日東富士製粉 【東証スタンダード:2003】「食品業」 へ投稿
企業概要
当社グループにおける研究開発活動は、当社と㈱増田製粉所が行っております。㈱増田製粉所とは、両者のノウハウを共有する事で技術シナジーの創出など、競争力のある製品・技術の開発に取り組むことによって、当社グループの成長とより一層の事業拡大を図ってまいります。
(製粉及び食品事業)
研究開発活動は当社の中央研究所が中心となり、プレミックス、小麦粉、新素材の製品開発及び用途開発を行っております。
当連結会計年度におきましては、国内人口の減少や少子高齢化等による市場縮小で小麦粉需要が伸び悩む厳しい状況の中、安全安心をモットーとし、美味しさを追求した開発を行ってまいりました。新型コロナウイルス感染症が、2類相当から5類感染症に移行したことを受け、人流増大、それに伴う顧客の積極的な設備投資等、市場の変化に対応し、量販や外食に積極的な提案をしました。また、足元では資材価格が高騰しておりますが、その対応についても引き続き検討を進めております。
主な研究開発活動は、次のとおりであります。
①惣菜やベーカリー商品に使用する業務用プレミックス及び家庭用プレミックスの製品開発並びに用途開発
②ベーカリー商品、麺商品及び菓子商品に使用する小麦粉の製品開発並びに用途開発
③ベーカリー商品の業務用冷凍生地、レンジ対応プレミックス等の開発並びに用途開発
④各種穀粉を使用した新素材開発並びに用途開発
⑤製品提案活動を通して、プレミックス、小麦粉及び新素材の拡販支援
これらに対する当連結会計年度の中央研究所の主な研究開発活動結果は以下のとおりであります。
アフターコロナで人流が戻ったことに伴い、量販店・コンビニエンスストア・冷食向けにおいて、こだわりある品位の製品開発・提案を行い、惣菜衣用プレミックスの採用に至りました。ベーカリーカフェ業態は新規出店や催事が再開し、開発案件が活発となり新規採用を獲得しました。また、外食・中食市場が回復基調の中、業務用商品を製造している顧客が新工場・ライン増設等積極的設備投資を行っており、当社からの技術フォローを通じて拡販を実施しました。
小麦粉を含む原料価格高騰、各種食品の値上げが増加となる中、付加価値を以って顧客ニーズに対応し、食味の奥深さを付与するライ麦粉や、食物繊維が豊富なパウダーブランが大手製パンメーカーを中心に採用となりました。さらに、健康基軸製品の提案を積極的に行い、高たんぱくのベーカリー用プレミックス、吸油を抑えた天ぷら粉・から揚げ粉が採用となっております。
SDGsの課題解決にも繋がる開発として、時間短縮を目的とした提案を継続的に行い、早茹で麺、焼成時間を短縮したたい焼き、電子レンジ調理に対応できる中華まん、冷蔵発酵法を活用したベーカリー製品等の拡販に努めております。家庭用商品でも、レンジ調理対応の蒸しパンミックス、から揚げミックス、フライパン調理対応のパンミックス等、簡便に調理できる製品が、大手メーカーや宅配サービス業向けに採用となりました。また、フードロス削減の取組みとして、常温で長期保存が可能な生麵類を顧客と共に開発しています。
なお、アイテム毎の取組み、評価は以下のとおりであります。
中華麵用粉においては、当社代表ブランド「天壇」を、シリーズとして上市するブランド戦略を継続しております。永年ご愛顧頂いている「天壇」、テイクアウト需要対応の茹で伸び防止効果を持たせた「天壇真」、餃子の皮に特化した「天壇鉑」を展開し、ご好評を得ております。
惣菜及びスナック業務用プレミックスにおいては、新製品開発や改良を推し進めた結果、国内外の大手冷食メーカー、大手ファーストフード、量販店、及び外食企業等で採用に至り、売上伸長に寄与いたしました。コンビニエンスストア向けには、マーケティングデータに基づく提案を強化するとともに、マリネーション技術を用い、味付けと特徴のある衣をセットにした提案を実施しております。
ベーカリー業務用プレミックスにおいては、当社独自の技術で製造した特徴のある粉として、「ライ麦粉」「全粒粉」「デュラムフラワー」が、食味食感で高く評価され、差別化商品に新規で使用されるなど、大手製パンメーカー含め幅広く採用されております。菓子用プレミックスにおいては「たまごぱんミックス」が大手製パンメーカー等へ採用となりました。さらに、地産地消を目的とした産地限定の国産小麦粉が、大手製パンメーカーやインストアベーカリーで採用に至っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、595百万円であります。
- 検索
- 業種別業績ランキング