毎日コムネット 【東証スタンダード:8908】「不動産業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「ワンストップ・ソリューション」という企業コンセプトのもと、不動産・旅行・人材と3つの事業領域から日本の未来を担う若者と、大学及び企業等の社会の若者を応援する人たちとをつなぎ、新たな価値を創造し、将来にわたり地域経済や社会に貢献することを経営ビジョンとしております。
不動産ソリューション事業におきましては、不動産を直接取得し開発するディベロッパー事業の他、企業及び個人オーナーに対する保有不動産の有効活用案件について、事業スキームの提案から、収支計画、設計、建設会社の紹介、融資金融機関の紹介、竣工後の一括借上げ、入居者募集、運営管理にいたるまで全ての機能をワンストップ体制で提供することで、管理戸数の安定拡大を図り、事業基盤の強化を進めてまいります。
学生生活ソリューション事業においては、学生が充実した学生生活を過ごすためのさまざまなサービスを提供する課外活動ソリューション部門と、企業と新卒学生人材とのマッチングサービスを提供する人材ソリューション部門を連携させ、就職率向上を目指す大学までも含めた新卒採用の課題解決をはかる学生生活ソリューションビジネスへと発展させてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
① 中長期的な会社の経営戦略及び中期経営計画
上記基本方針のもと、第一には不動産ソリューション事業を成長の中軸として、引き続き経営資源の集中投資を行います。第二には学生生活ソリューション事業において学生人材育成と企業人事への営業体制強化を図ります。この両面を展開することで学生生活に不可欠なサービスをさらに包括的に提供しうる事業体を構築し、地域経済や社会に貢献する企業グループへの進化を進めてまいります。
経営指標については、創業50周年を迎える2029年5月期に向け、2024年5月期を初年度とする「中期経営計画(2024~2029)」を2023年7月21日付で策定し、定量目標として最終年度の2029年5月期において、連結売上高300億円、連結営業利益31億円、連結経常利益30億円、親会社株主に帰属する当期純利益20億円を目標としております。
2年目となる2025年5月期の連結計画につきましては、売上高22,030百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益2,410百万円(同5.1%増)、経常利益2,270百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,520百万円(同2.4%増)を計画し、1株当たり配当につきましては、中間配当9円を含む年間配当31円を予定しております。
② 中期経営計画の主な内容
(会社の目指すべき姿)
当社は、創業50周年を迎える2029年に向け、社会と共存し、つぶれない・つぶさない経営で100年持続可能な企業を目指します。
(基本方針及び事業戦略)
「中期経営計画(2024~2029)」では、既存事業を強化・拡大し、事業領域の拡大・変革を行い、新たな事業を創出することとともに、社会と共存し持続的に成長するためにESG経営及び人的資本の最大化に取り組んでいくことを基本方針としております。
なお、各セグメントの主な事業戦略は次のとおりであります。
不動産ソリューション事業(不動産デベロップメント部門)
・既存事業の拡大(総管理戸数15,000戸、 新規地方物件の開発目標1,000戸)
・事業領域の拡大、変革(単身社会人向け物件開発、多様な建築手法等による物件開発)
・新たな不動産事業(土地情報を活用した新たな不動産事業を模索)
不動産ソリューション事業(不動産マネジメント部門)
・DX化による差別化(拠点展開を必要としないオンライン営業、AI、マイページのフル活用による24時間
リーシング)
・全国学生ひとり暮らしCLUB40社との共同事業(アプリによる地域を超えた併願受験生の獲得)
・単身社会人市場へ参入(社会人市場におけるインターネット直販体制の構築、優位性のある立地、高い商品
性による募集の差別化)
学生生活ソリューション事業(課外活動ソリューション部門)
・復活再構築(コロナ禍によって生じた課外活動の活性化等)
・事業のDX化(DX化による募集力の強化、管理業務の効率化、サークル幹事への蓄積されたノウハウの提
供)
・事業領域の拡大(学生マーケット情報を活用した新サービスの開発、展開)
学生生活ソリューション事業(人材ソリューション部門)
・人事コンサルティング(人事課題の解決に向けたソリューションの提案、人的資本経営に対応した人材育成
支援サービスの提供)
・人事DX化システム(人事DX化に向けた企業のニーズに合ったシステム開発、蓄積されたノウハウに基づ
くシステム構築サポート)
・プロモーション(人的資本経営情報開示サイト等IR分野に領域を拡大、経験者、専門職等中途採用分野向
けサービスの提供開始)
③ 中期経営計画の取り組み状況
「中期経営計画(2024~2029)」の初年度である2024年5月期は、売上高は20,772百万円(当初計画比3.4%減)、営業利益は2,292百万円(同4.7%増)、経常利益は2,218百万円(同5.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,484百万円(同6.8%増)となり、売上高は計画を下回ったものの、すべての利益項目で計画を上回り、過去最高益を更新いたしました。
なお、当連結会計年度における主な取り組みの状況は次のとおりであります。また、サステナビリティの取り組み状況については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
(不動産ソリューション事業)
・新規開発物件は4棟328戸(うち地方物件1棟60戸)、管理戸数は224棟12,046戸。
・業務のDX化として、入居者募集時の資料請求業務を自動化及びRPAにより入居者に送付する契約関連書
類を自動化。
(学生生活ソリューション事業)
・旅行分野である課外活動ソリューション部門の業績は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の約7割
程度まで回復、また、業務のDX化としてRPAにより顧客との出発確認業務及び施設への連絡を自動化。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)及び(2)に記載の会社の経営の基本方針及び中長期的な会社の経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 不動産ソリューション事業
・不動産デベロップメント部門
当社の学生向け賃貸住宅は、単に戸数を増やすものではなく一定の収益性を確保していく中で、入居者ニーズに応える商品バリエーションの拡充を図りつつ、立地や品質にこだわった付加価値の高い物件開発を行うことを方針としております。そのためには、高度で幅広い事業ノウハウの蓄積を進めるとともに、土地オーナー等の主な情報入手先である金融機関等との協力・連携の強化が重要であると考えております。
また、東京圏一極集中リスクを回避する観点及びESGのS(地域・社会への貢献)の取り組みから、地方都市での物件開発にも積極的に取り組んでまいります。
・不動産マネジメント部門
賃貸住宅運営管理においては、入居者ニーズに応える新たなサービスを拡充し、入居者対応についても継続的に強化していくことで入居者への付加価値を高めていくことが重要であると考えております。
また、入居者募集においては、既に導入済みのWEB契約や一部物件で導入している、360°VR内見等に加え、WEB接客等のITサービスの拡充を図るとともに、非対面型の入居者募集体制を推進していくことが必要であると考えております。
② 学生生活ソリューション事業
・課外活動ソリューション部門
学生のサークル合宿旅行・研修旅行やスポーツ大会の企画手配等を行う当部門は、中長期的にみて学生の課外活動への参加率の減少等による縮小傾向にある中で、新型コロナウイルス感染症の様な大規模感染症が流行した場合には大きな影響を受けることが見込まれます。また、それらが収束した場合においても、直ちにこれまでの市場環境に戻らないことも想定し、より一層の効率化を進め生産性を高める体制を整備することが必要であると考えております。
・人材ソリューション部門
企業の採用活動は、新卒一括採用から通年採用への企業意識の変化等により、今後、新卒採用方針や新卒採用の活動方法が変化し、多様化していくことが想定されます。それらに対応するためには、企業毎のニーズにあった商品・サービスの開発、拡充を図るとともに、急激な変化に対応できる柔軟な発想と組織の強化及び人材の育成が重要であると考えております。
③ 全社
自然災害や大規模感染症の流行等の有事の際において、従業員の出社抑制や営業活動の一時停止等による当社グループの事業活動に与える影響を最小限に抑えるため、事業継続体制の強化・推進を図ってまいります。
また、女性社員の活躍、働きやすい職場環境づくりを推進し、将来を担う人材の育成に取り組んでまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング