日特建設 【東証プライム:1929】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般について
①コミットメント
日特建設は、1947年(昭和22年)に創立し、ダムの基礎処理を創業工種として始まり七十有余年、環境防災、維持補修、都市再生分野の専門工事に特化した地質に強い施工会社として評価をいただいております。
創業時からダムの基礎処理工事を通じ水力発電における電力供給、自然災害時の水害対策など生活の根幹となる事業に携わってまいりました。2008年に経営理念「基礎工事における総合的な技術力と効率的な経営で、安全安心な国土造りに貢献する会社」を掲げ、ダムの基礎処理工事等で培った技術を地震・台風・豪雨などによる災害復旧や予防災へと応用し、いち早く単なる災害対応だけでなく環境への配慮を加味した技術開発を行い、法面の緑化、産業廃棄物の縮減、外来種への対応などに取り組んでまいりました。現在、世界規模で「持続可能な開発目標」(SDGs)、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同機関数が増加するなど、中長期的な企業価値の向上に向け、サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)が重要な経営課題になっています。当社グループが今まで取り組んできた経験を体系的に整理し、進化させていくことが、これらの解決策になり、経営理念を実現していくうえでも重要な事項と認識して取り組んでまいります。
②サステナビリティ基本方針
当社グループは、信頼される技術力に培われた環境・防災工事を主力とした基礎工事のエキスパートとして、「安全・安心な国土造りに貢献する会社 」を目指してきました。
一方で気候変動や人権問題に代表されるように、企業を取り巻く環境が大きく変化しており、「見えないところにこそ誠実に技術を提供して、社会から必要とされる企業であり続ける」ためには、サステナビリティに関するリスクと機会に適切に対処することが重要だと考えています。
そのため当社グループは自然災害時の復旧・復興へ積極的に取り組むとともに、脱炭素社会に向けて持続可能な環境配慮技術を開発・推進します。また人権尊重はもとより、多様な人材が互いに認め合い活躍できる環境を整えます。
以上の考え方に基づき、当社グループは事業活動を通じて持続的な社会の実現に貢献するとともに、中長期的な企業価値の向上を目指します。
③ガバナンス
当社グループは、外部環境の変化によるリスク及び機会を把握し、経営に影響を及ぼす重要課題(マテリアリティ)を、議論する場としてサステナビリティ委員会を設けています。
サステナビリティ委員会では、代表取締役社長が委員長になり、副委員長に代表取締役副社長、そのほか各本部長が参加して、重要課題の特定、その施策について議論しています。
委員会で特定したマテリアリティについては、経営会議及び取締役会に上程し、その特定と解決の施策について、決定していきます。
また、当社のマテリアリティ特定のプロセスは以下のとおりである。
1.課題の洗い出し | 課題の洗い出しは、以下を確認及び把握する |
(1)パーパス(存在意義) | |
(2)経営課題 | |
(3)価値創造に影響を及ぼす社会課題 | |
2.分析 | 分析は以下の流れで行う |
(1)マテリアリティの設定 | |
(2)設定したマテリアリティに基づく検討 | |
①リスクと機会 | |
②ステークホルダーの特定と影響 | |
3.マテリアリティの特定 | マテリアリティは以下のように特定し、決定する |
(1)1、2を踏まえて、策定 | |
(2)経営会議及び取締役会に上程 |
④リスク管理
当社グループは、気候変動のリスクと機会については、サステナビリティ委員会で特定、その施策について議論しています。その内容を経営会議及び取締役会に上程し、リスクと機会についての特定とその解決策について、決定していきます。また全社的なリスク管理に関わる課題・対応策を協議・承認する組織として、取締役会の下にリスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会は、委員長を代表取締役社長、委員を本部長・副本部長、顧問弁護士が務め、リスク管理委員会事務局が招集し、年4回以上開催しています。
⑤戦略
当社は、持続可能な環境配慮型社会の実現を目指します。そのため次の対策に取り組みます。
a.脱炭素の推進・・・CO2排出量の削減、CO2の吸収促進
「CO2排出量削減に資する研究開発の推進」では、環境配慮型材料の開発(セメント代替、プラスティック代替)や、ICT省力化技術の開発、リサイクル材を利用した工法の開発を進めます。
「CO2排出量削減に資する工法の設計・施工推進」では、環境負荷の少ない独自工法の設計や施工促進、電動建機・省エネ建機などの環境配慮型建機の導入を促進します。
「オフィス、現場事務所の省エネ推進」では、節電、照明のLED化、働き方改革(残業時間削減)に取り組んでまいります。
b.リサイクル資材の利用促進
当社はリサイクル資材の利用促進のため、リサイクル材料を使用した工法の設計・施工推進に取り組みます。
また、工事では環境にやさしい材料を使用するため、グリーン購入、環境ラベル商品の利用の推進を図ります。
c.生物多様性の保全
工事周辺の環境保全に向け、表土利用緑化工法・無播種の設計・施工を推進します。
また、環境保全活動の推進として、里山保全活動、植樹活動などへ積極的に参加していきます。
⑥指標及び目標
環境負荷軽減のために、CO2排出量の削減を進め、施工段階におけるCO2排出量を2030~40年度の早い段階で40%削減(2013年度比)を目指します。また、スコープ1、2排出量を2050年度までに実質ゼロを目指します。
(2)人的資本について
当社の人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針、指標及び目標は以下の通りです。
①人材育成に関する方針
・人材の確保と育成 | :DXによる業務効率化を進め、労働基準法改正による2024年度からの労働時間規制の遵守、多様な働き方の推進、職場環境・社員待遇の向上を実現し、日特らしい技術者を育成 |
a.採用に関する施策
・技術者確保 | :採用活動の継続、強化ほか |
・転職社員の積極採用 | :通年を通して、地域限定社員を希望する社員を採用 |
・会社認知度アップ | :学生への訴求力のあるホームページへの刷新ほか |
・ダイバーシティ | :女性社員・外国人社員の採用、障害者雇用、多様性のあるキャリアパス構築 |
b.社員の育成に関する施策
・若手の育成 | :技術の伝承のために、工事情報の蓄積と簡易に情報活用できる仕組みの構築、業務ロスをなくし効率的な管理が出来る様にチーム内でのコミュニケーションを活発化するための情報ツールの活用 |
・研修 | :新入社員、若手社員の研修の充実、コンプライアンスについての研修 |
②社内環境整備に関する方針
a.働き方改革に関する施策
・現場へのフォロー | :現場管理における多様な支援(ビジネスチャット活用、WEBカメラの利用、計画的な現場配置) |
・多様な働き方 | :ライフイベント時の現場フォロー(2022年度実績:育児休業取得率48.0%(男性27.8%、女性100%)/目標:育児休暇取得率100%)、介護、育児等で継続勤務が難 しい社員へのチーム対応、地元志向の社員への対応 |
・超過時間勤務の低減 | :新工事管理システムおよびDXの導入により現業社員の業務省力化・効率化、管理 精度を向上させロスを低減、バックアップオフィスの定着 |
b.魅力ある職場環境の整備
・若手社員への支援 | :年齢や性別、役職にとらわれないコミュニケーションが取れる社風へ、先を見通せるライフイベント毎のモデルケースを示し、将来への安心感につなげる |
・処遇改善 | :ベースアップ(定期昇給含む)、基礎賞与の見直しによる平均年収アップ(2022年度実績:平均年間給与776万円(単体)) |
c.安全衛生管理の強化・健康経営に関する施策
・計画と設備 | :施工検討会で計画の確認と乗り込み1週間パトロールで実施状況の確認、週間工程による現場の進捗状況の把握 |
・教育 | :新規入場者教育で現場ルール、日特ルールの教育、朝礼、KYで過去事例教育の実施(災害事例検索システム)、各種パトロールでの教育の実施 |
・点検と是正 | :多角的なパトロールの実施と定着(電気、機材パトロール等)、改善事項のその場是正 |
・健康経営 | :定期健康診断の着実な実施と再検査受診の推奨、保健師による特定保健指導、ワークライフバランスの推奨、ストレスチェックの実施、定期的な健康管理に関する周知と指導 |
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