太平洋工業 【東証プライム:7250】「輸送用機器」 へ投稿
企業概要
当該情報は、有価証券報告書提出日時点での情報に基づいて開示しております。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ経営にとって重要な15のマテリアリティを特定し、4つのテーマ「ステークホルダーとの信頼醸成」「製品を通じた社会・顧客課題の解決」「環境負荷の極小化」「人財の尊重と活躍」に区分しております。マテリアリティに関する取り組みは、ありたい姿とKPIを定めて進めており、重要課題は個別に毎週開かれる戦略会議で適宜議論を行い、特に重要な課題は取締役会に諮っております。その進捗を年1回発行されるサステナビリティレポートおよび当社WEBサイトで報告しております。
マテリアリティの中でも最重要課題が「気候変動の緩和および適応」であり、長期目標「PACIFIC環境チャレンジ2050」を定めて、グループ全体で取り組んでおります。また、マテリアリティの4つの柱の1つ「人財の尊重と活躍」については、5つのマテリアリティすべてが当社のパーパスと結び付く人財戦略と関連しており、取締役を含む議論のうえ策定を行っております。
(2)戦略
当社グループは、2019年にめざすべき将来像として、長期ビジョンを「PACIFIC GLOCAL VISION」に刷新し、ブランドスローガンを策定いたしました。そうした当社の企業としての価値観やビジョンを実現し、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するため、2020年に2030年を目安としたサステナビリティに関する当社グループの重要課題(マテリアリティ)を抽出し、4つの柱となるテーマと、15のマテリアリティ、注力するSDGsテーマを特定し、「ありたい姿」「主な取り組み」「KPI」を定めて取り組み、その内容をサステナビリティレポートおよび当社WEBサイトで開示しております。
また、2023年4月には、ブランドスローガンを当社の存在意義として「パーパス」と改め、従業員一人ひとりが活躍し、新たなる価値を創造していくことを軸と定めました。同時に策定した中長期経営構想「Beyond the OCEAN」の経営目標である非財務価値目標は、マテリアリティの中でも特に重要と思われ、財務的価値とも関連が深いと考えられます。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
◆人的資本
人財戦略の考え方(環境整備方針)
当社グループは、パーパス「思いをこめて、あしたをつくる」を実現するために、多様な従業員が「思い」をもって活躍できる企業となることが必要だと考えております。そのために、基盤充実施策としての「人的リソースと労働環境の改善」「人権の尊重」「安全と健康」、事業成長施策としての「人財の成長」「挑戦できる風土への変革」といった課題への取り組みを両輪で進めてまいります。
これらの「基盤充実と事業成長」を効果的に推進するには、「エンゲージメントの向上」が特に重要と考えます。そのため、継続的に従業員エンゲージメントを測定し、高める取り組みを推進してまいります。
併せて「ダイバーシティ&インクルージョン」を重視し、性別・外国人・障がい者・高齢者などの属性や、個性や強み・弱み、健康状態・性格・信条・性的指向など、一人ひとりの違いを認め、誰もが能力を発揮できる、心理的安全性が高い職場環境を整えてまいります。
これらの取り組みにより、従業員のウェルビーイングと企業価値の向上の相乗効果を生み出していきたいと考えております。
人財育成方針
当社グループは、従業員一人ひとりが「思いをこめて、あしたをつくる」ために、自ら考え行動できる意欲ある人財を育成してまいります。
特に必要とするのは、グローバルに活躍できる人財、中核を担う人財、高い目標を掲げ挑戦する人財、持続可能な社会の実現に向け課題解決できる人財です。
そのために必要なスキル・人数を見える化し不足している部分を計画的に強化してまいります。
また、チームで仕事の成果を出すために必要な「人間力」を高める教育も積極的に行ってまいります。
誰もが力を伸ばし、発揮していけるよう、性別・国籍・年齢・働き方等に関係なく、個性や特長を伸ばしていける学びの場の提供やキャリア支援を行ってまいります。
人財戦略の考え方は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題 ①パーパスを実現する人財戦略」の記載も参照ください。
◆環境負荷の極小化(及び気候変動)
当社グループは、地球環境への取り組みについて、中長期の視野で検討し行動する必要性を認識し、2050年までの方針と目標を定め、挑戦目標として掲げております。当社グループは、地球環境のめぐみをもとにグローバルに事業を行う企業として、将来世代が変わらず自然のめぐみとともに生きているように、限りなく地球環境の負荷を下げ、気候変動の緩和と適応に努め、持続可能な社会の実現に向け、グローバルで取り組んでまいります。
気候変動
当社は、2022年度にTCFDに基づき、気候変動に関する当社グループのリスクと機会を、1.5度シナリオ、4度シナリオを参照して把握し、リスクと機会認識を精緻化いたしました。これらのリスクと機会に関する戦略は、主に「移行策」「適応策」「環境配慮製品の開発」として取り組みを進めております。
なお、気候変動の緩和に関する脱炭素への移行イメージは以下のとおりです。
・<日常改善>省エネ、無動力化、低推力化等
・<革新技術>生産設備の高効率化、シンプル・スリム・コンパクト化等
・<再生可能エネルギーの導入>再エネ発電導入:太陽光発電
再エネ電力購入:CO2フリー、証書
気候変動に関するTCFDに基づく開示(2022年9月開示)の詳細は当社WEBサイトに記載しております。
https://www.pacific-ind.co.jp/sustainability/environment/climate/
◆その他、サステナビリティ関連で、重要と認識している課題について
当社グループは、長期ビジョンと関連するサステナビリティに関するマテリアリティを特定し、それを参考にしてリスクを抽出しております。特に、人的資本、気候変動、人権、コンプライアンス、情報セキュリティ、BCP(自然災害)等をサステナビリティに関連する重要リスクと認識しております。人的資本、気候変動については、前述のとおりです。
人権については、国内・海外を含め、当社および仕入先の人権リスクの特定・評価・リスク低減・低減活動の効果確認を行い、今後人権デューディリジェンスの取り組み内容を定期的に開示してまいります。
コンプライアンスについては、国内・海外の子会社および仕入先に「行動ガイドライン」や「仕入先サステナビリティガイドライン」を展開し、自己点検を定期的に実施することにより周知、浸透、定着を図っております。
情報セキュリティ、BCPについては、「3 事業等のリスク (1)事業活動リスク ⑦情報セキュリティ および(3)気候変動リスク ①災害などの影響、②気候変動による影響」を参照ください。
なお、上記に記載のないマテリアリティに関するテーマについても、今後の状況や課題認識の変化により、有価証券報告書に記載すべきと判断される場合は、その期の有価証券報告書に記載いたします。
(3)リスク管理
当社グループは、長期ビジョンと関連するサステナビリティに関するマテリアリティを特定し、それを参考にしてリスクを抽出しております。このうち全社経営レベルのリスクについては戦略会議でリスク項目の選定、実施策を議論・審議しております。当社は、気候変動・社会課題等サステナビリティに関わるものを含め、重大なリスクを組織横断的に評価・管理するとともに、万一当該リスクが顕在化した際には迅速かつ適切な措置を講じることで、影響の軽減を図っております。この中には、人的資本についての要素も含まれており、人権・労務・安全といったテーマを重要な経営リスクとして認識しております。
気候関連のリスクと機会については、担当執行役員・経営企画部門・総務部門・環境部門で構成されたTCFD推進チームで特定・評価を行い、その結果を戦略会議に諮っております。カーボンニュートラルや、電動化などすでに重大な影響があると認識している課題は、随時戦略会議、取締役会で議論し、戦略への織り込み、対策の立案と実施を行っております。
(4)指標及び目標
サステナビリティに関するマテリアリティは、それぞれ中長期のKPIを定め、サステナビリティレポートおよび当社WEBサイト(https://www.pacific-ind.co.jp/sustainability/materiality/)にて、進捗と併せて開示しております。(提出時現在では、2021年度分)
また、パーパス実現のための核となる人財の活躍を見える化するため、従業員エンゲージメントの測定を予定しており、このエンゲージメントの向上と、最重要課題の一つである気候変動に関するCO2排出量を、「NEXUS-26」の経営目標として掲げました。併せて、事業に関するサステナビリティの重要課題として、「電動車向け売上比率」、「新製品・サービス上市件数」を経営目標としました。当社の「新製品・サービス」は「社会課題解決」が主要テーマになっており、SDGsやカーボンニュートラルへの貢献と関連が強いものとなっております。
そのほか、当社の重要目標としての「PACIFIC環境チャレンジ2050」と、人的資本に関する目標と実績を以下に記載いたします。
| 範囲 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
非財務価値目標 | |||
電動車向け売上比率(当社試算) | グループ | 2026年度 50% 2030年度 70% | 26.6% |
新商品・サービス上市件数 | グループ | 2026年度 15件 2030年度 35件 | 1件 |
CO2排出量(スコープ1・2) (注4)(注5) | グループ | 2026年度 30%削減 2030年度 50%削減 | 国内 :36.5%削減 海外 : 3.5%削減 グループ :18.4%削減 |
PACIFIC環境チャレンジ2050に関する目標 | |||
CO2排出量 | 上記「非財務価値目標」に記載 | ||
廃棄物排出量 (注4)(注6) | グループ | 2030年度 30%削減 2050年度 極小化 | 国内 : 8.0%削減 海外 :18.4%削減 グループ :13.5%削減 |
水使用量 (注4) | グループ | 2030年度 適正利用 2050年度 極小化 (地域事情に応じた使用) | 国内 :22.3%削減 海外 : 5.7%削減 グループ :20.1%削減 |
人的資本に関するKPI(環境整備方針及び人材育成方針に関する目標) | |||
人権調査実施率 (注7) | グループ | 2022年度 85% | 93.4% |
離職率 (注8) | 単体 | 2025年度 1.5%以下 | 2.5% |
休業災害度数率 (注9) | グループ | 0 | 0.64 |
一人当たり研修時間数 (注10) | 単体 | 2025年度 30時間/人 | 26.6時間/人 |
女性管理職比率 | グループ | 2030年度 14%以上 | 「第1 企業の状況 5 従業員の状況」に記載 |
単体 | 2030年度 5%以上 |
(注)1 「非財務価値目標」は、中長期経営構想「Beyond the OCEAN」の経営目標です。「非財務価値目標」は、「事業価値目標」と「サステナビリティ価値目標」から成りますが、「事業価値目標」も当社グループのサステナビリティに関するマテリアリティと結び付いていることから、目標と実績を記載しております。
2 グループは、個別で注記がないものは、当社および連結子会社(海外13社、国内2社)を対象としております。持分法適用会社であるPECホールディングス株式会社は含まれていません。
3 実績値ではない想定が含まれた試算値となります。また、できる限り実態に近づけるため、「サステナビリティレポート2022」の開示から計算方法を一部見直しております。
4 目標は2019年度比となります。国内子会社2社(太平洋産業株式会社、ピーアイシステム株式会社)を含んでいません。
5 CO2排出量算出時の排出係数は、日本国の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を採用しております。
6 国内の廃棄物排出量について、マテリアルリサイクルおよび一部拠点の廃棄量が開示データに含まれていなかったため、国内の2030年度排出目標値を見直し、グループ統一の目標といたしました。
7 太平洋工業グループ行動ガイドライン調査項目に人権に関する項目を含め、アンケート調査を実施しております。米国子会社3社(PACIFIC MANUFACTURING OHIO,INC.、PACIFIC MANUFACTURING TENNESSEE,INC.、SCHRADER BRIDGEPORT INTERNATIONAL,INC.)の技能員数、中国子会社1社(天津太平洋汽車部件有限公司)、台湾子会社(太平洋汽門工業股份有限公司)の技能員数(監督者除く)、および欧州子会社(SCHRADER SAS)、国内子会社(太平洋産業株式会社)の従業員数は分母に含まれていません。現在、新しい目標を策定中です。
8 正社員の自己都合退職者を対象としており、定年退職者は除いております。
9 労働災害による死傷者数(休業災害)÷延べ実労働時間数×1,000,000。臨時、派遣社員を含んでおります。
10 OJTは含んでいません。
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