日精樹脂工業 【東証プライム:6293】「機械」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
経営理念
「世界の日精 プラスチックをとおして人間社会を豊かにする」
経営ミッション
「お客様の価値を創造し、お客様が満足することを通じて社会貢献を図る」
品質方針
「お客様と会社がともに成長できるモノづくりを推進する」
当社は創業以来、射出成形機の専業メーカーとして、常にお客様の立場に立った商品開発を手がけるとともにお客様と永年培ってきた成形技術の集積を総合的に提供することに努めてまいりました。
常にお客様のニーズを先取りし、高付加価値、高品質の商品並びに充実したサービスを提供することにより、豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標は、連結売上高営業利益率であります。
当社グループでは、株主への安定的な配当を維持しつつ、継続的な研究開発及び生産設備投資を行っていくためには、連結ベースの売上高営業利益率を恒常的に8%以上確保することが必要であると認識しております。
2024年3月期におきましては、射出成形機の需要が低調であったこと等から2023年3月期の5.1%から3.7%となりました。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2022年4月より「グローバル環境経営を更に進化させ、『フューチャーデザイン2026』の達成に向けた総仕上げを行う」をスローガンに掲げ、3ヵ年の第四次中期経営計画を策定し、以下の方針により2025年3月期に連結売上高640億円、連結営業利益42億円の達成を目指してまいりましたが、世界において、エネルギー資源価格および原材料価格の高騰等を背景に射出成形機需要が低調であることから2025年3月期の業績予想は、連結売上高455億円、連結営業利益は10億5千万円と修正いたしました。
①真のグローバル経営の強化
世界規模で進展する市場変化のなかで、グローバル環境経営を強化し、高収益企業としてグローバルな展開を図り、グループ力を発揮いたします。
②グローバル市場への積極的展開による営業強化
営業力の強化と、新たなビジネスモデルの創出により売上増大を図ってまいります。またお客様の課題解決型企業として、お客様にご満足いただける提案型営業を行うとともに、ボーダレス化、IoT化に呼応して、グローバル市場への積極的な展開を図ってまいります。
③グローバル生産体制の強化
5極生産体制により生産能力を増強するとともに、生産技術力と品質保証体制を強化いたします。またグローバル調達体制の強化と内製化率向上により更なるコストダウンを図ってまいります。
④グローバルリスク管理体制の強化
リーガルリスクに対応した製・販・財戦略とコーポレートガバナンス、BCP等に対応したグローバルマネジメント体制を強化いたします。また、グローバルに対応できる人材の育成を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年3月期(2024年4月から2025年3月まで)は、第四次中期経営計画の最終年度にあたり売上高640億円を計画として掲げておりました。しかしながら昨年から続く世界経済の低迷により各業界の設備投資マインドに更なる慎重さが加わり、当社においては引合いから受注に至るまでの期間が長期化している現状を鑑みて当初計画を見直し455億円と修正いたしました。今期の経営目標は「フューチャーデザイン2026の達成に向けた総仕上げを行う」をローリングさせ、拠点整備を行ってまいります。
その具体的な施策は、次の通りであります。
①環境経営の実践強化
プライム市場企業としての基準維持・強化、セールス、商品、リスク等全ての企業活動を環境視点で考え、環境対応技術のビジネス化により売り上げ増に繋げてまいります。
②セールス戦略
円安基調を背景とする為替を利用した海外現地法人との共同販促キャンペーンによる国内外在庫機の最適化と、グローバルサウスへの積極的な事業展開で収益増強を図ってまいります。
③商品戦略
中・長期ロードマップに基づき、競合他社とは異なる成形アプローチによりお客様が儲かる新商品の提案をし、それぞれの重点業種に適した成形機および成形システムの投入を進めてまいります。
④プロダクト戦略
グループ全体の品質目標「Made by NISSEI お客様にご満足いただける製品・サービスの提供を推進する」を達成するため、グローバルな品質保証体制を強化し、世界同一品質の実現に努めてまいります。
⑤コスト戦略
各国の生産拠点における内製化比率向上と欧州、米国、中国、アセアンでの最適地生産に向けたサプライチェーンの再構築により、リーン生産方式を実現し無駄を省くとともに価格競争力の向上を目指します。
⑥サービス戦略
IoT技術に基づく定期契約型の事業展開として成形機の可塑化診断ソフト・リモートメンテナンス機能・寿命予測機能を具備した射出成形AIサポートシステムの提案を進めてまいります。
⑦人事戦略
人的資本強化を意識した各種研修を通してプロフェッショナル人材を育成し、グローバル化とイノベーションに見合う人員を配置し、各人の能力が十分に発揮できる労働環境の整備に努めてまいります。
⑧リスク管理体制
開示情報の拡充および資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みを行うとともに全社リスクの見直しを実施し、全拠点におけるBCP・BCMの策定支援を実施いたします。
(5)気候変動及びTCFDに関する課題
当社グループは、地球規模での環境保全への対応について経営の重要課題の一つとして捉えております。グローバル視点による経営の基本を環境面から捉え、海洋プラスチック問題や脱炭素社会の実現、資源循環システムの構築といった問題に対し、各施策を推し進めてまいります。
①ガバナンス体制
気候変動対応及び目標値の設定承認は代表取締役社長が行います。全社において定期的に開催する環境経営プロジェクトにおいて目標値の設定、各部門における進捗状況を把握し、目標達成に向けた施策の実行状況を監督しております。内容及び進捗状況は同プロジェクト内において代表取締役社長に報告される体制を敷いております。
②戦略
当社グループでは、気候変動がもたらす事業活動に係る重要なリスクと機会の明確化に向けて、信頼性のある外部機関によるシナリオ群を活用しつつ、「脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)」、「温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)」の2つのシナリオ分析を進め、重要なリスク(移行リスク、物理リスク)と機会に対する主なインパクトを想定し、費用対効果を考慮のうえ対応策を定め、財務への影響を測定しております。
③リスク管理体制
社内で実施する環境経営プロジェクトをとおしてリスクを特定し、各部門において部門目標として設定いたします。設定したリスクは各部門に所属する課単位で目標展開項目としてPDCAサイクルを実施し、目標達成に向けた施策を推し進めることといたします。各課単位での取り組み状況を確認する体制としてISO9001、ISO14001による品質環境内部審査委員会の内部審査及び内部監査部門が実施する業務監査において定期的に審査、評価を行い、取締役会で報告し、実効性を確保してまいります。
④指標及び目標
現在、当社本社にて設置、稼働しております太陽光発電量は、2022年度が673,931kWh(28百万円相当)、2023年度が631,897kWh(26百万円相当)であり、平均して年間で約300トンのCO₂削減量を実現しております。この発電量は本社、工場の稼働に必要な電力量の15%程度であります。今後におきましては、本社及び海外拠点において再生可能エネルギーも用いた工場等の稼働方法を検討してまいりいます。
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