日本ケミコン 【東証プライム:6997】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、社会起点の視座に立ち、環境問題などの社会課題の解決につながる技術開発に重点を置き、材料から製品までの一貫した開発体制による高付加価値製品の開発や、より高い品質レベルの追求、生産技術開発等による環境負荷の更なる低減、新規事業の創出に向けた基礎研究などに取り組みました。全社技術プラットフォームを駆使し、CO2排出削減などカーボンニュートラルの実現に対して原材料削減や生産エネルギー削減に寄与する製品開発を推進したほか、自動車の電動化及び自動運転化を見据えた製品の開発や、ビッグデータと常時つながる社会を支えるインフラ向けに製品の長寿命化に継続して取り組みました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,489百万円であり、主な研究開発活動は次のとおりであります。
(コンデンサ)
アルミ電解コンデンサを中心に、積層セラミックコンデンサや電気二重層キャパシタ等の電子部品のほか、製品を構成する材料の研究開発を行いました。
アルミ電解コンデンサでは、チップ形導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサにおいて、業界最大となる大容量化を達成した「HXKシリーズ」を開発いたしました。電動化が進む自動車のECU(電子制御ユニット)の小型軽量化や高機能化に貢献いたします。また、チップ形導電性高分子アルミ固体電解コンデンサでは、既存の「PXGシリーズ」に高容量化したアイテムを追加いたしました。これにより、使用するコンデンサの小型化や使用数量の削減が可能となり、パソコンやサーバー等の機器の小型化に貢献いたします。更に、基板自立形アルミ電解コンデンサでは、データセンターのサーバー電源用途として、製品高さを65mm以上に拡大した製品を開発し、既存の「KHUシリーズ」及び「LHUシリーズ」に追加ラインアップいたしました。コンデンサを横置きに実装することで、機器の薄型化に貢献いたします。
一方、電気二重層キャパシタ「DLCAP™」では、大電力を扱う大型設備向けキャパシタモジュールを開発したほか、自動車の緊急時におけるバックアップ電源用途で販売を拡大しておりますリード形製品の更なる高性能化に向けて、研究開発活動を推進いたしました。
また、電子部品用材料開発におきましては、基礎研究センターを中心に製品の性能向上や新たなデバイスの開発を実現する材料開発に継続して取り組みました。コンデンサ用材料の研究開発におきましては、アルミニウム電極箔、封口ゴム、電解質など、主要材料の更なる高性能化を進めました。特に、コア技術のアルミニウム電極箔の開発では、高耐電圧化、高容量化、品質の安定化、生産性向上のための技術開発等を積極的に推進いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は4,147百万円であります。
(その他)
車載機器や産業機器に使われるインダクタ(コイル)の小形軽量化、高インピーダンス化、独自技術による表面実装化などに取り組みました。
また、ドライブレコーダーや産業機器等に使われるCMOSカメラモジュールでは、小型化や高性能化、高機能化などに引き続き取り組みました。車載用の新製品では、自動運転やADAS(先進運転支援システム)で使用される機器の次世代高速伝送規格「MIPI A-PHY」に準拠したカメラモジュール「NCM25-AC」を業界に先駆けて開発いたしました。また、車両への搭載の義務化が進んでいる後退時車両直後確認装置(バックビューモニター)に向けて、高画素化や視野角の拡大など機能を最適化した「NCM20-W」を開発いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は342百万円であります。
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