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企業概要

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は行動指針として、「夢や希望をけっしてあきらめない」「実践・実務・実績主義 成功は行動から」「ユーモアを持って笑顔で」を掲げ、「常にお客様の目線で考え、IT技術を通じて顧客の成長に貢献します。」「社員一人一人の能力と価値を尊重し、公平に評価します。」「地域社会、業界、有益な社会事業に貢献し環境・資源の保護に努めます。」「健全な利益を確保し、成長事業に投資し、株主に適切な利益貢献をします。」を企業理念としております。

 検証事業・開発事業を両輪とし、顧客満足を追求するとともに、IT技術の高度化が進展する中で、顧客がより安心・安全にIT製品を利用することが出来る社会の実現に貢献したいと考えております。

(2)経営戦略等

 当社は、2024年3月期では検証事業が売上高の約7割を占めておりますが、元々の事業は受託開発からスタートしており、社内に多くの開発エンジニアが在籍し、その開発エンジニアのノウハウをソフトウエアの検証にも活用している点が競合検証事業会社との違いであり、テストの自動化の実装作業や自動化ツールを活用する上で、強みとなっております。

 今後も、主力の検証事業に関しては、マーケットの拡大に伴い更なる成長が期待できますが、顧客ニーズを充たし、競合他社と差別化を図るためには、費用対効果の高いテストの自動化を行うとともに、これからはAIを取り入れた高度化するシステムの検証技術においても、他社に先んじる必要があります。

 開発事業に関しては、ERPパッケージソフトウエア導入時のカスタマイズ受託開発が順調に推移すると考えられます。理由としては基幹業務システムについてスクラッチ開発から、標準的な機能を兼ね備え、品質面において安定している業務用ERPパッケージソフトウエアの利用が主流となり、今後も需要は伸長すると予想されていることがあげられます。また、情報セキュリティ対策の重要性が叫ばれる中で、セキュリティ製品のマーケットも今後大きな伸びが期待できます。当社の場合、自社開発の製品を販売していることから、高い利益率が見込まれ、本事業を伸ばすことで将来の柱として大きな収益貢献も期待できます。

 これらを実現していくためには、既存の社内エンジニアを育成・活用するのはもちろんのこと、外部から更に多くの優秀なエンジニアを確保することが重要となります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は事業の目標とする経営指標として売上高成長率、売上高営業利益率を重視しております。売上高成長率は、企業及び事業規模の拡大と継続的な成長を示す指標として、また、売上高営業利益率は本業によって適切な利益が生み出されているかを判断する指標と捉えております。将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、エンジニアの採用・教育による内製比率の上昇による事業の効率化や、販売促進等の推進により、目標の達成に努めてまいります。

 また、その達成状況の検証のため、技術者数、稼働率、製品販売数、保守契約数などを定期的にモニタリングしております。

(4)経営環境及び事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社が属するIT関連業界においては、引き続き企業のIT投資が拡大傾向にあるとともに、IoTやAI、RPAなど、最先端のIT技術を活用した新たな市場も立ち上がりつつあります。また、政治的目的や軍事的目的により、日本国内においても、サイバー攻撃の被害が見られ、これらに備えるためにセキュリティ対策を強化する企業も増加しております。さらに企業の働き方改革への対応、DXによる生産性向上・品質向上へのシステム投資も続くものと考えております。

 このような経営環境の中、当社では、持続的な成長力と強固な経営基盤、財務基盤を確立するために、対処すべき課題を以下のように定め、更なる企業価値の向上に努めてまいります。

①検証事業における課題

 当社の検証事業は、IoTで繋がり得る全ての物のハードウエア開発や情報システム開発を行う顧客企業・SIerが行うシステム開発工程の一部である「システム検証」業務を支援し、テスト・検証サービスを提供しており、システムの品質改善に継続的に貢献する企業を目指しております。

 そのためには、品質の見える化が重要と捉えており、ソフトウエア品質の国際規格への取り組みや、テスト自動化への取り組み、ソフトウエア品質を向上させる取り組みなどを積極的に進め、高度で安心安全に使えるICT社会の実現に貢献したいと考えております。

 従来は継続的取引先であるSIerへの検証分野のシステム支援として、テスト支援での参画が大きな比率を占めていましたが、今後は顧客企業との直接契約(一次請け)の比率を上げていきます。これは、直接契約(一次請け)案件とすることで、当社裁量によるサービスを提供できる領域を大きくすることが可能になり、その中でのテストの自動化サービスの導入が容易となります。ひいては、案件の継続性や高価格での受注にもつながっていくものと思われます。

 また、顧客に必要とされる当社ならではのテスト・検証サービスを提供するには、テスト技術者の確保、教育は重要な課題であると捉えております。一方、従来の正しく動作させるためのテストを主体としたサービス領域に加え、今後成長していくと思われる、安全性、操作性などの利用者品質も重視したテストを行うサービス領域への拡大も重要な課題であると考えております。

②開発事業における課題

 創業から行っております業種特化型の鋼材業・木材卸業向けパッケージソフトウエア事業は、小規模ながら安定した事業となっており、現在は顧客の会社にサーバーを設置して運用するシステムとなっております。今後はクラウド型のパッケージソフトウエアへの移行が課題となります。

 また、セキュリティ製品の「monoPack」は、働き方改革の中で自宅のPCをシンクライアント化し、テレワークに活用する製品であり、その需要については一旦、落ち着いております。一方で、利用するPCが多様化し、OSの違いやバージョンの違いがあり、個々に動作確認する必要があります。OSのバージョンアップに合わせて当社の製品もバージョンアップしてゆくことが必要ですが、新しいPCやOSの情報を可能な限り早く入手して迅速に対応できるかが課題となります。

③手元流動性の確保

 当社は、継続的な取引先との取引が売上収益の過半を占めているため、キャッシュ・フローは比較的安定しているものと認識しております。今後も、国際情勢の変化やパンデミック等による事業環境の変化に迅速に対応できるよう、柔軟な財政政策を実施してまいります。

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