東和薬品 【東証プライム:4553】「医薬品」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
ジェネリック医薬品の数量シェアがおよそ80%にまで達した今、これまで以上に安定供給に努め、製品の品質を一層高めていくということが社会的責任であると考え、製品管理、品質管理を徹底するとともに、新たな事業や地域を通じて、理想とする地域社会創生のための基盤構築へ貢献し、また必要な健康増進サービスを必要とする人へ提供し、健康寿命の延伸への貢献を目指してまいります。
このような方針の下、今後の大きな変化に対し、当社グループの総力を統合しながら長期展望を描くために、当社の理念である「私達は 人々の健康に貢献します 私達は こころの笑顔を大切にします」の実現に向けて、それぞれの事業や会社の目指すべきゴールを定め、それぞれの会社が自律組織となって新たな社会課題を発見し、グループ総力で解決する必要があります。
これを実現するためのグループガバナンスの体制として、取締役会から気候変動を含むリスクに関して諮問を受けたリスクマネジメント委員会(最高責任者 代表取締役社長 吉田逸郎)が各部門・関係会社と連携して情報収集、分析を実施し、想定されるリスク(気候変動関連の機会を含む)やそれらにかかる取り組みについて検討を行っています。取締役会はリスクマネジメント委員会から検討状況について年2回報告を受け、方針の決定と監督を実施しています。
また、代表取締役社長 吉田逸郎が議長を務める経営戦略会議を原則として週1回開催し、経営課題に関する重要案件を審議しています。この中で人事施策を含む経営方針・中期経営計画を審議し、基本戦略や経営目標を明確にしています。
(2)リスク管理
当社グループのリスクマネジメントは、最高責任者の代表取締役社長の下、リスクマネジメント委員会を設置する体制としています。リスクマネジメント委員会は、当社グループを取り巻くリスクに迅速かつ的確に対応し、リスクの未然防止、又はリスク発生時の利害関係者の利益喪失及び企業経営への影響の最小化を図りつつ、機会の洗い出しを行っています。
また、「リスクマネジメント基本規程」を制定し、当社グループの各部門と役員及び社員全員が、当基本規程に従い、全社的リスク管理を徹底しています。
気候変動
(1)ガバナンス
・組織体制とプロセス
気候変動関連問題については、リスクマネジメント委員会の分科会としてTCFD分科会を設置し、対応しています。取締役会は、リスクマネジメント委員会に諮問し、当該方針の決定、監督を実施しています。
リスクマネジメント委員会はTCFD分科会が実施する取り組み状況を審議するとともに年2回、取り組み状況を取締役会へ報告しています。
TCFD分科会は、各部門・関係会社と連携して情報収集、分析を実施し、想定される気候変動に関するリスク・機会の洗い出し、特定と評価、その評価の見直しを実施しています。また、実行計画・対処策等を策定、定期的に実行状況を点検、フォローし、取り組み状況は経営戦略会議へ適宜報告します。さらに、重要事項についてはリスクマネジメント委員会メンバーに、都度、報告します。
各部門・関係会社は、TCFD分科会と連携して策定した各種施策を実行し、気候変動にかかるデータを提供します。
経営戦略会議は、TCFD分科会より適宜報告を受け、必要に応じて指示、承認を実施します。
監査等委員会及び内部監査室は、これらの取り組みを監査します。
(2)戦略
・シナリオ分析の前提
当社の医療用医薬品の製造販売事業等を対象として、2030年時点の世界を想定してシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、IPCC、IEA等の各種レポートを参照し、1.5℃、2℃、4℃の3つのシナリオを設定しました。 1.5℃シナリオでは脱炭素社会の実現に向けて炭素税をはじめとした各種規制が導入され、様々なステークホルダーから気候変動対応への要求が高まる一方で、社会やライフスタイルの変化に伴う新たなニーズの発生が考えられます。4℃シナリオでは温暖化の進行によって極端な大雨等の災害リスク、熱中症等の健康リスクが高まると想定される一方で、気候変動へ適応するための新たなニーズも生まれると考えられます。
・シナリオ分析の結果
各シナリオに基づくリスクと機会の抽出を行い、それぞれの発生可能性と影響度に応じて事業に与える重要度を評価し、対応策の検討を行いました。その結果、対象事業における気候変動に伴う重大な事業リスクは確認されませんでした。1.5℃シナリオ、4℃シナリオで想定されるリスクと機会は以下の通りです。
IPCC:気候変動に関する政府間パネル/Intergovernmental Panel on Climate Change
IEA:国際エネルギー機関/International Energy Agency
対象範囲:東和薬品株式会社(単体)
対象期間:2021年度~2030年度
(3)リスク管理
気候変動に関連するリスクと機会の管理のため、TCFD分科会は、リスクと機会の評価の見直しを毎年実施します。
リスクと機会のそれぞれを発生可能性、影響度、対応策の有無などで評価し、重要度を決定しています。
また、バリューチェーン*に細分化して、評価、対応策を検討しています。
リスクと機会の評価にあたっては、必要に応じて関連する事業部門にインタビューを実施しています。
重要度が高いものについてはリスクマネジメント委員会にて検討し、必要に応じてリスクマネジメント委員会を通じて、取締役会に報告します。
また、TCFD分科会では、気候変動に対するリスクと機会への対応策を立案し、設定した指標により対応策の進捗を管理します。
*バリューチェーン:事業を機能別に分類したものであり、当社では「研究・開発、購買・調達、製造、物流、営業・マーケティング、管理全般」に分類
(4)指標と目標
当社グループでは気候変動に関連するリスク・機会を管理するための指標として、温室効果ガス排出量を算出し、中長期の削減目標を設定しています。Scope1,2では、2030年度に2021年度比30%削減、2050年度にカーボンニュートラルを目指します。
Scope1,2排出量(CO2排出量(t-CO2))
| 2021年度 | 2022年度 |
Scope1 | 30,098 | 29,948 |
Scope2 | 43,180 | 47,661 |
計 | 73,278 | 77,609 |
集計範囲:東和薬品株式会社、ジェイドルフ製薬株式会社、大地化成株式会社、グリーンカプス株式会社、Towa Pharma International Holdings, S.L.、三生医薬株式会社等としております。
集計期間:2023年3月期から3月決算に決算期変更した三生医薬株式会社及びTowa Pharma International Holdings, S.L.を含め、2021年4月~2022年3月、2022年4月~2023年3月としております。
人的資本
(1)ガバナンス
人事戦略に関しては、取締役会における経営視点での方針の議論を経て、人事部、経営企画部が各部門・関係会社と連携して情報収集、分析を実施し、具体的な課題や施策(主要ポジションの任免、人員に関する計画等)に関する検討を行っています。それを経営戦略会議で審議し決裁しています。これらの活動は人事本部長を責任者とし、国内外グループ各社の責任者と連携をとりながら進めています。
(2)戦略
(人材育成方針)
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。
当社グループの理念である「私達は 人々の健康に貢献します 私達は こころの笑顔を大切にします」の実現に向けて、中期経営計画において、個人の成長やキャリアの充実、働き方の多様性の実現により、「社員一人ひとりにとって働きがいのある会社」であり続けることを人材戦略の目標に掲げています。この目標を達成するためには、個人の成長やキャリアを充実させることが重要であり、当社においては人事部を組織強化した上で人事本部にし、管理職ポスト要件の整備、業務スキル要件の可視化、全社員を対象とした主体的なキャリア形成支援等を行っております。具体的には現場の社員一人ひとりの育成とキャリア開発を担当するキャリア開発部(キャリア形成支援担当者)を人事本部の下に設置しています。
〇キャリア形成支援
人材戦略のひとつの要素である、社員の「キャリア形成支援」に取り組み、社員の継続的な自己成長と能力を最大に発揮できる機会の創出を通じ、活き活きと働ける組織づくりを実現することで、すべての社員が働きがいのある組織・会社となることを目指しています。具体的には、当社では社内アンケートをもとに、個々と人事担当者の面談の実施及び管理職に対するキャリア形成研修を実施し、自律的なキャリア形成の支援に取り組んでいます。また、新任管理職・新卒4年目に対してキャリア形成研修を毎年実施しています。
キャリア開発部は上記のキャリア形成支援のための取り組みについて積極的に議論するとともに、経営モニタリング会議に検討結果を報告しています。
(社内環境整備)
社員が成長することで企業基盤が強化され、変化に対応した成長が可能となることから、当社では企業基盤の強化に向けた環境整備に取り組んでいます。具体的には、働き方の多様性を高め、その能力を最大限発揮できる環境を整備するという方針のもと、育児休業の延長や子育て世代・介護支援休暇の設置、在宅勤務の導入といった多様な働き方を支援できる環境を整備しております。また、社員は会社にとって重要な投資資源・財産として捉え、成長に向けて働きかけるための人材育成の取り組みを強化しています。また、社員一人ひとりが創造的な仕事をするための時間確保ができるように、適正人員数の確保に努めています。
〇女性活躍推進、多様性の推進
2009年7月「女性社員が子育てをしつつイキイキと仕事に取り組むために、会社の支援策はどうあるべきか」をテーマとして「女性活躍推進プロジェクト」がスタートしました。経営層との意見交換を積極的に実施し、以下の取り組みを実現しました。
・育児休業期間の延長(対象となる子が3歳になるまで)
・早期復帰支援を目的として「早期復帰祝金」を支給
・子育て応援ガイドブック「Happy Lovely Baby」の作成・啓発
・子育て支援等を目的として「ファミリーサポート休暇」を設置
・2010年に「くるみん」マークを取得
・管理職候補となりうる女性社員を増やすために各部門で計画的に育成を行っていく
・部門長に女性の積極活用を呼びかけ
さらに女性の活躍を推進するため、2011年4月に「女性活躍推進委員会」を発足しましたが、その後、2018年1月に女性活躍推進に加えて、すべての社員の事情に応じた課題の解消・支援の施策を実施するため「社員活躍推進委員会」と名称を変更して活動範囲をさらに拡大し、社員の働き方の多様性を推進するための取り組みを積極的に行っています。最近の傾向としては、男性社員の育児休業の取得が増加しております。また、2018年には仕事と家庭の両立を支援するための施策である「育児短時間勤務」について、対象となる子が小学6年生まで取得できるよう適用範囲を拡大し、利用者数は年々増加しています。
また、社員の多様性を進めるために中途採用を積極的に行うとともに、外国籍の人材も採用しております。
これらの施策を実施するとともに階層別に行動指針に関する研修を実施し、人権に関するe-learningを実施する等の啓蒙活動も合わせて行っています。
これらの取り組みもあり、2022年度には「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」において三ツ星に認定されました。
〇健康経営の推進
当社グループでは、社員が当社グループの一員であることに誇りを持ち、自身のキャリア開発や能力発揮を通して組織に貢献できる人材となるよう取り組むとともに、職場の労働環境を整備し、社員のモチベーション向上や働きやすさの向上を目指しています。
そのために、人材戦略の一環として取り組んでいる健康経営においては、国内グループ会社の安全衛生担当者が出席し、健康経営推進について協議・情報共有する「全社安全衛生管理委員会 事務局会議」を毎月開催し、年2回は代表取締役社長が出席する「全社安全衛生管理委員会」を開催しています。具体的な施策としては「禁煙の取り組み」について、国内グループ会社全体で2018年度から3か年計画で「社員の喫煙率ゼロ」を推進し、その後休憩時間も含めた就業時間中の完全禁煙を継続的に実施しています。ストレスチェックについては、毎年7月に実施し、保健師による高ストレス者のフォローや、組織分析結果の活用、外部相談窓口サービスを実施しています。当社においては、総務部が全社員を対象にした身体機能測定等を行う社内イベント「TOWA健康チャレンジ」を恒例行事として毎年開催するなど、社員が自身の健康について考え、生活習慣改善のきっかけとなるような取り組みをおこなっています(参加率79.8%)。
また、有給休暇の取得については全社に向けて有給休暇取得の促進を呼びかけるとともに、取得率が低い部門については管理職に「有給休暇を取得しにくい風土」を変えるための意識改革・マネジメント改革を呼びかけています。さらに取得率が低い方は個人別に計画的な取得を促しています。
このような取り組みの結果、2023年3月8日、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023」 に認定されました。当認定制度は2017年度より実施されており、当社は大規模法人部門で6年連続の認定となりました。また、前年に引き続き健康経営度の高い上位500法人として「ホワイト500」に認定されました。これらの取り組みは毎年、取締役会に報告されています。
(3)リスク管理
人事に関連するリスクと機会の管理のため、人事部及び人事企画部は毎年、リスクと機会の評価を行い、対応策を決定しています。また、リスクと機会の評価にあたっては、必要に応じて関連する部門にインタビューを実施しています。
(4)指標と目標
上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける指標と目標の記載は困難であり、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社の指標と目標を記載しております。
指標 | 目標 | 実績 |
人事担当者との面談の実施率 | 100%(2022年10月~2023年9月末) | 97.4%(2021年6月~2022年3月実績) |
女性管理職比率 | 13%の達成 | 12.8%(2023年3月時点) |
有給休暇取得率 | 65%の達成 | 66.3%(2022年度実績) |
- 検索
- 業種別業績ランキング