池上通信機 【東証スタンダード:6771】「電気機器」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、社会における当社グループの存在意義(パーパス)を『「技術」のチカラで、あなたをしあわせに。』と定め、「卓越した技術と匠の技で社会が求める新たな価値を創造し、持続可能な社会インフラ構築の一翼を担い、広く世の中に貢献し、社会から必要とされる企業であり続ける。」ことを目指して参ります。
そして、創業理念「技術の向上、開発へのたゆまざる意欲と不屈の精神を支えとし、使って喜ばれる製品を作り出し、世の中に寄与してゆく。その実現に向け、常に努力し、責任を以て事に当たる社員を育てる。」をベースに、以下の4つの経営ビジョンを基本方針として定めています。
・絶え間ない技術の研鑽に努め、時代を先取りした技術革新に果敢に挑戦し続け、技術優位性の確立により、「Ikegami Way」を追求してゆく
・「Ikegami Way」の追求により、顧客ニーズを逸早く具現化し、常に顧客満足と社会の信頼と期待に応え、安定した経営基盤の構築を図る
・その対価を、全てのステークホルダーへの確実なる還元と将来への成長投資の原資とすべく好循環サイクルを確立し、進化させ続け、グローバル企業として成長・発展し、グローバルでの社会貢献を目指す
・その実現に携わる全ての人々が生き甲斐と働き甲斐を見出すことのできる企業であり続ける
(2) 目標とする経営指標
当社を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大に端を発した半導体を始めとしたサプライチェーンの混乱は仕入れ価格や調達リードタイムに大きな変動をもたらし、市況は未だ不安定な状態が続いておりますが、一部事業領域においては落ち着きを取り戻しつつあります。
また、ロシアのウクライナ侵攻後の資源価格の高騰や、物価上昇によるインフレ局面の進行が世界経済に悪影響を及ぼし、依然として予断を許さない状況です。
しかしながら、こうした状況のなか当社グループは業績の確保に向け、調達先の多様化の一環として各種部材の供給状況、納期変動を迅速に把握できる体制を整え、生産計画への影響を最小限に留めるべく、長納期部材の早期発注、適正なタイミングでの入手に取り組んでおり、徐々に改善の兆しが表れております。
また、生産の平準化による生産効率の追求や販売価格の見直し・改定を進めるなど、不安定な原材料市況に起因する売上原価への影響を極小化するための施策を引き続き推進して参ります。
併せて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、ウィズコロナ、アフターコロナ下でのニューノーマルへの対応を加速するとともに、新3カ年中期経営計画を確実に実行することで、基盤となる放送システム事業の更なる収益性向上への取り組み強化、セキュリティー事業、メディカル事業、検査装置事業の産業システム事業の成長戦略を加速させ、更なる事業の拡大を目指して参ります。
2024年3月期の通期連結業績の目標とする経営指標は、現時点において以下のとおりです。
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属 する当期純利益 |
22,500 | 600 | 500 | 400 |
注意事項
上記の業績見通しは、当社グループが現時点で合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は重要なリスク要因や不確実な要素等により異なる可能性があります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループを取り巻く事業環境は、中長期の視点では国内外での4Kシステムの需要増加と、放送技術の高度化に伴う設備投資、更には高精細を目指した8Kシステムへの期待、安心・安全の確保によるセキュリティー需要、医療用映像機器の高画質、高精細化需要、品質、安全性の確保による検査工程の自動化要求等が高まっていくことが見込まれます。
こうした環境の中、当社グループは、4つの経営の基本方針に基づき、2023年5月25日に公表した新3カ年中期経営計画2023―2025の実現へ向けて取り組んで参ります。
こうした状況の中、部品選定の見直し、調達先の多様化に取り組む一方で、取引価格の見直し・改定を進めるなど、サプライチェーンの混乱による影響を最小限に留めるための施策を継続して参ります。併せて、メーカーとしての基本である製品競争力のさらなる強化はもちろん、更なるコスト構造の改善による企業体質の強化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、ウィズコロナ、アフターコロナ下でのニューノーマルへの対応を加速することで、売上・利益の確保に努め、持続的成長と企業価値向上を目指して参ります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、2025年度を最終年度とする新3カ年中期経営計画を策定いたしました。本中期経営計画に掲げた目標を確実に達成することで対処すべき課題を解決し、更なる事業の発展と企業価値の向上を目指して参ります。
①中期経営計画基本方針
□ 産業システム事業(※1)の注力事業領域への拡大戦略と放送システム事業の事業安定化戦略を推進し、更なる売上高の拡大と利益の増出を目指す
※1 MS(メディカルソリューション)事業
IS(インスペクションソリューション)事業
SS(セキュリティーソリューション)事業
□ コア技術の進化と深耕、外部リソースの有効活用・アライアンス、更にはM&Aも視野に、既存事業のバリューアップと事業領域の更なる拡大を推進する
□ ESG経営の推進により、企業価値の向上と持続的な成長・発展を追求する
②計数計画(連結)
単位:百万円
| 2023年度(第83期) | 2024年度(第84期) | 2025年度(第85期) |
売上高 | 22,500 | 23,500 | 24,500 |
営業利益 | 600 | 800 | 1,000 |
売上高営業利益率 | 2.7% | 3.4% | 4.1% |
③事業戦略
<基本方針>
3つの「キョウソウ力」強化の推進
□ 技術力強化の加速・推進による「競争力」強化
□ 働き方改革やビジネス環境変化に伴う新たな顧客ニーズをお客様と共に共有し、その具現化に向けて先進的に取り組むための「共創力」強化
□ 外部リソースの有効活用と外部パートナーとの連携(アライアンス)による「協創力」強化
<成長戦略>
□ 産業システム事業
・MS(メディカルソリューション事業)
画像処理技術の高度化や差異化機能開発により、医療用カメラの更なる更新需要促進と新たな需要喚起を図る。また、既存の硬性鏡カメラ、顕微鏡カメラ以外の新領域カメラ技術へのチャレンジにより新たな医療分野への参入を推進する。
・IS(インスペクションソリューション事業)
医薬市場のシェア拡大と新分野への挑戦にて産業市場を成長路線に乗せ、事業拡大を目指す。
・SS(セキュリティーソリューション事業)
ハイエンド技術市場である「安全保障(防衛・公共)」「安心安全(鉄道・流通)」「環境(プラント)」への注力とOEM展開による安定した売上高規模・利益体質の構築に取り組む。
□ 放送システム事業
・IP対応製品の開発を強化するとともに、次世代新技術の習得・活用により高度なトータルシステムソリューションの提案強化に取り組むことで、お客様の更新需要を確実に取り込み、全社の基盤事業として事業の安定化を確立する。
・海外市場においては、エリアマーケティング戦略を強化・推進し、次世代4Kカメラシステムの販売促進により、シェア拡大と事業の安定化を図る。
④財務戦略
<財務体質強化>
□ 「部材入手難における早期部材発注・計画生産推進」に対応した、円滑な資金調達と資金管理
□ DEレシオによる有利子負債残高管理と財務コストの圧縮
<利益増出構造の構築>
□ 全社大での徹底した変動費の削減
□ DX推進による業務効率化の推進
<安定した株主還元>
□ 収益の状況や経営環境に対応した安定配当の継続を基本とし、企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保の充実等を勘案し、配当を行うことを基本とする。
⑤非財務戦略
<人的資本の強化>
□ 中長期的な人員採用戦略/ジョブローテーションによる人財多能化の推進
□ 女性活躍の更なる推進(継続就業支援、役職者への登用)
□ シニア人財の活用と働きがいのある職場・しくみ(制度)の整備
<知的資本の強化>
□ 注力事業領域にフォーカスした知的財産戦略の推進
□ 外部技術教育環境の活用と奨励制度によるプロとしての自己研鑽の推進
<環境への取り組み>
□ 省電力設備への入替による電気使用量の削減と、再生可能エネルギー利用への移行によるCO2排出量削減(scope2)
□ 業務用車両の保有台数削減、およびHV/EV車両への入替(scope1)
□ 開発における環境負荷の軽減対応、開発製品の省電力化、リユースの促進
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