東亜建設工業 【東証プライム:1885】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「高い技術をもって、社業の発展を図り、健全な経営により社会的責任を果たす。」を社是に掲げ、着実な経営計画により競争に打ち勝ち、誠実な施工で永い信用を築くことにより、皆様の信頼と期待にお応えし、皆様と共に発展して行くことを経営理念に据えております。
(2)経営環境
当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類感染症への移行により、個人消費は持ち直し、企業収益は総じてみれば改善するなど、緩やかに回復しておりますが、物価上昇、中東情勢の緊迫化、金融資本市場の変動など、先行きが不透明な状況は続いております。
建設市場においては、資材をはじめとする物価上昇等の影響は受けたものの、公共投資については堅調に推移し、2021~2025年度までの「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく防災・減災対策、また、防衛力強化に伴う安全保障関係のインフラ整備等、堅調な推移が期待できる状況にあります。
(3)中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、長期ビジョン〈TOA2030〉の実現に向け、事業戦略と人材戦略の融合を基本方針とした「中期経営計画(2023~2025年度)」に基づき、各事業部門において下記重点施策を掲げ、事業目標の達成を目指してまいります。
本中期経営計画を着実に推進していくことで、事業拡大を推進する組織作りと人材成長の両立による企業価値を持続的に向上させるサイクルを構築し、さらに、部門間の連携強化により組織力の最大化、新規事業を含めた新たなビジネスモデルへの果敢な挑戦により、長期ビジョン「社会を支え、人と世界をつなぎ、未来を創る」の実現を達成し、社会的責任を果たしてまいります。
また、2023年3月31日に株式会社東京証券取引所から要請がありました「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」に基づき、同年5月12日に「PBR向上に向けたアクションプラン」を発表いたしました。
これらの計画を着実に実行していくことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
◆長期ビジョン〈TOA2030〉
社会を支え、人と世界をつなぎ、未来を創る
◆中期経営計画(2023~2025年度)の基本方針
長期ビジョンを実現する事業戦略と人材戦略の融合
●各事業部門の重点施策(抜粋)
(経営企画本部)
・IR活動の強化
・ESG課題のキャッチアップ
・デジタル化推進による生産性の向上と働き方改革の達成
・脱炭素社会の取組み加速
・高度なガバナンス体制とコンプライアンス精神による安全で高品質な社会資本の提供
(国内土木事業)
・保有作業船の戦略的活用の推進
・ECI対応や企画提案力の強化
・技術力継承・リスク対応力の強化
・防衛、米軍の事業量拡大
・国土強靱化への取り組みや老朽化した港湾インフラの維持・更新
・陸上工事の技術継承強化
(国内建築事業)
・得意分野(倉庫物流、住宅、福祉、PFI)強化と優良顧客の継続維持
・臨海部に強みを持つ土木の顧客情報を生かした工場等での能力発揮
・BIMをプラットフォームとして活用した生産性向上
・オフィス、医療福祉分野の取り組み強化
・地方都市部の再開発、PPP/PFI事業への土建協業
・カーボンニュートラルの推進に向けた検討実施
(海外事業)
・ODA案件以外にも拡大し、一層の多工種化を推進
・現地建設会社との協業
・ナショナルスタッフの活躍による組織力の一層の強化
・現地資本工事・建築工事拡大に向けた現地法人の設立
・PPP、設計施工、バイヤーズクレジット活用
(管理部門)
・資本政策の検討
・ダイバーシティ&インクルージョンの実現
・計画的なプロフェッショナル人材の確保と育成
・長期的な人材の活躍を後押し
・人的資本経営の質・量双方の課題解決に向けた諸施策
なお、当連結会計年度において、当社の連結子会社である信幸建設株式会社の複数の従業員が、当該会社の外注先である取引業者と共謀して、架空・水増し工事代金等を支払った上で、その代金の一部を従業員らが自らに還流し着服していたことが判明いたしました。社内調査委員会の調査結果及び再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、再発防止策を検討・策定し、2023年12月21日に公表いたしました。
今後、決して不正行為を繰り返さないよう内部統制システムやコンプライアンス体制を一層強化するとともに、当社グループの役員・社員が一丸となって、再発防止策の具体的な施策に取り組んでまいります。
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