企業新日本電工東証プライム:5563】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、今日まで蓄積してきた製品・技術・サービスをもって合金鉄事業・機能材料事業・環境事業・電力事業における各種製品を改良・開発し、鉄鋼・電子部品材料・電池材料などの業界を始め、各方面の需要にお応えしてまいりました。

 第8次中期経営計画では、2030年「ありたい姿」に向け「既存ビジネスの強化」「新規ビジネスへの挑戦」「事業環境変化に適応する強い企業基盤の構築」の3つの柱を掲げ、具体施策を進めることで、計画最終年度(2023年)の、連結売上高600億円、連結経常利益60億円、ROE8%を目指してまいりました。

 「既存ビジネスの強化」では、国内合金鉄事業の生産構造改革と大手需要家との価格フォーミュラの改定により、合金鉄市況の影響を受けにくい安定した収益体制を実現しました。海外合金鉄事業ではマレーシアのパータマ・プロジェクトの高位安定生産が定着してきました。合金鉄以外の事業ではフェロボロンの生産再開や酸化ジルコニウム、酸化ほう素、リチウムイオン電池正極材の能力増強、焼却灰4号炉の新規稼働など将来の成長に貢献する戦略投資を実行し効果を発揮しました。また、全社的に電力価格高騰による電力料金上昇分を製品価格に転嫁し、各工場の安定操業の継続により、収益面の実力を向上してまいりました。

 「新規ビジネスへの挑戦」では、研究開発へ多くの経営資源を投入し、大学や外部との共同研究を通じて、新イオン交換無機結晶の開発や電子材料や電池材料分野、カーボンニュートラルに関する社会に貢献する新技術の開発や製品化に進展しました。また、ベンチャーキャピタル・ファンドへの出資を通じ、ベンチャー企業との連携を通じて当社の新しい事業を探索する体制をスタートしました。

 「事業環境変化に適応する強い企業体質の構築」では、サステナビリティ委員会を発足させ、GX、DXなど、当社の持続的成長を実現するために避けて通れない社会課題の解決に向け「2050年カーボンニュートラル方針」「DXロードマップ」を取りまとめ、今後の具体的な活動指針を明確にしました。

 こうした取り組みの結果、在庫影響や一過性要因を除いた実力ベースでの2023年連結経常利益は55億円となり、加えて、将来に向けた準備も着実に進めたことから、第8次中期経営計画は概ね予定どおり達成できたと評価しております。

 2024年から当社グループは新たな計画として、2030年「あるべき姿」に向けた中長期経営計画を策定しました。この中長期経営計画では、これまでの成果をベースとし、中長期事業戦略の立案・実践により「ありたい姿」の概念を「あるべき姿」として具体化させてまいります。2030年の業績目標としては、連結売上高 1,100億円以上、連結経常利益 130億円以上、ROE10%以上を目指し、「社会課題の解決」と「企業価値向上」の両立を図ってまいります。

(2)経営戦略等

 当社グループは、2030年「あるべき姿」に向けた中長期経営計画を策定し、以下4つをターゲットとして取り組んでおります。

・「成長戦略」「収益性の向上と安定化」では、

事業環境変化を中長期の成長分野と捉え、当社事業の強みを活かしつつ事業規模・領域の拡大を図ってまいります。さらに、成長分野への積極的な戦略投資を進めることで、合金鉄市況の影響を受けにくいポートフォリオを構築し、収益力の向上と安定化を目指してまいります。また、社会課題の解決に貢献する新たな製品・事業の創出に向け、新製品の研究開発、外部との連携を通じて、事業機会の探索を進めてまいります。

・「財務戦略」では、

成長分野への積極的な戦略投資による固定資産の増強と、安定的で高水準の株主還元を両立させるため、適正な範囲内での財務レバレッジを活用し、企業価値の向上に寄与する財務体質への変革を行ってまいります。さらにDX等も活用して棚卸資産の効率化を進め、在庫影響の軽減を図ってまいります。

・「サステナビリティ関連施策」では、

「社会課題の解決」と「企業価値向上」の両立を図るため、地球温暖化対策では、2030年までにCO2排出量45%以上削減(2015年比)するため、50億円規模のGX投資を計画し、インターナルカーボンプライシング制度を導入して、積極的にカーボンニュートラルを推進してまいります。DXでは、IT人材育成、基幹システム刷新などの基盤強化を行いつつ、生産性や業務効率の飛躍的向上を図り、操業の省人化やオペレーションの最適化を進めます。更には人的資本経営の基盤強化を図るため、中長期事業戦略とリンケージした人材戦略を可視化し、取り組んでまいります。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは「特徴ある製品・技術・サービスを開発・提供し、持続的な成長を通じて、豊かな未来の創造に貢献する」という経営理念に基づき、2030年の「あるべき姿」として、「連結売上高1,100億円以上、連結経常利益130億円以上、ROE10%以上」を数値目標に掲げております。これを実現するため、2027年までの第9次中期経営計画を策定し、今後4年間で実行すべき具体的な施策をまとめました。

 合金鉄事業では、生産性向上と棚卸資産の圧縮を追求し、より強固な収益・財務体質を確立します。同時に、カーボンフリー合金鉄製造のための研究開発を進め2030年までにCO2排出量45%以上削減の達成を目指します。海外事業では安定生産を継続し、水力発電によるグリーン電源の優位性を活かし市場開拓を進めてまいります。

 機能材料事業では、今後の電子部品の需要増加に対応して、酸化ジルコニウムの生産能力を40%増強します。また、地政学リスク回避に貢献するオンリーワン商品を拡販や次世代電池材料分野における研究開発の成果を具体化することで、収益の拡大を図ります。

 焼却灰資源化事業では、電気料金などのコスト上昇分を着実に処理価格へ反映させ、自治体や地域社会との連携を更に強化し焼却灰の収集量を増加させることで、2030年までに焼却灰溶融炉を現状の4基から7基体制とすることを目指します。

 アクアソリューション事業では、産廃処分場から発生する排水中のほう素の除去需要に対応するため能力増強を図ります。また、純水装置の拡販を通じて、水素社会の発展に貢献してまいります。

 電力事業では、FITによる長期的な安定収益の確保に加え、水力発電の環境価値を活かした非化石証明の発行により当社のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。

 これらの施策に対し、足下においては、まずは事業部門・製造部門における基盤整備・体質強化を推し進め、研究開発や機能部門のGX、DX等のサステナビリティ施策についても課題を着実にクリアしていくことにより将来に向けた基礎体力を養い、「あるべき姿」の目標達成のために当社グループ一致団結して尽力してまいります。

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