神戸天然物化学 【東証グロース:6568】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社は、以下の経営環境認識のもとに経営方針及び対処すべき課題を設定し、『先端産業分野において、研究から商業生産まで、顧客とのパートナーシップを重視し、化学品製造に関する課題を解決する』ことを進めてまいります。当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営環境
当社の事業モデルにおいては、医薬品会社や化学会社等の製品開発会社における、新製品の研究開発及び製造の外部委託需要が重要な要素となります。当社の事業領域である有機化学品の受託業界におきましては、技術の細分化・深化が進んだことや、より多品種の化学品等が必要になったこと等により、研究開発及び製造の外部委託傾向が続いています。
また、当社は量産ステージ製品の拡大を企図し、量産設備への設備投資を中心とした投資を進めてまいりました。この結果、量産ステージ製品の売上高に対する割合は安定して50%を超える状況を構築するに至っております。今後も研究・開発ステージ製品から量産ステージへの取り込みが継続するものと認識しております。
当事業年度では、ウクライナ情勢の影響によりサプライチェーンの混乱等が継続しており、当社への影響は現段階では軽微ながらも、今後も十分に注視しなければならない状況であると認識しております。
(2)経営方針及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記のような、当社を取り巻く経営環境及び量産ステージへの対応状況を踏まえ、今後の経営方針としましては、これまでの当社での技術蓄積と顧客との信頼関係を背景に、量産ステージのビジネスを更に拡大する計画であります。
量産ステージでは、研究・開発ステージのビジネスより生産量が増加しますので、既存設備の稼動率の向上に加えて、生産能力の向上が不可欠となります。現有設備の生産能力向上施策を行い、必要に応じて設備の増設を検討いたします。また、研究・開発ステージの品質規格は暫定的な場合が多いのに比べ、量産ステージでは厳格な規格のみならず生産過程全般に渡り品質を保証する体制が求められます。このため、品質管理体制の強化及び品質保証を含めた生産管理体制の強化を進める必要があります。
一方、研究ステージ及び開発ステージのビジネスは、量産ステージへつなぐために持続することが必要であります。市場拡大が期待できる先端領域の選択及び顧客の要望に対応できる優れた技術の習得が課題となります。このための顧客及び業界市場からの積極的な情報の入手及び優秀な人材の確保並びに技術の開発と向上にも努めてまいります。
以上のことから、当社のビジネスを更に拡大するために、以下の①~⑤の5項目を優先的に対処すべき課題として認識しております。
① ステージアップ・グロースモデル強化のための設備の改良・新設
当社は、顧客のステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供して取引を継続し、成長を牽引するモデル(ステージアップ・グロース)を目指しております。
ステージに応じたソリューション提供を行うために、引き続き研究設備、生産設備及び分析設備の改良、新設を図ってまいります。
② 人材育成
当社は、顧客の研究・開発から商業販売における生産ステージまで、機能材料事業部門、医薬事業部門、バイオ事業部門において、課題解決のサービスや有機化学品の製造販売を行っておりますが、それぞれのステージと部門で専門性を持った社員が求められます。先端産業分野で顧客の要望に応じて課題解決のビジネスを継続するために、人材の採用、育成は重要な課題と認識しております。
③ 品質管理及び品質保証の強化
当社では、製品の品質を適切な品質保証体制において担保することにより、顧客との信頼を構築してまいりました。
一方、近年では生産品目の増加に伴い品質管理業務も増加し多様化傾向にあります。特に、法規による品質規格の厳格化や業界の品質基準が高度化してまいりましたので、これに対応できるように分析設備の増強、分析技術の向上に努めます。また、生産管理と品質管理を確実にかつ効率的に行う品質保証体制の充実、強化に努めます。
④ 生産性と効率性の追求
当社は、生産設備を増強し、顧客の生産ステージにある製品の製造販売を増強してきましたが、業務の効率化、合理化によって更なる設備生産性の向上に努めます。そのため、仕入から製造、保管、出荷、廃棄物処理にいたるまで全工程を通して効率化すべく、工場基盤設備の増強及び生産工程のボトルネックの解消、生産状況に応じた設備の増設により安定稼働に注力いたします。
⑤ 新製品開発及び新技術獲得に向けた研究開発の強化
機能材料事業部門では、エレクトロニクス分野の新材料の開発を行っております。用途に応じて顧客と共同で検討を進めておりますが、技術革新の早い分野でありますので、短期に製品化することが課題と考えております。
製薬会社各社は新規作用による医薬品の開発を進めておりますが、当社の医薬事業部門では、これら医薬品の製造ができるように技術開発をするとともに、製薬会社と開発初期から協力を進めることが課題と考えております。
バイオ事業部門では、遺伝子組換え微生物等による化学物質の生産及びバイオテクノロジーと有機合成化学との組み合わせによる化学物質合成を核とした技術開発を進めております。製品を開発する会社と初期から協力を進めることが課題と考えております。
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