企業兼大株主山梨中央銀行東証プライム:8360】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当行は、山梨県及び東京地区を主要な営業基盤とする地域金融機関として、預金業務、貸出業務を中心に、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、国債等公共債・投資信託・保険の窓口販売業務及び各種コンサルティング業務などを、グループ会社では、リース業、クレジットカード業等の金融サービスに係る事業を行っており、地域の皆さまに多様な金融商品・サービスを提供しています。

 また、地域に根ざし、地域社会の繁栄と経済発展に寄与するとともに、お客さまから信頼していただける健全な経営姿勢を堅持し、経営内容の充実に努めることを経営理念としており、この実現に向けて、当行及びグループ各社は、多様化・高度化する地域の金融ニーズに的確かつ迅速にお応えすべく、総力を結集しさまざまな施策に取り組んでおります。

(2) 経営環境

 コロナ禍の混乱から経済・社会は徐々に回復していますが、産業界においては、ウクライナ、中東地域をめぐる情勢の悪化を背景としたエネルギー高や原材料高に対する懸念など、景気の先行き不透明感が高まっています。一方、金融界においては、異業種からの参入、少子高齢化と人口減少に伴う顧客基盤の縮小など、厳しい経営環境にあるなかでも、日本銀行のマイナス金利政策解除に伴う収益機会の拡大が期待されています。

 山梨県においては、中部横断自動車道の山梨・静岡間全線開通に加え、リニア中央新幹線の建設など、経済発展を後押しする交通インフラの整備・拡充が進んでいます。

 また、工場や物流施設の新設、大型商業施設の出店計画など、地域経済にプラスとなるプロジェクトが進行しています。

(3) 中期経営計画

 当行は2022年4月から中期経営計画「TRANS (トランス キューブ)2025」(2022年4月~2025年3月)を実施しております。概要は以下のとおりであります。


 本計画においては、「OHR(コア業務粗利益経費率)」、「ROE(当期純利益ベース)」の財務指標のKPIとともに、当行自身の持続可能な経営やSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の実現に向けて、非財務指標をKPIとして掲げております。

 具体的には、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進度合いを計るための「管理・監督職に占める女性の比率」、業務の合理化・効率化と人的資本経営の実現に向けた取組みの進捗を計るための「リスキリングによる事務人員の再配置割合」、サステナブル社会、脱炭素社会の実現に向けた取組みの進捗を計るための「サステナブルファイナンス投融資額」、「温室効果ガス(CO2)排出量削減率」を掲げています。

 これらのKPI達成を通じて、KGIである「親会社株主に帰属する当期純利益」の達成を目指してまいります。

指標

2025/3目標

2022/3実績
(中計スタート時)

当該指標の設定理由

OHR(コア業務粗利益経費率)

※1

73.5%以下

73.41%

経営の効率性を計るため

ROE(当期純利益ベース)

3%以上

1.82%

資本に対する収益効率性を計るため

管理・監督職に占める女性の比率

※2

20%以上

13.1%

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンおよび人的資本経営実現に向けた取組みの進捗度合を計るため

リスキリングによる事務人員の

再配置割合

30%以上

業務の合理化・効率化および経営資源の再配分ならびに人的資本経営の実現に向けた取組みの進捗度合を計るため

サステナブルファイナンス投融資額(計画期間合計)※3

3,500億円以上

715億円

サステナブル社会・脱炭素社会の実現に向けた取組みの進捗を計るため

温室効果ガス(CO2)排出量削減率

※4

70%以上

30.08%

親会社株主に帰属する当期純利益

60億円以上

42億円

当行グループの事業の成長性・収益力を計るため

※1 OHR(コア業務粗利益経費率)=経費(除く臨時処理分)÷(業務粗利益-国債等債券損益)

※2 2023年度で当初目標を達成したため、2025/3目標を「15%以上」から「20%以上」に引き上げました。

※3 持続可能な地域社会の実現に資する投融資(環境・教育・創業・事業承継など)

 2024年5月に、2025/3目標を「2,500億円以上」から「3,500億円以上」に引き上げました。

※4 2013年度比。目標対象範囲は、ガソリン使用による排出量を加えたScope1+Scope2。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当行が対処すべき課題は、地域社会やお客さまの持続的な発展への貢献と、当行自身の持続的な企業価値向上です。

 これらの課題を解決するため、最終年度となる中期経営計画「TRANS 2025」においては、3年間の集大成として、「“事業体積”増加戦略」、「“生産性”倍増戦略」、「“サステナ”追求戦略」の3つの基本戦略と、これらを実現するための「AX(アライアンス)」、「DX(デジタル)」、「SX(サステナビリティ)」の3つの変革ドライバーを機能させ、長期ビジョン「Value Creation Bank」の実現に注力していきます。

<地域社会やお客さまへの取組み>

 地域社会やお客さまの持続的な発展に向け、資金面での支援にとどまらない深度あるコンサルティングの実施により、お客さまをなお一層強力にバックアップしていきます。加えて、当行自身のDXやサステナビリティへの取組みを通じて得られた技術やノウハウをお客さまへ提供し、地域全体の発展を支援していきます。

 また、地域の事業者や自治体、大学などと連携し、地域課題の解決に資する新たな事業領域を模索するなかで、持続可能なビジネスモデルの構築に取り組んでいきます。

<企業価値向上への取組み>

 資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、「健全性の確保」「収益性の向上」「資本政策の充実」をバランス良く進めていきます。

 健全性の確保に向けた施策としては、内部留保の充実により地域への安定的な資金供給や成長投資に機動的に対応できる財務基盤を堅持していきます。

 収益性の向上に向けた施策としては、中期経営計画に掲げた基本戦略を着実に遂行し、貸出金の増加やコンサルティング分野における非金利収入の拡大によるトップライン増強および営業店・本部の事務ゼロ化に向けた取組みによる生産性向上などにより、持続可能な収益構造を確立していきます。

 株主還元を含む資本政策につきましては、より一層の充実を目指すとともに、ROE・PBRなどの改善に取り組んでいきます。

<サステナビリティへの取組み>

 脱炭素社会の実現に向け、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った開示項目の充実を図るとともに、気候変動の緩和に資する商品・サービスなどの提供を通じたお客さま向け支援や当行グループのCO2排出量削減へ積極的に取り組んでいきます。

 併せて、人的資本経営の実践に向けて、当行グループで働く職員が高いモチベーションを持ち、多様なキャリア形成や働き方を実現できる職場環境を整えていきます。

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