東海染工 【東証スタンダード:3577】「繊維製品」 へ投稿
企業概要
当社グループにおける研究開発活動は国連の提唱するSDGs(持続可能な社会の達成)に向けて、染色加工事業、縫製品販売事業及び機械販売事業において関連するテーマを選定し、開発技術部ならびに商品開発室を中心に各事業所と連携して進めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は43百万円となっており、研究開発スタッフはグループ全体で20名となっております。
各セグメントに関連付けた研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
染色加工事業及び縫製品販売事業における研究開発活動では、社会のニーズに基づき複数の重点テーマを持って進めております。
第一のテーマは私たちの健康に影響する加工技術の開発です。PFAS(有機フッ素化合物)は撥水撥油剤として日常衣料品等にも多く使用されていますが、一部のPFAS(PFOSやPFOA)では難分解性、生物蓄積性および毒性が認められて化審法により日本国内での使用が禁止されています。さらに欧州や米国では全てのPFASを規制する議論が進められ日本においてもこれに追従する形で議論されております。当社ではこれに先立ちPFASを全く使用しない「ゼロフッ素加工」の研究開発に取り組んでおり実用段階となっております
第二のテーマは地球環境に配慮した省エネ省資源加工技術の開発です。当社では国内全ての事業所において熱源としてバイオマスボイラーを設置しカーボンニュートラルを実践しておりますが、地球温暖化ガスである二酸化炭素排出量のさらなる削減に向けて燃焼効率の向上に向けた技術開発に取り組んでおります。また当社では染色整理に使用する一部の化学薬品を回収再利用しておりますが、まだまだ大量の化学薬品の使用と廃棄をしております。そのため省資源染色加工の拡大や廃棄薬品の削減を目的に回収精製の過程に着目して研究開発中であります。またバイオ技術を応用した染色加工技術等の開発や、化学薬品由来の合成染料を使用しない天然染料による染色加工技術の確立にも取り組んでおります。
第三のテーマは染色加工において大量に使用されている水を一切使用しない革新技術である超臨界染色の開発です。これは持続可能な社会の実現を目指す国立研究開発法人NEDOの先導研究に参画し研究開発に取り組んでいます。なお超臨界とは物質固有の臨界温度・圧力を超えた状態で物質は気体と液体の中間の性質を示しますが、二酸化炭素を臨界状態にすることにより水の代替物として染色をおこなう画期的な加工技術です。
染色加工事業及び縫製品販売事業における研究開発費は32百万円であります。
機械販売事業における研究開発活動は、主に濃度制御を中心とした機器開発関連における研究活動となります。染色整理業向けの各種濃度制御技術の開発販売では、国内はもとより中国・アセアン諸国を中心として海外からも高い評価を得ております。染色整理業において薬品の濃度を一定に管理することは品質保証の基礎であり、無駄な使用を減らすことにより省資源生産を可能にし、排出物の削減にも寄与することになり持続可能な社会の達成に大きく貢献するとともに経済性にも寄与します。
また繊維関連以外の異業種への働きかけも積極的に行っており、産業資材としてPVAフィルムの加工やヨウ素関連事業、製紙業や金属表面処理加工など、その他の化学工業向けにさらに制御装置の測定精度を高め、幅広い分野で利用できる環境配慮型の薬品濃度制御装置の開発と販売を進めてまいります。
機械販売事業における研究開発費は11百万円であります。
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