東北新社 【東証スタンダード:2329】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループはハイクオリティなアウトプットを産み出すプロダクションの集合体であり、映像をはじめとした魅力的な作品を制作し、それをエンドユーザーに送り届けることにより、社会に貢献してまいります。当社にとってもっとも重要な資産は、社員一人一人のクリエイティビティと、これまで蓄積した映像の技術力(テクノロジー)です。この力をベースとして、様々な分野での創造的な作品に具現化し、会社全体の持続的な成長を図ってまいります。
(2)経営環境
インターネットの進化拡大とともに、社会全体の映像コンテンツへのニーズは益々高まっておりますが、多様なデジタルプラットフォームや動画配信サービスのグローバル展開と普及拡大に伴い、従来のテレビメディアやマス広告市場は縮小しております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上述の認識のもと、当社は、2024年2月に中期経営計画を策定・公表いたしました。
5年後の2029年3月期に向け「健全な収益性を伴った“総合クリエイティブプロダクション”」を目指す姿として掲げ、従来のメディアにとらわれず、クリエイティブ・エンターテインメント関連のあらゆる生活シーンにビジネスフィールドを拡大することを目指してまいります。
中期経営計画では3つの重要テーマを掲げております。1つ目は「構造改革」であり、組織・人員再編による適正化及び収益性に基づいたポートフォリオにより、既存事業を「成長力強化」「収益力最大化」「適正規模化/効率化」に分類のもと、利益率の底上げを図ってまいります。2つ目は「新たな収益基盤の確保」であり、積極的な事業開発・投資(M&A等)を行ってまいります。3つ目は「財務・資本戦略の実行」であり、保有資産の有効活用と株主還元の強化を図ってまいります。
この3つのテーマに約500億円を充て、積極的に実行してまいります。
広告プロダクションにおいては、従来メディアのみならずSNSや動画配信をはじめとした多様なデジタルメディアへの接触増加に伴い、人々の行動様式が変容しつつある中、当社はTVCMを主軸としつつ、デジタル領域やリアル領域をも加えた統合的なプロモーションを提供することにより、広告主の課題に対するソリューション力を強化し、中長期的な成長を目指してまいります。
コンテンツプロダクションにおいては、映像コンテンツの利用形態が変化していく中、当社の質の高い映像制作技術を活かし、ドラマ・映画等の大型案件獲得など、高付加価値の領域に注力し、市場におけるシェア拡大を図ってまいります。音響字幕制作は、引き続き映像配信サービスやゲーム・アニメ市場の拡大を取り込むべく、人材補強と営業強化を進めてまいります。デジタルプロダクションにおいては、既存ジャンルの縮小と事業整理を進める一方、強みである技術力を活かし、VFXとデジタルを主軸とした唯一無二のVFXプロダクションを目指してまいります。
メディアにおいては、専門放送市場成熟化のトレンドを受け、事業の縮小や売却を進めつつ、当社の独自性の高い複数の専門チャンネルに経営資源を集中して効率化を目指してまいります。各領域において、ファンコミュニティを育成し、新たなビジネスを創出してまいります。
プロパティにおいては、投資判断の合理化や組織的な対応力強化を進めるとともに、新たな手法での原作・脚本開発に取り組んでおります。リスクをコントロールしながら、継続的に事業育成に努める方針であります。
当社グループにとって最も大切な資産は、社員一人一人です。そのアイデアや知恵、感性といった「クリエイティビティ」をベースとして、様々な分野での創造的な作品に具現化し、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、当社は2024年3月31日時点において、東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準において、流通株式比率が適合しない状態になったことにより、その状況を改善するために「上場維持基準の適合に向けた計画」を開示しております。流通株式比率向上に向けて、主要株主及び事業法人株主に対して、当社株主の保有比率の引下げを働きかけるとともに、中期経営計画の着実な推進、資本政策やIR活動強化を通じて、幅広い投資家の皆様に当社株式を保有していただけるよう、需要面での改善にも取り組んでまいります。具体的には四半期配当の導入や株式分割の施策を実行しております。今後も流通株式比率を改善し、上場維持基準の適合に向けて、積極的に施策を検討し、実行していく所存です。
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