企業兼大株主武蔵精密工業東証プライム:7220】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)経営方針

 当社グループは、Origin(創業の精神)、Purpose(使命)、Way(行動指針)で構成されるムサシフィロソフィーを基軸に事業を運営しております。

 ムサシフィロソフィー

 激変する事業環境の中、当社は2023年に創業85周年の節目を迎えました。長い歴史の中で培った挑戦のDNAを受け継ぎ、長期ビジョン「Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~」を実現することで、新たな価値の創出と更なる成長を目指します。

・ムサシ100年ビジョン Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~

-人:自らの限界を壊し、ワクワクする仕事をしよう!

-しくみ:組織・風土の壁を壊し、常に変革を起こそう!

-事業:常識・既成概念を壊し、世界をあっと驚かせよう!

(2)中長期的な経営戦略

 当社グループにおいては、ムサシ100年ビジョンの実現に向け、人・しくみ・事業の各視点で以下の方針を定め、既存事業(コア事業)の深化と、新規事業の創出による更なる成長を目指しています。

・人:ムサシフィロソフィーの体現、ビジョンへの挑戦

 ムサシ100年ビジョンのグローバルでの実践に向けて、将来を担う、高いスキルを持ったプロ人財や、新しい働き方で価値を生み出す自律人財の育成を目指しています。

 全ての活動の基軸であるムサシフィロソフィーについて、階層別の期待行動を具体化し、実践のための教育プログラムの整備やそれに連動した人事評価制度のしくみを導入することで、各個人が能力を高め、発揮し、活躍できる環境・企業文化づくりを進めてまいります。

・しくみ:Musashi DXの実現

 デジタル技術を活用した業務の標準化、自動化、最適化により業務プロセスを高効率化し、さらにデジタル化されたプロセスの中で蓄積されるデータの利活用により、新たな価値の創出にも挑戦します。

 また、デジタルトランスフォーメーション実現のため、進化したツールを使いこなし、価値を生み出すことができるデジタル人財の育成にも取り組んでいます。デジタル技術に対するリテラシー向上や、クラウドツールを活用した業務改善アプリの製作といった実践スキルを学ぶプログラムを整備し、新たな時代の成長基盤となるデジタル前提の企業文化を構築してまいります。

・事業:強いコア事業の確立、新規事業の創出

 電動化の機会をとらえた、コア事業の拡大と収益性の向上に取り組みます。QCD+E(品質、コスト、デリバリー+環境)の観点で最適なものづくりを追求していくとともに、将来を担う新技術の仕込みや、オープンイノベーションによる新規事業の創出にも取り組みます。

 当社グループの得意技術を活かした電動車向け商品の競争力強化・ラインナップの拡充に加え、既存商品の稼ぐ力を継続的に高めることで、電動化時代のキーデバイスサプライヤーとしての成長を目指します。また新規事業領域においては、主要4分野(Mobility、Energy、Industry、Well-being)において、社会課題の解決に貢献できる事業の創出に取り組んでいます。

・Musashi GX(グリーン戦略の推進)

 当社は、2021年5月にカーボンニュートラルの実現に向けた中長期目標を発表いたしました。当社が創業100周年を迎える2038年までに事業活動(*1)でのカーボンニュートラル(グリーンオペレーション100)、2050年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルの実現を目指します。全ての事業活動を対象に、省エネ化や再生可能エネルギーの利用拡大などの取り組みを価値に変えるグリーン戦略を策定・実行してまいります。

 製造工程においては、CO2の見える化と徹底的な省エネ化、再エネ活用を進め、CO2排出を抑えた低炭素商品の実現を目指しています。また、自動車のCO2排出低減に貢献できる技術・商品の開発や、一人ひとりの意識・行動を変えていくことによる事業活動全般における低炭素化を通じ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

(*1) GHGプロトコルのScope1,2を対象

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループでは、収益性の向上を経営上の重要課題の一つとして捉えています。競争力の高い商品開発や生産プロセスの効率化、財務規律の確保に向けた諸施策により、売上高に対する利益率や資本効率性(ROA・ROE・ROIC)を高め、長期的な企業価値向上を目指しています。このほか、自己資本比率や借入金依存度などの指標により財務の安全性や健全性にも配慮しております。

(4)経営環境及び対処すべき課題等

 自動車業界において、中国やヨーロッパ市場を中心に進んでいたBEV(電気自動車)の普及が踊り場を迎え、PHEV(プラグインハイブリッド車)/HEV(ハイブリッド車)等の需要の拡大を受け、完成車メーカーのEV化戦略に変化がみられる状況となっています。

 このような事業環境の中、当社グループはICE(内燃機関車)向け、PHEV/HEV向け、BEV向け、どの領域においても競争力のある商品を提供し、“稼ぐ力”の最大化に取り組んでまいります。

 また、新規事業領域においては1→10(事業の実現と拡大)フェーズの加速を図り、これまでに育んだ“芽”を“成果=事業の拡大”につなげるべく推進してまいります。

 その代表例として、Energy Solution事業では、生成AIの急速な普及に伴うデータセンターの拡大に向けて、新たな蓄電ソリューションを提供してまいります。当社グループのハイブリッドスーパーキャパシタは、生成AI時代の電力消費削減、瞬停・停電防止に対するソリューションとなるキーデバイスです。

 当社グループは次の中期計画を、“勝負の3年間”と定め、ムサシ100年ビジョン“Go Far Beyond!”の第2ステージと位置付けて、事業・しくみ・人のトランスフォーメーションに取り組んでまいります。

 優先的に対処すべき課題は、以下のように考えております。

1.グローバルオペレーションの強化+マネジメント体質の向上による“稼ぐ力”の最大化

 今後の成長につなげる原資を確実に確保すべく、既存のインフラを最大限に活用し、効率的なオペレーションができる生産体質を実現してまいります。

 具体的にはデジタル技術を用い、生産状況等をモニタリングできる仕組みの構築を進め、得られたデータを基に管理部門と技術部門の連携により、高速でマネジメントのPDCAを回し、生産体質・品質の強化を実現します。

 日本地域にて成果を上げているこの手法をグローバルに展開し、収益力を向上します。

2.EV時代をリードする事業構造への転換

ICE向け、PHEV/HEV向け、BEV向け、いずれの需要に対しても対応できる変化に強い事業構造を構築していきます。

 デファレンシャルアッセンブリィのコンパクト化、減速ギヤ/シャフトの高精度/静音化、リンケージ&サスペンション部品の軽量化/低フリクション化などを通じ、顧客に選ばれる付加価値の高い商品を提供します。

 また、より付加価値の高いモジュール部品となるギヤボックスユニットの提供も開始しております。

3.新規事業の1→10フェーズの加速

Our purpose(自社の使命)に掲げる「テクノロジーへの“情熱”とイノベーションを生み出す“知恵”をあわせて、人と環境が“調和”した豊かな地球社会の実現への貢献」に向けて、以下の事業を推進しています。

・e-Mobility事業:インド・アフリカ地域においてスタートアップとの協業により、自社開発e-Axleを搭載したEVスクーターの販売が開始されます。今後新興国向けに小型モビリティ向けe-Axle事業の拡大を進めます。

・Energy Solution事業:ハイブリッドスーパーキャパシタをコアに、事業拡大に取り組んでまいります。新たなマーケットとして、次世代データセンターや鉄道事業者向け電力システム等の事業開発を進めます。

・Smart Industry事業:AI外観自動検査機、無人搬送車を中心とした製造現場向け自動化ソリューションを展開しています。昨年譲受されたS-CART事業を加え、事業の拡大を進めています。

・植物バイオ事業:最先端のバイオテクノロジーを駆使した研究開発により、植物の持つ機能性を活かしたヘルスケア商品を提供してまいります。

4.事業活動を通じたサステナビリティの実現

 当社グループの事業活動は、ムサシフィロソフィーを基軸に、ムサシ100年ビジョン“Go Far Beyond!”の実現を目指して、事業活動そのものを通じて、社会課題の解決に貢献することで、持続的な成長とサステナブルな社会の実現に取り組みます。

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