企業兼大株主日清オイリオグループ東証プライム:2602】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社の経営理念は、次のとおりです。

1.企業価値の追求と、その最大化を通じた人々・社会・経済の発展への貢献
2.「おいしさ・健康・美」の追求をコアコンセプトとする創造性、発展性ある事業への飽くなき探求

3.社会の一員としての責任ある行動の徹底

 ステークホルダーの皆様へお約束するコンセプトとして、「コアプロミス」を次のとおり定めています。

日清オイリオグループは、健康的で幸福な「美しい生活」(Well-being)を提案・創造いたします。そのために私たちは、無限の可能性をもつ植物資源と、最高の技術によって、あなたにとって、あったらいいなと思う商品・サービスを市場に先駆けて創り続け、社会に貢献することを約束いたします。

 また、今般作成した「日清オイリオグループビジョン2030」において「2030年に目指す姿」を次のとおり

 定めております。

私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります。

 当社グループは、従来以上に事業活動による価値創造を通じて社会の持続可能性に貢献してまいります。

「ビジョン2030」策定時に、当社グループが2030年に目指す姿に至るために、行動の基本とするValues

(「真摯な姿勢」「つながる」「究める」「切り拓く」「しなやかに強く」)を定めました。

 また、理念を実践していくための行動指針である「日清オイリオグループ行動規範」のグループ内での

 浸透を図っています。

 日清オイリオグループ理念体系は次のとおりです。


(2) 中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

日清オイリオグループビジョン2030

 近年、当社グループを取り巻く環境は、地球規模での環境課題の累積、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化や中東情勢の悪化等の地政学リスクの顕在化、国内における少子高齢化の進展など大きな変化の渦中にあり、それに伴い従来のビジネスのやり方やモノの考え方が急速に変わってきています。さらに、企業市民として、今まで以上に持続可能な社会「サステナビリティ」に貢献していくことが求められています。

 このような中、2021年3月に策定した「ビジョン2030」で示した「2030年に目指す姿」と「戦略の指針」に沿って、当社グループは、社会課題の解決を通じた、多様な共有価値の創造(CSV)を成長のドライバーとすることで、将来にわたって持続的に成長し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 日清オイリオグループビジョン2030の概要


“植物のチカラ®”を価値創造の原点として私たちが生み出す商品・サービスを「生きるエネルギー」と定義し、2030年に向けて当社グループは、「生きるエネルギー」をすべての人にお届けする企業グループになることを目指します。

〇生きるエネルギー

 生きるために必要な根源的なエネルギー

 おいしい食事で人を元気にするエネルギー

 栄養機能で人を健康にするエネルギー

 美を演出し活力を与えるエネルギー

 油脂と相乗効果を発揮する素材・技術・事業から生み出されるエネルギー

また、「生きるエネルギー」をすべての人にお届けするためには、油脂を素材として提供するだけでなく、当社グループが持つ強みを活かして他の食品メーカーや素材メーカーなどと一緒に価値を共創することが非常に重要であると考えています。生活を支えるあらゆるチャネルでお客さまとの接点を持っている強みにより、社会課題解決のためのプラットフォームの役割を担うことで可能になると考えています。

 そして、2030年度に達成を目指す経営指標としてROE10%、ROIC7%を目標値として設定しており、持続的な利益成長と資本効率の改善を通じて、企業価値の向上に取り組んでまいります。

2021年度~2024年度 中期経営計画「Value Up+」

「ビジョン2030」で目指す姿に向けた最初の4年間(2021年度から2024年度まで)を対象とした中期経営計画「Value Up+」の基本方針を「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」とし、マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションを基調として、CSVを成長ドライバーに据えた戦略、施策を実行しています。2024年度は「Value Up+」の最終年度として経営目標達成に力強く取り組むとともに、「ビジョン2030」で目指すグローバルトップレベルの油脂ソリューションカンパニーへの飛躍に向けた取り組みを加速させてまいります。

 中期経営計画「Value Up+」の位置づけ


 目標とする経営指標

「Value Up+」最終年度である2024年度の経営目標について、営業利益は、厳しい事業環境が続く中ではありますが、2023年度までの実績を踏まえて、従来計画の170億円を大きく上回る210億円を目指します。また、株主資本コストを確実に上回る資本収益性を実現し、持続的な企業価値向上を目指すことが重要であるとの認識のもと、最重要指標として位置づけているROEについても8.0%以上とします。

 加えて、このROE目標の達成に向け、ROICについては、資本コストを意識したマネジメントを行い、2024年度の計画を4.6%から5.0%以上に上方修正いたします。なお、営業キャッシュフローについては、営業利益が改善したことに加え、運転資本が増加から減少に転じたことにより、4年間の累計額は480億円となる見通しです。

※中期経営計画「Value Up+」の経営目標は、現時点で入手可能な情報や、合理的と判断した一定の前提に基づいて策定した計画・目標であり、潜在的なリスクや不確実性などを含んでいることから、その達成や将来の業績を保証するものではありません。また実際の業績等も当中期経営計画とは大きく異なる結果となる可能性がありますので、当中期経営計画のみに依拠して投資判断を下すことはお控え下さい。

「Value Up+」経営目標実現に向けた具体的取り組み

CSV目標とあわせて中期経営計画「Value Up+」の経営目標実現に向けた戦略を推進するフレームワークである「達成チャート」に基づき成長性、積極投資、持続性、効率性の観点から、戦略におけるKPIの進捗状況を把握し、今後の更なる成長に向けた取り組みを推進しています。

 具体的な取り組みとして、今後の収益拡大に向け、BtoCの領域においては、「油脂の価値向上」が不可欠であると考えており、まず研究面での健康エビデンスの確立や、油脂による食品への乳感・塩味・うまみの付与など、おいしさの意図的創発の取り組みを推進していきます。また、食用油における新しいカテゴリーとして味つけオイルの市場育成を図ります。クッキングオイルについても、当社の技術をベースに、「酸化の抑制」「吸油が少ない」「少量づかい」といった新たな価値を提供する商品を販売し、収益性を高めてまいります。

BtoBの領域においては、当社の持つ技術やバリューチェーンにおける強みを発揮し、国内外で販売を拡大してまいります。国内における業務用や加工用を中心とするフードサービス分野では、お客さまとの多様な接点のなかでの当社グループの提案力、開拓力、物流力、サポート力の強みを活かします。海外では、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.(ISF社)は、グローバルに事業を行っているチョコレートメーカーなどへのチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットの販売を積極的に拡大してまいります。また、化粧品油剤では、テクニカルサポート機能の拡充などを通じて、グローバル市場でシェアを一層高めてまいります。

BtoBtoCの領域においては、加工食品メーカー、小売り・流通業界の企業と商品の共同開発を行うとともに、積極的にメディアを活用して油脂の栄養機能についての認知や理解を高め、共創への仕掛けを実践します。まずはMCTの脂肪燃焼機能を訴求し、食用油売り場での販売に加えて、加工食品など多様な売り場でMCT採用商品が発売されることで生活者との接点が広がりさらに認知度が高まる、といった形で成功事例を作り、さらにフレイル対策など他の機能へ訴求の対象を広げていきたいと考えています。

 これらの収益拡大に向けた取り組みとあわせ、今後の更なる事業成長に向けた積極的な投資を継続してまいります。中期経営計画「Value Up+」では、お客さまとの価値の共創を推進する基盤の構築を目的に、横浜磯子事業場内に新たに「インキュベーションスクエア」の設置に関わる投資を行い、2024年度より稼働を開始しました。この投資により強化・実装された機能を活かし、当社のコアコンピタンスである油脂を磨きあげ、油脂加工技術を究めるとともに、お客さまとの共創により多様な価値を創造する取り組みを進めてまいります。

 また、ISF社におけるチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットの生産能力拡充投資や、当社名古屋工場をはじめとした生産拠点のスマートファクトリー化、堺工場のサステナビリティセンター化構想についても着実に進めてまいります。さらに、設備や情報システムなどの投資に加え、人材、研究開発、知的財産などの無形資産への投資も重要と考えており、特に組織能力の強化・開発を進めていく観点から人材への投資を積極的に実施してまいります。また、従業員の心身の健康、働きがい、生産性の向上を目的として、経営トップが最高責任者となり健康経営を強力に進めており、「健康経営優良法人2024~ホワイト500~」に認定されております。引き続き従業員の健康保持・増進に積極的に取り組んでまいります。

 持続性の観点では、環境とサプライチェーンが大きなテーマです。「日清オイリオグループビジョン2030」の「地球環境」や「信頼でつながるサプライチェーン」などで掲げたCSV目標の達成に向けた取り組みを着実に推進してまいります。当社グループは、2023年12月に、新たに「日清オイリオグループ生物多様性方針」および「日清オイリオグループ水方針」を制定いたしました。植物資源を事業のベースとする当社グループにとって、地球環境や資源の保護は、事業の持続性そのものであり、これらの方針に基づき、事業活動を通じて生物多様性の保全・回復や水リスクの解決に真摯に取り組んでまいります。

 また、当社グループでは、事業活動を通じた持続可能な社会の実現・発展のためにはサプライチェーン全体としての取り組みが重要との認識のもと、すべての原材料やサービスなどの調達活動の指針となる「日清オイリオグループ調達基本方針」を制定しており、持続可能な調達を推進しています。この「調達基本方針」に基づいた調達活動をより確実に実現することを目的に、サプライヤーの皆さまに期待する事項を明文化した「日清オイリオグループサプライヤーガイドライン」を2024年3月に制定いたしました。このガイドラインに基づき、当社グループでは、サプライヤーの皆さまとともに環境や人権などの社会課題の解決に向けた取り組みを推進してまいります。

 効率性の観点については、資本収益性の向上は最優先で取り組むべき課題であるとの認識のもと、2030年にROE10%の水準を達成することを目標化しました。またこのROE目標の達成に向けてはROIC7%の目標を新たに設定し、営業利益と投下資本の両面からマネジメントを強化してまいります。2024年度までの「Value Up+」期間中においては、国内油脂市場の付加価値化・ソリューション強化や、海外事業における拡販戦略などにより、収益性の向上に取り組むとともに、効率性の視点から、在庫・アイテムの適正化や政策保有株式売却など資産構成も見直し、ROIC5.0%以上の達成を目指します。さらに、2030年に向けては、国内油脂における着実な成長と収益性の向上、加工油脂事業・ファインケミカル事業におけるグローバル市場でのプレゼンス拡大、北米における新市場の開拓などに注力し、各事業においてROICや売上拡大、営業利益成長率などをKPI化したうえで、達成に向けた具体的な戦略を立案し、取り組みを進めてまいります。

(3) 経営環境、課題及び対応

 世界経済については、インフレ率は一定の低下傾向が見られるものの、金融引き締めによる需要減少の影響や、消費と投資の低迷が続いている中国経済の停滞などに伴い、緩やかな減速傾向で推移しています。また、ウクライナ情勢の長期化や米中貿易摩擦、中東情勢の悪化に伴う原油価格の高騰やサプライチェーン(供給網)の混乱など、地政学リスクに対する警戒感は引き続き高く、先行きの不透明な状況が続くと見込まれます。

 国内においては、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の5類に移行されたことに伴い、行動制限が緩和されるとともに、インバウンド需要も増加しており、社会経済活動は一部で足踏み感がみられるものの、緩やかな回復傾向にあります。一方で、原材料価格の高止まりやエネルギー価格の高騰などを受けた物価上昇に伴い、個人消費が弱含むなど、今後の景気動向については、下振れリスクが警戒される状況となっています。

 当社グループへの影響が大きい大豆、菜種、パーム油などの原材料については、円安基調の継続に加えて、堅調なバイオ燃料需要の拡大などにより購買価格の高値推移が懸念される状況にあります。また、天候不順による歴史的な不作に伴うオリーブオイル・カカオ豆の相場高騰、原料調達におけるパナマ運河やスエズ運河の迂回航路選択に伴うコスト増加など、当社を取り巻く事業環境は不透明かつ厳しい状況が継続しています。

 このような事業環境下、当社グループは、長期的な視点で目指すべき姿と戦略の指針を示す「日清オイリオグループビジョン2030」を策定し、その実現に向け、2021年度から2024年度の当初4か年の中期経営計画「Value Up+」に取り組んでおります。この中期経営計画では、これまでよりもっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革していくための戦略、施策を実行しております。

 喫緊の課題としては、消費者のニーズを捉えた国内市場における機能訴求型の商品やソリューションの強化、グローバル市場でのスペシャリティファットや化粧品油剤の販売拡大、今後の成長に向けた投資や事業拡大・基盤強化などに関わる施策の着実な実行への対応などが考えられます。中長期的には、グローバルトップレベルの油脂ソリューションカンパニーへの飛躍に向け、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じて持続的な成長を目指してまいります。

 各事業の状況については、次のとおりです。

[油脂事業]

(油脂・油糧)

 国内の油脂事業においては、主要原料相場、為替相場、物流費、資材費、エネルギーコスト、将来コスト・社会的コスト等を踏まえたうえで適正な販売価格を設定し、人々の暮らしや食品産業を支えるための安定供給が求められています。

 ホームユースにおいて、当社はキャノーラ油のみならず、オリーブオイル、アマニ油などにおいても高い市場シェアを有しており、「味つけオイル」などの油脂の新しいカテゴリーの創出や油脂の栄養・健康機能を積極的に提案・紹介するなどして需要を喚起し、市場の拡大を牽引しています。

 業務用および加工用では、レストランなどの外食、コンビニエンスストア・量販店などの中食、製菓・製パンや加工食品業界などに向けた販売を行っております。競争の激しい市場環境ではありますが、ユーザーとのニーズ協働発掘型営業によるソリューション提案で需要を創造し、収益の獲得、拡大につなげております。商品面ではフライ油の酸化上昇や着色などを抑える「機能フライ油」や、メニューの品質を高める炊飯油や麺さばき油などの「機能性油脂」などの展開により、お客様の課題解決に取り組んでいます。

 大豆、菜種を主原料とする商品については、円安基調の継続や堅調なバイオ燃料需要の拡大、世界的に旺盛な油脂需要の増加、主要産地の天候悪化による生産量の減少懸念などにより、不透明かつ厳しいコスト環境が継続することが予想されますが、原料調達先の複線化や生産技術・油脂加工技術の向上、生産・物流機能の最適化等により強靭なサプライチェーンを構築し、安定的に供給してまいります。ミールについては国内の需給などの影響もありますが、国内の販売価格が国際価格と連動した販売を行っています。

 中長期的には、国内の人口減少による油脂消費量の減少が見込まれることもあり、一層の合理化、効率化が必要と考えております。こうした環境が見通される中、2023年10月に株式会社J-オイルミルズ社と共同出資会社 製油パートナーズジャパン株式会社を設立しました。国内搾油業の国際競争力強化と安定供給を長期にわたって確保する共同運営体制の構築を目指すとともに、AIやIoTの活用によるスマートファクトリー化、脱炭素社会への取り組みなど、環境・社会課題への解決にも繋がる「次世代型搾油工場」の構築に向けた取り組みを推進していきます。

 合わせて、脂質栄養の知見を活かした幅広い商品の開発や情報発信により、油脂を通じた価値創造を推進してまいります。

(加工油脂)

 パーム油を活用したチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットをグローバルに販売するマレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.(以下、ISF社)と日本国内での製菓・製パン向けにショートニングやマーガリンなどを製造販売する事業から構成されます。ISF社はパーム油の分別・精製における高度な技術を有しており、欧州などの高い品質基準を要求する顧客を中心に付加価値品の拡販に努めています。

 チョコレート用油脂については、主要産地である西アフリカでの異常気象に伴うカカオの大幅な減産により、カカオ相場の高騰が続くものと予想されており、代替としての需要拡大が見込まれます。

 一方で短期的には価格高騰等によるチョコレート市場の成長鈍化などの影響を受ける可能性がありますが、中長期的にはチョコレートおよびチョコレート用油脂の需要は堅調に増加すると考えており、ISF社においてはチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットの生産能力拡充投資も積極的に実施しており、販売を拡大させていきます。

[加工食品・素材事業]

 チョコレート関連事業、ドレッシングなどの調味料、MCTを中心とした機能素材・食品、大豆素材・食品から構成されます。

 チョコレートについては、世界的なカカオ不足に伴う価格高騰による原料調達への懸念はありますが、原料調達国の複線化や希少カカオ豆の生産性向上等に取り組むことでサプライチェーンの強靭化を図っています。また、市場動向については、国内・グローバル共に価格高騰に伴う短期的なチョコレート消費量の低下リスクはありますが、国内ではコロナ禍による行動制限が緩和されたことに伴い土産物需要は徐々に回復しつつあり、また、グローバルでは、中長期的なアジアでの中間所得層の増加による、市場の拡大を見込んでいます。

 調味料においては、おいしさの追求やアマニ油、MCTオイルなどの健康訴求油脂への関心の高まりなどを背景に油脂の機能を活かした商品開発および販売を展開してまいります。

 機能素材・食品においてはMCTの脂肪燃焼やフレイル対策など、健康機能の高さを引き続き啓発し、機能性素材マーケティングによる売上拡大を目指してまいります。

 大豆素材・食品においてはプラントベースドフードの市場拡大も見据え、大豆たん白の供給にとどまらず、油脂の活用による食感、おいしさなどのソリューションの提供を強化してまいります。

[ファインケミカル事業]

 化粧品用の原料である油剤を主力商品としており、多くの国内化粧品メーカーや、欧米の大手化粧品メーカーと長期にわたり取引を行っております。新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことに伴い、化粧品向け需要は回復傾向にあり、特に国内、中国市場での販売は好調に推移しました。世界の化粧品市場は、中長期的にはアジアを中心に中間所得層の増加が見込まれるエリアでの成長により拡大しています。テクニカルサポート機能の発揮等により、グローバル市場でのプレゼンス拡大を進めてまいります。

 環境・衛生においては食の環境を中心とする衛生管理事業や植物資源を活用して環境に好影響を与える商品・サービスの開発を進めてまいります。

(4) その他

 当社は、2024年3月13日、ごま油の販売に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立入検査を受けました。当社は、立入検査を受けたことを厳粛に受け止め、公正取引委員会の調査に全面的に協力してまいります。

 なお、調査は継続中であり、現時点では財政状態及び経営成績に及ぼす影響は不明ですが、今後、業績予想の修正が必要となった場合は速やかにお知らせいたします。

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