極洋 【東証プライム:1301】「水産・農林業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、環境保全、気候変動、責任ある調達、人権尊重など様々なサステナビリティ活動を推進するため、「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。㈱極洋の代表取締役を委員長とするサステナビリティ推進委員会は、委員である取締役、各部署長、支社長、関係会社社長の出席のもと年2回開催し、社会課題の解決に向けた対応について審議・決定、推進するとともに、取締役会に重要事項や取組みの進捗状況を報告しています。取締役会は報告を受け、サステナビリティ活動を監督する役割を担っています。
また、持続的成長と中長期的な企業の価値向上において、重要な経営課題であるサステナビリティの取組みを当社グループ全体で推進するため、2021年に策定した「キョクヨーグループサステナビリティ基本方針」に基づいた事業活動を展開しております。
<キョクヨーグループサステナビリティ基本方針>
1.価値の創出と共有
安心・安全な商品・サービスの提供を通じて社会に価値を創出し共有することで、さまざまな社会課題を解決し、健康で心豊かな生活と食文化に貢献します。
2.社会とのコミュニケーション
さまざまなステークホルダーとの積極的なコミュニケーションを推進し、社会の要請や期待に応え社会的責任を果たすことで、豊かな社会づくりに貢献します。
3.多様な人材が活躍できる環境
新たな価値の創出の源泉である人材の多様性を尊重し、一人ひとりが活躍できる環境づくりに努めます。
4.環境との調和
地球環境への負荷低減や気候変動の緩和、生物多様性と生態系の保全などに配慮した、環境と調和した事業活動に努めます。
5.コーポレートガバナンスの充実
迅速かつ透明性の高い経営のもと、公正な事業活動を行うとともに、コンプライアンスの徹底とリスクマネジメントの強化に努めます。
(2)リスク管理
①気候変動リスクについて
キョクヨーグループサステナビリティ基本方針の「4.環境との調和」の考えのもと、サステナビリティ推進委員会において、リスクのインパクトの大きさおよび発生する可能性の高さ・頻度から重要リスクの特定・評価を行い、未然防止・回避・低減・最小化等の対応策を検討し、進捗状況をモニタリングしています。
②人的資本について
キョクヨーグループサステナビリティ基本方針の「3.多様な人材が活躍できる環境」の考えのもと、会社と従業員の双方向での丁寧なコミュニケーションを重視し、提出会社の社員を対象に、毎年、人事部による個別面談を実施することで、様々な声を聞き取っています。また、ハラスメントのない、全ての従業員が互いに尊重し合える、職場づくりのため、毎年事業年度の初めに、従業員へハラスメント防止に関する通達を行うとともに、万が一に備えた対策として、臨床心理士や精神保健福祉士等の資格を持つ専門家と契約し、ハラスメント全般に関する外部の相談窓口を設置しています。
(3)戦略
①気候変動リスクについて
当社グループでは、気候変動は事業基盤である海洋環境の変化や異常気象を引き起こし、当社グループや社会に様々な影響を及ぼすことから、重要な経営課題として認識しています。一方で、当社グループの事業は多様であるため、新たな事業機会の獲得にもつながると考えています。
2022年5月に「気候関連情報開示タスクフォース(TCFD)による提言」への賛同を表明した当社では、TCFD提言に沿って今後起こりうるさまざまな事象を想定し、対策を検討しています。その対象範囲は当社グループの事業全般であり、国際エネルギー機関(IEA)や国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による複数のシナリオを参照し、気温上昇によるリスクおよび機会への対応策(緩和策・適応策)を検討しています。今後は、定期的にリスクおよび機会への対応策の見直しを行っていきます。
<主なリスクと対応策>
| リスク・インパクト | 対応策 |
移行リスク | ・炭素税上昇によるエネルギー関連 コストや容器包装材コストの上昇 ・漁獲規制の強化 ・消費者の行動変化 | ・再生可能エネルギー利用、 プラスチック使用量削減 ・養殖事業の拡大、未利用魚の活用 ・環境配慮商品の開発や認証商品の増加 |
物理的リスク | ・海洋環境の変化 (海水温上昇、海水面上昇) ・異常気象 | ・陸上養殖 ・物流拠点の分散・見直し |
(注)1 移行リスク:脱炭素社会への移行に伴う、法律や市場の変化に起因するリスク
2 物理的リスク:気候変動自体により発生する物理的事象が資産に損害を及ぼすリスク
②人的資本について
当社グループにおける、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
当社グループでは、働きやすい職場環境づくりを進めることが仕事に対するモチベーションを高め、従業員が能力を発揮し、結果として生産性の向上や効率的な経営の実現、メンタルヘルスの不調の予防などにもつながると考えています。そのために、企業理念である「人間尊重」に基づいた施策や法令に則った制度の導入・整備を進めています。
主な戦略は以下のとおりです。
なお、連結グループに属する全ての会社についての記載が困難であるため、提出会社のものを記載しております。
ア.若手社員の育成
各階層別の教育・研修を実施していますが、特に食品事業の拡大を重要な事業課題として捉えており、食品メーカーとしての将来を担う若手社員の育成に力を入れています。新入社員に対しては入社後、当社グループの国内主力工場において約8ヵ月間の現場研修を実施しています。生産現場を体験しながら、様々な食品製造に関するプログラムを履行することで、食品事業に知見の深い社員を養成しています。
イ.主体的な学びのサポート
社員が自発的に学び、成長することをサポートするための通信教育講座を充実させています。また、各講座の修了時に奨励金を支給するなどの支援制度を設け、積極的な受講を促す体制を整えています。
ウ.女性活躍の推進
女性活躍の推進については、「女性管理職比率の向上」、「女性が働きやすい環境の整備」、「人材育成」を目指し、将来の女性リーダー候補を対象とした研修や座談会の実施、ジョブローテーションによる幅広いキャリアの蓄積とモチベーションの向上、育児等で一時退職した従業員を再雇用するキャリアリターン制度の導入等、様々な施策に取り組んでいます。
また、産休・育休中の社員に対しては、社内報を送付するほか、社内規則や組織の改正などの社内情報をスマートフォンで手軽に確認できるイントラネットを設置し、スムーズな職場復帰に向けた支援を行っています。
エ.男性の家事・育児への積極的な参画
男性の家事・育児への積極的な参画に向け、社内報等での啓発を通じて、男性が育休を取得しやすい職場環境づくりにも取り組んでいます。
(4)指標及び目標
①気候変動リスクについて
当社グループは、中期経営計画「Build Up Platform 2024」で、2050年カーボンニュートラルに向けた取組みの推進を掲げています。
この方針のもと、エネルギーの効率的な利用等による、CO2排出量削減に取り組むとともに、日々の点検、管理を通じて、フロンの漏洩防止に努めています。
また、プラスチック使用量の削減にも積極的に取り組んでいます。プラスチックは、原材料である石油の採掘・輸送から、精製、生産に係る過程だけでなく、焼却時にもCO2を排出することから、ライフサイクル全体を通じて気候変動の一因になっているとの考えのもと、当社グループ製品の包材等に使用するプラスチック使用量を減らす取組みを行っています。
気候変動に関するリスクの緩和・評価・管理をするために定めた指標と目標は以下のとおりです。
目標 | 目標年 | 対象範囲 | 指標 | 対応 |
CO2排出量削減 (Scope1・2)※1 | 2050年 | 連結会社※2 (一部を除く) | CO2排出量の前年実績比1%削減 (Scope1・2) | 点検等、日常の事業活動を通じての省資源活動 冷凍機の更新時に省エネ設備を導入 |
プラスチック使用量削減 | 2030年 | 連結会社 工場 | 包材に使用するプラスチック使用量30%削減(原単位、基準年:2019年) | CO2排出量の少ない素材への材質変更 ノントレー包装 包材のダウンサイジング等 |
※1:Scope1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセスからの排出)
Scope2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出(電力会社からの買電など)
※2:㈱極洋、キョクヨー秋津冷蔵㈱、極洋商事㈱、極洋食品㈱、極洋水産㈱(大井川工場・惣右衛門工場)、キョ
クヨー総合サービス㈱、キョクヨーフーズ㈱、極洋フレッシュ㈱、指宿食品㈱、インテグレート・システム
㈱、海洋フーズ㈱
②人的資本について
当社では、上記「(3)戦略 ②人的資本について」において記載した、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
女性の継続雇用の割合 | 2026年3月31日までに入社9~11年目の女性の継続雇用割合を男性と同水準の60%以上とする | 67% |
退職者の再雇用 | 2026年3月31日までに退職した女性の再雇用実績を1名以上とする | 2名 |
男性社員の育児休業取得率及び育児を目的とした休暇利用者の割合、人数 | 2026年3月31日までに50%以上、かつ、育児休業等を取得した者を1名以上とする | 47.4% 9名 |
※連結グループに属する全ての会社についての記載が困難であるため、提出会社のものを記載しております。
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