド(社債)を発行し、当社グループのサスティナビリティ経営のリスクと機会の重要な指標として、CO2排出量の削減率とサスティナビリティ製品の連結売上高指数を設定しています。それぞれの進捗状況については第三者による検証を実施しました。引き続き、両目標達成に向けて、施策を進めてまいります。
2017年12月1日に発生しました富士工場での爆発・火災事故を風化させないため、2021年度からサスティナビリティ委員会の下部組織として安全文化醸成専門委員会を設置し、安全に対する体制を強化しました。コミュニケーション、人財育成、リスクアセスメントの3つの課題の解決に向けて富士工場に設置した荒川安全伝承館ならびに小名浜工場の保安道場にて、全社員対象に安全教育を実施し、加えて安全操業に係る高度専門人財である安全技術者の育成人数も増加しております。引き続き、工場の保安力向上に向けた取り組みも進めております。
詳細については、当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください。
・第5次中期5ヵ年経営実行計画 https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/strategy.html
・サスティナビリティ https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/
・KIZUNA指標 https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/sdgs.html#KIZUNAindex
・サステナビリティ・リンク・ボンド https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/slb.html
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