田中化学研究所 【東証スタンダード:4080】「化学」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、①「正極材開発で培ってきた独自技術を基盤に独創的な新製品を生み出すことを通じて、地球環境課題の解決に挑戦し、持続可能な社会の実現を目指します」②「社員一人ひとりを尊重し、各人が能力と主体性を高め、互いに協力し合う意欲あふれる企業風土をつくりあげます」を経営理念として、常に人間と社会の調和を図りながら、新しい科学技術の創造と発展を目指していくことを基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社は拡大する二次電池市場の中長期的な需要増に対応するため、設備増強投資と設備稼働に向けた組織人員体制の強化に取り組んでおり、顧客のニーズに積極的に対応してまいります。
(経営戦略)
①リチウムイオン電池向け材料事業の最適化
②ニッケル水素電池向け材料事業の最適化
③グローバルに通用する競争力の確保と維持
④人材組織活性化
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当面目標とする経営指標は経常利益黒字化の定着を掲げております。
(4)経営環境
当社の主たるマーケットである二次電池市場は、世界的な温暖化問題やエネルギー自給率の向上など、持続可能な社会の実現に向け、車載用途、蓄電池用途を中心に中長期的には需要が拡大していくものとみられております。一方、足もとでは補助金の打ち切りや初期需要の飽和状態などEV需要に成長鈍化がみられます。
リチウムイオン電池に関しては、脱炭素社会への対応や産業振興の観点から、世界各国ではEVを中心に普及促進策が図られるとともに市場は想定よりも遅れはあるものの拡大を続けております。こうした状況下、自動車、電池メーカー間では普及期に向けた準備が進められております。使用される正極材料もNCM(ニッケル、コバルト、マンガン)といった三元系やLFPといった鉄系のものなど目的に応じて多様化しております。
ニッケル水素電池に関しては、リチウムイオン電池に対して出力特性が高い、安全性に対する高い信頼性、市場での実績など特徴を生かし、HV用途で堅調に推移するものとみられております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①5万トン安定稼働の体制構築
・要員不足対策(要員確保、省人化対策、人材教育の充実化)
・インフラ設備の経年更新・能力拡充へ向けての対応
・原料使用の多様化対応
・生産~出荷業務のボトルネック解消
②顧客等取引先との新たな関係構築
・顧客のニーズに積極的に対応し生産ラインの高稼働実現と維持を目指す
・ライフサイクルアセスメントに配慮したサプライチェーンへの取り組み
③グローバルに通用する競争力の確保と維持
・市場、顧客のニーズにそった適時的確な製品提案
・生産最適化による安定した品質とコストミニマムを両立させた強靭な製造力の確保
・カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組み促進
(6)対処方針等
当社は中長期的な需要増に対応するため、数年かけてインフラを含めた設備増強投資と設備稼働に向けた組織人員体制の強化で、リチウムイオン及びニッケル水素電池向け製品の増産体制の構築に取り組んでおり、年間約5万トンの生産能力となっております。これらの生産能力を最大限に活用し、既存顧客への拡販及び新規顧客に対して供給体制の最適化を図り、設備の本格稼働へ向けて段階的に準備を行っております。また、生産性、品質安定性、設備負荷等を考慮した生産ラインの最適化を図ることでコスト競争力を高めた強靭な製造力を追求し、製品開発を含め顧客のニーズにそった適時的確な提案をしてまいります。
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