福井コンピュータホールディングス 【東証プライム:9790】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。なお、当該将来に関する事項については、取締役会で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。
(1) 経営方針
当社グループの経営理念に「全員経営」「商品開発の考え方」「販売のための考え方」があります。
・「全員経営」では、社員のオープンでフラットな体制でプライドと人権を尊重します。
・「商品開発の考え方」は、商品の良し悪しを決定できるのはお客様のみであるという考え方です。
・「販売のための考え方」は、商品をお客様にお使いいただくようになるまでが販売であるとの考え方を示しております。
さらに、経営理念のこの3つの考え方には、社員の立場、お客様の立場、お取引先様の立場と、いずれも「相手の立場に立ちきる」という共通する考え方があります。
当社グループは、この考え方の下、人類の叡知により築き上げられた科学的成果を全社員の探求心と努力により発展、継承するとともに、次代の夢をコンピュータのソフトウエアという商品として実現させ、社会に提供することにより、社会の進歩と発展に寄与することを会社の目的としております。
(2) 経営戦略等
当社グループでは2022年5月に2022年度から2024年度を対象の事業年度とする中期経営計画をリリースいたしました。
中期経営計画では建設業界全体の構造変化が求められる中で、当社グループの社会的な存在意義及び長期的に目指す姿を明確にした上で、2025年度以降の新たなステップへ向けた成長起点を構築してまいります。
当社の長期的に目指すべき姿や2025年度以降の新たなステップへ向けた成長起点を構築、また定量目標達成のために『アカウント戦略の展開』『ターゲット規模に応じた戦略の展開』『人材機能・ガバナンスの強化』を重点施策として定めております。
『アカウント戦略の展開』では、「調査」「設計」分野においては次期システム開発でのリピート率向上へつながる提供方法へ変更を進めてまいります。次期システム開発は、着実な支援が行えるよう国策を捉え、継続的にキャッチ&リリースいたします。「施工」「維持管理」「情報共有」分野では新商品、クラウド、スマートデバイス分野で新規アカウントを獲得します。
『ターゲット規模に応じた戦略の展開』では、ターゲットをセグメント化しCADに加え既存商品や新たなサービスを含めたソリューション提供を行います。
『人材機能・ガバナンスの強化』ではターゲット別戦略を見据え、既存事業の持続的成長と新たな成長領域の展開が可能な機能再編し、併せて人材機能の強化にも取り組んでまいります。
また、本中期経営計画期間においては、成長への将来投資を行うため、イノベーティブ挑戦や事業持続性に向けた人材への投資や、事業拡大を先導するためのR&D投資にも取り組んでまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画において、売上高営業利益率を目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として新たに定めました。
リソースの最適な配分により、更なる売上の増加、また収益の向上を目指し、各事業においてバリューチェーンを見直すことで、売上高営業利益率の目標達成に努めてまいります。
(4) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、建築業界では少子高齢化や世帯数の減少により市場の縮小が見込まれております。測量土木業界では、公共投資は短期的には一定の需要が見込まれますが、中長期的には人口減少や財政上の制約などを背景に市場の縮小が見込まれております。
一方で建設業界における新型コロナウイルス感染症対策として急速に広まったテレワークや遠隔臨場への対応は、今後の当社グループがソリューションの提供により支援できる課題として捉えております。
このように、建築・測量・土木分野に携わる企業は、厳しい経営環境の下、生き残りをかけた経営が求められております。当社グループは、こうした企業の遅れているとされますICTの活用を積極的かつ総合的に支援していくことが社会的使命であると認識しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの市場である建設業界は、少子高齢化、財政の逼迫に伴って中長期的に市場規模の縮小が懸念されます。また、2024年4月からの働き方改革関連法の適用開始による労働時間短縮への取り組み、気候変動をはじめとした世界的な環境配慮への対応が求められる中、当社グループでは、新たな製品・サービスの開発を含めた当社ソリューションによって建設業のDX推進を支援することを重要な課題として捉えております。市場の活性化を促すことで、当社グループの製品・サービスの需要を増加させる好循環のビジネスモデルを構築するため、以下の課題に取り組み、サステナビリティ経営の強化に努めてまいります。
① 新製品・新サービスの創出及び新規事業開発
当社グループでは、中期経営計画にアカウント戦略によるユーザー数の拡大を掲げており、新たな製品・サービスの創出及び提供方法の見直しが課題であると考えております。この課題に対処するため、各事業のユーザーが求める製品の開発及びサービスの提供への取り組みを推進し、ユーザー数の増大を図ってまいります。
また、当連結会計年度より開始した投資事業(CVC:コーポレートベンチャーキャピタル)を通じ、当社グループの事業領域と関連性の高い優れたサービスやビジネスモデルを持つスタートアップやベンチャー企業との技術・ノウハウの共有、ビジネスパートナーシップの構築などを図り、新規事業開発に取り組んでまいります。
② 建設業のDX推進
当社グループは、調査・設計分野の建築・測量システムにおいて大きなシェアを有しておりますが、建設業界のDX推進にあたり、さらに施工・維持管理・情報共有分野における製品・サービスの開発強化を課題として捉えております。引き続き、ユーザーニーズに合致したシステムの開発及びサポート体制を充実させることにより、既存ユーザーの満足度向上を図るとともに、国策や法改正等を踏まえた市場のニーズを見極め、建設業界のDX推進を支援してまいります。
③ コーポレートガバナンスの強化
当社グループでは、独立社外取締役の選任やリスク管理、コンプライアンス活動、任意の諮問委員会の導入等を通じて、コーポレートガバナンスを強化してまいりました。また、毎年第三者機関を通じて取締役会の実効性評価を実施しており、その都度会社の意思決定機関として改善すべき課題を抽出のうえ、社外を含む全取締役で議論し実効性の確保及びそのブラッシュアップに努めております。
加えて、昨今の課題であるサステナビリティ経営をより一層推進するため、当社グループ各社の経営トップを委員とし、社外取締役をオブザーバーとするサステナビリティ推進委員会を四半期毎に計画的に開催しております。サステナビリティの観点から、当社グループを中心に取引先やユーザーを取り巻く外部環境の変化及びそのリスクと機会を見極め、グループ全体のサステナビリティ経営の推進を力強くリードしてまいります。
引き続き、着実な事業の推進を支え、持続的な企業価値向上を後押しする経営基盤の強化の観点から、ガバナンス機能の強化及び法令遵守・内部統制の組織的整備に取り組んでまいります。
④ 人的資本への投資と職場環境等への配慮
中期経営計画における重点施策を迅速かつ確実に遂行するためには、イノベーティブ挑戦や事業持続性の実現できる優秀な人材の確保、並びに社員教育が欠かせないと考えております。また、社員一人一人が求める人物像として成長、活躍するための職場環境整備や企業風土の醸成にも取り組んでまいります。
⑤ 気候変動対策・環境配慮の取り組み
当社グループでは、TCFD提言に沿ったシナリオ分析を行い、気候変動がもたらす直接的な影響は軽微であると判断しておりますが、当社グループの市場である建設業界における影響は大きくなると予想され、市場の変化を見越した機会とリスクの見極めが課題となります。そのため、自社の再生エネルギー活用等の取り組みを進めるだけでなく、建設業界に対して最先端のICTソリューションを提供することで、GHG排出量低減に取り組んでまいります。
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