百十四銀行 【東証プライム:8386】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
①経営理念
当行グループは、「お客さま・地域社会との共存共栄」「活気ある企業風土の醸成」「健全性の確保と企業価値の創造」をめざすとの経営理念のもと、お客さま、地域社会、株主さま、役職員すべてにとって価値のある企業であり続けるため、健全性と収益性のバランスのとれた発展の実現につとめるとともに、真に信頼される銀行づくりを進めてまいります。
②行動指針
当行グループは、上記「経営理念」の実現に向け、役職員がステークホルダーの皆さま方とともに大切にしたい価値観や考え方を「百十四銀行 行動指針」として以下のとおり定めております。
・対話を密にし、相互の信頼を深めます
・プロフェッショナルとして成長するための努力を惜しみません
・多様性(ダイバーシティー)を理解し、人権を尊重します
・環境の負荷軽減に努め、地域の活性化に貢献します
・ステークホルダーの期待を超える行動を実践します
(2)経営環境及び対処すべき課題
当行グループは、地元香川県においては、預金で約5割、貸出で約4割の高いシェアを獲得しております。また、香川県以外にも1950年代に開設した大阪支店及び東京支店をはじめ、全国10都府県に店舗網を展開しております。近年では、県外のお客さまに香川県のお客さまを紹介する取引も増える等、この広域店舗網は当行グループの大きな強みとなっております。
その他にも、当行グループは、国際業務と船舶関連融資を強みとしております。国際業務については、お客さまの海外進出支援や外貨資金調達に加えて、デリバティブを用いたリスクヘッジ等手厚いサポート体制を構築しております。また、船舶関連融資は、審査や融資の手法が特殊であるため金融機関の参入は容易ではありませんが、当行グループは、こうした融資を古くから手掛けてきた関係で、船を造る造船会社さま、船を所有するオーナーさま、船を運航する運航会社さま等、川上から川下に至るまで幅広い取引を実現しております。今後も、このような得意分野を伸ばすとともに、新たな事業領域を開拓していくことで、当行グループの競争優位性を高めていきたいと考えております。
一方で、人口減少・超高齢化の進展に加え、脱炭素・循環型社会への移行やデジタルシフトの加速により地域のサステナビリティに関わる課題が多様化・複雑化するなど、地域金融機関を取り巻く環境は大きく変化しており、当行グループが地域とともに持続的に成長するためには、長期的な視点で地域のサステナビリティに関する課題に積極的に取り組むことで、経営の持続可能性を高めていく必要があります。また、地域経済に持ち直しの動きがみられる一方、原材料・資源価格の高騰や、地政学リスクの顕在化の影響等、企業にとって収益下押しあるいはコストアップにつながる要因も多く見受けられました。お客さまの事業活動や地域の経済活動は多大な影響を受けており、幅広い業種で不透明な状況が続くと思われます。このような経営環境や課題に対応するため、2023年3月に策定した2030年度を見据えた「長期ビジョン2030」及び中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)に基づき、金融・非金融の融合によるシナジーを創出すべく「総合コンサルティング・グループの進化」に向けた取組みを加速させてまいります。物価高騰等の影響を受けているお客さまに対する資金繰り支援はもちろんのこと、低迷する事業の正常化に向けた経営改善及び事業再生のご支援、業務効率化や生産性向上を図るためのDX化に向けたご支援等、お客さまの成長・発展に資する取組みに注力してまいります。
また、2015年度の国連サミットにおいて社会課題を解決し持続可能(サステナブル)な世界を実現するための開発目標(SDGs)が採択され、SDGsを達成するための取組みが世界中で広がっております。当行も、これまで「SDGs宣言」、「環境方針」、「人権方針」、及び「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定し、地域を取り巻く様々な課題の解決に取り組んでまいりました。サステナビリティに係る社会的要請の一層の高まりを踏まえ、高度な水準で課題解決に取り組む「サステナビリティ経営」を実践すべく態勢整備を図っております。
■「長期ビジョン2030」
[百十四グループマテリアリティ]
地域社会と百十四グループ双方のサステナビリティに対する影響度から、優先度の高い重要課題を抽出して下表のとおり「百十四グループマテリアリティ」を設定しました。これらのマテリアリティに取り組む先に見える方向性として「長期ビジョン」を描いております。
地域経済活性化への取組み | 人生100年時代への対応 |
多様な人材が活躍・成長できる環境の整備 | DXの実現と地域社会のデジタル化 |
気候変動等、環境課題への取組み | 持続可能な経営基盤の構築 |
[長期ビジョン2030]
「総合コンサルティング・グループの進化により、地域のみんなとウェルビーイングな社会を創造する」というビジョン実現により、地域の環境・社会価値と百十四グループの経済価値の両立をめざしてまいります。
■中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)
[基本方針]
長期ビジョンの第1フェーズとして、3つの成長エンジン(SX・HRX・DX)による変革※を進め、総合コンサルティング・グループの進化に向けた取組みを加速させてまいります。
① 職員のウェルビーイング向上と生産性の飛躍的向上により個々の職員が能力を発揮できる環境を整備するとともに、コンサルティング機能の強化と新事業領域の探索により課題解決力の強化を図ります。
② コンサルティングとファイナンスを相互に組み合わせながらお客さま・地域が抱える課題解決に伴走し、各ステークホルダーのウェルビーイング実感と百十四グループのサステナビリティ向上の両立をめざします。
※以下の3つの変革(Transformation)を、戦略を支える成長エンジンとします。
S X[Sustainability] | 当行グループと地域社会のサステナビリティの両立 |
HRX[Human Resources] | 経営戦略と人事戦略の連動による人的資本の最大化 |
D X[Digital] | データ及びデジタル技術を起点としたビジネスの変革 |
[重点戦略]
① 総合コンサルティング・グループの進化
② 職員のウェルビーイング向上
③ 生産性の飛躍的向上
④ 持続可能な経営基盤の構築
[目標とする経営指標]
中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」で目標とする経営指標は下表のとおりであります。
指標を利用する理由 | 経営指標 | 2025年度 目標 |
事業の収益性を追求 | ① 連結当期純利益 | 85億円以上 |
経営の健全性を追求 | ② 連結自己資本比率 | 9.0%程度 |
経営の効率性を追求 | ③ 単体OHR | 70%程度 |
① 連結当期純利益は「親会社株主に帰属する当期純利益」
② 連結自己資本比率はバーゼルⅢベースの連結コア資本比率
③ OHR=経費÷業務粗利益
(注)経営指標の2023年度実績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
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