大林組 【東証プライム:1802】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営の基本方針
長期的な視点に立った会社経営を基本に、経営の効率化と収益力の向上によって、企業価値をより高めていくことを目標としており、その実現を通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーの信頼と期待に応えられる経営を目指している。
(2)経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境
当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載のとおりである。
② 対処すべき課題
ア 大林グループ中期経営計画2022「事業基盤の強化と変革の実践」
当社グループは、新型コロナウイルスによる人々の行動様式や価値観の変容、カーボンニュートラルやウェルビーイングへの取り組みのグローバルな加速などの事業環境の変化や中期経営計画2017の継続課題を踏まえ、企業理念である「持続可能な社会の実現への貢献」に向けて、2022年度より5か年計画「大林グループ中期経営計画2022『事業基盤の強化と変革の実践』」をスタートした。
(ア) 大林グループ中期経営計画2022策定時の経営環境と経営課題
(イ) 大林グループ中期経営計画2022の全体像
イ 中期経営計画2022の進捗状況
(ア) 2022年度実績と2023年度見通し
| 2022年度 実績 | 2023年度 見通し |
| 中期経営計画2022 経営指標 |
連結売上高 | 1兆9,838億円 | 2兆2,800億円 |
| 2兆円程度 |
連結営業利益 | 938億円 | 740億円 |
| 1,000億円以上 |
1株当たり当期純利益(EPS) | 108.34円 | 76.71円 |
| 100円以上 |
投下資本利益率(ROIC) | 4.9% | 3.7% |
| 中長期的に5%以上 |
(参考) 自己資本当期純利益率(ROE) | 8.0% | 5.4% |
| 中長期的に8%以上 |
自己資本配当率(DOE) (1株当たり配当額) | 3.1% (42円) | 3.0% (42円) |
| 3.0%程度 |
自己資本比率 | 38.2% | 38.8% |
| 40%程度 |
<建設物価の高騰等の影響について>
ロシアのウクライナ侵攻に伴うグローバルサプライチェーンの混乱や円安の影響等により、原材料価格やエネルギー価格が高止まりし、建設物価が過去に例を見ないほど高騰した。
この結果、物価高騰前に内定した工事等において購買段階での対応や発注者との交渉等において物価高騰の影響の全てを吸収することが困難になったことなどにより、完成工事総利益の水準が低下した。この影響は当該工事の進捗に応じて、当事業年度だけでなく、2023年度の完成工事総利益率を押し下げる要因にもなっている。
(イ) 建設物価高騰などの事業環境変化への対応
建設物価高騰など事業環境の変化への対応として、当社グループでは以下の対応に取り組み、収益向上等に努めている。
事業環境の変化 | 当社の取り組み |
建設資材価格の高騰(マイナス要素) | ・建設資材価格の高騰を見積・契約条件に反映した受注活動 ・海外調達を含む全店調達の推進によるスケールメリットを活かした調達力強化 ・手持工事の損益管理の徹底 ⇒これらの取り組みにより、建設資材価格高騰以降の工事における受注時利益率は一定水準以上を確保している状況 |
地政学リスクの高まり等を背景とした製造拠点の国内回帰の動き(プラス要素) | ・工事収益向上等に寄与する受注ポートフォリオの最適化 ・DX・ICTを活用した生産性・施工キャパシティ向上策の推進 |
カーボンニュートラル・木造木質化の需要増加(プラス要素) | ・カーボンニュートラル・木造木質化需要に対応するソリューション体制の強化(専門部署の増強等) |
ウ 中期経営計画2022に基づく具体的な取り組み事例
中期経営計画2022における3つの基本戦略に基づく具体的な取り組み事例は、次のとおりである。
(ア)「建設事業の基盤の強化と深化」の取り組み事例
<生産性向上・品質確保への取り組み>
国内の高速道路の約7割が建設から30年が経過し更新需要拡大への対応が求められる中、各フェーズにおける作業の自動化や省力化、デジタルツインを用いた施工シミュレーションの導入などを実現し、生産性向上に加え不具合の未然防止や高品質確保に寄与する橋梁リニューアル統合管理システム「OBRIS®(オブリス)」の開発・適用
(イ)「技術とビジネスのイノベーション」の取り組み事例
<木造・木質化への取り組み強化 - Circular Timber Construction®の実現にむけて>
森林の育成から加工・調達、木造・木質化建設、バイオマス発電やリユースに繋がる循環型ビジネスモデル「Circular Timber Construction®(サーキュラー・ティンバー・コンストラクション)」の構築
(ウ)「持続的成長のための事業ポートフォリオの拡充」の取り組み事例
<既存事業領域で培った技術・ネットワークを活かした新領域事業会社の設立>
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企業内物流等の自動化・省力化ニーズが高まっている中、自律作業ロボットを活用した自律化・省人化ソリューションを提供する「PLiBOT(プライボット)株式会社」を設立した。 運搬だけでなく清掃や警備など多様なタイプの自律作業ロボットと顧客所有設備を一つの統合制御プラットフォームにつなげることで自律作業の一元管理を可能とし、顧客の課題に寄り添ったソリューションを提供していく。 |
| 建物設備のデジタル化に対応したスマートビルへのニーズが高まっている中、当社と株式会社日立ソリューションズとの合弁会社「株式会社オプライゾン」を設立した。 建物オーナーが長期にわたって安心できる運用サービスをワンストップで提供することにより、スマートビル化に必要な「建設」「設備」「デジタル」「システム」すべてを融合したサービスプロバイダーのリーディングカンパニーを目指している。 |
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