安江工務店 【東証スタンダード:1439】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは高い企業価値を実現するために、「全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、社会の公器として地域に貢献すること」を経営理念として掲げ、健全で持続的な成長により、顧客、株主、取引先等、あらゆるステークホルダーに対し社会的信頼に応えていくことを企業経営の基本的使命と位置づけております。
(2) 経営環境
当社グループの主たる事業である住宅業界を取り巻く環境におきましては、住宅取得や住宅改修のための各種補助金制度の継続など、政府による需要喚起のための後押しはあるものの、中長期的な新築住宅着工棟数の減少傾向に加え、住宅ローン金利の先高観、土地価格や建築コストの上昇等による住宅取得や大規模改修に対するマインドの低下、設計職・施工監理職等の専門職技術者の人材不足など、依然として厳しい状況が続くものと思われます。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて当社グループが提供できる価値として「安らぐ『暮らし』を創造し、心豊かな社会を実現する」ことを掲げ、新たな長期ビジョン「Vision 2030」及び第2次中期経営計画を策定いたしました。当社グループが地域の皆さまから必要とされる存在になるため、社会における存在価値を向上させることで持続的成長の源泉となる利益を安定的に確保し、すべてのステークホルダーへ貢献してまいりたいと考えております。
2024年を初年度とする3ヵ年の第2次中期経営計画は、長期ビジョン「Vision 2030」における第2次計画として、以下の3つの基本方針を掲げ、当社グループ全体の収益構造を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
(中期経営計画の基本方針)
①成長戦略
②質の追求と高効率戦略
③人的資本経営
(数値目標)
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| 2023年12月期 (参考実績) | 2024年12月期 (計画) | 2025年12月期 (計画) | 2026年12月期 (計画) |
グループ社数 | (社) | 4 | 4 | 5 | 6 |
売上高 | (百万円) | 7,399 | 7,730 | 8,970 | 10,215 |
営業利益 | (百万円) | 336 | 340 | 410 | 500 |
営業利益率 | (%) | 4.5 | 4.4 | 4.6 | 4.9 |
営業利益成長率 | (%) | 48.4 | 1.1 | 20.8 | 21.9 |
従業員増加率 | (%) | △0.8 | 6.7 | 12.1 | 13.5 |
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記経営戦略を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。
① 事業ポートフォリオの最適化と安定成長
景気動向に左右されない安定した収益を確保するためには、既存の3つの事業セグメントの分析や見直しを継続的に行い、事業ポートフォリオの最適化を図っていく必要があると認識しております。売上高の80%以上を占める住宅リフォーム事業のさらなる伸長を図りつつ、住宅リフォーム事業での認知度とブランド力を活かして新築住宅事業や不動産流通事業を展開してまいります。また、住宅リフォームのノウハウを活かしてオフィスなど非住宅建物のリフォーム事業を展開するなど、成長分野へのリソース集中と新規事業の創出を進め、住宅関連総合企業として利益の最大化を図ってまいります。
② 成長の加速
2030年に向けた長期ビジョン「Vision 2030」で掲げた目標を達成するためには、成長スピードをさらに加速させることが必要であると認識しております。具体的には、M&Aやアライアンス等を活用して全国の中堅・中小工務店と連合し、より大きな企業集団となることで、DXやIT技術への積極的な投資や、共同仕入れによる購買力向上によって収益力を高めるなど、グループ化によるシナジーを発揮してまいります。また、当社グループの得意とする集客ノウハウや顧客関係構築ノウハウをグループ会社で共有することによって、顧客との強いつながりを築き、それぞれの地域にとって当社グループが無くてはならない存在となることを目指してまいります。
③ 顧客満足の追求
BtoCビジネスの展開においては、顧客満足を常に追求する必要があると認識しております。顧客が求める利便性をさらに高めて顧客対応の最速化を進めるとともに、創業半世紀という長い歴史の中で築き上げてきた工事品質の維持・向上に努め、顧客の期待を超えるサービスや付加価値を提供してまいります。また、「住まいのかかりつけ医」として顧客が気軽に相談できる関係づくりを重視し、顧客や地域にとって当社が無くてはならない存在となることを目指してまいります。
④ DXの推進
労働集約性の高いビジネスである住宅事業において、技術職の減少や総労働量の減少といった課題に対応するためには、業務の自動化や省力化を推進し、限られた人材リソースを成長分野に集中する必要があります。
この課題を克服するために、バックオフィスにおいてはオンライントレーニングや動画研修ツールの活用、社内コミュニケーションツールの活用、デジタル化に合わせた業務フローの見直しを進めてまいります。また、営業、工事の現場においては、顧客向けアプリの提供による顧客との「つながり」を強化するとともに、現場管理アプリの導入による現場情報のリアルタイムな共有、見積り・発注・原価管理のシステム一元管理など、多方面でDXを積極的に推進して業務フローを革新し、社員一人当たりの生産性をさらに高めてまいります。
⑤ 人的資本経営
労働集約性の非常に高いビジネスである住宅事業を展開拡大していく上では、専門的知識や豊富な経験を有する人材を多く必要としております。しかしながら、建設業界における専門技術者の有効求人倍率高止まり等から十分な人材の確保ができず、機会損失が生じるおそれがあると認識しております。顧客へのサービス向上と持続的な成長発展のためには、①優秀な人材を継続的に確保すること、②人材や組織に知識や経験を内包し、将来の経営・幹部層を育成すること、③従業員のエンゲージメントを高め、企業の持続的な成長につなげることが重要であると認識しております。
そのため、当社グループの理念に共感する人材を安定的に確保する新規学卒者の採用と、建築士等の有資格者などの即戦力のキャリア採用をバランス良く、かつ積極的に実施するとともに、将来、経営層・幹部層として活躍できる人材を育てるため、入社1年目から経営トップによる研修を実施するなど、階層別の研修を実施して社員の資質向上を図ってまいります。加えて、従業員のエンゲージメントを高めるため、公平な分配制度の構築を進めるとともに、福利厚生や社内行事の企画・運営を社員自らが行うこと等による自主性の醸成を通じて、安心して働くことのできる仕組みづくりや働きがいのある環境づくりに取組み、強固で持続的な企業価値の向上に繋げてまいります。
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