企業兼大株主第一交通産業福証:9035】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 1960年の創業以来「人の生活を大切にする」という基本理念を念頭におき、常に「顧客第一主義」、「現場第一主義」に基づく経営を行っています。

① お客様の立場に立って、真心を持ってお客様に接しご満足を頂くことを第一とします。

② 「現場第一主義」の考え方を徹底し、労使相互間の信頼関係と協力関係を重視します。

③ 社会性を重視し、社会のお役に立つ事業を行います。

 以上の基本理念を着実に実行して、更なる生産性の向上を図り、地域No.1になることを目指しております。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、高収益体質の実現、自己資本の効率化を追求した経営を重視しており、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上の安定的な確保を目標としております。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、連結収益及び連結利益の増大を図り、更なる競争力・企業体質を強化するため以下の項目を重点的に推進してまいります。

① 地域密着のタクシー事業、バス事業並びに不動産事業をベースにして、他業種との業務提携等を進め、快適な生活環境を創造するLANS(ローカル・エリア・ネット・サービス)カンパニーの確立を目指してまいります。

② 今後のタクシー事業における事業拡大・エリア拡大については、必要に応じては需要の多い大都市圏・地方主要都市圏を中心にM&Aを実施するとともに、投資効率の向上を図るための事業所の統廃合や車両移動、既存事業所のスクラップアンドビルドにも取り組み、より地域に密着した営業戦略、小回りの利いたサービスの実施等、意思決定の迅速化と経営責任を明確にすることで、より強固な企業集団の構築を推進してまいります。

 また、タクシー車両の電動化・脱炭素化に向けた取組み「全国タクシーEV化プロジェクト」を通じて、EVのタクシー利用に関するノウハウを蓄積し、グループ内外(全国での加盟ネットワーク)への展開により、地方部の交通課題解決、タクシー業界全体の脱炭素化へ寄与してまいります。

③ 不動産分譲事業においては、顧客ニーズに対応した好立地で快適な住環境を提供することに努めるとともに、安価で低所得者層にも手が届く戸建住宅の供給を推進してまいります。

④ 不動産再生事業においては、不動産担保融資に特化した金融事業との情報共有により、高収益物件の入手を行ってまいります。

⑤ 不動産に特化した金融事業においては、不動産担保ローン等の担保付融資を中心に、与信基準の厳格運用により比較的低リスクな債権の比率を高め、収益力の向上を図ってまいります。

⑥ 国際事業部門では、以下の取組みを強化してまいります。

・ミャンマーにおいて、日系企業向けハイヤー業務、日本語学校の運営による日系企業向け人材の育成。

・インドにおいて、日系企業向けハイヤー業務、自動車整備事業、中古車販売、不動産投資。

⑦ IT技術を活用することにより、顧客情報管理システムの充実と経費削減を推進してまいります。

⑧ 当社は、当社グループ会社の資金を一元管理するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、「企業内銀行」として余剰資金の把握とグループ会社間の資金貸借による資金効率の向上を図り、有利子負債の圧縮に努めてまいります。

⑨ 当社と国内に所在する当社の100%子会社は、グループ通算制度を適用しております。

⑩ 環境問題を経営課題の一つとして捉え、事業活動において積極的に環境保全の施策及び活動を推進してまいります。

(4)経営環境及び対処すべき課題

 タクシー事業においては、感染症のまん延期に乗務員への休業手当の支給で雇用維持を図り、一定の稼働を確保しているものの、各種イベントの再開、インバウンドの増加などで移動需要が大幅に上昇しているため、全事業所で取得した「働きやすい職場認証制度」を積極的にPRし、各就労支援施設や求人媒体への発信の強化を図り、若年層や女性乗務員の採用強化を進めつつ、中堅乗務員の人材確保、流出防止も含め、需要に対応してまいります。子育て支援サービスのエリア拡大、おでかけ乗合タクシー、各種便利屋タクシー等の拡充に加え、日本版ライドシェア等へも速やかに対応してまいります。迅速な配車対策として当社専用配車アプリ「モタク」やインバウンド対策として提携した海外配車アプリの活用、QRコード決済・電子マネー対応、多言語通訳サービスの活用、No.1タクシーネットワーク提携会社の拡大と全国予約センターのPR等により固定顧客の確保に努めてまいります。沖縄でのMaaS事業や九州MaaSへの参画、リモート配車、遠隔点呼によるDXの推進により、地域の交通課題の解決と地域経済の活性化に寄与することを目指します。一方で、運行管理者等の若手管理職の育成、乗務員への事故防止教育と併せ、マナーアップ等の指導を推進してまいります。なお、脱炭素社会への取り組みとして、「全国タクシーEV化プロジェクト」によるEVタクシーを順次導入することで、実証運行を継続しております。

 バス事業においては、クレジットカード等のタッチ決済の導入により引続き乗客の利便性の向上を図るとともに、定期観光コースの見直し、バスガイドの情報発信による営業推進、重複路線の統廃合による効率化、省燃費運転の徹底による燃料費の削減、安全運転指導強化による事故件数の抑制、乗務員の確保に対応するため、養成乗務員の採用等を推進してまいります。なお、脱炭素社会への取り組みとして、沖縄県内初となるEV路線バス3台の運行を継続しており、公共交通の利便性の確保への取り組みとして、沖縄県内で自動運転バスの実証実験に参画します。

 不動産分譲事業においては、資材及び建設会社の働き方改革に伴う労務費の高騰、国の指標に基づく省エネルギーへの取り組みとしてマンション計画に「ZEH-M Oriented」を採用するなど建築費が上昇した結果、販売価格に影響し不安定な事業環境となっております。これらの状況を踏まえ、プロジェクト用地の仕入れについては、従来以上に厳格に行ってまいります。

 不動産賃貸事業においては、引き続き主要都市での高収益物件・中古物件の獲得、商業施設の開発、賃貸アパート・マンションの新築計画の推進、既存ビルの入居率向上、家賃滞納者への早期対応、既存ビルの老朽化に伴う中期大規模修繕の計画立案・実施、住宅物件のリノベーションの実施並びに分譲事業部門、タクシー・バス事業部門やパーキング部門等と連携強化に努め、空き土地・空き家等の多岐にわたる情報を収集し活用してまいります。

 不動産再生事業においては、不動産市場における流動性の変化に対応するため、中長期にわたり安定した情報収集を図るため、情報先とのリレーション強化及び裾野の拡大に努めております。また、安定した収入のため高収益物件の入手を図っておりますが、賃収による利回りのみならず資産価値等も検討の上、購入・売却による資産の入替も適時適切に対応してまいります。

 金融事業においては、不動産担保融資に特化しており、金融緩和政策が修正され金利上昇懸念がある中で、不動産市場、金融市場に与える影響を注視するとともに、世界経済や金融情勢の影響も受けやすく、一部で金利の上昇も見られるほか、不動産市場において地価や賃収物件の価格下落懸念等、今後の動向に注意する必要があります。このような環境の下、今後不動産市況の悪化により担保価値下落による貸倒リスクの抑制を重視し、与信基準の厳格運用を継続するとともに、良質な資産の積み上げを図ってまいります。また、金利上昇に関しては、資金管理を徹底し効率的な運用を図ってまいります。

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