企業兼大株主日本リーテック東証プライム:1938】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 国民生活や経済活動に欠かすことのできない社会インフラ基盤。工事を通じてその一翼を担う当社グループは、より確かな安全と品質が提供できる企業、そして社会から必要とされる企業であり続けなければならない。時代の大きな転換点を迎え、目まぐるしく変化する経営環境の中、ESG経営を基本とした重要課題(マテリアリティ)を定め、中期経営計画をはじめとする各種施策を力強く推進し、当社グループの新たな成長と持続可能な社会の実現を目指していく。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)ESG経営におけるガバナンス体制

  建設業を営む当社グループにおいて、環境・安全・技術・人材・情報セキュリティ・コンプライアンスに対する取り組みは、事業継続や社会貢献等のサステナビリティを進める上で特に重要な要素と認識しており、これらに関する各種施策を重点的に推進している。また、ESG経営の取り組み加速に向けて、2022年7月にはサステナビリティ推進本部を設置し、環境経営関連・技術開発関連・情報システム関連業務を専門的かつ全社包括的に推進する体制を構築している。

 当社は、経営方針の決定にあたり、常勤取締役・経営企画部長・各本部長で構成し、社長を委員長とする「経営革新委員会」を設置している。本委員会では、グループ全体の経営方針について協議・検討するとともに、当該方針を落とし込んだ中期経営計画や年度経営計画の策定を行っており、経営会議及び取締役会に付議し決定している。

  ESG経営の方針は、経営計画に落とし込まれた内容に従い、各組織の重点実施事項として推進するが、幅広い知見と経験を反映し、施策を実効性あるものとするため、組織横断的な専門委員会を設置し、戦略や主要な行動計画等を協議・策定している。なお、各専門委員会における重要な方針・意思決定については取締役会や経営会議に付議することとしている


(2)ESG経営における重要課題

当社グループ事業のESG経営における重要課題(マテリアリティ)は以下のとおりである。


(3)ESG経営におけるリスク管理

上記各委員会は、定められた重要課題(マテリアリティ)の達成に向けた各施策の推進にあたり、内在するリスクを特定・評価するとともに、発生頻度や経営へのインパクトの観点から優先度を決定し、回避・軽減等の対策を行っている。なお、取締役会や経営会議は、これらリスク管理の状況について定期的に報告を受け、重要な方針の意思決定とモニタリングを行っている。

(4)ESG経営における指標と目標値

当社グループ事業のESG経営における指標と目標値は以下のとおりである。


(5)TCFD提言に基づく気候関連の情報開示について

 現在、気候変動を起因とした自然災害が頻発・激甚化し、安全・安心な社会を脅かす重大な問題となっている。当社は、気候変動による事業への影響を重要な経営課題の一つと認識し、関連情報の開示を進めていく。

 ① ガバナンス

 当社は、環境に関連する課題を審議・決定する機関として、社長を委員長とし経営層をメンバーとする「環境経営推進委員会」を設置している。当委員会では、気候変動に関連する課題について、具体的な方針や施策の決定、レビューを行っており、重要な方針については取締役会や経営会議に付議し決定している。なお、気候変動に関する重要事項は、各本部及びグループ会社に伝達され共有するとともに、主要取引先にも協力を要請するガバナンス体制を構築している。


 ② 戦略

 当社の事業に影響を与えるリスクと機会として、「気候変動」についてシナリオ分析を行った。リスクと機会には、炭素排出量増大による地球温暖化を抑えるための規制の強化や市場の変化などの「移行」に起因するものと、地球温暖化そのものが引き起こす「物理的変化」に起因するものが考えられる。

起因するもの

シナリオ分析

産業革命前と比べて

今世紀末の気温上昇に対して

移行

IEA(国際エネルギー機関)

1.5℃に抑えるシナリオ

物理的変化

IPCC(国際気候変動に関する政府間パネル)

4℃を越えるシナリオ

 リスクと機会


 この結果、当社はZEBや再生可能エネルギー関連工事などの事業機会もあり、十分なレジリエンスを有しているものと分析した。

 ③ リスク管理

 当社では、環境経営推進委員会において気候変動をはじめとする環境に関連するリスクの最小化と、機会の最大化を目指し、基本的な方針及び施策を審議している。

 また、環境問題における重要な意思決定事項については、取締役会・経営会議に付議している。各部門においては、業務プロセスに内在するリスクを把握、低減策を講じた上で業務を遂行し、内部監査部門である監査部が、各部門のリスク管理状況を監査している。当社はこれらのリスク管理を通じて、今後多様化・広域化・激甚化する気候変動に関するリスクや機会に対処する。

 ④ 指標と目標

当社は、2050 年カーボンニュートラルに向けて、事業活動における CO2 排出量削減の取組みを開始した。中期経営計画において、重点施策を実施することにより、具体的な CO2排出削減目標を設定した。

目標(単位:t-CO2

2040年

①スコープ1におけるCO2排出量削減率

▲50%(基準年2022年)

②スコープ2におけるCO2排出量削減率

▲50%(基準年2022年)

(スコープ1)燃料の燃焼などによる直接排出:社有車の使用に伴う直接排出量

(スコープ2)電気の使用による間接排出:自社施設で購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量

(6)多様性の確保及び人材育成並びに社内環境整備について

 ① 多様性の推進

 当社では、ホームページや映像動画等を通じて女性労働者の活躍の様子を伝え、入社後のイメージを示して募集する等、採用労働者に占める女性労働者の割合の向上を図っている。また、女性が安心して働くことができる職場環境の整備を進めながら、女性活躍の推進に積極的に取り組んでいる。

 男性労働者の育児休業取得率については、従前、非常に低い割合で推移していたが、継続的な制度の見直しや社内教育、啓蒙活動を通して、誰もが取得しやすい社内風土を醸成し、取得率の向上を図っている。

 また、国籍、性別、職歴等に拘らない多様な人材の採用・起用を推進するためには、働き方の多様性が確保される社内環境整備が必要であり、当社は「③働き方改革」に記載のとおり各制度の導入及び継続的な見直しを行い、積極的に組織の活性化を図っている。

 ② 人材育成

 当社では、将来に渡って持続的成長を実現するため、教育方針として「NRキャリアディベロップメントプラン」を定め、経営理念、社会人基礎、技術、マネジメントの4つの分野に沿って従業員のキャリアステージを明確に示した育成プログラムと、「総合研修センター」で揃えている実際の設備で技を磨くことにより、“安全文化”と“高い専門性”を兼ね備えた「真のプロ」の育成に取り組んでいる。

 ③ 働き方改革

 当社では、従業員一人ひとりの生きがい(ライフスタイル)、働きがい(ワークスタイル)の両立に向けて、様々な制度改革を実施している。

 フレックスタイム制やテレワーク勤務など、働く時間及び場所の柔軟化を図るための勤務制度をはじめ、退職した社員が再び働けるキャリア・リターン制度、ICT技術を積極的に活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)による業務効率化、幅広い年齢層や地域を対象とした福利厚生制度の導入など、従業員のワークライフバランスの推進、エンゲージメントの向上を実現するための取組みを多面的に展開している。

 ④ 健康経営

 当社では、「健康経営宣言」を定め、代表取締役社長を最高責任者とする健康経営推進体制を構築しており、各拠点に健康管理責任者及び健康づくり担当者を配置することで、従業員の健康に関する課題把握、各種施策を実施している。

 当社が継続的に成長していくためには、事業活動の主役である従業員一人ひとりが健康でいきいきと活力をもって働くことが重要であり、健康経営の推進を通じて、従業員の自発的な健康づくりを促すことで、「こころとからだの健康」を維持・増進するとともに、誰もが安心して働くことができる職場環境づくりに組織的に取り組んでいる。

 ⑤ 指標及び目標

 多様性の確保及び人材育成並びに社内環境整備について、その指標及び目標は、(4)ESG経営における指標と目標値「(S)社会」に記載のとおりである。

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