企業兼大株主日亜鋼業東証スタンダード:5658】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性がある。

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社は、株主・取引先・社員をはじめとする全てのステークホルダーからの負託と信頼に応えて、当社グループの健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っていく。

 また、「めっき技術で社会に貢献する」をキーワードに、ESGやSDGsを踏まえ、耐食性の高い環境にやさしい商品の提供(エコプロダクト)、お客様や社会のニーズに応えるソリューションの提案(エコソリューション)、省エネやCO2排出量削減等に資する製造プロセスの構築(エコプロセス)の「三つのエコ」を通じて、持続可能な社会の実現に向けて引き続き積極的に貢献していく。

(2)サステナビリティの取り組み

 当社は、株主に対する適切な利益還元と対話の充実、社員の公正・適切な処遇と働き方改革の推進、顧客や購買取引先との適正な取引、地域社会との連携などについて、ESGの進展等のステークホルダーに関わる社会的な動向やコンプライアンス等を踏まえ、適時適切に取り組んでいる。例えば、社員の労働環境面では、定年を65歳に延長するとともに、年間所定労働時間を鉄鋼業界の中でも優位な水準に設定している。販売や購買の取引についても、関係諸法令の改定を踏まえ、都度適正な対応を図っている。

 また、当社は、エコプロダクト・エコソリューション・エコプロセスの「三つのエコ」を通じて持続可能な社会の実現に貢献している。

エコプロダクトについては、合金めっきや三元合金めっき、極厚めっき等の耐食性の高いナンバーワン・オンリーワン商品の提供等を通じて、フェンスや養殖金網、獣害防護柵など最終製品の長寿命化によるライフサイクルコストの削減、環境負荷の低減等に貢献している。

 エコソリューションについては、プレめっきや成形加工の技術によって需要家の製造工程の省略に貢献している。また、防災・災害復旧関連では、補強土壁「ハイパープレメッシュ」を需要家と共同で開発するとともに、自然環境に調和した治山治水の工法である、落石防護網や河川護岸かご等の材料を提供している。

 エコプロセスについては、伸線・めっき設備の集約と工程整流化、酸洗等の工程省略、省エネ設備の導入(高効率燃焼設備・排気設備、モータのインバーター化、照明のLED化等)、工場におけるLNGへの燃料転換等を推進している。

 当社におけるCO2排出量の削減については、鉄鋼業界の動向に歩調を合わせ、2030年度に2013年度比で30%削減を目標に掲げている。当社はエコプロセス等を通じて推進し、2022年度は生産量1トン当たりのCO2排出量ベースで2013年度比26%程度の削減(総量では減産を背景に2013年度比で36%程度削減)を行っており、引き続きCO2排出量の低減に努めていく。

(3)ガバナンス及びリスク管理について

 当社の取締役会は、地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理などのサステナビリティを巡る課題への対応について、リスクの減少のみならず、収益機会にも繋がる重要な経営課題であるとの認識の下、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に能動的かつ積極的に取り組んでいる。

 また、当社は、任意の仕組みとして、経営会議を設置し、取締役会付議事項の事前審議のほか、サステナビリティに関する方針や取り組みを含めた経営上の重要事項等について審議・報告を行っている。内部統制やリスク管理の体制についても、内部統制システムの適切な運用の下、監査役会(監査役)が内部監査部門(監査室)や会計監査人との間で適切かつ緊密に連携・協力する体制を整備するとともに、コンプライアンス委員会を設置し、サステナビリティに関する事項を含むリスクの状況の監視及び全社的なマネジメントを行っている。

(4)人的資本(人材の多様性を含む)に関する「戦略」及び「指標及び目標」

 当社は、人的資本について、事業セグメント毎の現状の売上高や利益のみならず、今後の事業ポートフォリオを含めたグループ全体並びに事業部門毎の経営戦略・経営課題等を踏まえながら、当社グループの持続的かつ中長期的な成長に資するよう、必要かつ効果的な配分を行っている。

 当社は、盤石な経営基盤の構築と成長のベースとなるのが「人財」であるとの認識の下、事業戦略の展開に不可欠な人財の確保と育成を推進している。また、国籍、人種、宗教、思想信条、性別、年齢、障碍の有無等に基づく差別の排除に努めるとともに、性別、国籍、採用形態等にかかわらず人物本位で採用し、各人の職務遂行能力や業務成果、リーダーシップ等に基づいて公平・公正に人事評価を行い、管理職登用をはじめとする役職昇進・資格昇格等の処遇を行っている。さらに、社員が相互に多様な価値観を尊重し個性を活かすことで個々人の力を最大限に発揮し、誇りと働き甲斐を実感しながら活躍できる社内環境の整備に努めている。

 人財の確保については、新卒採用に加え、中途採用、紹介予定派遣で受入れ後正社員への切替等の多面的な対策を講じるとともに、女性及び中途入社者の採用数拡大、障碍者雇用等に留意しながら多様性の確保に向け取り組んでいる。さらに、高齢層のインセンティブを高め個々人の能力・活力の発揮を促す観点から、定年を65歳に延長するとともに、65歳超の高齢者についても要人員事情等を踏まえつつ希望者を積極的に継続雇用している。中核人財の登用等における多様性については、女性は管理職昇進前の役職者が2名である一方、管理職における中途採用者の比率は30%である。

 人財育成については、各職場でのOJTを基本としつつ、OFF-JTは、新入社員から上級管理職までの階層別研修、管理・営業・技術・製造の部門別研修、財務・コンプライアンス・各種スキルアップ等の共通研修を実施している。「人を育て人が育つ」風土を築き、社員の自律的な課題解決力や環境変化への対応力の向上を図るとともに、社員にとって仕事を通じて自分が成長する「自己実現の場」として「働きがい」と「働きやすさ」を実感できる、人と組織の活力が溢れる「エンゲージメント」の高い会社を引き続き目指していく。

 社内環境の整備については、年間所定労働時間を鉄鋼業界でも優位な水準にまで短縮するとともに、出産・育児と仕事の両立を積極的に支援すべく、育児休業の取得はもとより、ワークライフバランスに配慮した勤務時間・休暇取得等の制度を導入しており、意欲と能力のある女性の活躍をサポートしている。

 人的資本に関する指標及び目標については、特に女性の活躍推進に資する指標として、管理・営業・技術等に係る中核人財候補としての女性の採用を新卒・中途で毎年3~5名程度実施(2022年度3名)するとともに、生産設備の操業や整備、出荷、検査等の技能系職場で女性が活躍できる職務の拡大と採用を推進していく。

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