花王
【東証プライム:4452】「化学」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)会社の経営基本方針
当社グループは、「豊かな共生世界の実現」をパーパス(社会における存在意義)に掲げ、生活者・顧客の立場にたって、心をこめた“ESG視点でのよきモノづくり”を行い、世界中の人々のこころ豊かな未来と、人と地球が共に生きる持続可能な共生世界の実現に貢献することを目指しています。
私たちは、企業理念である「花王ウェイ」をグループ全員で共有し、考え方や行動の拠り所として日々実践し、清潔・美・健康の領域を中心に、時代の変化に対応しながら130年余り事業を展開してきました。
2009年には、人類だけでなく自然界にもよき存在であるようにと「環境宣言」を行い、自然と調和するこころ豊かな毎日を目指して、その歩みをさらに一歩進めました。2019年にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(以下、KLP)を発表し、ESGを経営の根幹に据えることを宣言しました。
しかし今、私たちが使命に掲げる「豊かな共生世界」を実現するための土台である人の生命に危機が及んでいます。そして今後もその脅威は、私たちの生活を根幹から脅かす存在であり続けることが予想されます。
このような中、私たちはこの切実な社会的課題に花王らしいアプローチで取り組んでいきます。生活や生態に加え、人の生命を守ることを強く意識し、未来のいのちを守る会社になっていきます。「きれいを こころに 未来に」をコーポレートスローガンに掲げ、地球が生きる場として持続的にきれいに保たれること、社会が持続的に豊かであること、そして人が危害から守られて笑顔で暮らせること、これらすべてを実現するために貢献していきます。
結果として、これらが財務的な成果、そしてステークホルダーへの還元へと繋がり、この仕組み自体が持続していきます。今後も花王グループは、より高いレベルでの企業価値向上を目指していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
① 長期経営戦略
当社グループは2030年までにあるべき姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献との両立によって、これまでの『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になるという将来像をさらに一歩進め、『グローバルで存在価値のある企業「Kao」』を目指します。ESGを通じて将来にわたって、人・社会・地球にとって価値のある存在になっていきます。
私たちは、環境(E)においては、ゼロ浪費、カーボンゼロ、さらにその先のカーボンネガティブを目指します。社会(S)においては、無駄な消費がなくなることを願い、その人に寄り添った唯一無二のパーソナライズを進めていきます。そして、ガバナンス(G)をしっかりと効かせながら、志を共にする仲間と共に正道を歩んでいきます。最小限の資源で最大の価値を生み出す、"Maximum with minimum"を経営の指針として、より良い明日をつくるために今後も我々は成長し続けます。
グローバルで存在価値のある企業「Kao」
■持続可能な社会に欠かせない企業
■高社会貢献&高収益グローバル企業
■ステークホルダーへの成長レベル還元
② 中期経営計画
■2024年度の進捗と今後の計画
2024年度は昨年着手した大規模な構造改革の効果が顕著に発現して利益が回復してきた中で、積極的なマーケティング投資を行い、コアブランドの競争優位性を高め、市場シェアと利益率向上の両立を実現することができました。その結果として、中期経営計画「K27」の目標としているROIC(投下資本利益率)、EVA(経済的付加価値)、営業利益、海外売上高において、2024年度は計画を上回る実績となりました。
成長ドライバー領域※に関しては、昨年にグローバル拡大の道筋をつくった「スキンプロテクション」のビジネ
スにおいて、日本・欧州・北米・南米・アジアでの伸長も寄与し、売上高は2021年度の233億円から2024年度は432億円に拡大しました。今後、2027年に740億円を目指し、さらなるグローバル成長を計画しています。化粧品事業は、注力6ブランドの拡大に向けてマーケティング費用を積極的に投入し、高付加価値製品のグローバル展開を強化しています。また、ケミカル事業は、売上の6割を占める海外市場において2021年度から2024年度にかけて
売上高CAGR(年平均成長率)11.6%で成長をしています。安定収益領域※に関しては、国内で圧倒的なシェアを有
しており、高い収益性とキャッシュ・フロー創出力で、成長ドライバー領域への投資原資を創出しています。強固なブランド力を活かし、他社に先行して実施してきた戦略的値上げを継続することで、ファブリックホームケ
ア事業を中心に収益性を向上させながら販売数量増を達成しています。事業変革領域※に関しては、ヘアケア事業
の変革が進展し、成長ドライバー事業領域への展開に向けて強化を進めています。4月に発売した「melt」においては、DX活用によって「よきモノづくり」を高速化し、開発期間を従来の4分の1に短縮することを実現しました。
花王グループ社員が一丸となって、中期経営計画「K27」は計画通りに推移しています。メリハリある人的資本投資により、社員活力を最大化するとともに、迅速に意思決定ができる人財を重要なタスクに集める「組織のスクラム型運営」によって、花王の「よきモノづくり」の質・スピードが着実に上がっています。さらに、タイのチャロン・ポカパン(CP)グループとの協業をはじめ、他社との共創による事業構築を進め、花王グループが有する技術資産の最大化を加速していきます。これらの戦略により、業績をさらに向上させ、長期的な価値創造を実現することを目指してまいります。
※安定収益:ファブリックケア、ホームケア、パーソナルヘルス/成長ドライバー:スキンケア、ケミカル、化粧品、業務用衛生製品/事業変革:ヘアケア、サニタリー
③ 目標とする経営指標
当社グループは、EVA(経済的付加価値)及びROIC(投下資本利益率)を経営の主指標としています。その本質は、株主等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出すことにあります。EVAを継続的に増加させていくことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致するものと考えています。そして事業規模の拡大を図りながら、EVAを増加させることを事業活動の目標としており、個別事業の評価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用しています。さらにROICにより事業ポートフォリオマネジメントを強化することで、EVA経営の深化を図っています。ROICは、各事業における資本コストに対する意識を高めるとともに、それぞれの特性や競争環境を踏まえた管理を可能にします。事業別に利益と併せて資本効率も重視することにより、成長事業への重点投資と健全なポートフォリオの改善を実施し、EVAの向上を目指します。
(3)会社の対処すべき課題
2024年は、ポストコロナの経済が本格的に稼働し始めたものの、地政学リスクのさらなる拡大に伴う国際社会の多軸化・分断化が依然として継続しました。国内でも、訪日外客数がコロナ禍前の水準を超える等、明るい兆しが見えてきていますが、消費者心理に影響を及ぼし得る円安や物価高騰には引き続き注視が必要で、先行き不透明な経済状況にあります。このような状況の中で、花王グループは、社会課題の解決に軸足を据えて、環境に負の影響を与える既存の大量生産・大量消費型のビジネスから脱却し、無駄なモノはつくらず、お客様に長く愛される魅力ある商品を生み出し続ける循環型モデルへ転換しなければなりません。
花王は、構造改革と成長戦略を軸に中期経営計画「K27」を2023年8月に発表しました。高付加価値化による価格改定の実施やTCR(トータル・コスト・リダクション)強化、ROIC(投下資本利益率)の全社導入を進め、大規模な
構造改革を断行し、さらなるグローバル化を進めてまいります。そして、「グローバル・シャープトップ※」事業を
擁立する企業を目指し、戦略的なポートフォリオマネジメントを行いながら、成長に向けた投資やM&A、そして、事業再編をスピード感をもって推進していきます。
※グローバル・シャープトップ:顧客の重大なニーズに、エッジの効いたソリューションで世界No.1の貢献をすること
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