企業平山ホールディングス東証スタンダード:7781】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 平山グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において平山グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 平山グループは、「全社員の一心同体経営」及び「仕事から得られる心の利益を大切にする」という2つの経営理念を基に、人に付いた技術で日本のものづくりを支援し、設備と敷地を持たない製造業や人材輩出企業に進化していく上で、以下の3つの経営方針を掲げております。

1.社会的存在価値のある尊敬される企業になるための社内環境及び事業を構築する。

2.人材育成と製造技術・ノウハウの結集により新たな高付加価値サービスを提供する。

3.人材会社から製造支援会社・人材教育会社へ、国内サービスからグローバルサービスへ転換する。

 以上の方針のもと、平山グループは、取り組むべき目標(SDGs宣言(注))として、国籍、性別や障がい等と関係なく、すべての人に安心して就労できる雇用環境を確保していくことを目指しております。このため、管理職の多様性を重視し、女性・外国人・中途採用者の区別なく管理職へ登用しております。

 また、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成と社内環境整備を今後も積極的に進めてまいります。

(注)持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であります。17のゴール・169のターゲットから構成され、世界中から貧困をなくし、地球を保護し、すべての人類が平和と豊かさを享受するための目標となります。株式会社平山ホールディングスでは、一般社団法人日本SDGs協会から「SDGs事業認定」を受けております。

(2)経営環境と中長期的な経営戦略

 2030年におけるありたい姿『VISION HIRAYAMA 2030』と2025年6月期から2027年6月期までの中期経営計画『ファーストステージ』を策定し、2024年7月1日よりスタートしました。『ファーストステージ』は、平山グループとしての2030年のありたい姿『製造支援企業として、独自のサービスを常に開発するグローバルオンリー1企業を目指す VISION HIRAYAMA 2030』の実現に向けて、変革し成長を続ける3年間と位置付け、成長戦略として『設備と敷地を持たない製造業』というサステナビリティを推進し、『高度人材不足』という社会的課題に対し、人材教育を行うことで解決し、『稼ぐ力』の強化を図ります。また、より強靭な経営基盤を整備しつつ、M&A(合併・買収)とAlliance(提携)を推進し、採用強化と業容の拡大を行い、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。

 外部環境は、以下の市場予測を前提としております。

・製造請負・製造派遣の市場規模拡大:2026年度見込2.6兆円市場へ(2022年度比109.9%、年平均2.4%増)

・技術者派遣の市場規模拡大:2026年度1.52兆円市場へ(2022年度比124.7%、年平均5.7%増)

・海外からの引き合い増加:ASEAN ADB(アジア開発銀銀行)は2025年4.7%成長を予測

 ただし、リスクとして、コロナ禍の再拡大、米中貿易戦争及び米国金融引締め政策による世界景況悪化とそれに伴う1ドル100円を切る急速な超円高への為替変動等も念頭に置いております。

 具体的な施策は、以下のとおりであります。

 社会価値と利益の共創による企業価値のさらなる向上を目指し、「稼ぐ力の強化、高収益構造への転換」「M&A(合併・買収)及びAlliance(提携)戦略の推進」「経営基盤の強靭化」を進めます。

■稼ぐ力の強化、高収益構造への転換

 収益の柱である医療、自動車関連等インソーシング・派遣事業に積極的に経営資源を投下していく一方、半導体生産、設備保全等の人材配置を強化し、将来を見据えた事業拡充を進めます。また、現場改善コンサルティング事業及び技術者派遣事業を強化します。海外での生産における人材の配置及び海外人材の国内受け入れ、配置、サポートに伴うサービス提供等、現在行っているこれらの事業をより有機的にインソーシング・派遣事業とともに提供することで多様な顧客ニーズに対応いたします。各事業の成長戦略を遂行し収益性向上を図るとともに、将来の成長の柱となるAIを活用したサービス拡大や新規事業を推進します。

■M&A(合併・買収)及びAlliance(提携)戦略の推進

 製造請負派遣業界は、売上高上位企業群の寡占化比率が低く、サービスを提供する中小事業者が多い業界であります。現在、これら中小事業者の担い手が高齢化するとともに高度化する顧客ニーズに対応できず、事業承継の打診が多くなってきており、寡占化が進みつつあります。また、多様化する顧客ニーズに対応するため、当社が手掛けていない専門性の高い分野があります。このような状況に対処すべく、当社はさらにM&A(合併・買収)を推進してまいります。その際、投資指標として、ROICを活用し、効率性を重視し進めてまいります。

 一方、日本国内における採用環境は、非常に厳しくなっており、採用範囲を広くする必要性があります。そのため、Alliance(提携)を推進し、採用を強化いたします。

■経営基盤の強靭化

 各事業における安定的なサービス提供に向けて、人材の採用、育成、配置、サポートを行い、外部環境が激しく変化した際にも事業継続できる強靭な経営基盤を構築します。働きやすく、積極的にキャリア形成ができる働き手から選ばれる企業集団を目指します。また、人的資本活用の基盤を整備し、各事業の成長ステージに合わせた人材の育成と配置を推進します。同時に、デジタル技術を取り入れ、継続的に業務改革を進め効率化し、利益を生む体制を構築します。

(3)目標とする経営指標

 平山グループの目標とする経営指標につきましては、売上高営業利益率を重視し、中長期的に6%を経営目標と掲げて進めてまいります。

 中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)『ファーストステージ』 経営指標

 

 

2027年6月期

2030年6月期

財務指標

売上高

460億円

600億円

営業利益

22億円

36億円

営業利益率

4.8%

6.0%

ROE

20%超

24%超

サステナビリティ指標

正社員採用者数

4,000名

5,000名

就労者数

12,000名

15,000名

設備投資額

1億円

1億円

配当方針及び配当性向

総還元性向50%以内

配当性向40%超※

同左

※これまでは配当性向30%超としておりました。

(注1)売上高には、M&A(合併・買収)による売上高は含まれておりません。

(注2)正社員採用者数及び就労者数は、インソーシング・派遣事業及び技術者派遣事業セグメントの人数です。

 具体的手法として、平山グループが主力事業としている国内製造業向けインソーシング・派遣事業において、既存インソーシング取引先との契約範囲の拡大や既存製造派遣取引先のインソーシング化を推進するとともに、自社管理業務及び既存インソーシング取引先業務の両面で強力に改善を進めることにより、売上原価・販売管理費を抑制し、売上高営業利益率の向上に努めてまいります。

 また、持続的な発展のためには、限られた経営資源を有効に活用することが重要であります。平山グループは、資本効率の向上を図るため、ROICを活用し、資本コストを意識した経営を行っております。取組みにあたっては、全事業を、インソーシング(請負)・派遣事業、技術者派遣事業、海外事業及びその他事業とセグメント別に区分し、それぞれの位置づけに応じた戦略の立案・実行・見直しを進めるとともに全体最適の観点から事業ポートフォリオの見直しを進めてまいります。

(平山グループの事業ポートフォリオマネジメント)

 

分 野

課 題

基盤事業

インソーシング(請負)・派遣事業

・請負化の推進、生産性の改善

・採用強化、定着

・営業力強化

収益改善事業

海外事業、その他事業(コンサルティング事業)

・海外事業の効率化推進

・コンサルティング事業はコロナ禍に対応したWEB化推進

成長事業

技術者派遣事業、その他事業(外国人雇用管理サポート事業)

・技術者の採用、定着

・営業力強化

・外国人雇用管理サポート事業は技能実習生のみならず特定技能配置への対応

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

2022年以降、日本の社会全体が人材不足感の状況にあることから、すべての職種において、新規採用のための募集賃金が上昇しております。特に飲食店や宿泊施設の深刻な人手不足による賃金上昇が、製造業界の賃金と採用コストにも影響を及ぼしていると考えられます。

 平山グループにおいても、上記の要因と同一労働・同一賃金が浸透したことで、自動車や半導体業界の業績は低調にもかかわらず派遣単価の高止まりの傾向が継続しております。また、エンジニアにとどまらず、製造オペレーターも毎年賃金が上昇する状況が続いております。一方、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に伴い、製造派遣の領域で「技能系」と「技術系」人材に求められるスキルが重複(オーバーラップ)しつつあり、現場を熟知し、かつ、システム(情報と制御)に精通した人材の需要が増加しております。

 このような環境下においては、自社の技術研修センターで顧客の需要に合わせたカスタマイズ教育を行い、顧客にとって付加価値の高い人材を輩出できる企業が先行して成長するものと推測できます。

 このため、常に企業体力の強化を図り教育に経営資源を集中させていくことが重要であると考えております。

 また、既存の研修センターの更なる充実を図るとともに新たな研修センターを設立することで、半導体業界の製造設備の保守・保全を担えるフィールドエンジニアを育成し、ハイエンドな人材として派遣できる体制を整えます。

 平山グループは「エンジニア・ファースト」の精神を貫き、10年先を見据え、社員が現場で働きながら、同時に教育や自己研鑽によりキャリアアップを図るという、理想的な仕組みを確立することを優先課題として取り組みます。

① 採用力の強化

 刻一刻と変化する需要に迅速に対応するため、採用力強化が重要課題となっております。平山グループは、コストパフォーマンスの良い地方テレビCM等のメディア活用、SNSの活用、ネットワーク採用等を強化し、企業イメージの向上を図るとともに、採用ルートを多様化して、採用コストの抑制に努めます。

 新卒・中途採用において同業他社とも連携し採用ネットワークを全国に張り巡らせながら、深く地域にも密着できる組織を構築して採用力を強化します。

 加えて、給与面以外の福利厚生の拡充や、働きがいのある職場づくりに今後もより一層注力します。

② 教育の強化と定着率の向上

 平山グループ全体で、生産設備の保守・保全やスマートファクトリー化を担う「フィールドエンジニア」の育成を引き続き強化します。

 あらゆる分野でエンジニアが不足しており、未経験者に加え、微経験者(工業高校卒業生など)の採用も強化して、機械・電気・情報技術など、全方位のエンジニア教育を推進します。教育において重要なことは、エンジニア一人ひとりに対して将来のキャリアプランが見える教育を提供することであります。そのためにキャリアカウンセラーが一人ひとりに寄り添い、時代の変化を捉えつつ必要なスキルが習得できるようにキャリアパスを適正かつ明確にすることで定着率の向上につなげます。

③ 請負事業の強化

 平山グループは、製造派遣契約から製造請負契約への転換を強みとしております。一方、人材派遣業界全体では、定着率の悪化への対応が喫緊の課題となっております。多くの派遣社員を採用しても、習熟度が向上しないまま退職し、現場の生産性が安定しないのが実態であります。現場オペレーションの煩雑さと習熟度が上がらないという問題に直面したことで、派遣会社から請負会社への転換、つまり平山グループに一括で依頼する顧客が増加傾向にあります。

 ベテラン社員、新卒社員、外国人技能実習生の混成チームなど、人材の最適な組み合わせのポートフォリオを提供できる会社が、国内でのものづくりの競争優位を堅持できることは明白であります。

 このような競争力にこそ商機があり、新工場立ち上げ案件の獲得や既存取引の長期継続につながります。「現場責任を負う」という請負事業を中心・基盤に置いた「ものづくり支援企業」という平山グループの強みが発揮できる好機といえます。

 また、顧客先工場の課題を的確に捉え、自社開発のAIツールや作業適正化システムを導入しており、これにより労災予防や品質向上などの課題を解決しております。加えて、顧客企業との共同開発でスマートファクトリー化を実現するなど請負の新たな事業展開を目指しております。

④ 技術者派遣事業の拡大

 社会全体で進行するDX化の進展に伴い、IT・AI分野での技術者も不足しているため、派遣需要も拡大が続いております。平山グループは市場拡大に対応するため、引き続き新領域の高スキル技術者の派遣事業に、より一層注力します。ハードウエアに実装させるソフトウエアを開発できるのは、ハードウエアに精通したエンジニアであります。そのため、平山グループは、エンジニアがフィールドワークを支援するソフトウエア開発に携わることができる研修環境を速やかに実現することを目指します。

 派遣社員の地位向上とプライドの醸成を図るために、働く環境や待遇を改善することが平山グループの責務であると認識しております。

⑤ 外国人材採用・活用と女性比率の向上

 日本国内においては、今後も少子高齢化による生産年齢人口の減少は継続し、人材採用は年々困難になることが容易に推測できます。

 持続的な成長を実現するためには、外国人材の採用や活用を拡充することが必要不可欠であると認識しております。外国人材に安定した雇用と教育を提供することで、日本で安心して生活し、就労できる環境を提供してまいります。

 一方、女性の雇用も特に重視しており、現在の女性比率をさらに向上させるため、バイオや化学の新事業領域を開拓して、女性の新しい職場を創出する計画を進めております。

⑥ 海外事業の強化

 主力となるタイの派遣事業においては、継続的に間接部門の効率化を図ることで、筋肉質な事業運営ができております。大規模な投資をするのではなく、効率的なオペレーションを拡大し、事業のスリム化を図ることにより、黒字を維持し適正利益を創出しております。黒字体質が継続できている間に、利益率の高い日本のビジネスモデルを横展開できるかが海外事業の課題であります。

⑦ その他事業の強化

 顧客企業の工場改善コンサルティングのワンストップサービスは、順調に受注が拡大しております。資源不足と半導体不足によるリスクヘッジから、顧客企業は、重要部品や材料の中国での生産から国内への回帰をさらに進展させております。実際に、平山グループへの新規工場開設や新規ラインの立上げ、工場増設等に関連するコンサルティング依頼が増えております。これら拡大しつつある需要に対応するためには、コンサルタントを拡充することが課題であり、現在拡充計画を進めております。

 また、株式会社平山グローバルサポーターを中心に、特定技能と技能実習の在留資格を持つ外国人を雇用する企業や、民間の人材派遣会社、登録支援機関などの就労支援機関に向け、外国人雇用管理サービスを展開しております。

 平山グループは、このサービス内容を顧客向け及び外国人材向けに、さらに充実させ、成長を加速してまいります。

⑧ グループ会社の連携とコーポレートガバナンスの強化

 企業倫理・コンプライアンスに関し、役員、社員が共通の認識を持ち、公正で的確な意思決定を行う風土を醸成する仕組みの構築に加えて、透明性のある管理体制を整備・維持することで、内部管理体制の強化及びコーポレートガバナンスの充実に努めます。

 グループ各社のコンプライアンス経営を担保すべくホールディングスによるマネジメント力を向上させ、ガバナンスを強化します。グループ共通のIT基盤を構築してDXを迅速に推進するため、情報システム人材を拡充しました。同時にロボット研究も推進し、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)導入により間接部門の業務プロセスの効率化と透明性の担保を図ります。

PR
検索