大東銀行 【東証スタンダード:8563】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当行では、「共創力と提案力で地域の豊かな未来を実現する」を経営理念として掲げ、その実践に努めることで、企業価値の向上に取り組んでおります。地域金融機関として、地域のお客さまとより良い関係を構築していくことは重要なことと考えております。こうした関係性を基本とし、お客さまの良きパートナーとして、様々な悩みに対してその解決策を真剣に考えご提案することで、共に新たな価値を創造してまいりたいと考えております。このような取組みを通じて、地域の豊かな未来を創造してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
[経営環境]
当期におけるわが国経済は、コロナ禍からの回復が続く中で、企業経営は総じて改善が続きました。個人消費についても概ね持ち直しの動きが続きましたが、物価上昇等の影響により、一時持ち直しの動きに足踏みが見られました。また、世界的に金融引き締めが継続する中、わが国においては2%の「物価安定目標」の実現と安定的な持続を目指すという観点から、本年3月に金融政策の枠組みの見直しを決定しました。
当行の主たる営業基盤である福島県の経済動向をみますと、個人消費は緩やかな回復が続きました。設備投資はコロナ禍で見送られた投資が再開され、緩やかな持ち直しの動きが見られました。住宅投資は建設コストの上昇等を背景に減少が続いておりましたが、足元下げ止まりの動きが見られております。
[当期の経過及び成果]
当期は、「企業価値の更なる向上により、持続可能な経営基盤を確立する」という経営姿勢を掲げ、「第6次中期経営計画」(2023年4月~2026年3月)をスタートさせました。
(法人コンサルティングの取組み)
原材料価格の高騰や人手不足等の影響が懸念される中、事業を営んでおられるお客さまに対しては、資金繰り支援に加え、補助金情報の提供や申請支援の対応を強化するなど、お客さまの実態を踏まえた支援に取り組んでまいりました。また、お客さまが抱える経営課題や地域の産業構造変革に対応するため、事業承継・M&A、ICTコンサルティング、SDGs取組み支援、事業再生支援等にも積極的に取り組んでまいりました。
(資産形成支援の取組み)
個人のお客さまに対しては、新NISA制度への対応として投資信託ラインナップの充実を図りました。また、住宅ローンについて、東京ローンセンター開設による新たなマーケットの開拓と、若年層の住宅取得ニーズへの対応として取組期間最長50年へ商品改定を行いました。
(人財活躍促進の取組み)
年齢や性別にとらわれない多様な人財の活躍を促進するため、人材育成環境の整備に継続的に取り組んでまいりました。当事業年度は、お客さまサービスの一層の向上と生産性向上を両立させるため、若手職員の積極登用、女性活躍促進、育児支援、ワークライフバランスの拡充を盛り込んだ人事制度の全面的な改定を実施しました。また、働きやすい職場環境の創出や生産性向上に向け、従業員及びその家族の健康の維持・増進に取り組み、その結果、経済産業省が実施する健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人2024」の認定を受けました。
(サステナビリティ経営に向けた取組み)
当行グループでは、経営理念に基づく企業活動や気候変動等の環境問題など地域社会を取り巻く様々な課題の解決に向けた活動に取り組むため、「サステナビリティ方針」を制定しております。その中で、「地域経済・社会」、「ダイバーシティ」、「金融サービス」、「環境保全」をSDGs目標達成のための重点テーマとし、ESG経営を念頭においた活動を展開しております。今後もそれらの活動を通し、地域の発展と企業価値の向上の両立を目指す持続的経営に努めてまいります。
こうした取組みを客観的に評価する指標として、いくつかの経営指標を掲げておりますが、その達成状況は次のとおりであります。
〔目指す経営指標〕 第6次中期経営計画 2023年5月12日公表
目標項目 | 到達目標 | 2023年度実績 |
コア業務純益(除く投資信託解約損益) | 最終年度30億円以上 | 27.7億円 |
当期純利益(単体) | 毎期12億円 | 12.1億円 |
ROE(当期純利益ベース) | 毎期3.5%以上 | 3.42% |
[環境認識及び対処すべき課題]
当行を取り巻く経営環境は、地域の人口減少等の構造的な問題が残る中、デジタル化やサステナビリティの進展など、長期的な社会構造の変化が進んでいるものと認識しております。
足元では、コロナ禍からの回復が続く一方、原材料価格やエネルギー価格の高騰、人手不足等により企業経営への影響に対する懸念が高まっている状況にあります。
このような状況の中、国、地方自治体、金融機関が一体となって地域経済を支えていくことが重要であるとの認識のもと、当行は営業地域における金融仲介機能発揮のほか、お客さまが抱える課題の解決に全力で取り組んでまいります。
また、課題への対応にあたっては以下の基本方針(パーパス)を徹底してまいります。
①顧客保護
・地域の方々の大切なご預金の運用としてふさわしい運用商品を選定します。
・融資の可否のみならず、お客さまの利益を考えた与信判断・アドバイスを実践します。
②競争戦略
・リスクやコストを戦略的にコントロールすることで質的優位の経営を目指します。
③実質主義
・名実が一体となるよう、実質本位の行動を実践します。
これらの取組みにより、企業価値を一層高め、これまで構築した経営基盤を持続可能なものとすることを目指してまいります。
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