日置電機 【東証プライム:6866】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループの研究開発活動は、当社グループの事業に係るセグメントである電気測定器事業において行っております。
当社グループは「業界のフロントランナーとして『測る』を進化させ続け、世界のお客様と共に持続可能な社会をつくるソリューションクリエイターになる」というビジョンを掲げ、新しい社会システムを構成する重要市場に開発資源を集中させております。そのためオープンイノベーションによる最先端技術の習得やIoT技術者の育成とともに、アジャイル開発の概念を開発システムに取り入れ、開発スピードを強化しております。
当連結会計年度における成果としましては、次のとおりであります。まず、新しい社会を顧客と協創する関係を構築するため、顧客とともに課題に取り組む空間として研究棟内に協創ラボラトリーの建設を進め、2023年4月より稼働を開始いたしました。協創ラボラトリーを拠点に顧客や協業各社とともに電気計測技術で新たな社会課題を解決するための要素技術開発、新製品開発を進めてまいりました。
当社が重要市場と位置づけるバッテリー市場に向けた取り組みとしては、モビリティ産業やリチウムイオン電池のサプライチェーンにおけるブロックチェーン技術の推進と標準規格策定を行うMobility Open Blockchain Initiative(米国カリフォルニア州、MOBI)へ加盟しました。MOBIの推進するバッテリーバリューチェーンの構築を計測技術によって支え、加盟企業と協力しながら、世界の脱炭素化に貢献していくことを目的にしております。さらに、当社はインドネシアのバリ島で開催されたASEAN電池・電気自動車技術会議の開催を支援いたしました。市場の真の要求を理解し、業界の第一線で活躍する方々とのコミュニケーション及び連携を深めることを目的にしております。
前連結会計年度に引き続き、水素エネルギー分野に向けた先行開発とソリューション提供を強化いたしました。取り組み強化の結果、当社は水電解装置や膜電極接合体のインピーダンス計測をするシステム「ALDAS-E」を、「国立研究開発法人産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所」向けに受注いたしました。
世界市場におけるブランド力の向上と人材育成を目指して、世界中の先端顧客と開発者の密着による市場ニーズの把握に積極的に取り組むとともに、先端商品のマーケットがグローバル化していくことに対応し、特許など知財戦略のグローバル化にも人材と資金を投入してまいりました。
また、当社社員が次世代モビリティを通じて最新の技術に触れることを目的に、株式会社マクニカとともに自動運転EVバスの実証実験を行いました。
さらに、発展を続ける中国市場において市場の顧客ニーズを適時に満たしていくため、研究開発、生産機能を有した日置(上海)科技発展有限公司と協調して開発を進めてまいりました。
当社は研究開発型企業としてこれまで売上高研究開発費比率10%以上を目安に人と設備への投資を進めてまいりました。今後も連結売上高及び営業利益を伸長させつつ、売上高研究開発費比率10%以上の投資を継続し、持続的な成長発展を実現してまいります。
なお、前連結会計年度における研究開発費の総額は3,081百万円(売上高比9.0%)、また、研究開発関連の設備投資金額も含めますと3,616百万円(同10.5%)でありましたが、当連結会計年度における研究開発費の総額は3,745百万円(同9.6%)、また、研究開発関連の設備投資金額も含めますと4,548百万円(同11.6%)であります。
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