企業大黒屋ホールディングス東証スタンダード:6993】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの基本方針は、粗利益率及び在庫回転率の最大化を目的とし、市場環境に応じて適正在庫を管理し、適正価格で販売することにより限界収益の極大化を図ることにあります。その中にあって、中古ブランド品の流通は越境ECをはじめ全世界的規模で拡大し、当社グループが展望していた通り、中古ブランド品事業の物品はその物流がグローバルに展開しております。

 かかる状況下、当社グループのビジネスモデルは、CtoBの商品買取を基本とし更にBtoCの商品販売を展開することにより、一般顧客より高く買取り、その都度市場状況を判断し、在庫リスクを極小化しつつ、在庫回転率を最大化することで商品リスクを回避して顧客に商品を提供してきております。更に不況期に強い安定的な収入が期待できる質屋業を併営しており、併設している質料収入及び上記適正在庫管理、収益管理に努めております。

 当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクの高まりによる資源価格の高騰や世界的な金融引き締め等による景気の下振れリスク等を抱えており、不透明な状態が続いております。わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけ変更による行動制限・入国制限の解除に伴う国内経済需要及びインバウンド需要の回復により、経済活動の正常化が進みました。また、賃金の上昇や日経平均がバブル期を超え4万円に達するなどプラスの状況も見られた一方で、国内における人件費増加や急激な円安の進行で物価高が進み、実質賃金は23ヶ月連続でマイナスになるなど厳しい景気の状況は続いているところです。

 古物売買業界の事業環境は、持続可能な世界を目指すSDGs推進によるリユース意識の高まりや円安による物価高により需要の拡大が見込まれております。また、インバウンド復活もあり、買取・販売が増加しつつあります。

 当社グループでは、買取・販売の増加が見込まれることに伴い、今後の新たな収益機会に備えた体制を整え、攻めの経営を展開していきたいと考えております。

 このような環境の中、今後の当社グループの連結収益の改善及び経営基盤の強化を図るために対処すべき課題とその対処方針は以下のとおりであります。

①オンライン買取販売事業の強化

 当社グループの経営戦略の一環として、オンライン事業拡大方針の下、EC事業を強化して参りました。社会全体のSDGs推進によるリユースへの意識の高まりや円安による物価高により需要の拡大が見込まれる中で、グループを挙げて継続的かつ積極的に取り組んでおります。2020年11月に、ECサイトを一新し、システムによる情報の一元管理と店舗及びEC上の顧客を一元管理することにより、顧客ニーズにあった商品やサービスの提供及び業務効率化のシステムが再構築されました。今後も、(a)顧客にわかりやすいECサイトの構築、(b)EC掲載商品点数の向上、(c)EC広告の効率改善運動に引き続き取り組んでいくとともに、このシステムをベースとした、グローバル化の一環である英語・中国語による買取販売を更に強化して参ります。

 また、買取販売事業の業務効率化及び顧客利便性向上のため、AIを駆使したデータベース分析に基づき、オンラインによる、(a)グローバルでの中古ブランド品価格の適正化、(b)商品区分の整理の自動化による消費者の当社サイトへの商品掲載の容易化、(c)真贋鑑定の強化を推し進めて参ります。

②質屋事業の強化

 新型コロナウイルス感染症流行の際には、庶民金融である質屋業が個人の逼迫した資金ニーズを賄うものとして改めて再認識されました。この状況の下大黒屋では創業以来77年で培った「質の大黒屋」としてのノウハウを活用して、顧客ニーズに応えるべく値付・真贋のできる店舗スタッフを育成・強化するとともに、来店できない顧客には訪問質預かりで対応する等顧客の要望に応えて参りました。質屋業界最大手として今後も更に庶民金融の一翼を担って参ります。

③相場変動への適時対応、適正価格での在庫保有

 当社グループを取り巻く古物売買業界の事業環境は新型コロナウイルス感染症流行下のリベンジ消費、物価高や急激な円安、米国のインフレと金利引上等、景気動向の不透明感から、古物ブランド品の価格相場の混乱を招いています。一方で、一昨年10月11日より渡航制限が撤廃され、更に昨年8月10日より中国人団体旅行が解禁になったことに伴い、インバウンド客の増加が現実になっております。

 この状況下、大黒屋では、CtoBの商品買取を基本とし、更にBtoCの商品販売を展開する際に、相場変動への適時対応やシステム内に構築された価格データを駆使して、一般顧客よりも高く買取り、他の顧客に安く販売するというビジネスモデルを展開していきます。特に、バッグにおいては在庫回転期間が30日以内で推移していますので、引き続き相場の状況を注視しながら余剰在庫を削減し、適正価格による在庫の確保を進めて参ります。

④電気事業の事業構造改革の実施

 電気事業については、生産体制の更なる効率化や製品の統廃合や在庫管理の強化により製造原価の逓減を進め、結果として利益率が向上して参りました。今後も引き続きお取引先に理解を得ながら不採算製品の削減や在庫圧縮を徹底するとともに、製造間接費の更なる削減を実施して参ります。

⑤キャッシュ・フロー重視の経営と経営基盤の拡充

 質屋、古物売買業の強化、電気事業の抜本的な事業構造改革及び本社経費の削減等により、営業利益拡大を図るとともに、事業リスクを逓減させ投資の回収を図り、キャッシュ・フローを重視した経営を進めて参ります。

⑥異業種との業務提携

 大黒屋の店舗施策においては、昨年9月に、エキュート上野店「GOOD LOOP」by DAIKOKUYAを出店するとともに、株式会社パルコの協力を得て、昨年3月に吉祥寺パルコ店、9月に静岡パルコ店、本年1月に仙台パルコ店を出店しました。今後も、異業種と新たな店舗展開に取り組むことで持続可能な地域・社会づくりに貢献して参ります。

 また、昨年11月30日付で、大黒屋は、LINEヤフー株式会社(以下「LINEヤフー」という。)との間で業務提携契約を締結し、その共同施策として、「LINE」上で中古ブランド品を買取り、「おてがるブランド買取」の名称で「Yahoo!オークション」に出品し、落札結果に応じてお客様に還元する新サービスの概念実証(POC)の取組を開始することといたしております。当連結会計年度はLINEヤフーとの慎重な協議調整を行ってきたところであり、次期の概念実証の開始を目指してまいります。

⑦次期の見通し

 次期におきましては、中国訪日客数について中国経済不況の影響はありますが、日本の円安状況が生じており、他国も含めてインバウンド客数は増加すると考えており、中国以外の訪日客も含めて、大黒屋の利用を促すよう努めて参ります。また、この状況を踏まえながら、資金調達に努め、在庫量の増を図って参ります。

 大黒屋とLINEヤフーが締結した業務提携契約に基づく共同施策を開始することを予定しております。これは、「おてがるブランド買取」の名称で、LINEヤフー社が運営する「LINE」上で中古ブランド品を買取り、「Yahoo!オークション」に出品し、落札結果に応じてお客様に還元する新サービスの概念実証をするものです。この新サービスは、大黒屋がこれまで培ってきた中古ブランド品買取販売のノウハウ、AI技術に基づく画像鑑定技術、ダイナミックプライシングのノウハウ、AI技術による機械学習を活用した自然言語処理に基づくチャットボット並びにAI技術に基づく e-commerce のグローバルなデータベース及び在庫連動システムなどを活用して開発したシステムです。このシステムにより、AIによる即時査定が可能となり、チャットボットによる自然なやり取りで、簡易査定から買取申込までLINE上だけで完結するようになります。このLINEを通して大黒屋が買取ったブランド品等については、「Yahoo!オークション」に出品され、高額落札された場合には、落札額に応じた一定割合をお客様に還元します。多くの国民になじみの深い「LINE」と「Yahoo!オークション」のプラットフォームに載せることにより、中古ブランド品等の買取に対する抵抗感を和らげて、広範な国民に対する行動変容を促すことが期待されます。もっとも、現在は概念実証の段階にとどまることから、現時点において、次期業績への影響は軽微と見込んでおります。

 また、この大黒屋が開発したAI買取査定サービスを、今後他の店舗やECを有する提携企業に拡大していくことを通じて、大黒屋の買取窓口の多角化を実現し、当社グループの中長期的な企業価値の更なる向上につなげていきたいと考えております。

 更に、当社グループでは新たな成長戦略の一環として、オンライン事業拡大方針の下、EC事業を強化して参りました。社会全体のSDGs推進によるリユースへの意識の高まりや円安による物価高により需要の拡大が見込まれる中で、当社がグループをあげて継続的かつ積極的に取り組んでおります、(a)顧客にわかりやすいECサイトの開発、(b)EC掲載商品点数の向上、(c)EC広告の効率改善活動を一層進めて参ります。

 買取販売事業の業務効率化及び顧客利便性向上のためAIを駆使したデータベース分析に基づきオンラインによる(a)グローバルでの中古ブランド品価格の適正化(b)商品区分の整理の自動化による消費者の当社サイトへの商品掲載の容易化(c)真贋鑑定の強化を推し進めて参ります

 以上の状況を踏まえ、次期の令和7年3月期(令和6年4月1日~令和7年3月31日)は次の通り見込んでおります。

 令和7年3月期連結業績見通し(令和6年4月1日~令和7年3月31日)

〔連結〕                                (単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常損益

親会社株主に帰属する当期(四半期)純損益

第2四半期

5,775

50

△63

△164

通期

15,887

648

395

   11

 本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

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