企業新日本理化東証スタンダード:4406】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社グループは、「もの創りを通して広く社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、事業を通して社会価値を創造し、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な成長を目指すことをCSR方針に掲げております。CSRを通してサステナビリティへの取組みを推進し、経営のレジリエンスを高めるため、代表取締役社長が委員長を務めるCSR委員会を設置し、CSRの取組みについて審議・協議し、必要に応じて取締役会に報告しています。

 また、環境への取組みにおいては、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2022年4月CN(カーボンニュートラル)推進室を立ち上げました。CN推進室は執行役員を室長とする全社横断型の組織であり、その他取組み内容については、定期的に経営会議に報告しています。

(2)戦略

 当社グループは、事業を通して社会価値を創造することが経営理念の実現そのものであると考え、以下のとおりCSR方針及びCSR目標を策定しております。

<CSR方針>

1.社会課題の解決

社会課題の解決に事業を通して貢献することで企業の持続的な成長を目指します。

2.環境への責任

事業活動の環境影響に責任を持ち、地球環境と調和した事業活動を行います。

3.安全への責任

安全を事業運営上の最優先に位置付け、職場と地域社会に安全・安心を提供します。

4.人権の尊重

基本的人権を尊重し、あらゆる差別、不当労働やハラスメントなどの非人道的な行いを排除します。

5.企業統治の責任

健全かつ透明度の高い経営に努め、全てのステークホルダーの理解と信頼を深めます。

6.従業員への責任

従業員の自己実現を支援し、安全で働きがいのある職場を創ります。

<CSR目標>

① 中期目標(2025年度):環境・社会・人(命)に関わる課題に果敢にチャレンジし、価値創造企業を目指す。

② 2023年度目標:

・ESG活動が業績に直結していることを自覚する(意識)

・スピード!やり切る!全員参加!(行動)

 また、上記目標の達成に向けて当社グループが取り組むCSR重要課題(マテリアリティ)を以下のとおり特定しました。

<CSR重要課題>

 

重要課題

E

(環境)

カーボンニュートラルの実現

資源(水・燃料)の有効利用

人・環境にやさしい製品の拡充

S

(社会)

人権の尊重

多様な人材の育成と確保

安全で働きやすい職場づくり

サプライチェーンマネジメント

地域活性化への貢献

G

(企業統治)

ステークホルダーエンゲージメントの実践

リスクマネジメントの徹底

迅速果断な意思決定を支えるガバナンスの構築

 なかでも、環境項目のカーボンニュートラルの実現及び社会項目の多様な人材の育成と確保は最重要課題と捉え、以下のとおり取組みを進めています。

<カーボンニュートラルの実現に向けた取組み>

① 製造時のCO2排出量削減に向けて

 事業活動で使用する電力及びガスの再生可能エネルギー化を進め、電力については2030年までに国内事業所における再生可能エネルギー化率100%を目指します。加えて、これまでの省エネルギー活動を見直し、設備における燃料の使用状況を根本から把握しムダ・ムラをより一層排除していくことで、燃料効率の向上を図ります。

② 事業を通した低炭素社会へのアプローチ

 低炭素社会への移行に伴い、従来主流であった石化原料からバイオマス原料へのシフトが求められます。創業当初より培ってきた油脂技術の知見を活かし、非石化製品群の拡大と需要開拓を進めています。これまでに、バイオマス由来の可塑剤やエステル油など、石化由来品と同等以上の性能を発揮する製品の開発に成功しており、顧客での評価が進んでいます。今後も引き続き、低炭素社会の実現に貢献する製品の拡大と提案強化に努めていきます。

<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取組み>

 当社は、人材の持続的な成長が、企業の持続的な成長に繋がるという考えのもと、Vision2030「Be the best SPICE! ~心躍る極上のスパイスになる~」では、従業員の意欲や挑戦を引き出すこと、多様な価値観を受容する企業風土を創造することで、活力ある組織の実現を目指しています。そのための施策として、人事制度改革、教育制度の見直し、社内環境整備に取り組んでおります。

① 人事制度改革

 昨今、経営環境の変化が大幅に加速し、従業員の就労意識や職業観などにも大きな変化が見られるなか、当社は新たな人材マネジメントの実現に向けて人事制度の改革に挑戦しており、2022年より段階的に人事制度の改定を進めております。新たな人事制度では、旧来の制度、事業を守り支えるだけでなく、新たな課題や事業に取り組む挑戦型の人材が評価される仕組みへと改めました。従業員ひとりひとりの課題や問題意識に寄り添い、安心して働きやすい環境を整えることで、チャレンジする従業員をしっかり後押しをするような人材マネジメントを目指します。

 このような企業文化を醸成するため、新しい評価制度は人材育成のツールとして位置づけました。制度定着のため評価者研修を適宜実施しており、評価の基本スキルの習得に加え、部下と成長や課題について話し合う機会をこれまで以上に増やしていくことを促しています。

・人事制度改革の方針

 保守的人材から挑戦型人材への変革 ~Change & Challenge!~

・人事制度改定のポイント

(評価制度)

 評価制度の改定は、人事制度全体の改定に先んじて2022年4月より実施いたしました。プラス評価中心の前向きな評価基準により、「挑戦力」「変革力」そして「創造力」を培うことを目指しています。また、評価は人材に優劣をつけるものではなく成長を促すものである、との基本に立ち返り、今まで以上に上司、部下とのコミュニケーションの頻度を上げ、成果までのプロセスを重視します。その結果、自身の課題の見える化とその課題解決をより具体的に共有できる制度としています。

(等級制度)

 等級制度は、2023年4月より導入いたしました。年功的な処遇要素を大幅に削減し、評価によって昇級など処遇にメリハリをつけることで、よりチャレンジングな行動を促します。等級ごとの処遇差を明確にすることで社員一人ひとりの自覚を促すと同時に、健全な競争意識の向上に繋げます。等級と役職の関係をシンプルに分かりやすく再整理し、昇給、昇格のみならず、人材の育成、配置など人材マネジメント全般の実効性を高めてまいります。

② 教育制度の見直し

 人事制度の改定にあわせ、教育制度についても見直しました。従来の階層型研修や次世代経営層の候補者育成のための選抜型研修に加え、2023年4月より新たに選択型研修を導入しています。多種多様な研修を自由に選択し受講出来る環境を整えることで、学びたい意欲のある従業員を支援します。

③ 社内環境整備

 当社は、組織風土の変革の加速と実現のため、多様な経験やキャリアを有する人材の採用と登用を通じて、ダイバーシティ&インクルージョンにも取り組んでいます。また、一人ひとりが心身ともに健康であるために、各職場における従業員の安全管理や健康づくりを進めるとともに、柔軟な働き方を可能にする勤務体系の整備にも取り組んでおります。2020年の「女性活躍推進法」に基づく行動計画及び、2022年の「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画では、男女の均衡ある育児参加や成長機会の提供を念頭に、それぞれの活動を推進しています。

(3)リスク管理

 当社グループではCSRとして取組むべき重要課題をCSR委員会にて策定しました。CSR重要課題は、サステナビリティ経営に向け取組まなければならないと認識した社会課題へのアプローチをESGの項目に分けて策定し、各部門の業務計画へ落とし込み、推進しております。CSR重要課題の取組み状況については、CSR委員会の内部組織であるESG事務局が確認・支援を行います。また、取組みの進捗については、各部門より業務計画の進捗に含めて経営会議に報告されます。

 引き続き、サステナビリティに関するリスクと機会に関しては、各種指標やシナリオを参考に分析を進めていき、取締役会および執行の諸機関、委員会におけるサステナビリティに関する議論の活発化を図ってまいります。

(4)指標及び目標

 当社グループでは、CSR重要課題の各項目に対してKPIを設定し、取組みを進めております。なかでも最重要課題と位置付けている環境項目のカーボンニュートラルの実現及び社会項目の多様な人材の育成と確保においての指標及び目標は以下のとおりです。

<カーボンニュートラルの実現に向けた取組みの指標及び目標>

 カーボンニュートラルの実現に向け、パリ協定で努力目標とされる高水準の1.5℃目標でのCO2削減を目指し、2030年度には2013年度比で50%のCO2排出量削減、更に2050年度にはカーボンニュートラルの達成を目標としております。なお、当該目標に関する指標として、現時点では当社及び製造子会社の日新理化㈱におけるScope1及びScope2のCO2排出量を用いており、その実績は次のとおりです。

年度

2013年度実績

2022年度実績

2030年度目標

CO2排出量(t-CO2)

42,182

31,014

21,091

削減率

-

約25.9%

50%

※ 2022年度実績のCO2排出量の算定においては、再生可能エネルギー由来の非化石証書が有する環境価値を付加した電力の使用量を除外しております。

<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取組みの指標及び目標>

 当社グループでは、一人ひとりの多様な背景や経験、知識を活かし、能力を最大限に発揮できる環境を整えるとともに、活躍への意識を高め、次世代を担う人材の育成を加速させます。

 また、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」にも認定され、働く環境の改善やワークエンゲージメントの向上にも取り組んでおり、様々な施策を通じて、多様な人材がそれぞれの強みを生かして働くことのできる組織づくりを進めています。

 なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取組みの指標は次の通りです。

 本取組みはグループ会社までの実行には至っておらず、以下に示す実績、目標は提出会社である当社のみのデータとなっております。

方針に関する指標

2022年度実績

2025年度目標

管理職に占める女性労働者の割合(%)

4.7%

7%以上

男性労働者の育児休業取得率(%)

42.9%

100%

※ 男女賃金格差については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に当事業年度の実績を記載しております。

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