企業兼大株主秋田銀行東証プライム:8343】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。

 当行グループでは、サステナビリティを「長期にわたる持続的な価値向上」と定義のうえ、「秋田銀行グループ サステナビリティ経営方針」にもとづき、地域および当行グループの持続的な成長に向けて取り組んでおります。

 「長期にわたる持続的な価値向上」を前進させていくうえで、特に優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)を、「地域課題の解決」、「環境課題への対応」および「経営の基礎的要素」の3つのカテゴリーから整理し、ステークホルダーや当行グループにとっての重要度や優先度を踏まえて、取締役会で協議のうえ設定しております。また、中期経営計画における取組みを通じて重要課題(マテリアリティ)への対応を具体的に進めており、2022年6月からは、地域課題および環境課題の解決に向けて、2022年度から2030年度までの累計投融資額目標として、サステナブルファイナンス5,000億円を掲げております。当事業年度においては621億円(うち、環境分野411億円)を実施しております。

 なお、重要課題(マテリアリティ)は次のプロセスを経て特定しております。

①SDGsの理念・主要原則等から地域特有の課題等、社会課題を特定

②当行グループのステークホルダーにとっての重要度を評価

③当行グループにとっての重要度・優先度を、経営理念、グループVISION等を活用して整理・再評価

④常務会での協議、社外取締役との協議(取締役会)を経て決定

 また、当行では、取締役会の監督のもと、頭取を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しており、あわせて、その下部組織として、サステナビリティにかかる具体的な取組みや施策等を全社横断的に推進する「サステナビリティ推進室」を設置し、サステナビリティ経営を推進するための体制を構築しております。

(1)地域課題の解決

 秋田県を中心とした地域を地盤とする当行において、地域の発展が当行の成長にとって重要な要素であると認識しております。そのため、地域課題の解決を経営の重要課題(マテリアリティ)と捉え、その具体的な取組みとして、中期経営計画において定める「地域価値共創戦略」を推進しております。

 各取組みの詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

〇 地域価値共創戦略のイメージ

(2)環境課題への対応(TCFD提言への取組み)

 当行では、地域社会の持続可能性を高めるために、環境課題への対応を経営の重要課題(マテリアリティ)と捉え、中期経営計画の地域価値共創戦略において、カーボンニュートラルへの対応をはじめ、具体的な取組みを進めております。また、2021年10月にはTCFD提言に賛同し、TCFD提言に沿った対応を進めることで、気候変動対応の高度化をはかっております。

a ガバナンス

 「サステナビリティ推進委員会」において、気候変動対応に関する協議を年4回の頻度で開催し、重要な事項については、取締役会に報告・監督を受ける体制を構築しております。

 2022年度の委員会においては、気候変動対応に関する取組方針や気候変動シナリオ分析にかかる対象セクターおよびシナリオの選定などについて協議し、取締役会へ内容を報告しております。

b 戦略

 気候関連のリスクと機会、事業活動への影響を認識し、気候変動の緩和・適応に貢献する金融商品・サービスの提供に取り組んでおります。

〇リスク

 当行では、気候関連リスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しております。

 移行リスクでは、脱炭素社会への移行にともなう気候関連の規制強化や消費者嗜好の変化等により、一部のお客さまの事業に対する信用リスクの増加等を想定しております。また、物理的リスクでは、気候変動によってもたらされる水害をはじめとする自然災害の増大により、担保毀損のほかお客さまの事業活動への影響および業況の変化等による信用リスクの増加に加え、当行営業店舗の損壊等によるオペレーショナルリスクの増大などを想定しております。2022年度においては、これらのリスクを定量的に把握するため、次の内容でシナリオ分析を実施しております。詳細は、当行ホームページおよび今年度発刊する統合報告書にて開示する予定であります。

 なお、シナリオは、多くの企業や国が目標として掲げる「2050年カーボンニュートラル」で想定される世界観の1.5℃シナリオ(移行リスク)と、現状予想される以上に気候変動対策が進まず、水害をはじめとする自然災害のリスクが顕在化する4℃シナリオ(物理的リスク)により分析を行っております。

 移行リスク

シナリオ

NGFSによる「NetZero2050(1.5℃シナリオ)」

対象セクター

「電力」、「石油・ガス」セクター

分析方法

・選定したセクターに対して、事業に与えるリスク・機会要因を整理

・整理した内容を踏まえて、シナリオに基づき炭素税などコスト等を反映した将来の業績変化を予想し、与信コストへの影響を推計

分析期間

2050年まで

分析結果

与信コストの増加額:累計7億円程度

 物理的リスク

シナリオ

IPCCよる「RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)」

対象先

国内に本店を置く法人融資先

分析方法

ハザードマップを利用して当行担保不動産の毀損額およびお客さまの事業停止日数を予想し、お客さまの事業への影響ならびに与信コストへの影響を推計

分析期間

2050年まで

分析結果

与信コストの増加額:最大39億円程度

〇機会

 脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギー分野への投融資の増加、お客さまの脱炭素への移行を支援する金融商品やサービスの提供など、当行にとってのビジネス機会は拡大していくものと認識しております。

 特に再生可能エネルギー関連事業については、脱炭素社会への移行に資する重要な取組みであると捉え、当行では、2013年に設立した風力発電事業会社「A-WIND ENERGY」への出資参画および融資をはじめ、ファイナンスを中心に積極的に取り組んでおります。また、出資を行う事業会社においては、風車建設工事にかかる受注の地元企業参入を促進するなど、地域の経済効果の最大化にも取り組んでおります。

■ 再生可能エネルギー関連融資の累計実行額 922億円(2023年3月末時点)

 また、2022年度からは、新たに<あきぎん>サステナブルローンの取扱いを開始しており、お客さまの脱炭素化を資金調達面から支援するための体制の構築をはかっております。

c リスク管理

 当行では、気候関連リスクが地域経済や当行の事業、財務面に大きな影響を与える可能性のある重要なリスクであると認識しており、環境や社会に対して大きな影響を与える可能性のある事業に対しては、「特定事業等に対する融資方針」を定め、本方針に基づき適切に対応することで、環境・社会への影響を低減・回避するよう努めております。

 今後も、現在取り組んでいるシナリオ分析の高度化をはかりながら、気候関連リスクの定量的な把握に努め、統合的リスク管理の枠組みへの組み入れについて検討してまいります。

 また、シナリオ分析により認識したお客さまの気候関連リスクについては、地域やお客さまの脱炭素化への取組み支援や当行のリスク低減に向けて、お客さまとの対話(エンゲージメント)に活用してまいります。

d 指標及び目標

〇CO2排出量(Scope1、Scope2)削減目標

 当行グループでは、2013年度を基準として、当行グループ全体のCO2排出量(Scope1、Scope2)を2024年度50%削減、2030年度ネット・ゼロとする目標を掲げております。

 引き続きエネルギー使用量の削減に向けて、全行をあげて省エネ化に取り組むほか、必要な設備投資を積極的に行いながら、目標達成に向けて取り組んでまいります。

(t-CO2)

計測項目

2013年度

2020年度

2021年度

2022年度

実 績

実 績

実 績

実 績

 

 

CO2削減量

(2013年度比)

CO2削減率

(2013年度比)

Scope1

1,724

1,451

1,290

1,146

▲578

▲33.5%

Scope2

6,587

5,459

4,814

4,793

▲1,794

▲27.2%

Scope1-2合計

8,311

6,910

6,104

5,939

▲2,372

▲28.5%

〇サステナブルファイナンス

 当行では、環境課題や社会課題の解決ならびに持続可能な社会の実現に資する投融資をサステナブルファイナンスと定義し、2022年度から2030年度までの間に計5,000億円の実行を目指しております。2022年度においては、621億円(うち、環境分野411億円)を実行いたしました。

(3)経営の基礎的要素(人的資本経営)

a 戦略(組織・人財戦略)

 当行では、重要課題(マテリアリティ)とする地域課題の解決および環境課題への対応を具体的に進めていくための戦略として、中期経営計画において「基盤強化戦略」、「地域価値共創戦略」を掲げており、これらの戦略を支える推進力として、「組織・人財戦略」を位置づけております。「組織・人財戦略」のうち、真のお客さま起点の定着をはかる「意識改革(組織風土改革)」、高度なスキルを持つ自律型人材の育成や個の力を最大限引き出すチームワークの強化をはかる「人財・組織づくり」を柱として、2022年10月より「一人ひとりが能力を高め、成長・活躍し続けられる組織」を目指す姿とする「人“財”価値共創プロジェクト」を推進しております。

 本プロジェクトを通じて、多様で高度なお客さまニーズに応えることはもちろんのこと、職員一人ひとりが自律的に知を獲得・発揮することで地域に貢献し、感謝され、働きがいを高めていくという好循環の構築を目指しております。

<人財づくり>

 当行では、多様化するお客さまのニーズに応えるために、行内研修の充実化をはかっているほか、より高度で専門性の高い人材を育成するため、研修受講料の一部補助や資格取得報奨金の支給などにより、意欲ある職員の専門資格の取得を奨励しております。

 また、企業内大学「あきぎん如学(しがく)カレッジ」の運営などを通じて、地域課題の解決や新規事業の開拓・拡大に資する人材や多様な考え方を持つ人材の育成に取り組んでいるほか、女性の活躍を後押しするため、監督職候補者となる女性職員を対象としてキャリア&リーダーシップ研修会を実施するなど、キャリア形成を目指す職員同士がつながりをもつ機会を拡充しております。

<組織づくり>

 職員がいきいきと活躍できる職場づくりを目指して、女性職員が仕事と育児を両立するための就業支援の取組みに加え、男性職員の柔軟な育児休業を取得するための休暇制度を新設したほか、不妊治療や長期間にわたる親族の看護・介護といったライフイベントに対応しながらキャリアを継続することを支援する休職制度を導入するなど、ワークライフバランスのさらなる向上に取り組んでおります。

 また、こうしたダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの考え方に対する理解を高めるため、その社会的背景や、アンコンシャスバイアスの理解、人材育成などをテーマとした研修やセミナーを定期的に実施しております。

b 指標及び目標

組織・人材戦略の重点項目

指 標

 

2020年度

 

2021年度

 

2022年度

(目標値)

2024年度

人財づくり

専門資格保有者数

 

FP1級技能士(人)

46

58

66

100

企業経営アドバイザー(人)

27

100

組織づくり

(DE&I)

女性管理職層比率(%)

3.9

3.9

5.3

10.0

女性監督職層比率(%)

22.4

23.6

27.9

30.0

育児休業取得率(%)

 

男性職員

23.8

26.3

118.2

100.0

 

女性職員

104.0

96.3

82.8

100.0

年間有給休暇取得率(%)

39.1

46.3

52.4

60.0

(注)1.当行グループにおいて「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表をしている連結子会社はなく、また、取り組む施策や連結子会社の当行グループ全体に占める従業員割合(4.18%)も考慮して、当行単体のみを算定の対象としております。

2.育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

 なお、過年度に出産した従業員または配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。

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