企業池上通信機東証スタンダード:6771】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループは、お客様に満足して頂ける製品を創造するために常に技術を磨き、「技術の池上」と評価を頂けるよう、積極的に研究開発活動を行っています。研究開発は、プロダクトセンター(宇都宮市)とシステムセンター(藤沢市)において、事業毎に要素技術・機能開発・製品化開発を行っています。 また、グループ外企業との分業と連携により、自社のコア技術開発とスピードある製品開発を実現しています。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,651百万円です。

(1) 放送システム事業関連

 放送システム事業関連では、番組制作から放送番組の送出・基幹網伝送に渡るデジタル放送機器に注力した研究開発を進めています。特に総務省の推進する超高精細映像技術4K・8Kのロードマップを重視した撮影機器、有線/無線中継機器、ネットワーク機器、および将来を見据えた新しい制作のワーキングスタイルに着目した研究開発に取り組んでいます。

 放送用カメラでは、今年度、以下の開発成果がありました。

HD(2K)から4Kへ、ソフトウエアライセンスによるアップグレード・オプションを備えた、UnicamXEシリーズの新製品「UHK-X600」を開発しました。将来の4K対応へ備えつつ、現行のHD(2K)運用の需要に応え、設備投資を有効活用できる製品として販売強化を図って参ります。更に、従来の弊社HD(2K)カメラの映像処理および機能のブラッシュアップを図った、HD(2K)カメラ「HDK-X500」を開発しました。海外を中心に依然として一定の需要が高いHD(2K)市場に向けて拡販して参ります。

 また、昨年度オプション機能として開発したMoIP(Media over IP)に関連した機能強化開発を行いました。これにより、スイッチャからのカメラ選択情報を伝えるIP上のタリープロトコル対応はもとより、WEBブラウザ経由でカメラの各種設定が可能になりました。今後、番組のIPリモート制作に寄与して参ります。

 放送映像音声スタジオ機器では、今年度、以下の開発成果がありました。

 この数年継続している地方放送ローカル局のスタジオ更新需要の中で、ビデオスイッチャとして冗長系統となるエマージェンシ―スイッチャの強化を実施しました。システム系統上、通常系となる弊社「MuPS-5000」スイッチャとの連動性の担保を図ることで、通常系障害時に送出系統をエマージェンシ―スイッチャ側にシームレスに切り替え運用継続が可能となり、レジリエンスの高いシステムを実現しました。

 また、「MuPS-5000」スイッチャの機能強化として、フレームメモリ、マルチビューワについてブラッシュアップ開発を行いました。フレームメモリの強化では画像ファイルの保存時間とロード時間を短縮し運用改善を図りました。さらに、マルチビューワの強化では文字フォントのベクトル化による時計表示の解像度向上、ウィンドウ画像のデザイン向上など、多系統出力できるモニタ機能の視認性改善を図りました。今後もシステム・ソリューションを図り、スタジオ更新需要に応えて参ります。

 ビデオスイッチャと同時にシステムの中心デバイスであるルータの強化開発として、システムの上位となるアセットマネージメントとのインターフェースプロトコルの整備と、ルータ専用のコントローラとしてGUI(Graphical User Interface)を新規開発しました。前者のインターフェースプロトコルの整備により、他社のシステムインテグレータへの提案力強化が図れ、他社システムへの製品供給の実績に繋がりました。後者のルータ専用コントローラGUIの新規開発では、ルータの操作性向上を図ると共に、ルータ管理情報を運用毎のファイル構造と機能別のライブラリ構造に大別した、ルータ管理の新たなソリューションを確立したことで、キー局への納入実績に繋げました。今後、システム構成製品として単体機器販売を促進して参ります。

 システム周辺機器「OnePackⅡシリーズ」では、LACP(Link Aggregation Control Protocol)による制御ネットワークの二重化と、異なるセグメント間で制御を実現するVLAN機能を実装しました。Ethernetを介した制御における信頼性と運用性において、放送中継制作システムの品質向上を図りました。
今後もシステム機器に求められる新た機能の充実を図り、システム機器の放送中継制作システムへの提案を強化して参ります。

 放送システムにおいては、今年度、以下の開発成果がありました。

MoIPシステムにおいて効率的で柔軟な映像制作を可能とするため、汎用サーバー機器によるGPU(Graphics Processing Unit)ソフトウエア映像処理技術の開発を進めています。InterBEE2023展示会では、サーバーによるスイッチャ機能の実演として、サーバーで受信した複数のMoIP映像(SMPTE ST.2110方式)を、タブレット端末から端末画面に分割表示された任意の映像を操作することで、ワイプ効果つきの映像切り替等の技術展示を行い、多くの方から高評価を頂きました。現在、ソフトウエア製品化に向け、高度な映像効果を高速で安定的に動作させるための技術開発を進めています。GPUソフトウエアによる映像処理技術は、従来のハードウエア開発を伴う映像機器に比べて開発効率を飛躍的に高めると共に、新たな機能性や付加価値をもたらします。今後、IP化による多用な運用性が求められる放送システムに柔軟に対応できるソリューションを提供して参ります。

 無線伝送・通信機器では、今年度、以下の開発成果がありました。

 放送局向けに超高精細度テレビジョン(4K・8K)放送番組素材伝送を目的とした新規格ARIB STD-B71に対応した無線伝送装置として、高周波部と制御部が一体型となったFPU送信装置「PF-903」を開発しました。「PF-903」は、最新の4K対応H.265 codecを内蔵することで、超低遅延・高画質伝送を実現し、4K映像のニュース素材伝送やイベント中継用途に加え、ヘリコプター搭載可能な機能を具備したことで、様々な運用形態で活用できるソリューションを提供して参ります。
 デジタルFPUは導入から15年以上が経過し更新時期を迎えており、その更新需要に向け、新規格への対応、性能向上に留まらず、小型化を含む環境負荷低減も目指し製品開発を継続して、各放送局への積極的な販売活動を行って参ります。
 

(2) 産業システム事業関連

 セキュリティー機器関連では、高画質化、ネットワーク化の市場ニーズのほか、様々な顧客ニーズに対応した様々なシステム、ソリューション提供のための開発を進めています。
 
 公共施設向けの監視カメラシステム用に、AIを用いた被写体の検知や自動追尾撮影装置を開発しました。これにより、高度な監視システムのソリューション提案が可能となり、監視市場における省人化に貢献して参ります。
 鉄道市場では、鉄道車掌用ホーム監視システムにおいて、屋外でも視認性の良い高輝度モニタ「FCM-E1510HD(15型)、FCM-E2470HD(24型)」を製品化しました。当社独自の昇降式ハウジングと合わせて好評を博しています。
 今後の労働人口の減少対応に向け、人々の安全安心を守る監視システムの自動化、高度化を目指し製品開発を継続して参ります。
 
 
メディカル機器関連では、医療現場に求められる映像装置の研究開発を進めています。
 
 医療用汎用カメラのロングセラー製品「MKC-210HD」の後継機として「MKC-X200」を開発しました。「MKC-X200」は、新たに1/2.8 型カラーCMOSセンサーを採用することで、従来機のF7からF11へと高感度化を実現し、明るく最適な医療用映像を実現しました。また、前機種の超小型・軽量のカメラヘッドのデザインを継承し、顕微鏡下での手術時はもちろん、スペースの限られた病院の手術室や診察室でも、効率的に運用して頂くことが期待できます。
 今後も差異化技術を追求し機能性能の改善を図り、低侵襲手術を始めとした医療技術の向上、発展に貢献して参ります。
 
 
検査機器関連では、客先製品の品質向上に加え、省人化に貢献する検査装置システムの研究開発を行い、事業拡大に努めています。

 日本の医薬品市場は、一連の不祥事からGMP(Good Manufacturing Practice)に準拠した規格・品質を担保する検査装置へのニーズがより高まりました。また一方で、労働人口の減少による人手不足の深刻化により、時短及び自動化の推進も設備検討をする上で大きな要因になりつつあります。
 このような状況に対応すべく、錠剤外観検査装置「TIE-10000」の機能強化および利便性向上の開発を継続しています。特に利便性向上においては、オペレータが品種追加をより簡便に行え、セットアップ工程の短縮に向けた、感度調整支援機能を開発しました。さらに、GUIは顧客要望を取込み、継続した改善を行うなど、常に機能向上を続けている点を高く評価を頂いており、医薬品の品質向上に貢献して参ります。
 産業市場では、ケミカル市場への参入を目指し、専用の粉体検査装置「POIE-8000CA type i」を開発しました。1画素当たり20μmの分解能を持つ8000画素CMOS RGBラインセンサを4台搭載し、粉体に混入した細かな毛髪(φ30μm×3mm以上)や、微細な異物(φ50μm以上)等を検出する能力を実現し、新たな市場への拡販をして参ります。
 今後、AI/IoT技術を活用し、さらなる製品価値向上に向け開発を推進して参ります。
 

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