企業東京海上ホールディングス東証プライム:8766】「保険業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)経営方針

①経営理念

 当社は、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりです。

<東京海上グループ経営理念>

 東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。

 ○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。

 ○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。

 ○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。

 ○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。

②東京海上グループ中期経営計画2026 ~次の一歩の力になる。~

 東京海上グループは、お客様や社会のいざをお守りすることをパーパスとし、2035年にめざす姿として、お客様や社会の課題およびリスクに対して「イノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー」を掲げています。

 この実現に向けて、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、グローバルなリスク分散およびグループ一体経営をグループの基本戦略とし、成長の3本柱(①価値提供領域の飛躍的な拡大、②ディストリビューションの多様化・複線化および③生産性の徹底的な向上)ならびに規律の2本柱(①内部統制およびガバナンスの強化および向上ならびに②事業ポートフォリオおよび資本管理の高度化)をグループの重点戦略として取り組んでいきます。

③目標とする経営指標等

 東京海上グループは、企業価値を的確に把握しその拡大に努める観点から、グループ全体の業績を示す経営指標として修正純利益および修正ROEを掲げており、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、修正純利益の持続的な成長および規律ある資本政策を通じて、修正EPSの年平均成長率(CAGR)+8%以上(含む政策株式売却益では+16%以上)、修正ROE14%以上(含む政策株式売却益では20%以上)をめざします。

 2023年度の修正純利益および修正ROEは、当事業年度の第3四半期報告書提出日時点においては、それぞれ6,900億円、16.1%を見込んでいましたが、その実績はそれぞれ7,116億円、15.5%となりました。

 2024年度の修正純利益および修正ROEは、国内外での自然災害に伴う発生保険金の増加等の減益要素はあるものの、政策株式の売却加速による売却益の増加や円安による海外事業の利益増加を主因として、本有価証券報告書提出日現在においては、それぞれ10,000億円、18.1%を見込んでいます。

 なお、修正純利益および修正ROEは、次の方法で算出します。

・修正純利益*1

 修正純利益=連結当期純利益*2+異常危険準備金繰入額*3+危険準備金繰入額*3+価格変動準備金繰入額*3+自然災害責任準備金*4繰入額*3+初年度収支残*5の影響額*6-ALM*7債券・金利スワップ取引に関する売却・評価損益-事業投資に係る株式・固定資産に関する売却損益・評価損+のれん・その他無形固定資産償却額-その他特別損益・評価性引当等

・修正EPS

 修正EPS=修正純利益÷発行済株式総数

・修正純資産*1,8

 修正純資産=連結純資産+異常危険準備金+危険準備金+価格変動準備金+自然災害責任準備金*4+初年度収支残-のれん・その他無形固定資産

・修正ROE

 修正ROE=修正純利益÷修正純資産

*1 各調整額は税引後です。

*2 連結財務諸表上の「親会社株主に帰属する当期純利益」です。

*3 戻入の場合はマイナスとなります。

*4 大規模自然災害リスクに対応した火災保険の未経過保険料です。

*5 保険料から発生保険金の一部と事業費を控除した残高を、翌期以降の保険事故に備えて繰り越すものです。

*6 普通責任準備金積増額のうち、未経過保険料の積増額を控除したものです。

*7 ALMとは、資産・負債の総合管理をいいます。

*8 平均残高ベースで算出しています。

(2)経営環境及び対処すべき課題

 2024年度の世界経済は、これまでの大幅な金融引締めによる効果がより一層顕在化すると見込まれること等から、米国景気の減速や欧州景気の低迷継続が懸念されます。わが国経済は、2023年度を超える賃上げが見込まれる一方でインフレ率も引き続き高いことから、当面は実質賃金の伸びがマイナスの状態が続く可能性が高く、回復のペースは鈍化する見込みです。

 こうした状況のなか、東京海上グループは、長期ビジョン「世界のお客様にあんしんをお届けし、成長し続けるグローバル保険グループ」の実現に向け、2024年度からの3か年計画「東京海上グループ中期経営計画2026~次の一歩の力になる。~」を開始しました。めざす姿として「お客様や社会の課題・リスクに対して革新的な解決策を届け続けるパートナー」を掲げ、その実現に向け、保険に留まらない価値提供領域の飛躍的な拡大、ディストリビューションの多様化・複線化および生産性の徹底的な向上に取り組むと同時に、内部統制・ガバナンス強化にも徹底して取り組んでまいります。また、サステナブルな社会の実現に向け、サステナビリティ戦略と事業活動を一体化させ、事業活動を通じた社会課題の解決の取組みを強力に推進してまいります。

 国内損害保険事業では、東京海上日動は、同社の新中期経営計画のキーコンセプトである「Re-New」のもと、新しい会社につくりかえる覚悟をもって、適正な競争を阻害してきた業界慣行をはじめ、あらゆる業務プロセスをお客様起点で見直し、「本当に信頼されるお客様起点の会社」となることをめざします。

 政策株式については、同社はこれまでも事業ポートフォリオの変革および財務基盤の安定性向上を目的に、20年以上に亘りその削減に取り組んできました。結果として、2002年以降、累計2.7兆円を売却し、簿価ベースで72%の削減を行ってきています。今般、適正な競争実施のための環境整備という新たな目的を加え、その取組みをさらに加速し、2029年度末までに政策株式(非上場株式および資本業務提携による出資等を除く)の残高をゼロにすべく取り組んでまいります。

 また、保険の提供に留まらず、事故の未然防止といった「事前」の領域、あるいは早期復旧・再発防止といった「事後」の領域を含め、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」をめざし取り組んでまいります。

 国内生命保険事業では、あんしん生命は、お客様をお守りする領域を拡大すべく、未病・早期発見・重症化予防等の領域で新たな保障やサービス開発等に引き続き取り組みます。加えて、お客様の健康状態に応じた保障と一体型のヘルスケアサービス提供等の新たな取組みも行ってまいります。また、デジタル技術の進化に対応することで、お客様への直接アプローチを拡大しながら、生産性を向上させ、持続的な成長の実現をめざします。

 海外保険事業では、高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入の拡大、保険料率の見直し等を通じて、保険引受利益を持続的かつ安定的に拡大してまいります。加えて、競争力ある商品のグローバル展開や資産運用の高度化等、海外保険事業全体におけるシナジーの拡大に取り組むとともに、デジタル活用および業務のアウトソーシング等による生産性の向上およびオペレーションの高度化を進めます。また、戦略的なM&Aの実行に向けた市場動向調査にも継続的に取り組み、優良な投資機会を着実に捉えてまいります。

 資産運用では、国内外のグループ会社と連携しながら、資産と負債の総合管理(ALM)を軸としたグローバルな運用態勢の強化に引き続き努めてまいります。今後の世界経済や金融市場の変化を注視しつつ、資産ポートフォリオの多様化とリスク分散を進めることによって、長期安定的な運用収益の確保と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。

 ソリューション事業については、東京海上グループにおける保険引受および資産運用に続く3本目の収益の柱にすることをめざし、今後、防災・減災、モビリティに加え、ヘルスケア(予防・未病)や脱炭素といった複数の領域での事業化を加速してまいります。

 これらの各事業を支えるのは人です。東京海上グループは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」に注力しています。「People's Business」(人とその信用・信頼からなる事業)である保険事業を営む東京海上グループの競争力の源泉は、昔も今もこれからも人です。社員一人ひとりが適材適所で情熱と意欲をもって活躍できるよう支援し、多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる公正な環境を整えます。将来に向けた人材投資も行い、100年後もお客様や社会のいざをお守りする存在であり続けるための人的資本および人材基盤の強化にグループを挙げて取り組んでまいります。

 株主還元については、配当を基本とする方針としています。事業を通じた利益成長と配当の拡大は整合的であるべきとの考えに基づき、新中期経営計画期間においては、力強い利益成長を通じ、継続的な増配を実現できるよう努めてまいります。

 東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念を掲げ、健全性と透明性の高いガバナンス体制を基盤に、収益性と成長性を兼ね備えた企業グループとしてさらに発展していくため、グループを挙げて業務に邁進してまいります。

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