企業兼大株主東京エレクトロン東証プライム:8035】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、技術革新が速く活発なエレクトロニクス産業の中で、半導体製造装置のリーディングカンパニーとして、ビジネスを積極的に展開しております。

① 経営方針

 当社グループは、技術専門商社からスタートし、開発製造機能をもつメーカーへの移行、グローバルな販売・サポート体制の構築など、事業環境の変化をいち早く捉え、その変化に素早く応えることにより、世界の市場に高い付加価値をもつ製品・サービスを提供してまいりました。また、当社は、技術革新が新たな価値を生み、継続的な市場拡大が見込まれる事業領域において、時代をリードする独創的な技術を創出し成長を続けてきました。

 当社の原動力は、業界のリーディングカンパニーとして育んだ豊かな技術力、確かな技術サービスに基づくお客さまからの信頼、そして環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる社員と、そのチャレンジ精神です。

 今後も、当社のもつ専門性と最新技術を活かして事業を推進し、夢と活力のあるワールドクラスの高収益企業を目指すとともに、世の中の持続的な発展を支えるために不可欠な半導体の技術革新に貢献してまいります。

② ビジョン

 当社グループのビジョンは「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」です。

 当社グループは、世の中の持続的な発展を支える半導体の技術革新を追求します。当社の専門性を生かし、付加価値の高い最先端の装置と技術サービスを継続的に創出することで、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を目指していきます。

 そして、企業の成長は人、社員は価値創出の源泉と位置づけ、ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて、このビジョンの実現に向けて活動してまいります。

③ 事業環境

 情報通信技術の進化とともにデータ社会への移行が進む中、デジタル技術の活用と応用が様々な産業や分野において拡がっています。そして、これを支えるのが半導体の技術革新です。大容量、高速、高信頼性、低消費電力など、半導体の進化に向けた技術の追求は止まりません。トランジスタの誕生から76年。半導体デバイス市場は、2023年に約5,300億ドル(注)1になりましたが、2030年頃には1兆ドル(注)2へと、現在の2倍に相当する高い伸びが見込まれております。当社グループが参入する半導体製造装置事業は、社会の重要インフラである半導体を支え、夢のある社会の発展に向け、今後も大きく成長していくものと予想しております。

 (注)1 世界半導体市場統計(WSTS)

 (注)2 当社による試算

④ 中長期的な成長を見据えた取り組み

 当社グループは、将来の成長と発展を目指すため、2022年6月に、2027年3月期を目標年度とする中期経営計画を発表しました。半導体市場及び半導体製造装置市場の大きな成長が見込まれる中、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を追求するマイルストーンとして、この中期経営計画を位置付けております。

 また上述の中期経営計画の達成に向けた取り組みに加え、ワールドクラスの利益の創出とさらなる企業価値の向上を目指し、今後5年間の成長投資、人材投資の計画を2024年2月に以下のとおりアップデートいたしました。

・研究開発投資:1.5兆円以上(5年累計)

・設備投資:7,000億円以上(5年累計)

・人材採用:グローバルで10,000人の採用(5年累計)

■ 人材に関する取り組み

 「企業の成長は人。社員は価値創出の源泉」という考えのもと、社員のやる気と会社へのエンゲージメントを重視した経営に取り組んでいます。

 これらを社員と共有するとともに、定期的なエンゲージメントサーベイを進めることにより、社員の高い能力とやる気を引き出し、世の中の持続的な発展を支える半導体の技術革新に貢献することで夢と活力のある会社の維持向上に努めます。

 また、将来の成長機会を取り込むために積極的な採用を継続していくとともに、Global、Generation、Genderの3Gの観点を意識しながら、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの向上に取り組んでまいります。そして、組織として膨張ではなく適切な成長を実現するため、業務の効率化、平準化を進め、社員一人一人のワークライフバランスの向上を図るとともに、様々なキャリアパスを示した上で、並行して教育プログラムの充実化を図り、社員の成長を支えてまいります。

 加えて、次世代の経営執行を担う人材を育成するため、「TELサクセッションプラン」に基づき後継候補者の育成をおこなっております。指名委員会はその育成状況を分析、精査の上、取締役会に報告するとともに、取締役会は後継者育成プランが適切に実行されるよう監督しております。

 社内のこうした取り組みとともに、社外においても将来の半導体人材の育成に取り組んでおります。当社は日米の大学によって構成される「半導体の人材育成と研究開発に関する未来に向けた日米大学間パートナーシップ(UPWARDS(注)3)」に参画するなど、様々なプログラムを支援しており、半導体の技術革新をリードする人材育成に寄与することで、半導体産業の発展に貢献してまいります。

 (注)3 U.S.- Japan University Partnership for Workforce Advancement and Research & Development in Semiconductors

■ 環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組み

 当社グループは、半導体製造装置のリーディングカンパニーとして、高性能・高品質の製品やサービスの継続的な提供を通じ、より高い利益を上げて経済価値を高めるとともに、サステナビリティに関する取り組みの推進により、持続可能な社会の発展に貢献し社会価値を高めることで経営基盤を強化し、企業価値の向上を図ります。

 当社グループのこのような活動は高い評価をうけており、2024年4月に経済産業省と㈱東京証券取引所が創設した「SX(注)4銘柄2024」に選定されました。SXとは、社会と企業のサステナビリティを同期化させ、そのために必要な経営・事業変革をおこない、長期的かつ持続的な企業価値向上を図る取り組みです。当社は、半導体製造装置市場の変化にタイムリーに対応すべく、研究開発、調達・製造、販売、据付・保守サービスなどバリューチェーンにおける全方位的な取り組みをおこなっており、環境負荷対応やサプライチェーンにおけるリスクに適切に対処し、長期にわたり高い業績を上げ、企業価値を向上させてきたことが評価されました。

 (注)4 サステナビリティ・トランスフォーメーション

◇ 環境に関する取り組み

 社会において地球環境保全の重要性がより一層高まる中、当社グループではお客さまやパートナー企業さまと連携し、サプライチェーン全体で半導体の技術革新と環境負荷低減に取り組むことにより、事業リスクの低減や新たなビジネス機会の創出に注力しております。具体的には、E-COMPASS(Environmental Co-Creation by Material, Process and Subcomponent Solutions)の推進により、様々な活動を展開しております。

 ・半導体の高性能化と低消費電力化に貢献

 ・装置のプロセス性能と環境性能の両立

 ・事業活動全体におけるCO2排出量の削減

 2024年3月期には、環境中期目標についてSBT(注)5の認定を取得し、科学的根拠に基づく目標の確実な達成に努めるとともに、環境長期目標については当初2050年としていたネットゼロの達成時期を2040年へ前倒しし、サプライチェーン全体における温室効果ガスの削減に取り組んでおります。また、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会について気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づく取り組みを推進し、気候変動に対する継続的な対応策を講じるとともに透明性の高い情報開示をおこなうことで企業としてのレジリエンス(対応力)の向上に努めております。

 (注)5 Science Based Targets。SBTはパリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先の目標年として企業が設定する目標

◇ ガバナンスに関する取り組み

 当社グループは、グローバル競争に勝ち抜き、持続的な成長を果たしていくために、コーポレートガバナンス体制が重要と考えています。常に最適で実効性の高い取締役会と攻めの経営執行体制を構築し、取締役会の実効性評価や機関投資家などからの意見を踏まえた課題に継続的に取り組むことで、中長期的な企業価値向上と持続的成長に向けた強固なコーポレートガバナンス体制を実現してまいります。

 当社グループでは、このような体制や以下に示す取り組みを「攻めと攻めのガバナンス」(下図参照)と称して、実効性の向上に努めております。左側の攻めが短中長期の利益を同時に志向しながら常にワールドクラスの利益率を追求していくことを示しており、右側の攻めがすべての企業活動で不動の基礎をなす「Safety, Quality, and Compliance」、社員をはじめとするステークホルダーとのエンゲージメントやセキュリティの強化・向上を追求することを指しています。

 《ガバナンスの実効性を強化する取り組み》

  ・CEOミッションを社員と共有:短中長期の利益と継続的な企業価値の向上とやる気重視経営の実践

  ・監査役会設置会社:取締役会及び監査役会から構成される監査役会設置会社とし、監査役会による

 経営の監督のもと、実効性のあるガバナンスを実現

  ・取締役会オフサイトミーティングの実施:取締役、監査役及びコーポレートオフィサーによる

 中長期的な戦略や課題などの議論(年2回)

  ・CEO報告:取締役会でCEO自ら重要な業務執行状況を報告(毎取締役会)

  ・代表取締役評価クローズドセッション:代表取締役を除く取締役、監査役及び

 コーポレートオフィサーによるセッション(年1回)

 《業務執行を支えるオペレーティングリズム》

  ・コーポレートオフィサーズ・ミーティング :執行側の最高意思決定機関(月1回)

  ・CSS(Corporate Senior Staff)ミーティング:全業務執行のグローバル横串の連携(年4回)

  ・四半期レビュー会議:中期経営計画の進捗をモニタリング(年4回)

 今後も半導体製造装置市場は高い成長が見込まれます。そのため、当社が事業展開する拠点数も現在の19の国と地域、87拠点から近い将来には100拠点を超えると予想しています。このような中、実効性の高いガバナンスと業務執行を支える効果的なオペレーティングリズムの実現により、短中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を追求してまいります。

⑤ 資本市場との対話

 当社グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営層が率先してIR(Investor Relations)、SR(Shareholder Relations)活動に取り組んでおります。IR活動においては、四半期ごとの決算説明会や中期経営計画説明会にCEO及び各担当役員が登壇し、事業戦略や成長のストーリーを共有しています。また、CEO直轄組織としてIR専門部隊を設置しており、2024年3月期においては、ニューヨークにIR分室を設けました。これにより北米地域における投資家の皆さまとの対面での対話の機会が増加し、当社グループをはじめ、日本の半導体製造装置業界の認知が広がりました。

⑥ 資本政策

 当社グループの資本政策は、成長投資に必要な資金を確保し、積極的な株主還元に継続的に取り組み、中長期的成長の視点をもって、適切なバランスシート・マネジメントに努めることを基本としております。具体的には、営業利益率、資産効率をさらに高め、キャッシュ・フローの拡大に努めることで、持続的な成長を目指し、ROE向上など高い資本効率を追求します。

 このような資本政策のもと、積極的な株主還元や高水準の成長投資、経営戦略に基づく優秀な人材の確保及び育成、お客さまやお取引先さまとの協業やその成果など、近年の高い利益成長の実績と将来に向けたさらなる成長への期待を背景に、2024年3月末時点の時価総額は東京証券取引所プライム市場で第3位となりました。純資産と比較して時価総額が大きく増加したことで、2024年3月末時点のPBR(株価純資産倍率)は10倍以上の水準となっております。

 当社の配当政策につきましては、業績連動型を基本とし、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とします。この方針に基づき、2024年3月期においては、年間配当は393円といたしました。また、自己株式の取得については、現状のキャッシュポジションや中長期的な成長投資資金、株価水準、総還元額の状況などに鑑み、機動的に実施を検討することとしており、2024年3月期については1,199億円の自己株式取得を実施いたしました。

 当社グループは、以上のような取り組みを実行することで、さらなる持続的成長と企業価値の向上を通じて、社会に求められ、地球に選ばれる会社として、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念を実践してまいります。

 なお、文中の将来に関する記述は、本有価証券報告書の提出日現在において入手可能な情報をもとに、当社グループが合理的であると判断した一定の前提に基づいており、当社グループとしてその実現を約束する趣旨のものではありません。

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