村田製作所 【東証プライム:6981】「電気機器」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「独自の製品を供給して文化の発展に貢献する」ことを中核とした社是にもとづく経営を実践しております。また、エレクトロニクス産業のイノベーションを先導していく存在でありたいという思いを込めたスローガン「Innovator in Electronics」を全従業員で共有しています。
今後も真のInnovator in Electronicsとして主体的に価値創造をしていくためには、価値提供の軸を「お客様に対するイノベーション」だけでなく、「社会課題に対するイノベーション」へとその範囲を広げていくことが重要であるという考えのもと、2021年度に当社グループの価値創造プロセスを、新たにサステナビリティの視点を織り込んだシナリオへと進化させました。当社グループが大切な価値観として掲げる「CSとES(Customer Satisfaction(お客様が認めてくださる価値を創造し、提供し続けること)とEmployee Satisfaction(仕事を通じて従業員一人ひとりがやりがいを感じ、成長し続けること))」を原動力に、「先を読む力」、「ニーズをカタチにする力」、「価値を届ける力」という3つのコア・コンピタンスを相互に結びつけて総合力を発揮し、社会価値と経済価値の好循環を生み出すことにより、豊かな社会の実現に貢献していくことをありたい姿として掲げています。
なお、この実現のためには、多様な人材が組織を超えて連携し合い、イノベーションを創出していくことに加え、ステークホルダーとの共創を積極的に進めていくことがこれまで以上に大切であると考えています。今後さらにステークホルダーの皆様との関係を強固なものにし、社会課題の解決に向けて取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
「当社グループの価値創造プロセス」
(2) 中長期的な会社の経営戦略
Ⅰ Vision2030(長期構想)
2021年度に当社グループは、新たな長期構想として「Vision2030」、前連結会計年度を初年度とした3か年の取り組み計画である「中期方針2024」を策定いたしました。Vision2030では「ムラタのイノベーションで社会価値と経済価値の好循環を生み出し、豊かな社会の実現に貢献していく」ことをありたい姿として掲げています。さらに、「基盤事業の深化とビジネスモデルの進化」及び「4つの経営変革の実行」を成長戦略として位置づけています。これらをビジョンとして示すことで2030年までの取り組みに一貫性を持たせ、ありたい姿を実現していくことによりお客様や社会にとって当社グループが「最善の選択」であり続けることが、「Global No.1部品メーカー」としてめざす姿でもあります。
「Vision2030ありたい姿」
成長戦略① 基盤事業の深化とビジネスモデルの進化
大きな変化を迎えているエレクトロニクス市場において、当社グループが今後もイノベーターとして価値を生み出していくためには、技術や社会変化の潮流を大局的に捉えた経営が求められます。長期視点で将来を見据えて多様なイノベーションを生み出すために、当社グループでは3層構造のポートフォリオを用いた経営を行い、4つの事業領域を重要な事業機会として位置づけ価値を創出してまいります。
「3層ポートフォリオ」
「4つの事業機会」
成長戦略② 4つの経営変革の実行
・経営変革1「社会価値と経済価値の好循環を生み出す経営」
当社グループは、社会に対して提供する価値(社会価値)を向上させ、経済価値との好循環を生み出していくことで、ステークホルダーの皆様に信頼され、選ばれ続ける存在であることを目指しています。これを実現するために、社会課題を起点とした重点課題(マテリアリティ)を定めています。当社グループのマテリアリティへの取り組みの詳細につきましては後掲「当社グループのマテリアリティ」をご参照ください。
・経営変革2「自律分散型の組織運営の実践」
会社の規模や事業範囲が拡大する中でも、社是が定められた当時と変わらずに社員一人ひとりが日々の仕事において社是を実践し、価値を提供し、成長を続けるために、より自律分散型の組織運営へと変革してまいります。
・経営変革3「仮説思考にもとづく変化対応型経営」
激化する環境変化の中でも、受け身でなく、将来起こり得ることについて仮説を立てて備え、柔軟に軌道修正を行うことができる変化対応型の事業経営を実践していきます。各機能、各組織が将来の変化に対する情報収集、議論、アクション、モニタリングを継続的に実行することで、変化対応力を強化してまいります。
・経営変革4「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」
当社グループではデジタルトランスフォーメーション(DX)を「ムラタ内外の人・組織(業務)を、デジタルで縦横無尽につなぎ、プロセスを短く、早く、かつ見える化を進めることで、飛躍的に顧客価値と競争力の向上をドライブし続けるもの」と定義しています。全社DXの戦略推進組織と実行組織がともに強化領域と基盤領域のあるべき姿の実現に向け、全体的なデジタル推進を加速してまいります。
Ⅱ 中期方針2024
基本方針
長期構想として打ち出したVision2030に向かっていくための第1フェーズとして「中期方針2024」を位置づけています。中期方針2024では、すでに顕在化している課題を解決していくとともに、長期視点で環境変化を捉え、バックキャストをして今から必要な備えを着実に進めていくために、「経営変革の推進」、「ポートフォリオ経営の実践(高度化)」、「筋肉質な経営基盤の形成」、「2030年への備え」の4つを3か年で着実に成果につなげていくべき経営課題として掲げています。
中期経営課題
「経営変革の推進」
「Vision2030(長期構想)」の成長戦略として掲げた4つの経営変革である「社会価値と経済価値の好循環を生み出す経営」、「自律分散型の組織運営の実践」、「仮説思考にもとづく変化対応型経営」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」において、社会課題を起点とした重点課題(マテリアリティ)に対する取り組みに加えて、自律分散型組織を担保していく仕組みとして仮説思考にもとづく事業計画の管理プロセスの高度化を図っております。また、デジタル基盤の構築やデジタルを活用したモノづくり領域の変革及びDX人材の採用や育成を進めております。
「ポートフォリオ経営の実践(高度化)」
「Vision2030(長期構想)」の成長戦略として掲げた「基盤事業の深化とビジネスモデルの進化」を実現するために、前掲の「3層ポートフォリオ」を用いたポートフォリオ経営の高度化を進めてまいります。1層目は、需要の成長に追随した供給力、技術的な限界を破って実現するカッティングエッジの技術力、事業効率の向上の3つをもって業界トップの位置づけを確実にしてまいります。当連結会計年度には、積層セラミックコンデンサの材料の安定供給体制構築のため、石原産業株式会社 ・ 富士チタン工業株式会社・当社で、合弁会社「MFマテリアル株式会社」を設立しました。また、電子機器・車載向けコイル製品の中長期的な需要の増加に対応できる体制の構築を目的として、ベトナムでの新生産棟が竣工しました。また、2層目は、差異化技術の強化を進めることで市場シェアの獲得に努めるとともに、事業の選択と集中などポートフォリオの見直しを行うことで財務体質の改善に努めてまいります。当連結会計年度には、自動運転市場向けで、近距離検知15cmを実現したADAS(先進運転支援システム)向け超音波センサを開発し量産化を実現しました。また、安定供給体制構築のため、Murata Electronics Oy社に加え、金沢村田製作所においてもMEMS慣性力センサの生産能力増強を実行しております。3層目は当社の強みを活かせる領域の探索を進めてまいります。当連結会計年度には、ピエクレックス社において、ピエクレックスを使用したアパレル製品や繊維製品を回収し、農業や林業での利活用を目的とする堆肥化までを、パートナー企業、自治体、福祉施設、学校法人等、多くのステークホルダーと連携・共創し構築した、透明性高い循環インフラ「P-FACTS」(PIECLEX FAbrics Composting Technology Solution)の実証を開始しました。今後とも、多様なイノベーションを用いた経営で、事業や技術の新陳代謝を促すとともに、事業ごとの収益性・効率性・成長性を追求し、お客様、社会に価値を提供し続けるために、4つの事業機会において3層構造のポートフォリオを用いた経営の実践に向けて取り組みを進めてまいります。
「筋肉質な経営基盤の形成」
筋肉質な経営基盤の形成を実現するために、人的資本及び品質基盤の強化に注力してまいります。人的資本については、人材は価値創造の中核であると捉え、「人材の獲得と育成」、「従業員エンゲージメントの向上」、「多様な人材の活躍」の3つの重要課題に対しての取り組みを進め、持続的に価値を創造するための人材基盤と組織力を強化してまいります。当連結会計年度には、次世代リーダー育成プログラムの推進、グローバル組織サーベイの実行及び結果に基づくアクションプランの検討・実行、多様な人材が活躍する職場を目指し、グローバルに他拠点での業務経験ができる機会の積極的な提供に努めてまいりました。また、品質基盤の強化においては、多種多様なビジネスに応じた品質保証・管理体制を構築し、品質視点のリスクマネジメントの実践に取り組んでまいります。当連結会計年度には、ビジネスリスクアセスメントの仕組みの推進など、品質ガバナンスの強化に取り組んでまいりました。今後とも、プロセスの源流から科学的管理を実践することで、すべてのお客様から信頼される品質の追求に努めてまいります。
「2030年への備え」
重要経営リスクの評価を進め必要な備えを確立していくとともに、将来の競争力の源泉となる技術を発掘、育成し、技術を支える知的財産戦略を立案して実行に努めてまいります。具体的には、イノベーションの創出に向けて、6Gの通信規格の普及や環境問題の解決を含む将来の事業機会に備えたインテリジェンス機能の体制の強化及び技術・事業開発を進めております。また、社会や市場、お客様のニーズを適時的確に把握し、価値を提供し続けるために売る力と総合的なオペレーション力(支える力)を強化することに加えて、2030年を見据えたモノづくり体制の構築とともに飛躍的な生産性向上と革新技術の創出、ECM軸の抜本的強化、SCM軸の改善の取り組みにより、お客様に提供する付加価値の向上の実現に努めてまいります。
全社経営指標
※1 対象はScope1とScope2の合計になります。Scope3の目標値については後掲「(3)当社グループのマテリアリティ」の重点課題「気候変動対策の強化」をご参照ください。
※2 持続可能な資源:リサイクルスキームを構築するなどにより、将来にわたって持続的に利用できる「枯渇リスクの低い資源」
※3 循環資源化率:当社グループのOutput(排出物)が循環資源としてリサイクルに回されている割合
※4 2024年度の目標値は2021年度実績からの改善幅を示しています。
※5 日本から海外への出向者を除いた、海外ローカルスタッフを対象
経済価値目標及びキャピタル・アロケーションに対する進捗状況
「経済価値目標」
中期方針2024策定時における2025年3月期の経済価値目標と、最近2連結会計年度における実績は以下のとおりであります。
| 2025年 3月期目標 | 2023年 3月期実績 (注1) | 2024年 3月期実績 |
売上収益(百万円) | 2,000,000 | 1,686,796 | 1,640,158 |
営業利益率(%) | 20%以上 | 17.7 | 13.1 |
ROIC(税引前)(%) (注2) | 20%以上 | 14.4 | 10.0 |
(注)1.当社グループは、当連結会計年度からIFRSを初めて適用しております。そのため、「2023年3月期実
績」についてはIFRSに組み替えて記載しております。
2.ROIC(税引前)= 営業利益 / 期首・期末平均投下資本(有形固定資産・使用権資産・のれん・無形
資産+棚卸資産+営業債権-営業債務)
2024年4月26日に当社が公表した2025年3月期の連結業績予想では、売上収益、営業利益率、ROIC(税引前)の3つの指標において、中期方針2024策定時の「2025年3月期目標」を下回る予想となっております。基盤市場と位置付けるモビリティ市場に関しては、自動車の電動化の進展を事業機会として掴み、前中期方針から売上を成長させることができました。その一方で、スマートフォンやPCといった民生市場においては、新型コロナウイルス感染症の流行時に生じた特需の反動減による電子機器の在庫調整が長期化したことで部品需要が想定より大きく減少しました。そのような中で、当社ではコストダウンや生産性向上の取り組みを進めましたが、部品需要の減少による工場操業度の低下や低収益事業の改善の遅れ等により売上収益と営業利益率が目標を下回る見込みです。また、短期的には部品需要は低迷しておりますが、今後もエレクトロニクス領域の拡大は進展すると予想しており、その備えとして先行投資も継続していきます。その結果、ROIC(税引前)は上述の営業利益率の低下と先行投資による資本回転率の低下により、目標を下回る見込みです。
なお、前連結会計年度と比較した当連結会計年度の実績は、後掲「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
「キャピタル・アロケーション」 中期方針2024では、キャピタル・アロケーションを明確化し、長期視点での環境投資や技術獲得、リスク対策、ITインフラ強化などを戦略投資と位置付け、新たに「戦略投資枠」を設定しております。戦略投資の進捗は、最近2連結会計年度の実行済及び実行決裁済案件の累計が533億円となりました。また、株主還元については、最近2連結会計年度の配当金の支払い累計が1,865億円となりました。さらに社債償還については、当連結会計年度に600億円の償還を実行しております。今後も主力事業であるコンポーネント、デバイス・モジュールへ投資を継続し、着実なキャッシュ創出を目指していくとともに、強固な財務基盤を維持しながら、株主還元を拡大することでステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。 |
社会価値目標に対する進捗状況
「社会価値①:環境」
・「温室効果ガス排出量(2019年度比)」及び「再生可能エネルギー導入比率」の目標達成に向けた取り組みを進めております。詳細については、後掲「当社グループのマテリアリティ」の重点課題「気候変動対策の強化」をご参照ください。
・「持続可能な資源利用率」及び「循環資源化率」の目標達成に向けた取り組みを進めております。詳細については、後掲「当社グループのマテリアリティ」の重点課題「持続可能な資源利用」をご参照ください。
「社会価値②:多様性」
・「海外間接部門従業員の他拠点での勤務経験比率」の目標達成に向けた取り組みを進めております。詳細については、後掲「当社グループのマテリアリティ」の重点課題「人権と多様性の尊重」をご参照ください。
「社会価値③:ES」
・当連結会計年度に国内外全拠点の約73,000人の全従業員を対象としたグローバルサーベイを実施し、回答率96%、「従業員エンゲージメント肯定回答比率」66%で前回2021年度比2ポイント下落の結果となりました。翌連結会計年度から、グローバルサーベイの実施頻度を1回/2年から1回/年に変更することで、より短いサイクルで活動を確認・促進し、「従業員エンゲージメント肯定回答比率」の目標達成に向けた取り組みを進めてまいります。
<進捗>
・2023年4月に国内外の各拠点・各組織における好事例を全社に共有する事例共有会を実施し、1,400名以上がリアルタイムで視聴しました。また、動画データや日・英の多言語対応した発表資料を全従業員へ配信しました。
・従業員向け研修(役員主催研修・階層教育・理念教育など)や社内のポータルサイトを通じた経営層と従業員の対話促進に取り組みました。
・組織風土変革活動の推進を目的として、部門長向けのワークショップやリーダーシップ開発の研修を実施しました。
・エンゲージメント向上のために注力すべき属性である中途・シニア・製造に対し、各々の課題に合わせた取組みを実施しました。
(3) 当社グループのマテリアリティ
当社グループは、社会課題を起点とした重点課題(マテリアリティ)を定め、「事業を通じた社会課題解決への貢献」と「企業活動全体での社会課題への取り組み」に分け取り組みを進めております。
「事業を通じた社会課題解決への貢献」
・4つの事業機会(通信、モビリティ、環境、ウェルネス)における社会課題解決の方向性をマテリアリティとして設定しております。
・ムラタだからこそ実現できるイノベーションを創出し、事業を通じた社会課題解決への貢献を目指します。
「企業活動全体での社会課題への取り組み」
・E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)領域に対して9つのマテリアリティを設定しております。
・地球環境、地域社会への負荷の最小化を通じた社会価値の向上を目指します。具体的には以下の中長期目標を設定
し、取り組みを進めております。
重点 領域 | 重点課題 | 長期目標 | 中期目標 (2022年度~2024年度) | 2023年度取り組み実績 |
E | 気候変動対策の強化 | 2050年度目標 再生可能エネルギー導入比率:100%
2030年度目標 温室効果ガス排出量(Scope1+2) 温室効果ガス排出量(Scope3):2019年度比27.5%減(325万t-CO2以下) 再生可能エネルギー導入比率:50% | 温室効果ガス排出量 再生可能エネルギー導入比率:25% | ・省エネ・再エネ・証書の購入等の施策を実施し、2023年度の温室効果ガス排出量(Scope1+2)は105万t-CO2e※1(2019年度比35%減)、再エネ導入率は36%※1となり、それぞれ1年前倒しで2024年度の中期目標を達成しました。 <ご参考>2023年度のScope3排出量は386万t-CO2※1です。 ・レノバと、同社が開発する追加性のある太陽光発電所を活用したバーチャルPPAによる環境価値売買契約(年間発電量予測:約100GWh)を締結し、運用を開始しました。 ・高品質のカーボンクレジット創出を目的として、Appleが主導するRestore Fund(再生基金)へ出資することを決定しました。 ・バリューチェーン上流のCO2の削減に向け、国内仕入先様を対象にした取り組み方針説明会・主要仕入先様へのヒアリングを実施し、その中でScope3算定のための1次データ比率の提供もお願いしました。また、モーダルシフトのトライアルを実施しました。 ・国際的な環境非営利団体CDPによる2023年度の調査で、気候変動の分野で最高評価であるAリスト企業に選定されました。 |
持続可能な資源利用 | 2050年度目標 持続可能な資源利用率※2:100% 循環資源化率※3:100%
2030年度目標 持続可能な資源利用率:25% 循環資源化率:50% | 持続可能な資源利用率: 2021年度実績から1%改善 循環資源化率: 2021年度実績から5%改善 | ・実態調査を進め、基準年度となる2021年度の持続可能な資源利用率は約15%※4、循環資源化率は36%であることを把握しました。 ・樹脂多層基板に使用する内層銅箔材料が、ISO14021に準拠したリサイクル100%品であることを第三者機関に検証いただき、信頼性を確保しました。 ・原料から使用・廃棄まで、業界を超えた連携によるプラスチックの循環スキーム構築を目指しているアールプラスジャパンへ出資を決定しました。 ・日本国内の倉庫で発生する、製品表示ラベルを出力・貼付した後に残るラベル台紙のリサイクルを開始しました。 |
重点 領域 | 重点課題 | 長期目標 | 中期目標 (2022年度~2024年度) | 2023年度取り組み実績 |
E | 公害防止と化学物質管理 | 2030年度目標 重大な環境インシデント※5件数:0件 VOC排出量:2021年度比30%減 | 重大な環境インシデント件数:0件 VOC排出量:2021年度排出量以下 洗浄用途化学品への特定VOC含有を廃止していること。 | ・2023年度は、重大な環境インシデントが4件発生しましたが、いずれのインシデントについても再発防止策を講じました。また、重大な環境インシデントの発生リスクを低減するために、リスクアセスメント手法を見直し、運用を開始しました。 ・VOC排出量削減にむけて、2024年度目標を達成する施策とスケジュールを策定し、取り組みを開始しました。 ・洗浄用途化学品への対象VOC含有の廃止にむけた施策とスケジュールを策定し、取り組みを開始しました。 |
S | 安全・安心な職場と健康経営 | 2030年度目標 死亡重大災害がなく、従業員が怪我をせず、事故もなく、いきいきと働けている職場にすること。 死亡重大災害:0件 労働災害千人率※6:1.0未満 発火事故件数:0件 主観的健康観:80%(内、非常に健康と回答20%) | 死亡重大災害:0件 労働災害千人率:1.35未満 発火事故件数:2019年度-2021年度平均比30%減 主観的健康観:80%(内、非常に健康と回答14%) | ・2023年度は死亡重大災害が0件、労働災害千人率:1.28となりました。 ・労災情報の展開や担当者会議の開催、リスク抽出の網羅性を高めた新リスクアセスメントの導入開始等を通じて、労働災害の低減に取り組みました。 ・2023年度の発火事故件数は2019年度-2021年度平均比30%減となりました。発火事故の原因を分析し、再発防止策を立案実施しました。 ・2023年度の主観的健康観は77%となりました。健康経営プランに基づく取り組み事例の共有や担当者による相互相談会を実施しました。 |
人権と多様性の尊重 | 2030年度目標: 海外間接部門従業員※7の他拠点での勤務経験比率:10% 女性管理職比率:10%(提出会社) | 海外間接部門従業員の他拠点での勤務経験比率:7% 女性管理職比率:4%(提出会社) 人権マネジメントシステムに沿ったPDCAサイクルを各事業所で展開していること。 | ・2023年度の海外間接部門従業員の他拠点での勤務経験比率は6.2%となりました。グローバルに他拠点で業務経験ができる機会を積極的に提供しました。 ・2023年度の提出会社における女性管理職比率は4.0%となり、1年前倒しで2024年度の中期目標を達成しました。 ・当社グループにおける労働人権の遵守体制を構築するために、人権マネジメントシステムに沿った運用を国内外事業所で実施しました。 ・CSR統括委員会の下部委員会「人権委員会」を主体とし、当社グループの工場・仕入先を含むサプライチェーンでの人権デュー・ディリジェンスを遂行しました。 |
重点 領域 | 重点課題 | 長期目標 | 中期目標 (2022年度~2024年度) | 2023年度取り組み実績 |
S | 地域社会との共生 | 2030年度目標 地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、地域課題の解決につながる貢献活動を推進すること。 | 地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、地域課題の解決につながる貢献活動を推進すること。 | ・社会・地域貢献活動ガイドラインに沿って、当社グループが所在する地域に与える影響や地域の課題・ニーズを把握し、主体的に貢献活動を計画・実施しました。 ・当社の取り組みや考え方を継続的に情報発信しました。 ・2019年より地域の各教育機関等と連携し、子どもたち自身での問題解決を通して、プログラミング的思考や論理的思考を身に付ける出前授業として、体験型プログラミング教育「動け!!せんせいロボット」を実施しています。2023年度は20校、828名の児童が受講しました。 ・福井村田製作所(福井県)や出雲村田製作所(島根県)では行政との対話を通じ、日系ブラジル人の子どもたちが多く在籍する小中学校へ、日本語指導の支援やコミュニケーションの向上を目的に、通訳者を派遣しました。 |
G | 公正な商取引 | 2030年度目標: <独占禁止法> 法令・社内規定・手続きをグローバルで浸透・徹底していること。 <贈収賄> すべての関係会社において、グループポリシーに準拠した贈収賄防止マネジメントシステムを確立し、贈収賄・汚職の発生件数ゼロを維持していること。 | <独占禁止法> 法令・社内規定・手続きをグローバルで浸透・徹底していること。 <贈収賄> 腐敗度指数の高い地域においてグループポリシーに準拠した贈収賄防止マネジメントシステムが機能し、本社への報告体制を構築していること。 | <独占禁止法> ・独占禁止法違反防止に関する社内規定及び手続きを適切に運用するため、グローバルで当該社内規定及び手続きの社内周知などを強化しました。 ・国内外で実践的なカルテル防止教育を実施しました。 <贈収賄> ・贈収賄マネジメントシステムの展開を進めました。 ・従業員の理解を向上させるため、贈収賄に関する従業員教育の充実に取り組みました。 |
事業継続の取り組み(BCM) | 2030年度目標 災害が発生した際に、非被災拠点が迅速に連携して、当社グループ全体としての事業継続を図れるような全社的なBCM※8を構築していること。 各事業所・工場が定期的に訓練等を通じてBCPの有効性の検証・改善を行うなど、自律的なBCM活動を実践していること。 甚大な被害が想定される南海トラフ地震に対する対策を実施していること。 | 国内事業所・工場において必要項目を充足したBCPを整備していること。 海外事業所・工場において、当地で想定される災害に対応したBCPを策定すること。 | ・国内において、各事業所・工場で想定される自然災害及びインフラ状況等を確認の上、BCP整備を進めました。 ・海外において、各国の自然災害リスク等を考慮の上、BCPの改定を進めました。 | |
情報セキュリティ | 2030年度目標 重大な影響が生じ得ると判断される事案数:0件 従業員教育実施率※9:100% | 重大な影響が生じ得ると判断される事案数:0件 従業員教育実施率:100% | ・重大な影響が生じ得ると判断される事案は0件でした。 ・従業員教育実施率は100%でした。 |
※1 2024年6月時点の暫定値
※2 リサイクルスキームを構築するなどにより、将来にわたって持続的に利用できる「枯渇リスクの低い資源」が使用されている割合(枯渇する可能性のある資源:AgやNiなど)
※3 当社グループのoutput(排出物)が循環資源としてリサイクルに回されている割合
※4 持続可能な資源利用率の算出においてはリサイクル率の一般公開情報を活用しているため推定値
※5 化学物質の敷地外への流出により、環境法規制値超過または地域住民に不安を与えた事故(当社では公害防止に真摯に取り組むため、行政処分・指導の対象外の事故も計上の対象としている)
※6 不休業災害もカウントした当社独自の基準
※7 日本から海外への出向者を除いた、海外ローカルスタッフ対象
※8 BCP策定や維持・更新、事業継続を実現するための予算・資源の確保、事前対策の実施、取り組みを浸透させるための教育・訓練の実施、点検、継続的な改善などを行う平常時からのマネジメント活動
※9 実施率=実施拠点数/全拠点数
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