日本化薬 【東証プライム:4272】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループは、研究開発を事業成長の原動力と捉え、積極的な研究開発活動を行っております。これまで培ってきた要素技術や基盤技術をさらに深化させ、新しい技術開発を加えて、生命と健康を守り、豊かな暮らしを支える新製品・新事業を創出し続けることで、社会に貢献し続けてまいります。
当連結会計年度における研究開発費は198億円であります。
当連結会計年度におけるセグメントごとの活動状況及び研究開発費は次のとおりであります。
(モビリティ&イメージング事業領域)
セイフティシステムズ事業では、サイドエアバッグ用インフレータにおいて次世代品の設計を完了し、製品ラインアップの拡充に向けた開発を推進中です。また新たな自動車用安全デバイスに使用される火工品の開発にも着手しております。
ポラテクノ事業では、車載用高耐久染料系偏光フィルム、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用光学部材、液晶プロジェクター用無機偏光板、X線検査装置部材等の開発を進めています。特に染料系偏光板に関しては二色性色素の設計・合成からフィルム化まで一貫した製品開発を行っており、近年電気自動車などで搭載されているHUD用途での採用が増えています。
当事業領域に係る研究開発費は37億円であります。
(ファインケミカルズ事業領域)
ファインケミカルズ事業領域では、豊かな暮らしと持続可能な社会に貢献する製品の開発に取組んでいます。次世代高速通信に向けた各種基板用材料、特に高周波の伝送損失を低減する低誘電樹脂素材や低誘電異種接着剤、イメージセンサー向けの高性能なMEMS用ドライフィルム、高画質かつ高速印刷を実現するための産業用インクジェットインク、染料合成技術を活かした新規機能性色素、高活性でより長寿命なアクリル酸、メタクリル酸製造用触媒を開発しており、さらにバイオ素材及びグリーン触媒への取組も開始しました。
当事業領域に係る研究開発費は37億円であります。
(ライフサイエンス事業領域)
医薬事業では、複数の画期的新規がん治療薬を導入して開発パイプラインを拡充しました。これらの早期の承認取得を目指しております。また、社外研究機関との共同研究により新規技術の構築にも取組んでおり、特にバイオ医薬品の製造・品質管理に関する技術が充実してきています。一方、患者負担の軽減や医療保険財政の改善に貢献するジェネリック抗がん薬及びバイオシミラーでは利便性を向上させた工夫製剤を継続的に開発し、製品ラインアップの更なる拡充に努めております。さらに治療薬だけでなく、体外診断薬の新製品開発も順調に進んでおり、臨床性能試験に向けた準備を進めております。
アグロ事業では、新規殺虫剤を創薬し、本年度より公的試験を開始いたしました。また工夫製剤・機能性展着剤といった製剤技術を基本とした研究活動でも成果があがっており、複数の製品で農薬登録申請を行いました。現在は研究DXにも力を入れており、創薬活動やデータ解析に幅広く応用をはかっています。さらには農業関連の新規分野として、環境負荷を低減させる資材やバイオスティミュラント(植物刺激剤)などの研究を精力的に行うとともに、新規事業の探索にも力を入れております。
当事業領域に係る研究開発費は113億円であります。
(その他)
テクノロジー統括ではスタートアップ企業やアカデミア(大学・産学連携の研究機関)とのオープンイノベーションを積極的に実施して競争優位性の獲得に努めています。2023年度はスタートアップ企業1社と共同研究を開始しました。また、産業用ドローンは空撮、点検、防犯、物流など多岐にわたる分野での普及が見込まれており、それに伴う公共の安全の確保が急務となってきています。このため産業用ドローンパラシュート安全装置事業の立ち上げを推進するべく2023年11月にエアロ事業推進部を新設しました。2023年3月には当社のドローン用パラシュート安全装置「PARASAFE®」を搭載したドローンが日本初のドローン認証第一種型式認定を取得するなど社会実装に向けた取組も強化しています。
その他の研究開発費は9億円であります。
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