企業兼大株主有沢製作所東証プライム:5208】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社は、経営方針に「社会・環境課題の解決に貢献し、持続的な成長を実現する」と掲げ、社会・環境問題に対して積極的に取り組むことが、企業の存在と活動に必須の条件であることを認識し、①脱炭素社会への貢献、②多様な人材の育成・働きがいの向上、③循環型経済の推進、④ガバナンスの充実を重要課題(マテリアリティ)と捉え、2030年までにカーボンニュートラルを達成(Scope1、2について)するなどのKGIを設定するとともに中期経営計画に掲げ、気候変動問題の解決・人的資本経営に取り組んでいます。この取り組みの一環として、2022年6月に「気候変動関連情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言へ賛同を表明しました。

マテリアリティ

KGI(目指す姿)

脱炭素社会への貢献

2030年までにカーボンニュートラルの達成、省エネルギー・省資源の推進、再生可能エネルギーへの代替、環境負荷低減材料の提供

多様な人材の育成・働きがいの向上

次世代人材の育成、全ての社員が活き活きと働ける会社

循環型経済の推進

排出物の削減、サプライチェーン・マネジメントの強化

ガバナンスの充実

高い倫理観のある組織、風通しの良い組織体制

(1)ガバナンス

 気候変動問題に対する取り組みを主導するため、2021年12月にESG委員会(ESG方針:当社は事業活動全般において、環境保全を推進するとともに、社会・環境課題の解決に貢献し、持続的な成長の実現を目指します。)を設置し、この委員長には取締役専務執行役員が、構成員には各執行役員、各部門の部長が就き、取り組みを推進しています。ESG委員会は、サステナビリティを意識した経営の啓発・推進のほか、気候変動への対応、脱炭素社会の実現、人権の尊重、労働環境への配慮、取引先との公正・適正な取引などのテーマに関し、年4回審議する体制をとっています。調達分科会は、サプライチェーン・マネジメントのもと、CSR調達方針を定め、サプライヤーとともにCSR活動を推進しています。人的資本分科会は、人的資本経営が企業価値向上に資すると考え、経営戦略と人材戦略の連動を目的に2023年3月に設置し、人材戦略の策定に向け毎月協議を行っています。また、環境保全活動に関しては、ESG委員会と連携する環境保全管理委員会、カーボンニュートラル・プロジェクト、排出物分科会で進捗状況を審議し、継続的な改善を図っています。

 重要な審議事項並びに活動状況等については、各委員会から執行役員会、経営会議及び取締役会に定期的に報告され、取締役会において最終的な判断が下されます。

 また、取締役会においては、定期的な報告について、公表された中期経営計画の進捗状況の確認と課題、対策の実施等を議論し、その結果は、経営戦略やリスク管理・評価に反映させる体制としています。取締役会は、気候変動関連の議案(目標設定や取組みの進捗状況等)について監督の役割を担っています。

(2)戦略

 当社は、中期経営計画において重要課題(マテリアリティ)掲げました。これを達成するため、ESG委員会並びに環境保全管理委員会及び下部組織として各分科会、プロジェクトチームを整備し、各部門とともに活動目標を年度ごとに策定し、取り組みを推進しています。

 また、気候関連リスク及び機会に関する戦略は、シナリオ分析に際して、ESG委員会で気候変動に関する重要リスク・重要機会の洗い出しと、それらが及ぼす具体的な財務的影響額の評価を行っています。

 今回実施したシナリオ分析は、当社における製品及びサービスの購入、開発、製造、販売までのサプライチェーン全体を対象とし、4℃シナリオ、1.5℃シナリオの2つのシナリオを用いて2030年時点における影響を考察、検討しました。

①気候変動によるリスクと機会

 地球温暖化による気候変動は、社会に及ぼす影響が極めて大きいため、気温上昇を抑制することを目指す動きに貢献していくことが重要であると考えています。

 気候変動は、台風・豪雨等の水害による当社やサプライチェーンへの被害、規制強化に伴う炭素税導入・クレジット購入・設備更新・再生可能エネルギー購入等の費用の増加のリスクが考えられます。

 一方、顧客の環境意識の向上に対応した製品の提供は、当社のビジネスの機会であると捉えています。具体的には、FCV・EV、太陽光発電、海水淡水化処理、航空機(軽量化)、脱炭素新エネルギー開発事業へ材料を供給することで気候変動に対応するとともに、自動運転支援、医療機器等への材料供給により生活環境の改善にも貢献しています。

(リスク)

(機会)

②人的資本経営に関する取り組みについて

 人材育成については、多様性の実現と機会均等の確保を基本方針としています。当社では、採用、昇格の際、年齢・性別・経歴に捉われることなく能力主義を貫き、多面的な評価とそのフィードバックを通じて本人の成長を促す仕組みを取り入れるとともに、ラーニングによる職制教育、自己啓発や、幅広い経験のための機会の提供に努め、社員一人ひとりの働きがいを高めると同時に、組織力の向上を目指します。具体的には、コミュニケーションを通じて自ら考え実践する人材の育成、能力主義の徹底、権限委譲の推進、将来のリーダー候補者の育成、並びに女性の活躍推進や男性の育児休暇取得者数増加などに取り組んでいます。また、多様性の確保及び女性・外国人の活躍促進に向けて、採用、配置、昇進等の各段階において性別、国籍、学歴、入社時期等による区別なく、実力や成果に応じた評価・処遇を行っています。この結果、管理職の70.5%(単体では42.3%)は中途入社社員が占めています。なお、仕事と生活の両立支援も進めており、男性と女性の平均勤続年数に差はありません。

(3)リスク管理

 当社は、気候変動に関するリスクを重要な経営課題と認識しています。そのため、気候変動に関するリスクについては、ESG委員会において識別・評価し、執行役員会、経営会議、さらには取締役会へ報告され、重要な課題を確定しています。これらのリスクを管理することで、リスク管理体制の向上を図っています。

 なお、気候変動に関するリスクの評価は、事業における気候変動要因を特定したうえで、1.5℃シナリオ、4℃シナリオそれぞれにおける将来の規制、社会、技術、気候条件等の変化を把握しています。

 また、当社では、環境問題に伴う外部環境の変化への対応、さらに国際的な持続可能な開発目標であるSDGsへの貢献に向けて検討してきました。その結果、中期経営計画で取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、「脱炭素社会への貢献」、「多様な人材の育成と働きがいの向上」、「循環型経済の推進」、「ガバナンスの充実」の4項目を特定し、これらの課題の解決に向け、全社一丸となって取り組んでまいります。

 マテリアリティの特定に際しては、ESG委員会において、持続可能な社会に対する重要度と当社事業に対する重要度の観点から4項目に絞り込み、取締役会で承認されました。

(4)指標及び目標

①気候変動

 当社は、エネルギー使用効率の改善に向けた様々な取り組みを実施してきました。今後は、その取り組みを拡大展開するとともに、再生可能エネルギーの利用とカーボンニュートラルガスの購入、並びに低炭素製品の開発を推進することにより、2030年度に二酸化炭素の直接排出(Scope1)と間接排出(Scope2)についてカーボンニュートラルの達成を目指します。

(カーボンニュートラル化の計画)

②人的資本

 女性管理職比率については、2022年3月末の12.5%を2025年3月末には20%程度にすることを目指し、中長期の目線で候補者の採用・養成を積極的に進めます。なお、2021年6月には、初の女性取締役が就任し、2023年6月には2名となっています。また、2022年6月には、内部昇格により初の女性執行役員を登用しました。今後も、社員の個性を尊重した能力開発・能力発揮の機会を提供するなど様々な施策に取り組み、多様な人材の採用と能力開発を推進していきます。

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