企業日本エム・ディ・エム東証プライム:7600】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

1. サステナビリティを巡る取組みについての基本方針

 当社は、「最先端の優れた医療機器の開発と販売を通じて、医療に貢献する」という経営理念のもと、マテリアリティ(重要課題)を特定し、ESG活動を通して企業の社会的責任(CSR)を果たすと共に、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献します。

2. 国連グローバル・コンパクトへの加盟

 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みづくりに参加する企業・団体の自発的な取組みです。UNGCに署名している企業は、「人権の保護」、「不当な労働の排除」、「環境への対応」、そして「腐敗の防止」の4つの領域に関わる10の原則の実現に向けて努力を継続します。当社は2022年から、UNGCに加盟しています。

 当社は、UNGCに署名することで、企業姿勢を明確に表明するとともに、「最先端の優れた医療機器の開発と販売を通じて、医療に貢献する」という経営理念のもと、グローバルな視点からサステナビリティ推進活動に積極的に取り組むことで、様々なステークホルダーからの要請に応えるとともに、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

3. サステナビリティ・ガバナンス体制

当社の取締役会は、サステナビリティを巡る課題(気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など)への対応が、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、サステナビリティに関する活動(ESG活動)を推進するため、サステナビリティ委員会を設置しています。

 サステナビリティ委員会は、取締役会で策定された基本方針に基づき、当社グループのサステナビリティに関する重要事項を協議し、ESG活動を推進するとともに、定期的にESG活動の実績評価を行い、委員会での協議・評価などの結果について、取締役会に報告します。

4. マテリアリティ

 当社は、「最先端の優れた医療機器の開発と販売を通じて、医療に貢献する」という経営理念のもと、優先的に取り組むべき環境・社会課題として、「事業活動におけるマテリアリティ」と「事業基盤におけるマテリアリティ」に区分し、6つのマテリアリティを特定しました。

種類

属性

マテリアリティ

アクション

事業

活動

医療への貢献

患者のQOL向上に資する製品・サービスの開発・商品調達力の強化

①開発・調達力の強化 ②セミナー・教育研修プログラム

業基盤

環境負荷の低減

気候変動イニシアティブへの対応(GHG排出量の低減と開示)

①GHG排出量の算定と開示 ②環境負荷低減活動 ③気候変動イニシアティブへの対応

人権尊重への取組み

国際的な規範に基づく人権への対応

①人権に関する教育・研修 ②人権デュー・ディリジェンスの実施

多様な人材の活躍推進

ダイバーシティ&インクルージョン

①各種制度の開示・人材データ ②属性を問わず全従業員が活躍できる職場環境づくり

医療ニーズへの高品質対応

安心で安全な医療機器の安定供給

①品質マネジメントの取組み ②気候変動物流遅延リスク対策

コーポレート・ガバナンスの
推進

コーポレート・ガバナンス・コードへの対応

①コーポレート・ガバナンス・コード遵守 ②内部監査(J-SOX)

リスクマネジメント対応

①リスクリストの管理とアセスメントの実施

コンプライアンス経営の推進

①コンプライアンス違反防止への取組み

5. 環境負荷の低減

(1) 環境方針

  基本的な考え方

 日本エム・ディ・エムグループは、環境への取組みを経営の重要課題と位置付け、社会の責任ある一員として、地球環境の保全や循環型社会の形成に貢献し、社会から信頼される企業を目指します。

 当社ウェブサイト(https://www.jmdm.co.jp/sustainability-action/environment/)

(2) TCFD提言への対応

 当社グループは、気候変動への対応もマテリアリティの一つとして捉え、2022年3月にTCFDの提言に賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関等からなる TCFD コンソーシアムへ参画いたしました。気候変動に真摯に向き合い、事業に影響するリスク・機会への理解を深化させ、その取組みの積極的な開示に努めてまいります。なお、TCFD提言では、気候変動に関する「①ガバナンス ②戦略 ③リスク管理 ④指標と目標」の各項目に関する情報開示が推奨されています。当社は、シナリオ分析、気候変動に伴うリスクと機会を評価し、TCFD提言に従い4つの開示推奨項目に沿った情報を開示してまいります。

① ガバナンス

 当社の取締役会は、サステナビリティを巡る課題(気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など)への対応が、当社の事業リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要なマテリアリティ(重要課題)であると認識し、その対応に責任を持ちます。なお、TCFDへの対応については、サステナビリティ委員会※での協議・評価を経て年2回取締役会へ報告され、取締役会は委員会からの報告に基づき承認・監督・指導を行う体制としています。

※サステナビリティ委員会

 社長執行役員が委員長を務め、執行役員、サステナビリティ推進室長及び委員長が指名する者を委員とし、サステナビリティ推進室が事務局となり年2回以上開催することとしています。

② 戦略

(ア)シナリオ分析

当社は、シナリオ分析の手法を用いて、移行・物理それぞれにおける気候変動関連のリスクと機会を特定しています。シナリオ分析では、IEA(国際エネルギー機関)等が公表する「シナリオ」を用いて、事業にどのような影響を及ぼすかを検討しました。今回実施したシナリオ分析は、国内(当社単体)の製品及びサービスの輸入、開発、製造、販売までのバリューチェーン全体を対象とし、4℃シナリオ、1.5℃シナリオの2つのシナリオを用いて、2030年時点における影響を考察・検討しております。今後、海外(関係会社)にも分析を広げ、継続してシナリオ分析を実施することでその精度を高めてまいります。また、審議結果は取締役会へ報告の上、不確実な将来に向けたレジリエンスを高めてまいります。

・4℃シナリオ

気温上昇が4℃を超え、気候変動の影響が顕在化した場合

低炭素化を推進する政策や規制が限定的にしか実施されないことで地球温暖化が進行し、平均気温が上昇することで、熱ストレスによる当社の労働環境悪化が見込まれます。また、気温上昇に伴う感染症の蔓延により急性疾患の手術が優先的に行われ、人工関節置換や脊椎固定の慢性疾患手術が延期もしくは中止されてしまい、当社の製品売上が減少する可能性があることを認識しております。

・ 1.5℃シナリオ

 気温上昇が1.5℃以下に抑えられ、世界全体が低炭素社会へ移行した場合

 脱炭素や低炭素を念頭においた経済活動が活発化し、世の中が規律型社会へと変革することが見込まれます。それに伴い、規制強化が生み出す炭素税導入、また市場の環境配慮志向が強まり、循環型社会を目指した環境配慮素材の利用が求められ、それらの対応コストが増幅すると予測されます。当社としては、脱炭素を推進する政府からの情報を迅速に入手し、省エネ・再エネへの投資を強化するほか、顧客等のサステナブル志向に合致した施策を実行することで循環型社会に貢献したいと考えております。

(イ)気候変動に伴うリスクと機会

対象範囲 : 国内のみ(当社単体)

 時  期 : 短期(1年以内)、中期(1年超から3年以内)、長期(3年超)

 影 響 度 : 小(0.5億円以内)、中(0.5億円超~2億円)、大(2億円超)

分類

内容

時期

影響度

対応方針

リスク

移行

政策規制

炭素税の導入によるエネルギーコスト・調達コストが増加するリスク

中期

エネルギー効率の継続的な改善

 

再生可能エネルギー導入

 

関係する法規制等の遵守

 

環境データの積極的な開示

 

環境に配慮した製品開発等

 

BCP(事業継続計画)対策強化

 

定期的なリスク・機会の見直し

GHG削減規制の強化に伴う設備のリプレイス等による設備投資コストが発生するリスク

短期

~長期

評判

気候変動対応に関する情報開示の遅れによって株価への影響が発生するリスク

短期

~中期

物理

急性

自然災害による建物・設備・在庫への被害、操業停止及びサプライチェーンの寸断により物流遅延や機会損失が発生するリスク

短期

慢性

気温上昇による感染症の増加に伴い、医療体制の機能が低下・停滞し売上が減少するリスク

中期

~長期

機 会

資源効率

エネルギー効率向上によるコスト削減

短期

~長期

評判

積極的な情報開示による企業価値向上

短期

~中期

製品・サービス

商品センターサテライト化(物流リードタイム短縮)による需要拡大

短期

~長期

環境負荷低減に貢献する製品・医療工具などの提供等

長期

レジリエンス

在庫品の分散投資による製品供給の安定化

短期

~長期

③ リスク管理

 当社では、リスク管理規程に基づいて、リスク管理委員会の活動推進により、経営重点リスクを管理しています。気候変動のリスクについても、経営重点リスクに位置付け、リスク分析を行っています。サステナビリティ委員会は、下部組織であるリスク管理委員会及びコンプライアンス委員会と連携し、サステナビリティに関するリスクの把握と適切な対応を審議し年2回取締役会に報告します。取締役会は、サステナビリティ委員会からのリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督・指導を行います。

④ 指標と目標

 当社は、気候変動における指標を温室効果ガス(GHG)の排出量と定め、2020年3月期のスコープ1、2におけるGHG排出量を基準とし、2031年3月期の削減目標を2020年3月期比30%削減、2051年3月期には「GHG排出量ゼロ」にすることを目標として掲げています。

 各拠点における省エネ推進、再生可能エネルギー由来の電力調達、電気自動車の段階的導入など、GHG排出削減の取組みを計画的に実行し2050年のGHG排出量ゼロを目指します。

連結スコープ1、2、3GHG排出量実績:t-CO2

 

スコープ1

スコープ2

スコープ3

合計

2020年3月期(基準年)

1,200

769

28,167

30,136

2021年3月期

1,150

792

22,030

23,972

2022年3月期

1,256

896

26,002

28,154

2023年3月期

1,285

849

28,064

30,198

CDP気候変動に関する調査において「B-」評価に認定

CDPが世界の機関投資家と連携して企業の気候変動に関する戦略や温室効果ガス排出量の情報開示を求めるプロジェクトに参加しています。

 当社は、2022年12月、国際的な環境評価の情報開示システムを運用するCDPから、環境問題によるリスクや影響を管理している企業としてスコアレベル「B-」評価(マネジメント)として評価されました。

6. 人権尊重への取組み

 人権方針

 基本的な考え方

 日本エム・ディ・エムグループは、「最先端の優れた医療機器の開発と販売を通じて、医療に貢献する」ことを経営理念に掲げ、自らのすべての企業活動が、人権尊重を前提に成り立っているものでなければならないと認識しています。日本エム・ディ・エムグループは、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進し、その責務を果たす努力をしていきます。

 当社ウェブサイト(https://www.jmdm.co.jp/sustainability-action/social/)

7. 多様な人材の活躍推進CMS(キャリア・マネジメント・システム)

(1) 人材育成方針

① 社員一人一人がキャリアを考え、会社や上司との相互作用でキャリア形成につなげる仕組み(CMS(キャリア・マネジメント・システム))の強化及び運営を推進します。

② 社会、医療、患者さん、仲間のために、という『貢献意識』を醸成します。

③ “自分らしさ”を大切に、属性を問わず活躍できるよう、全従業員の『個性の発揮』を推進します。

④ キャリアパスを意識し、当社独自の職務分類・職務要件一覧に基づいた研修プログラムの活用を推進します。

⑤ 各ポジションにおける専門性の向上を推進します。

(2) 社内環境整備方針

① 全職階、経営層においても多様性の確保が重要と考え、年齢、性別、国籍を問わず能力や経験に応じた採用・登用を推進します。

② 社員の職業生活と家庭生活の両立に資する社内制度を充実させます。

(例:時間単位休暇、フレックスタイム勤務、在宅勤務、コンバインドワーク、地域限定勤務、ウェルカムバック、各種研修、等)

③ 各ポジションにおける専門性を向上させるための研修プログラムの充実を目指します。

④ 自分のキャリアを考えるためのMyキャリア、会社や上司へ意識・要望などを伝えるMyボイス等のITシステムの活用を推進します。

⑤ 個人の意思を尊重したキャリアコンサルティング制度、全社員を対象としたセルフキャリアドック制度を推進します。

(3) ダイバーシティ&インクルージョン、人材開発の取組み

 社員一人一人が自分のキャリアを考え、会社や上司との相互作用でキャリア形成につなげるCMS(キャリア・マネジメント・システム)を導入しています。また、多様性を考慮した人材の選抜型研修や人材ローテーション制度を活用した人材育成の仕組みづくりを進めています。

 それらを推進するために、自分のキャリアを考えるためのMyキャリア、会社や上司への要望などを伝えるMyボイスなどのITシステム、キャリア支援のためのキャリアコンサルティング制度、全社員を対象としたセルフキャリアドック制度など、社内環境整備にも取り組んでいます。

(4) (多様性を含む人材育成方針及び社内環境整備方針に関する)指標の内容、目標、実績

① 女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供

指標の内容

2023年3月期実績

目標(目標年)

注記

労働者に占める女性労働者の割合

28.6%

30.0%(2030年)

正社員

管理職に占める女性労働者の割合

8.8%

13.0%(2023年)

 

② 職業生活と家庭生活との両立

指標の内容

2023年3月期実績

目標(目標年)

注記

男女別の育児休業取得率

男性0%、女性100%

-(2030年)

女性対象者1名

男性対象者3名

働き方に関する制度の活用率

(時間単位休暇、フレックスタイム勤務、在宅勤務、コンバインドワーク、地域限定勤務等)

89.5%

70.0%(2030年)

全正社員(営業職除く)に占めるいずれかの制度利用者の率

③ その他、多様性を含む人材の確保と人材開発

指標の内容

2023年3月期実績

目標(目標年)

注記

管理職に占める中途採用者の割合

64.7%

60.0%以上(2030年)

中途採用者の定義:雇用保険法等の一部を改正する法律の定義を使用

Myボイスの自由コメントの件数

(匿名含む)

160件

会社や上司に意見できる“風通しの良さ”

Myキャリア更新率

100.0%

100.0%(2030年)

 

文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末日現在において当社が判断したものであります。

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