日本システムバンク 【名証メイン:5530】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「喜びの種をまこう 幸せの種をまこう」を目的として、「遊休不動産の有効活用」、「24時間365日サービス」及び「ソフトとハードを組み合わせたシステムの提供」を基本姿勢として、企業価値の向上を目指しております。
a. 遊休不動産の有効活用
遊休不動産の有効活用と高効率高回転をめざす累積ビジネス・100円ビジネスが当社グループの商売の原点であり、満室満車経営を目指しています。
b. 24時間365日サービス
「大変で嫌がられる仕事が一番崇高であり、我々の存在価値がそこにある」と考え、24時間365日サービスに誇りと自信を持って取り組んでいます。
c. ソフトとハードを組み合わせたシステムの提供
事業的に、ソフトとハードを上手く組み合わせた体系的な意味での”システム”を構築し、それを”バンク”としてプールし、継続的に顧客に付加価値として提供し続ける企業集団を目指します。
(2)経営環境及び中長期的な経営戦略
①コインパーキング事業
a. 市場環境に対する認識
短期的な経営環境につきましては、本格的にアフターコロナを迎え国内の経済活動が活発化しており、コインパーキング業界においても、ビジネス街や繁華街を中心に人の流れが増加することで、コインパーキングの稼働率は堅調に推移することが見込まれます。
中期的な経営環境につきましては、都市部を中心とした慢性的な駐車場不足を背景として、コインパーキングは今後も利用者から支持され、業界の売上高は拡大していくものと見込んでいます。一方で、自動車産業におけるCASE(Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車))という技術革新の波の中で、コインパーキング業界にも大きな構造変化が起こることが予想されます。
b. 当社グループの対応方針
このような環境の下、当社グループは、コインパーキングによる土地の有効活用の推進、安心・安全・快適な駐車場・駐輪場づくり及びCASEへの対応に注力してまいります。
(a) コインパーキングによる土地の有効活用の推進
土地活用においては、土地の「立地、面積、地形」が重要であり、これらを高い水準で満たしている土地は、大半が有効活用されています。一方、「面する道路幅が狭い、面積が小さい、形状がいびつ」である土地などは、有効活用出来ていないケースが散見されます。
当社が展開しているコインパーキングビジネスは、立地こそ重要であるものの、面積及び地形に関しては柔軟に対応が可能であるため、多様な土地を有効活用出来るソリューションであると考えています。加えて、当社グループは、豊富な駐車場・駐輪場の管理実績(2024年6月末現在、7,335件)から得た駐車場・駐輪場の運営ノウハウに基づくことで、土地の持つポテンシャルを最大限に引き出す提案が可能です。
(b) 安心・安全・快適な駐車場・駐輪場づくり
コインパーキングは、24時間365日無人であることが大きな特徴であり、その特徴故に、有人管理の駐車場に比べてトラブル時の駆けつけ対応に時間がかかる場合があるなど、利用者にご不便をお掛けするケースがあります。当社グループは、このような無人管理のデメリットを最小化し、利用者に「安心・安全・快適」に駐車場・駐輪場をご利用頂けるよう、日々取り組んでおります。
現在、特に注力している内容は、次のとおりです。
・駐車場内のカメラを活用した防犯性の向上及びフラップレス化による安全性・快適性の向上
・各種電子マネーに対応した決済機によるキャッシュレスの推進
・独自のスマートフォンアプリ「SmooPA」の普及及び機能拡張による利便性の向上
(c) CASEへの対応
ア Connected及びAutonomousについて
今後の自動運転車両の開発と普及を見据え、これに求められるかたちをイメージした駐車場づくりを進めてまいります。例えば、現在、運営・管理受託駐車場の位置情報の管理や、一部では満車状況の発信等を行っておりますが、今後はデータ化した場内レイアウトを加えることで、駐車までの具体的な動線を車両に対して発信できるものと考え、これに向けた情報の整備を進めてまいります。また、車路や車室の幅にゆとりを持たせ、視認しやすいラインを引く等、駐めやすい設計を標準化することで、自動運転車両だけでなく高齢化社会にも適応した駐車場づくりを目指してまいります。
イ Shared & Servicesについて
駐車場運営事業者とカーシェア事業者とを当社グループがマッチングし、カーシェア車両の設置台数の増加、すなわちカーシェア業界の発展に貢献してまいります。
駐車場運営事業者には、運営する駐車場に自動車が駐車していない時間を有効利用し「収益性の向上を図りたい」というニーズがあります。当社グループは、6,078件(2024年6月末現在)の駐車場の管理受託を駐車場運営事業者から請け負っています。つまり、多数の駐車場事業者とのコネクションを有しております。
一方、カーシェア市場は今後順調に伸びていくことが予想されている業界であるため、カーシェア事業者には、カーシェア車両の設置場所の高いニーズがあることが予想されます。また、カーシェア車両の設置場所には、様々な目的地の近くにあるコインパーキングが適していると考えられます。現在、カーシェア業界は、コインパーキング運営事業者が圧倒的なシェアを占めております。
この2つのニーズをマッチングし、カーシェアの発展に貢献してまいります。
ウ Electricについて
駐車場運営事業者と、電気自動車の充電スペース提供事業者とをマッチングし、電気自動車のインフラ整備に貢献してまいります。
駐車場運営事業者のニーズ及び当社グループが有するコネクションにつきましては、Shared & Servicesで記載のとおりです。
一方、政府が自動車の電動化目標として「2035 年までに新車販売の100%電動化」を掲げており、電気自動車の普及が進むことが見込まれるなか、電気自動車向けの充電サービスを提供する事業者には、そのサービス拠点となる充電スタンド設置場所の高いニーズがあることが予想されます。コインパーキングは、様々な目的地の近くに位置し、一定時間の駐車が見込まれることから、これに適しているものと考えられます。現在、電気自動車はガソリン車と比較すると充電に要する時間が掛かりますが、コインパーキングの駐車時間に充電が出来ることで、ドライバーの時間的負担が少なくて済みます。
この2つのニーズをマッチングし、電気自動車向けの充電スタンドの普及に貢献してまいります。
②プロパティマネジメント事業
収益力が低い物件については、売却することにより、プロパティマネジメント事業の収益力の向上に努めていく考えであります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、「売上総利益率」「自己資本利益率」及び「直営及び管理受託の駐車場・駐輪場数及び車室数」の3指標を、目標達成状況を判断するための指標としております。
「売上総利益率」は、当社の提供する商品及びサービスの対価に占める当社の付加価値割合を表す指標であるため、「喜びの種をまこう 幸せの種をまこう」という経営目的の達成状況が最もよく表れると考えているため、採用しております。
「自己資本利益率」は、投資家が株主資本の収益性を重視していると認識し、投資家との対話促進を目的として、採用しております。
「直営及び管理受託の駐車場・駐輪場数及び車室数」は、これらの数値の積み上げが当社グループの持続的な成長に繋がると考えているため、採用しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
① 経営理念・経営方針を実践できる人材の育成
当社グループは、「喜びの種をまこう 幸せの種をまこう」を目的として、「遊休不動産の有効活用」、「24時間365日サービス」及び「ソフトとハードを組み合わせたシステムの提供」を基本姿勢として、企業価値の向上を目指しております。
今後も、この経営理念と経営方針を追求して各事業を推進するとともに、これらを支える人材の育成と社員のチャレンジを促進する企業風土の醸成に注力し、企業価値の向上に努めてまいります。
② コインパーキング事業での土地賃貸借契約の解約防止
地価の動向等の要因により不動産市場が活性化した場合、土地所有者にとっての土地活用の選択肢が増加することにより、賃借駐車場の解約が増加する可能性があります。そのため当社グループでは、定期訪問などにより、土地所有者とのコミュニケーション強化を図り、解約防止に取り組んでまいります。
③ メンテナンスサービス力の強化による顧客満足度の向上
駐車場機器の販売・保守事業においては、価格競争による利益率の低下が懸念されます。このような状況の中、全国の様々な事例に照らし合わせた最適な駐車場経営を提案することにより、顧客である駐車場運営会社の満足度向上を目指してまいります。また、蓄積した駐車場管理・運営のノウハウを最大限に活用したメンテナンスサービス力をさらに向上させていくことにより、他社との明確な差別化を図ってまいります。
④ 駐車場開設地域の分散による感染症リスクへの対応
新型コロナウイルス感染症の例と同様に、政府から感染拡大防止を目的とした緊急事態宣言が発出された場合は、外出自粛の影響により、駐車場利用者数が著しく減少することが予想されます。この駐車場利用者数の減少割合は、駐車場の立地により傾向が異なり、繁華街及び駅前等において顕著である一方、郊外の住宅街においては小幅に留まる例が多く見られました。このような状況を踏まえ、今後は住宅街などの郊外への駐車場の新規開設割合を増やし、感染症による売上減少リスクへの対応を図ってまいります。
⑤ 財務体質の強化
キャッシュ・フロー経営を重視し、賃貸不動産等の当社グループ所有の物件について、相対的に収益力が低いと判断される場合には、当該資産の売却により有利子負債を圧縮し、財務体質の強化を図ってまいります。
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