企業浜井産業東証スタンダード:6131】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業来の歯車製造機械づくりで築いてきた精密加工技術を活かし、高精度の加工機械を電子・電機関連業界を中心としたお客様へ、ニーズに即応して提供していくことを基本方針としております。

 具体的には、

① ゆるぎない品質の精密機械で産業の発展に貢献する。

② すべての事業活動において、環境保全に積極的に取り組む。

③ 法令の遵守を徹底するとともに、ステークホルダーのより高い満足を得ていく。

 の3点を掲げ、中長期的な発展・成長を実現するとともに、社会環境や安全性に十分配慮し、より一層の企業価値向上を目指してまいります。

(2) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「製品の品質重視」と「収益基盤の強化」を重要な経営目標としております。

「製品の品質重視」は、品質が当社製品の価値を高め収益力を強化する要であることから、全社一丸となり品質向上に努めております。その具体的な取組としては、製品の出荷前品質チェックの厳格な励行はもちろんのこと、生産工程毎に作成したチェックリストの活用により、品質管理の徹底をはかっております。

 また、「収益基盤の強化」については、業績・収益状況に対応した配当を実現しつつ、自己資本を中心にその厚みを増して、企業体力の充実を早期にはかっていくことに注力しております。

 そこで、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための指標を「自己資本比率」とし、「自己資本比率」を40%以上とすることを目指し、収益の積み上げを従来以上に重点的に取り組んでまいります。

 なお、「自己資本比率」は、2023年3月期では29.1%でしたが、2024年3月期には31.5%と着実に積み上げがはかられております。

(3) 経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、雇用・所得環境の改善による一部個人消費の回復や、円安の進行に伴うインバウンド需要の取り込みなどから、全体的には緩やかな回復基調で推移しました。一方で、過度の円安に伴う原材料やエネルギー価格の高止まりによる物価上昇など、設備投資や個人消費が下振れする懸念要素があることに加え、ウクライナや中東情勢の長期化や、中国経済の減速化、ならびに台湾情勢の緊張状態による地政学リスクも加わり、依然として不透明な状況が続いております。

 このような経営環境下において、当社グループといたしましては、主力製品のラップ盤については、半導体シリコンウエーハ加工用やSiC(炭化ケイ素)をはじめとするパワー半導体ウエーハ、および光学関連部品加工用、自動車部品をはじめとする金属部品加工用ファイングラインディングマシン等の拡販に引き続き、注力してまいります。

また、ホブ盤につきましても、加工対象物の自動脱着装置付新型ホブ盤等を市場投入し、釣具関連部品、電動工具用歯車、各種減速機向歯車、およびEV向歯車加工用等の販売を一層強化してまいります。

(4) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの中長期的に取り組むべき課題は、以下のとおりであります。

① グローバル化の進展に合わせ、既存の中国拠点や有力代理店が存在する台湾、韓国の強化に加え、インド市場を含むその他のアジア市場や北米市場に確固たる販売網・サービス体制を築くとともに、新規顧客の開拓に引き続き積極的に取り組んでまいります。

② 当社の強みである精密歯車加工機の製造技術や研磨機の加工ノウハウを活かした多様な新製品・サービスにより、お客様のニーズに合った製品やサービスを常にタイムリーにご提供し、ご満足いただける企業を目指してまいります。

③ 海外営業部門の人材強化をはかるとともに技術部門においては、協力企業との連携を強化して技術力の向上をはかり、併せて技術・ノウハウの若手社員への伝承も引き続き継続して実施してまいります。

④ 適正な製品売価への見直し、および原価低減の諸施策を常に実施し、生産性の向上による安定した収益の確保、収益基盤の拡充をはかってまいります。

⑤ 環境への負荷をかけない企業活動を意識して実践し、環境保全にプラスとなる成果の実現を通じて安全・安心な生活環境の確保に寄与し、それらの活動を通じて企業価値の向上を目指してまいります。

(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 当社グループが優先的に対処すべき課題は、以下のとおりであります。

① 販売体制およびテクニカルサービス体制の拡充

 現在、現地法人を置いている中国、有力代理店が存在する台湾、韓国に続き、ベトナム、インドネシア等の東南アジア市場、北米市場およびインド市場においても、テクニカルサービス体制の構築を含む有力代理店網の組成に取組中であります。

② お客様のニーズに沿った新製品の開発、および既存製品の改良改善

 主力製品のラップ盤については、半導体シリコンウエーハ加工用のみならず、パワー半導体素材であるSiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)、ならびに高放熱基材であるAlN(窒化アルミニウム)等の加工用の開発・販売に、引き続き積極的に取り組んでまいります。また、後工程の自動化への対応のほか、自動装置付金属部品加工用ファイングラインディングマシン等の新製品を自動車部品、ロボット関連部品等の加工用としてご提供してまいります。

 ホブ盤につきましても、新型ホブ盤の量産機を早期に市場投入することで、新規顧客の開拓に努めてまいります。

③ 海外営業部門・技術部門の人材拡充と営業・生産現場における人材の育成

各部門への人材拡充は、継続して実施しております。併せて技術・技能(含むノウハウ)の伝承、若手人材の育成についても、SDGsの取組課題として全社的に推進中であります。

④ 適正な製品売価への見直し、および原価低減諸施策の実施による収益力の向上

 適正な製品売価への見直しを適宜適切に実施しており、また、原価低減諸施策についても、「工場体質改善活動」の一環として生産工程の改善に取り組んでおり、一定の成果が上がってきております。今後は、現在取組中の上記活動をさらに強力に推進し、一層の生産性向上に取り組み、安定した収益を確保できるように注力してまいります。

⑤ 環境への負荷の少ない企業活動を通じた企業価値の向上

 環境ISOの活動を展開中ですが、CSR活動にもつなげて拡大することによって、企業価値の向上を実現してまいります。また、サステナビリティの実現に向け、サステナビリティ基本方針のもと、SDGsについて、各部門ごとに課題を設定し、積極的に取組中であります。

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