企業兼大株主有沢製作所東証プライム:5208】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。

 研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。

 電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用ガラスクロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。

 当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は172名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,033百万円であります。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)電子材料分野

・モバイル用FPC材料

 コンパクトに折りたたむことができるスマートフォン、いわゆるフォルダブルスマホの人気が徐々に高まってきております。この折り曲げされる部分の回路基板にはFPCが使用され、繰り返し数十万回の折り曲げをしても断線しない屈曲耐性が求められます。この要求に対し、当社では独自の配合技術を駆使し屈曲耐性に優れる接着剤を開発、さらに最適なフィルムや銅箔を組み合わせることにより、屈曲耐性に優れたFPC用の材料を完成させました。顧客での信頼性試験に合格し、最新モデルのフォルダブルスマホに採用され、今後の拡販も期待されます。また、更なる屈曲耐性の向上に向け、鋭意研究を進めております。

・車載用FPC材料

EV化が進む自動車においても電子部品の軽量化、小型化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。車載用FPCには高温に長時間晒されても特性が低下することのない耐熱性に優れた材料が要求されます。この要求に対し、当社では重合技術を駆使して耐熱性の高いポリマー樹脂を開発し、業界トップクラスの耐熱温度200℃耐性を実現しました。現在、顧客での採用評価が進められております。

・実験用小型塗工機の稼働開始

2023年8月より実験用小型塗工機が稼働開始しました。自社品開発での有効活用が進み、開発期間の短縮が図られています。さらにオープンイノベーションを推進する手段として本装置を有効活用すべく、多くの顧客にアピールしてまいりました。その成果もあり、すでに複数の顧客との共同開発プロジェクトが開始されました。

 電子材料に係る研究開発費は1,212百万円であります。

(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野

・水処理用FRP製圧力容器

 当社のFRP製圧力容器は、耐食性、耐圧性、軽量という利点を有し、海水を淡水化するための水処理用途に幅広く利用されています。さらに、環境保護のために一般排水や工場排水を最小限に抑えるZLD:Zero Liquid Dischargeシステム向けにも開発を進めております。当社と連結子会社のProtec Arisawa Europe, S.A.及びProtec Arisawa America, Inc.は、共同で独自のワインディング技術を用いて業界最高クラスの1,800psi高圧容器を完成させました。米国機械学会(通称ASME)の認定も取得し、ZLD用にサンプルワークを開始しています。また、デジタル社会の急速な発展に伴い需要の高まる半導体製造分野において、必要不可欠な超純水を作るシステムへの採用に向けた取組みも進めています。

・水電解水素発生装置用部材

 近年、次世代エネルギーとして水素への注目度が高まる中、水を電気分解して水素を発生させる水電解水素発生装置へ適用できるサブガスケットと呼ばれる部材が求められています。サブガスケットは、水の電気分解で発生する水素や酸素ガスの漏れを防ぐために、触媒付電解質膜(CCM:Catalyst Coated Membrane)に精密に貼り合わせる必要があります。そこで当社は、独自の配合技術と精密貼合技術を駆使して、最適なサブガスケット材料を開発しました。長期間、水中に晒されても剥がれず、ガス漏れしない品質が認められ、顧客にて大型プラントに向けた実証試験装置に採用されております。今後も当社コア技術を活かしたクリーンエネルギーに向けた部材開発を進めてまいります。

 産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は543百万円であります。

(3)ディスプレイ材料分野

・医療用3Dディスプレイ

 当社の3Dフィルター「Xpol®」を搭載する3Dディスプレイは、顧客の使用環境に応じた最適な設計と高精度な加工技術により、4K解像度の高画質を実現し、医療分野への採用が進んでおります。内視鏡手術用では主流の32インチに加え、大型化の要望に応えた40インチ超級を開発し、量産を開始しました。さらに、高速通信網の普及に伴う手術方式の多様化を見据えて、次世代医療として期待されるロボット手術用3Dディスプレイの設計に着手しています。

 また、医療分野以外への用途展開を目指し、工事現場や空撮などの遠隔操作用モニターの3D化も検討しています。

 ディスプレイ材料に係る研究開発費は228百万円であります。

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