企業兼大株主大日精化工業東証プライム:4116】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ共通

①ガバナンス

 当社グループは、企業理念と社是<必達>のもと、企業としての持続的成長と価値向上を目指した「CSR・ESG基本方針」を制定し、化学メーカーとして製品のライフサイクル全体において取り組むべき社会的な課題解決と事業成長の為の価値創出に向けた推進体制を整えています。

「サステナビリティに関する戦略と取組」は、代表取締役社長の直轄組織であり、サステナビリティ関連の責任部署であるCSR・ESG推進本部にて、マテリアリティ(重要課題)を特定し、マテリアリティ毎のリスクと機会の抽出、指標と目標の設定、及びその進捗管理を以下の当社のガバナンス体制にて行っております。

 マテリアリティに関しては後述「②戦略」の項をご参照ください。

CSR・ESG推進本部で立案された目標と施策は代表取締役社長の指示のもと実行部門にて対応しています。その実行結果は、四半期毎に各実行部門から内部統制に関する各委員会に報告され、監査されています。

 更に内部統制に関する各委員会から代表取締役社長及び取締役会に実行結果を報告し、監督・指示され、その結果は内部統制に関する各委員会と実行部門にフィードバックされています。

 当社グループでは、以上の体制で、サステナビリティに関する取り組みの全社的な計画立案・実行・管理・改善指示“PDCA”を推進しています。

 また、サステナビリティ関連業務に対する業績評価を、人事考課制度に組み入れ、給与に反映させる仕組みを運用しています。2024年3月期は、ESG課題の考課ウェイトを10%に設定しています。

「CSR・ESG基本方針」とその方針に基づく各種方針は当社グループのホームページにてご確認下さい。

URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html

②戦略

 当社グループは、企業理念と社是<必達>のもと、化学メーカーとして製品のライフサイクル全体において取り組むべきマテリアリティを以下のように特定し、マテリアリティ毎にリスクと機会の両面から当社の成長に必要な取り組みを前述「①ガバナンス」で述べた体制で推進しています。

2024年3月期からは、これまでの「環境負荷低減」の活動内容をより充実させ「生物多様性の保全」に変更し、後述の取り組みを進めてまいります。

③リスク管理

 当社グループのサステナビリティに関するリスク管理は、「3 事業等のリスク」で述べた考え方と体制で取り組んでおります。

④指標と目標及び実績

 当社グループでは、サステナビリティに関する指標と目標をマテリアリティ毎に設定し、実施状況を管理しております。

 下表に主要なマテリアリティをご説明いたします。

マテリアリティ

短・中期指標

目標

2023年3月期

実績

気候変動対策

地球温暖化対策

a. 国内のエネルギー使用に

伴うGHG排出量(Scope1・2)

a. 2024年3月期に2014年

3月期比で70%削減

a. 76%削減

(※1)

b. ESG貢献製品、省エネに寄与

する製品の売上高

b. 2024年3月期に2021年

3月期比で20%増加

b. 19%増加

c. 国内製造拠点のエネルギー

原単位

c. 対前年度比1%削減

c.4%増加

サーキュラー

エコノミー推進

d. 国内製造拠点の廃プラスチックのリサイクル率を改善

d. 2024年3月期に2021年

3月期比3ポイント改善

d. 3.2ポイント

改善

ダイバーシティ&

インクルージョン

e. 国内の新卒採用者の女性比率

e. 30%以上

e. 40.3%

f. 国内の有給休暇取得率

f. 70%以上

f. 70.4%

g. 国内の女性・外国人・中途

採用者の管理職比率

g. 2031年3月期までに2022年

3月期比6ポイント向上

g. 1ポイント

向上

(※1)Scope2はGHGプロトコル・マーケット基準にて算定

(2)気候変動への取り組み TCFD提言に沿った情報開示

①ガバナンス

 気候変動対応に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。

②戦略

 当社グループでは、気候変動に関する政府間パネル(以下、「IPCC」)が発表したIPCC第5次報告書、IPCC第6次報告書、及びIEA World Energy Outlook2020、当社グループの顧客、サプライヤーの対応情報を基にリスクと機会を分析し、対処すべきリスクとその対応策を進めています。

 また、2015年に開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で合意された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を求められている事から、その目的を達成する為に、温室効果ガス(GHG)の排出量を削減し、将来的には実質ゼロ・カーボンニュートラルとする脱炭素化が必須課題と認識しています。

 当社グループでは、代表取締役社長の指示のもと、サプライチェーンの一員として気候変動対策に貢献する為に、日本の脱炭素化に関する国際公約である、2030年度までに2013年度比で46%削減、更に50%削減という目標に加え、IPCC第5次報告書とIPCC第6次評価報告書及び環境省によるIPCC評価報告書の解説を基にリスク分析を行い、地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑える為の2℃シナリオ、更に1.5℃未満に抑えるための1.5℃シナリオ及び2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画の策定に取り組んでまいります。

 以下、想定シナリオです。

2℃シナリオ

想定概要

地球温暖化防止に向けた規制強化や地球温暖化防止に貢献する需要構造の変化が加速。自然災害の影響も現在よりも重視する必要があると想定。

4℃シナリオ

想定概要

地球温暖化が深刻化し、平均気温上昇による需要構造の変化と労働環境への影響が発生。大規模な自然災害による事業活動への影響が頻発すると想定。

 シナリオに基づく想定リスクとその対応策は以下のとおりです。

リスク分類

想定リスク

対応策

℃シナリオ

移行

リスク

炭素税導入による財務負担増

GHG排出量削減規制の強化

顧客からのGHG削減要請の強化

・適切な価格で再生可能エネルギーを調達する事で、GHG排出量の削減と財務面への影響を軽減させる

・継続的な省エネ対策の実施

化石資源由来の原材料調達が困難になる

・原材料の脱炭素化の開発を進める

需給構造の変化により商機を損失する

・業界動向を迅速に社内展開し、事業活動を強化する

物理的

リスク

自然災害によるサプライチェーン寸断による事業活動停滞の影響

・原材料調達地域、購入会社の分散化

・物流への影響軽減に備えた在庫管理

製造現場の作業環境の悪化及びそれによる設備投資額の増加

・作業環境改善と生産効率向上に寄与する効率的な設備投資を行う

℃シナリオ

移行

リスク

需給構造の変化に対応する製品開発力の強化

・業界動向、市場動向を迅速に社内に展開し、製品開発と事業計画に反映させる

物理的

リスク

大規模な自然災害による当社設備の損傷による事業活動停滞の影響

豪雨時の浸水による製品と原材料在庫の損失(想定額算出済み非公開)

・ハザードマップに応じた設備改修促進

・生産拠点の分散化

・豪雨災害時の有害物質の流出防止策

製造現場の作業環境の悪化を改善する為の設備投資増加

・製造現場の暑さ対策、人的負荷軽減の設備投資を行い生産効率の低下を防止

 シナリオに基づく機会分析と戦略は以下のとおりです。

 

想定機会

戦略(以下の製品開発と販売促進)

℃シナリオ

脱炭素化に貢献する製品の需要拡大

・車両のEV化、自動運転化の促進

・車両の軽量化促進

・電力インフラの需要拡大

・二次電池向け製品

・車両向けワイヤーハーネス関連製品

・車両の軽量に寄与する製品

・太陽電池向け製品

・CO2を原材料とするポリウレタン樹脂

サーキュラーエコノミーに向けた需要変化

・プラスチック資源リサイクルが加速

・バイオマス由来の製品需要が拡大

・軟包装材向け脱墨型インキ

・バイオマス由来原材料の樹脂ビーズ

・バイオマス由来原材料のインキ、接着剤

℃シナリオ

気温上昇による生活様式、需給構造の変化

・暑さ対策のための建築物の仕様変更

・飲料容器需要の拡大

・建築物の空調の省エネ向け遮熱塗料

・飲料用軟包装向けインキ関連製品

激甚自然災害に備えたインフラ強化事業の拡大に向けた製品の需要拡大

・電力、通信インフラの更新需要が拡大

・建築物の改修工事需要の拡大

・高速大容量通信線向け被覆材用着色剤

・建築外装材向け高耐候性塗料用色材

・高強度、高耐久繊維向け着色剤

③リスク管理

 当社グループでは、CSR・ESG推進本部にて、気候変動により生じるリスクについて、法令改正や業界動向の変化などによる規制強化や需給構造の変化を移行リスクと特定し、自然災害へのレジリエンス強化や温暖化の進行による労働環境の悪化を物理的リスクと特定しております。これらリスク内容は前述「②戦略」の項で述べたとおりです。これらの内容に応じてCSR・ESG推進本部から実行部門である各機構及び関係部署にリスク対応業務を指示しています。

 リスクの特定結果とリスク対応業務とその実施状況は、内部統制に関する環境委員会に四半期毎に報告され、取締役会にて年1回以上報告され、監督されています。

④指標と目標及び実績

 気候変動に関する指標と目標は、前述「(1)サステナビリティ共通 ④指標と目標及び実績 a. b. c. d.」に記述したとおりです。具体的な取り組み実績は以下のとおりです。

2022年3月期においては、省エネ対策として、太陽光発電設備の設置、ボイラーの運用改善、生産機械の高効率化、照明器具のLED化を実施すると同時に、買電を再生可能エネルギー由来の電力に切り換えることを進めました。併せて、インターナルカーボンプライシングに関する社内整備を進めました。

2023年3月期においては、東海製造事業所で稼働していたガスコージェネレーションによる自家発電をやめ、再生可能エネルギー由来の買電への切替えを実施し、より一層の脱炭素化を進めました。

 インターナルカーボンプライシングでは、炭素税単価を8,000円/t-CO2と仮定し、各製品に対する収益性への影響を分析し、その影響を回避するための販売価格の値上げの必要性を確認しております。

 また、国内グループにおけるScope3カテゴリー1~8の算定と開示を開始、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量における当社グループの影響度を把握し、削減に貢献できるように努めてまいります。

(3)人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用

①ガバナンス

 人的資本投資・人財育成及び人財の多様性の活用に関するガバナンスは「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。

②戦略

 当社グループでは、時代の変化と共に社会から求められる企業価値も変化している事を認識し、企業価値の向上と新たな価値の創出に向け、サステナビリティを意識したESG経営に取り組んでいます。

 新たな価値の創出には、新たな発想が必要であり、それには“人の力”が不可欠と考えています。“人の力”を引き出し、“人を育成する”ことで人は価値を生み出す企業の財産になるとの認識から、当社では「人材」ではなく「人財」と表現しております。

 当社グループの掲げる中期経営計画の目標達成に向けて、人的資本及び知的財産への投資と人財育成の重要性を認識し、2023年4月に以下の「人財育成方針」「社内環境整備方針」を制定しました。

 全社員が共通の目標をいだき、当社グループの成長と人財の成長との間に好循環を生み出し、エンゲージメントを高めてまいります。

a.「人財育成方針」

 大日精化グループは、企業の成長は人に拠って立ち、人の成長も企業に拠って立つという互いに切磋琢磨していく関係にあると理解しています。このため、財産である「人財」の育成は、企業価値の向上に必要不可欠であり、重要な経営課題のひとつと考えております。

 大日精化グループでは、「人に興味を持とう、新しいことに興味を持とう、未来に興味をもとう」という企業理念を礎として、従業員の多様性や仕事に対する考え方を十分に尊重しつつ、企業と人財が互いに高め合っていくビジョンを共有し、自らがありたい姿の実現に向けて、地道にかつ着実に、相互に磨き上げてまいります。

 更に「人財育成方針」を実現させるための「社内環境整備方針」を以下のように定めております。

b.「社内環境整備方針」

 大日精化グループは、人財育成方針を実現し、魅力ある会社となることを目指し、全社目標の達成に向けて社員ひとりひとりの能力を十分に発揮できるように、以下の社内環境整備に取り組んでまいります。

・世代を問わず自ら学ぶ姿勢を支援します。

・成果に対する適切な評価と対話を行います。

・社内・外との知識交流・文化交流の機会を創出します。

・達成欲求・貢献意欲を高める人事制度を推進します。

・多様性と価値観を尊重し、人財を活かせる人事制度を推進します。

・長く働ける職場環境整備と人事制度を推進します。

c.戦略と人的資本、知的財産(知恵・経験・人脈)の連携

 当社グループの掲げる中期経営計画の基本戦略の実現に向けて、人的資本及び知的財産の投資と活用は、競争優位性確保を実現するイノベーションの創出に不可欠な取り組みです。必要な人的資本と知的財産の現状を把握し、企業文化としての定着促進などの視点を踏まえ、以下のような取り組みを行っています。

 現・中期経営計画(2021年8月開示)に基づく手段と取り組みは以下のとおりです。

 各テーマの指標と目標は事業の状況を鑑み、適宜見直しを行ってまいります。

 経営戦略:技術主導による競争優位性確保

実現のための手段

取り組み

・技術者の採用強化

・技術者の育成

・知財の獲得及び知財の市場ニーズへの展開

・魅力ある研究テーマの創出

・処遇水準、処遇制度の柔軟な運用

・研究開発費の強化

・研究施設(産学連携)、職場環境の充実

・スキル発揮を主軸とした人事評価制度の運用

・技術者をハブとした社内、外との情報交換促進

・知財戦略の積極的展開

 経営戦略:海外事業拡大に向けた事業基盤の強化

実現のための手段

取り組み

・海外営業力の強化

・外国人や海外駐在経験者の中途採用強化

・海外ビジネススキル向上の機会の提供

・多様性を認め合う企業風土づくり

・海外法人の経営能力の強化(育成)

・海外ビジネススキル、ノウハウの蓄積・継承

 経営戦略:国内の労働人口減少に対する生産性確保

実現のための手段

取り組み

・成長する人財の確保

・熟練者による知識や技能の継承

・年齢、性別、国籍、宗教に対する偏見を排除する

社風の維持向上

・即戦力となる中途採用の推進

・技能継承のためのベテラン社員の活用

・IoT、DXを活用した労働生産性の向上、属人化からの脱却を推進

・新しい働き方に必要なスキルの獲得:リスキリング

・製造現場の労災防止

・現場リーダーの育成

・労働安全衛生の管理強化

③リスク管理

 当社グループでは、社会全体がサステナブルな成長を達成するためには、人財育成と多様性の活用を進めると同時に人権に配慮した事業活動、製品の提供が必要であると認識しております。

 当社グループでは、以下に述べる取り組みを通して、サプライチェーンパートナーと共に価値を創出し、サステナブルな成長を目指してまいります。

a.人権尊重に関する取り組み

ⅰ)「人権方針」

 当社グループでは、基本的人権尊重の原則を定めた「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の定めた「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、国連の定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「国連グローバル・コンパクト10原則」などの人権に関する国際的な規範を支持、尊重し、「CSR・ESG基本方針」に基づき「人権方針」を定め、人権尊重に関する取り組みを推進しております。

「人権方針」は当社グループのホームページにてご確認下さい。

URL:https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html#no01

ⅱ)プロセス

ⅲ)人権デュー・ディリジェンス

 当社グループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、自らの事業活動に関連した人権に対する負の影響を特定し、その予防と軽減に努めてまいります。

ⅳ)体制

 当社グループでは、人権尊重のみならず、コンプライアンスの徹底に向けた推進体制を整えています。

 人権尊重に関しては、公益通報者保護法第7条第3項第1号及び第2号に基づき、「内部通報規程」を制定し、人権リスクの発生防止と早期発見、早期是正に努めています。その取組状況は、総務・人事本部の担当取締役を委員長とするハラスメント防止委員会にて確認しております。

 詳細は以下のサイトにてご確認下さい。

https://www.daicolor.co.jp/csr/basis/index.html

ⅴ)教育

 当社グループでは、人権の尊重、法令や社会規範の順守はもとより、高い倫理観と良識を身に付け、人権リスクの発生防止の為に、コンプライアンス研修と管理職を対象としたハラスメント防止研修を行っています。その研修結果は取締役会に報告、指示を受けています。

ⅵ)通報・評価

 当社グループでは、法令違反、社会規範に反する行為等の不適正行為の早期発見、早期是正に向けて、公益通報者保護法第7条第3項第1号及び第2号に基づき、「内部通報規程」を制定し、その規程に基づき指名した「企業倫理ホットライン窓口」を設置しています。窓口は、当社の従業員による「CSR・ESG推進統括部窓口」、当社の監査役による「監査役窓口」、当社から委託した法律事務所の弁護士による「外部窓口」の3種類を設けています。各窓口に通報された事案は直ちにCSR・ESG推進本部長に報告され、「内部通報規程」にて選任されている調査業務従事者による調査と評価が行われます。

 これらの取り組みの結果、重大な人権リスクは発生しておりません。

b.パートナーシップ構築宣言

 当社グループでは、サプライチェーンの様々な企業との新たな価値を創出し、共存・共栄を目指すと共に、取引先との適切な関係を維持するために、2023年3月1日にパートナーシップ構築宣言に登録いたしました。

 当社グループの積極的に取り組む個別項目は以下の2項です。

・オープンイノベーションによる企業間の連携

・脱炭素化社会の実現に貢献する製品の拡販、生産工程等の脱・低炭素化によるグリーン化の取組み

 詳細は以下のサイトにてご確認下さい。

https://www.biz-partnership.jp/declaration/23418-05-08-tokyo.pdf

c.マルチステークホルダー方針

 当社グループでは、様々なステークホルダーとの協働により生み出された収益をステークホルダーの皆様に適切に分配し、共に成長していく事を目指して、2023年3月1日にマルチステークホルダー方針を制定しました。

 従業員に対しては、積極的な人財育成と適正な賃金の引き上げによりエンゲージメントの向上に取り組むと共に、取引先の皆様に対しては上記のパートナーシップ構築宣言に沿った取り組みを進めてまいります。

 詳細は以下のサイトにてご確認下さい。

https://www.daicolor.co.jp/csr/policy/index.html

④指標と目標及び実績

 当社グループでは、多様化する社会のニーズに対する経営戦略において、異なる経験・経歴、技能、属性を持つ者を幅広く採用し、「人財の化学反応」を早期に起こすことを優先すべきとの観点から、人財育成方針、社内環境整備方針、マルチステークホルダー方針等に沿って、性別、国籍、採用時期等の区別なく積極的に採用の機会を設け、仕事に対する考え方、思いも十分に尊重した人事配置とジョブ・ローテーションにより、従業員に活躍の場を平等に提供しております。

 その結果、女性・外国人・中途採用者の比率は着実に増加しており、特に、女性社員の比率、就業年数、管理職・中核人財への登用の比率が確実に伸びてきておりますが、女性・外国人・中途採用者に固執することなく優れた社員を管理職に登用するべきであり、属性別に数値目標を掲げることは寧ろ機会平等に反する結果になりかねないとの方針により、現状では、敢えて、女性・外国人・中途採用者ごとの目標は設定しておりません。このため、女性・外国人・中途採用者を合計した数値で管理職登用の中期目標を定め状況をモニタリングしておりますが、今後の進捗状況等も勘案し、個別数値目標を設定することも課題として認識しております。

 人財の多様性及び女性活躍推進に関する開示 指標と目標及び実績(集計範囲:当社国内グループ)

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律

(以下、「女性活躍推進法」)の開示項目(指標)

当社の目標

2023年3月期

実績

区分

項目

女性活躍推進法の開示

項目(指標)

新卒採用者に占める

女性の比率

2026年3月期までに新卒採用者に

占める女性正社員比率30%以上

40.3%

職業生活と家庭生活の

両立

有給休暇取得率

(役員、海外赴任者除く)

2026年3月期までに正社員の有給

休暇取得率70%以上

70.4%

男女の賃金の

差異

区分

大日精化工業㈱

浮間合成㈱

ハイテックケミ㈱

大日カラー・

コンポジット㈱

全労働者

69.8%

63.6%

56.6%

63.0%

うち

正社員

70.9%

62.4%

73.9%

62.5%

うち

パート・

有期社員

63.7%

72.1%

62.8%

53.4%

 男女の賃金の差異:女性の平均賃金÷男性の平均賃金(%)

 対象期間:2022年4月1日から2023年3月31日

 賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当を除く

 正社員:当社から社外への出向者は除き、社外から当社への出向者を含む

 パート・有期社員:期間工、パートタイマー、嘱託を含み、派遣社員を除く

(補足説明)

 基準外賃金を除いた正規社員職階(※)別男女の賃金差異の平均値

男女の賃金の

差異

C1

C2

C3

C4

C5

101.3%

93.8%

96.9%

93.2%

91.8%

※新卒入社者はC1に格付けられ、C5が管理職層となる

 当社のキャリアパス制度は職階制を用いております。各人が担う役割や責任を負う層ごとに区切った上で、所定時間外労働や休日労働に起因する賃金を除いて比較すると、大きな差は存在しません。

 当社では、「賃金は労働の対価である」という原則に基づき賃金制度を運用していることから、賃金の設定・支給について性別を理由とする区別は設けておりません。

(4)生物多様性の保全に関する取り組み

 生物多様性の保全に関する考え方

 当社グループでは、事業活動による生態系への負荷を最小限に抑えるために、事業活動が生物多様性の保全に与える影響をTNFDの枠組みの素案に基づき製品のライフサイクル全般においてリスクと機会の両面から把握し、TCFDと相互に連携させ、当社技術を活かして生物多様性の保全と持続可能な利用に貢献する価値の創出に努める事が重要であると認識しています。

 その実現に向けて、揮発性有機溶剤や特定化学物質の使用により生じる大気汚染や水質汚染等の環境負荷軽減に向けた自らの管理活動と当社グループの製品使用段階で生じる環境負荷軽減に貢献する製品開発の両輪で推進してまいります。

 また、当社グループが現在加盟しているクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)をはじめとするイニシアティブへの参加や事業所の近隣地域コミュニティーとの協働作業にも積極的に参加し、生物多様性の保全と再生に努めていまいります。

①ガバナンス

 生物多様性の保全に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」で述べたとおりです。

②戦略

 当社グループのライフサイクルにおけるリスクと機会を以下の様に特定し、取り組んでおります。

ライフ

サイクル

リスクと機会

当社グループの取り組み

原材料調達

リスク

生態系の破壊や貴重な種の絶滅を防止、保全するために植物や鉱物の採取の制限が生じる

購買方針に基づき、生態系に悪影響を与える事が確認されたサプライヤーからの原材料調達を停止する

水リスク地域における揚水量の制限が生じる

冷却水の循環利用に努め、揚水量を削減する

機会

貴重な資源の枯渇防止に繋がる製品の市場価値が高まる

汎用原材料を使用してレアメタルの代替品となる製品の開発を検討する

製品開発

製造・物流

リスク

水系の生態系の保全のために、工場からの排水管理の規制が強化される

工場の排水処理設備の管理を徹底し、水系の生態系への負荷を低減させると共に保全に努める

水系、特に廃プラスチックによる海洋汚染防止の為に廃プラスチックのリサイクルを促進する

大気汚染に繋がる有害物質を含む原材料、資材の使用に関する規制が強化される

当社製品の製造工程で発生する有害物質(主に揮発性有機溶剤)や温室効果ガスを低減させると共に保全に努める

機会

有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる

お客様から大気系に排出される有害物質(主に揮発性有機溶剤)や温室効果ガスを減らせる製品の開発と販売を促進する

お客様の工場から水系に排出される有害物質を低減できる製品の開発と販売を促進する

廃プラスチックによる水系の汚染防止の意識が高まる

水系での生分解性プラスチックの開発を促進する

その他

リスク

過去に発生した当社グループ敷地内の土壌汚染物資が拡散する

土壌汚染が確認された事業所では、直ちに行政と協議の上、汚染の拡散防止対策と浄化作業に着手している

機会

当社グループの事業所外の近隣地域の生態系の保全活動を行い、社会的な価値を高める

近隣のコミュニティーと協働し、事業所周辺の美化活動、緑化の支援、水系の保全活動を推進する

 想定機会と注力事業は以下のとおりです。

想定機会

注力事業(以下の製品開発と販売促進)

大気への有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる

・揮発性有機溶剤(VOC)の使用量を減らした水性塗料、インキ、ノントルエンインキ。

・塗工工程の乾燥段階で揮発性有機溶剤(VOC)の排出と乾燥エネルギー消費に伴うCO2排出量を削減できるUVコート剤、EBコート剤

水系への有害物質の使用量を減らした環境配慮型製品の市場価値が高まる

・化学染料を使用した繊維着色工程の排水による水系への環境負荷を避ける為に化学繊維の紡糸段階で着色する原液着色剤

廃プラスチックによる水系の汚染防止の意識が高まる

・プラスチックによる海洋汚染防止に寄与できる生分解性を有する樹脂パウダー、及び天然高分子素材(キチン、キトサン)

③リスク管理

 当社グループでは、CSR・ESG推進本部にて、生物多様性の保全に関するリスクについて、気候変動への取り組みと同様に法令改正や業界動向の変化などによる規制強化や需給構造の変化を把握し、リスクと機会を特定し、事業計画に反映させています。これらリスクと機会の内容は前述「②戦略」の項で述べたとおりです。

 リスク内容に応じてCSR・ESG推進本部から実行部門である各機構及び関係部署にリスク対応業務を指示しています。リスクの特定結果とリスク対応業務とその実施状況は、内部統制に関する環境委員会に四半期毎に報告され、取締役会にて年1回以上報告され、監督されています。

④指標と目標及び実績

 生物多様性の保全に関する指標と目標は、「(1)サステナビリティ共通 ④指標と目標及び実績 a. b. c. d.」で述べたとおりです。

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